DSCN4000 2月11日、反「紀元節」行動実行委員会は、日本キリスト教会館で「安倍改憲政権を許すな!2・11反『紀元節』行動」を行い、135人が参加した。

 安倍極右政権は、経済再生と称してアベノミクスによる「経済バブル」を作り出し、23年度予算案では福祉切捨てなど民衆生活破壊を強めつつ、軍事費増額、原発推進、ゼネコンのための巨額な公共投資と復興予算の編成でしかない。旧来の政官財利権構造を復活させ、利益誘導しながら集票マシーンをフル回転させ七月の参議院選挙で自民党候補の多数当選をねらっている。すでに自民党は、改憲、国防軍と日米軍事同盟の強化、領土主義、原発推進、国家主義教育を打ち出し、一気に押し進めようとしている。

 安倍政権と連動する右派勢力は、民衆統合装置の一環としての「天皇記念日」「行事」(国体、海づくり大会)を通して天皇元首化の流れを強めつつある。「建国記念の日」は、1967年、自民党政権が戦前の「紀元節」(初代神武天皇の即位)を引きついでデッチあげた「祝日」だ。政府式典は、2005年から諸批判と会員の高齢化で中止に追い込まれたが、神社本庁、日本会議などによる「日本の建国を祝う会」によって引き継いだ。

 今回も「建国記念の日 奉祝中央式典」(渋谷公会堂)を開催し、原宿表参道周辺をパレードしている(1500人)。式典決議では「新政権は、憲法改正など国家の根本に関わる問題に着手しつつある。誇りある国造りへ向けて、尽力することを誓う」と安倍政権を賛美し、その行動隊であることを意志一致している。産経新聞(2・11)にいたっては、式典について「自民党が政権復帰したことで『政府主催』に期待が膨らんでいる。臨機応変に今回、対応してほしかったが、来年はぜひ政府主催を実行してもらいたい」と圧力をかけているほどだ。

 実行委は、安倍政権と対決し、右派勢力の敵対を許さず天皇制解体に向けた陣形構築に向けて集会とデモを行った。



安倍政権批判



 集会は、4人の報告者から安倍政権批判が行われた。

 国富建治さん(反改憲運動通信)は、「自民党の『日本国憲法改正案』と安倍政権」というテーマから①自民党の改憲案の特徴②自民党案の独自性(近代憲法理念の根本的組み換え)を分析。

 改憲のテンポについて「自民党『政権公約』では『憲法改正草案』の国会提出をはっきりと謳っている。同時に『国旗損壊禁止法案』の提出も準備している。自公政権合意では『憲法審査会の審議を促進し、憲法改正に向けた国民的議論を深める』だけだった。一月二八日の安倍首相の所信表明演説でも改憲問題に触れなかった。しかし、代表質問での答弁では『九六条改憲から進める』と答えた。すでに『集団的自衛権』見直し論議の再開、『アルジェリア人質問題』を利用した自衛隊法改正、『尖閣』問題などを通して改憲への絶好の道具立てとして位置づけている。七月の参院選の結果によって、新しい政党再編の可能性がある。改憲の具体的スケジュールを加速させる可能性がある。改憲反対に向けた取組みを強化していこう」と呼びかけた。

 下地厚さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)は、一月二七日の「NO OSPREY 東京集会─オスプレイ配備撤回!普天間基地の閉鎖・撤去!県内移設断念!─」に沖縄選出の七人の国会議員、市町村首長、県会・市町村議員・議長ら一四〇人がオスプレイ反対の赤いゼッケンをつけて参加し、翌日、安倍首相に直訴を行ったことを報告。

 さらに「昨年一二月一八日、防衛省は、普天間基地の返還を名目とした沖縄の名護市辺野古に新たな基地建設をおこなうための環境 影響評価(アセスメント)の最終段階である補正評価書を
沖縄県に提出した。しかし五七九の問題点を指摘した知事意見に誠実に答えるものではなく、ずさんな補正評価書だ。安倍首相の訪米前に埋立申請し、日米首脳会談の手土産にしようとしている。二月二〇日には、このアセスの違法性・不当性を訴えてきた裁判の判決が下される。『辺野古の海を殺すな!公有水面埋め立てを許さない2 ・24集会』(午後三時四五分/町屋文化
センター)』でともに抗議していこう」と訴えた。



原発事故後景化キャンペーンを許すな



 福島原発事故緊急会議のUさんは、「三・一一追悼式典と責任問題」について「政治化と脱政治化のせめぎあい」の局面についてアプローチし、「三・一一福島原発事故が起こって反原発運動が広がり、人々が政治化しはじめた。安倍政権は、人々を再び『脱政治化』させるために『アベノミクス』によって吸収しようとねらっている。さらに国策として開発してきた原発の大事故による国家不信の高まりを、東シナ海の緊張を作り出すことによってナショナリズムに統合することも行っている。三・一一『東日本大震災二周年追悼式』に天皇・皇后が出席し、原発事故を後景化させ、事故被害は局所的であるというキャンペーンを強化しようとしている」と批判した。

 また、 福島県双葉町の現実を映したドキュメンタリー映画「フタバから遠く離れて」(舩橋淳監督)を紹介しながら「原発事故は日本の暴力犯罪だ。とことん責任を追及していこう」と訴えた。

 のむらともゆきさん(反天皇制運動連絡会)は、「警察国家体制の強化と右翼勢力」をテーマに①反原発運動/野宿者強制排除/デモ・集会規制の事例による大衆運動に対する強制支配②治安法(共謀在/秘密保全法/共通番号制)の制定・整備の急速な進行③社会全体にわたる「不安」と暴力化④警察の暴力と右翼団体、個人による暴力について報告した。

 連帯アピールが関西大弾圧救援会・東京の会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、やってる場合か!スポーツ祭東京(東京国体)実行委員会、日韓民衆連帯全国ネットワークから行われた。

 最後に「二・一一集会宣言」を採択し、デモに移った。デモは早稲田、新大久保一帯にわたって「紀元節はいらない!天皇制解体!」のシュプレヒコールを響かせた。

 デモは、途中で在特会、街宣右翼の妨害があったが、挑発に乗らず、新大久保公園まで貫徹した。(Y)