114オスプレイ 
 一一月四日、東京・芝公園で「止めるぞ!オスプレイの沖縄配備 許すな!低空飛行訓練11・4全国集会」がフォーラム平和・人権・環境とオスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワークの共催によって開かれた。平和フォーラムに結集する全国の労働組合の旗が芝公園全体を埋めつくし、首都圏を中心に基地反対運動を続ける市民団体も参加した。

 集会の開始にあたって司会者が「一〇月一日に沖縄にオスプレイが配備されたが低空、夜間飛行、コンクリートブロックを吊り下げての飛行、そして騒音とひどい状態だ。一昨日の全国知事会で野田首相は沖縄の負担の軽減のために、全国で訓練を行う、と発言したがとんでもない。全国が沖縄化することだ」と述べ、本日の全国集会の重要性を促した。

 主催者あいさつを藤本泰成さん(平和フォーラム事務局長)と野平晋作さん(ピースボート共同代表)が行った。藤本さんは「①何回も事故を起こしている欠陥飛行機だ。そして安全に着陸するためのオートローテーション機能がなく、日本の空を飛ぶことができない飛行機だ②日本政府は米国側の立場に立っている③米政府はニューメキシコやハワイでは市民の反対で訓練飛行をやめた。なぜ、日本で飛ばすのか」と問題点を指摘し、「全国への訓練開始は沖縄の負担軽減にならない。アジア諸国との信頼・友好のためにも配備反対の声を上げよう。事故が起きてからでは遅い」と訴えた。

 野平さんは首都圏での沖縄連帯の取り組みを報告した後、「一一月から全国各地で訓練飛行が行われるが、それに反対する共通のスローガンは、沖縄の配備反対が第一であり、それと連帯して自分の所でも配備反対と、沖縄のためになる運動でなければならない」ことを強調した。

 沖縄からの訴えを山城博治さん(沖縄平和運動センター事務局長)と桃原功さん(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団事務局次長、宜野湾市議会議員)が行った。山城さんは一二月中旬、普天間基地ゲート前に大結集し、基地封鎖をやろうと訴えた(別掲)。

 次に桃原さんは普天間基地が銃剣とブルドーザーによって土地を強制的に奪いとって建設された歴史を語り、九月二六日からのゲート前の闘いを紹介した。「三ゲートを一〇〇人足らずで数時間封鎖した。こうした行動は初めてであった。もう少し人がいればもっと封鎖できただろう。二〇〇二年普天間基地の爆音訴訟を起こし、判決が出、爆音被害は認定したが飛行差止めは認めなかった。それで第二次訴訟を起こした。オスプレイが墜落しないか心配しながら毎日生活している。高齢者などさまざまな人々が毎日基地の前で「マリーゴーホーム、ヤンキーゴーホーム」と叫んでいる」。

 「また婦女暴行事件、住居侵入暴力事件が相次いで起きた。『ぬがわささん』=絶対にゆるさん。外も歩けないのか、寝ることもできないのか。涙が出てくる。野嵩ゲートにある基地の抗議行動などの時使っている駐車場が使えないようにされた。これは運動への報復だ。反省もせず、謝罪もしない。許せない」。

 「沖縄とやまとの温度差を感じる。それは沖縄差別とも感じる。どうしたらなくすことができるのか。やまとの人たちにはもっとがんばっていただきたい。いっしょに闘っていきたい。沖縄のマスコミは闘いを大きく報道するがやまとのメディアは報道しない。ぜひともマスコミが報道するようにあらゆる工夫をしてほしい。そして沖縄のことを知ってほしい。県民だけではなく全国の問題だから。米軍への思いやり予算は毎年一八八〇億円であり、五年で一兆円だ。これに反対する署名に協力してほしい。そして何よりも沖縄に来てほしい」。

 次に、新倉裕史さん(非核市民宣言運動・ヨコスカ)と本山央子さん(アジア女性資料センター事務局長)がそれぞれ問題提起した。

 新倉さんは「配備反対に何ができるかで、①渉外知事会、県知事への要請②アピール文のとりまとめ③沖縄紙への意見広告、以上三点を準備している」と報告した上で、「七月オスプレイが低空飛行をしてもよいと閣議決定した。これは日本の航空法を適用しないということであり、安保の特例法だ。沖縄で基地間移動でごまかして公道で行軍訓練をしたのに対して反対運動でこれが出来なくなっている。今回地位協定上の根拠を示していないので、オスプレイの低空飛行は違法だ。七つのコース下の知事は飛行に反対している。反対の根拠を与えるものだ」と指摘した。

 本山さんは「一〇月に起きた女性集団暴行事件は①軍隊と性暴力は切っても切れないものだ②何度も性暴力が繰り返されるのは女性への差別があるからだ。軍隊がある限り性暴力はなくならない。加害者が放置されている法制度があるからだ。これを変えさせなければならない」と訴えた。

 岩国の愛宕山を守る会の連帯アピールが読み上げられた。キャンプ富士を拠点にオスプレイが訓練飛行を行おうとしている静岡県の鈴井孝雄さんが九、一〇月に集会・デモや県への申し入れを行ってきたが、県は運用ルールや負担について、国から何も説明もないと回答があったことを報告し、地元で闘いをつくっていくと決意を明らかにした。沖縄の闘いと連帯する東京東部集会実行委の田附高正さんが取り組みの報告をし、一一月、一二月と連続した連帯行動を行うと発言した。

 首都圏で開かれた集会でのカンパ三九万円が山城さんに手渡され、本日の集会のカンパは集計途中だが五〇万円を超え、後日送ることが報告された。その後、「OSPREY OUT!!」のプラカードを掲げ、配備撤回のシュプレヒコールを行い、デモに出発した。(M)

山城博治さんの訴えから

 一〇月一日、オスプレイが普天間基地に強行配備された。これは一〇万人の県民大会、三度の県議会決議、四一市町村の決議、そして代表団が政府に要請しても、いっさいを無視したものだった。私はこれだけの反対があるのだから、せめて一一月にずれ込むと思っていた。しかし、県民の思いに対する配慮はひとかけらもなかった。怒り、憤り、悲しみが頂点に達している。沖縄の言葉で「わじわじ わじてわじならん」という怒りの言葉がある。「骨をバラバラに砕いて行進する言葉がある」。米軍を木っ端微塵にして、太平洋の彼方に送りたい。

 命と暮らしを守る闘いでもある。凶悪事件が相次いで発生している。官房長官は犯人を引き渡せと言っていないと発言した。日米地位協定の運用の改善ですむのか。怒り、悲しみがそれですむのか。そんなことですむなら体を張って叫ぶことはないだろう。総決起して闘いを取り組むしかない。
 沖縄は日米政府による軍事植民地、軍事管理用地だ。自らの手でこのような野望を粉砕する。沖縄がふたたび戦場になれば、島は木っ端微塵になってしまう。そんなことはさせない。

 次は何をするのか。一二月中旬、万余の人間が普天間をデモしゲートを封鎖する。基地の運用ができなくさせる。機動隊に守られなければならない基地は成り立たない。全国の仲間に呼びかける。北海道から鹿児島まで、全国の決意を普天間の現地に現してほしい。憲法改悪の動きが強まっているが、われわれは憲法を変えさせない。戦争をさせない、平和を守っていく。(発言要旨、文責編集部)