シリア民衆との連帯を!

2013年8月30日

社会主義レジスタンス(第四インターナショナル・イギリス支部)
国際社会主義ネットワーク(ISN)


 この共同声明は、二〇一三年八月二九日に社会主義レジスタンスと国際社会主義ネットワークが採択したものである。国際社会主義ネットワーク(ISN)は二〇一三年初めに、元SWP(社会主義労働者党)党員によって結成された。(「インターナショナル・ビューポイント」編集部)

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 ▲ 介入ではなく連帯を!


 議会で政府の戦争推進決議が否決されたのは、重要な出来事である。労働党は保守党の決議に反対していたが、労働党も国連の武器査察官の報告を待つという条件付きの戦争支持決議案を提出していた。この決議案も否決された。このような投票結果は英国における反戦の気運を反映している。しかし米国に関しては、英国内の基地を使う戦争という可能性がある。

 バッシャール・アル・アサド政権は、シリア民衆に対するいっそうの残虐性をもって、毎日のようにますます多くの虐殺を行っている。それが市民居住区域への爆撃によるか、あるいは化学兵器によるかに関わらず、である。二年間にわたる独裁反対の決起の中で。人口二〇〇〇万人のこの国で一〇万人以上が死亡し、二〇〇万人が難民となり、多くの人びとが「住み家を失った」。 この悲劇は、われわれを恐怖と怒りで満たす。

 われわれは、シリアの民主主義をめざす運動への連帯の闘いを続けていく。われわれは残忍な独裁体制との闘いで命を失ったすべての人びとを追悼し、抵抗を継続しているすべての人びとに敬意を払う。

 しかし、帝国主義諸国の偽善もまたわれわれの怒りをかきたてている。かれらはこの悲劇に第一の責任を負うものである。かれらは人殺しのアサド独裁政権が権力の座にとどまるのを許容し、反乱に立ちあがった人びとが武器の欠乏に苦しむ一方で、アサド政権がロシアとイランから武器の供給を受けるのを許容してきたのである。かれらはシリア民衆の苦境にあたって民衆との固い握手をかわしているが、かれら民衆が自分たちを守る手段については拒否している。

 この二年以上にわたって、米国、フランス、イギリスは傍観し、対航空機・対戦車の防衛的武器を反対派の進歩的・民主主義的構成員に供与することを拒否してきた。それはアサド政権の転覆が、二〇一一年にチュニジアとエジプトで始まった革命を拡大・深化することになりかねないと危惧したためだ。同時にかれらは、サウジアラビアとその他の湾岸諸国が、シリア革命を宗派間戦争に変質させようとしてイスラム反動勢力を支持することを許容してきた。かれらはシリアにおける革命の勝利が、地域全体に拡大し、かれらの大きな脅威になりうることを知っている。

 今や英国、米国、フランスは、もう一つの「人道的介入」について討議している。それはかれら帝国主義の側が、化学兵器の使用に関する独占的権利を持っているとアサドに警告することに目標を定めた、軍事的攻撃である。

 われわれは最大の決意を持って、シリアへの外国からのいかなる直接的軍事介入にも反対し続ける。それが米英仏とその同盟国によるものであろうと、イランならびにその同盟国によるものであろうとも反対する。反乱勢力の中でこうした外国の軍事介入を支持している者は、大きな間違いをおかしている。われわれは、シリア民衆がアサド独裁体制から解放されるべきことを確信している。かれらの闘争が成功するためには、西側からの条件付きではない武器や人道的支援物資をふくむ、すべての必要な物質的援助をかれらは受け取るべきである。

 シリアを襲っている大規模な難民の危機を目の当たりにした西側諸国は、深い沈黙を決め込んできた。これは、難民と経済的移民に対する長期にわたるレイシズムとイスラム嫌悪の反映である。

 アサド独裁体制は、平和的で交渉による民主主義への移行への可能性をもたらす、あらゆる架け橋を焼き切ってきた。一方の米英両国、他方のロシアとイランも上からの解決の強制を望んでいる。それは体制を維持しながら、バッシャール・アル・アサドを取り除くという解決策である。

 われわれは、反乱勢力が帝国主義の手先だという暗示を拒否する。この反乱は、依然として抑圧からの解放のために闘う民衆による大衆的革命である。それはこの地域、そしてそれを超えた世界の大衆を鼓舞してきた「アラブの春」の核心的構成要素である。

 われわれは、イギリス、フランス、そして米国の「人道的介入」にも、イランとロシアによるアサド支持の介入にも反対する。われわれは、自らの解放のために闘っている革命的大衆の側に立つことを選び、とりわけこの革命の民主主義的・進歩的構成要素への連帯の意を表明する。

 われわれは「ストップ戦争連合」とともに、英仏米によるシリアへの介入に反対運動を継続し、シリア革命に対する実践的な救援物資と人道的援助を送る。またわれわれは、「革命は、この地域と世界の民衆的革命、そして無知と隷属と搾取を強制する体制と闘っているすべての戦士たち以外の、真の同盟者など持たない」と述べてきた革命的左翼潮流のようなシリアの社会主義者に連帯するものである。

帝国主義の介入反対!
アサド独裁体制と闘う革命に連帯を!
シリアの民衆に自らの未来の決定権を!外国の介入をやめろ!

(「インターナショナルビューポイント」二〇一三年八月号)