10.26アジア連帯講座:公開講座 

アベノミクスがねらう労働規制緩和-徹底批判!-


講師:遠藤一郎さん(全国一般全国協副委員長)

日時:10月26日(土)/午後1時30分

場所:文京シビックセンター地下1階・学習室(地下鉄三田線春日駅下車)

 安倍政権は、経済財政諮問会議のもとに産業競争力会議と規制改革会議を設置し、とりわけ労働分野について日本経団連が求める「労働分野の規制緩和」攻撃=「労働ビッグバン」を押し進めようとしています。今国会から一挙に加速化が予想されます。

 講座では遠藤さんを迎え、労働者の権利侵害と生活破壊のための「解雇自由」、派遣法改悪など政府・資本のねらいを暴き、徹底批判します。ともに「労働ビッグバン」を許さない闘いに向けて共に論議し、模索していきましょう。


 【以下は、遠藤さんが今年の宮城全労協メーデーの学習会「労働分野の規制緩和攻撃」の発言要旨です。】


13春闘総1「雇用制度改革」のターゲットとは

 産業競争力会議では、「雇用制度改革」について①「多様な労働契約(3年超の有期雇用、地域限定、職種限定、プロジェクト限定など)の自由化」②「地域限定、職種限定、プロジェクト限定」の社員をつくる③「過剰な派遣労働規制、有期雇用規制の見直し」を進める④「解雇ルールの明確化」を要求している。労働者の闘いを通じて解雇にはさまざまな制約や規制を加えてきたが、その歴史を反故にしようということだ。

 経団連は、「労使自治を重視した労働時間法制改革」で企業が労働者に労働時間管理をゆだね、その上【裏へ】でトータル何時間の労働と把握すると主張している。かつての「ホワイトカラー・エグゼンプション」(「残業代ゼロ法案」「過労死促進法案」)だ。ホワイトカラーの労働時間管理を外してしまえと経団連は、法案化を望んいる

 第2が解雇しやすいように勤務地限定、職種限定、プロジェクト限定の正社員をつくることだ。「雇用保障責任ルール」をつくって、「特定の勤務地ないし職種が消滅すれば契約が消滅する旨を労働協約、就業規則、個別契約で定めた場合には、当該勤務地ないし職種が消滅した事実をもって契約を終了しても、解雇権濫用法理がそのまま当たらないことを法定化すべき」と主張している。

 さらに「労使自治の尊重」では「特段の事情がある場合の36協定の特別条項に関する基準の柔軟な運用」とあり、「全体として1年の半分を超えない」という要件を緩和せよと主張している。会社の役員と「モーレツ社員」、そして会社の幹部予備軍たちが担っている大企業労働組合という構造にまかせておけば、いくらでも長時間の働かせ方ができる。経団連は「労使自治」にまかせろと言っている。

解雇自由のための「限定正社員」

 つまり「雇用制度改革」の攻撃の柱は、第1に「雇用維持型から労働移動型」へ政策をシフトさせることにある。具体的には中小企業への雇用調整助成金制度などの保護が淘汰をじゃまし、不採算部門の維持につながったから、そういうことは、もうやめようという構造改革路線の一環だ。これからは新しい雇用支援のための助成金は企業に回すという新しい労働力移動のシステムの構築をめざというのだ。いま、予算も含めて、実行されようとしている。

 第二は、「限定正社員」をつくって、解雇をしやすくする。労働者の同意が不要な、労働者に有無を言わせず強要できる制度だ。推進側は、労働審判で解雇が争われた実態を調査している。金銭解決の金額は10万円から20万円が40%だという。一回、あるいは三回程度の審判で決められる労働審判だから、金額は低く出るだろう。その「統計値」を「金銭解決」に適用しようという。これは「解雇自由」に道を開くだろう。

 たとえ裁判で負けても解雇するのが先決だと、労働組合攻撃の武器に使われることにもなるだろう。不当労働行為だ、組合つぶしだと言われようが、気にくわないやつは解雇すると。これが、いわゆる「解雇ルールの見直し」という向こう側のポイントだ。

 さらに「派遣法の規制緩和」「労働契約法、有期規制の撤廃」「女性の雇用機会の拡大」「労働条件不利益変更ルールの明確化」へと攻撃が続く。

 安倍首相は、「成長戦略」の重要項目として「女性」を取り上げ、育児休暇の3年への延長を強調した。ところが、3年延長には何の保障もない。実効性はまったくない。その前に政府はまず、パート労働法をきちっとやるべきだ。育児を語るならば、男にも等しく責任があることをはっきりさせるべきであり、その上で大幅時短にまじめに取り組むべきだ。

安倍政権の野望をはね返していこう

 以上、「第二正社員」や派遣法改悪、「解雇自由」の金銭解決を許してはならないなど、重点テーマを確認しながら、向こう側の狙いの全体像をとらえて反撃の道筋を立てていくことが必要だ。全労協は「労働ビッグバン」に対抗するプロジェクトを立ち上げ、闘いを進めている。「労働ビッグバン」を許さない闘いを労働運動は組織し、安倍政権の野望に反撃していこう。