IMG_1411 一〇月一八日、衆議院第一議員会館前で、「領土問題」の悪循環を止めよう―日本の市民アピール世話人呼びかけ、平和のための国会前行動が行われた。ローソクを灯しながらアピールが行われ七〇人が参加した。

 高田健さんが「九月二八日、市民アピールを発表したが今日まで賛同が一九二一人にのぼった。日本全国から期待が寄せられるとともに、韓国・中国・台湾に連帯の動きが広がっている」と報告し、集会が始められた。

 最初に、岡本厚さん(『世界』前編集長)が経過報告を行った。

 「今年の夏から九月にかけて、日韓、日中の争いが繰り広げられ、中国で反日運動が暴動に発展した。政府間で意思疎通がなく、武力衝突も考えられないわけではない。日本のメディアは中国をやっつけろと煽った。何とかこれを止めなければならない。日本国憲法九条で武力の行使・威嚇はできないとしている。こうした状況を打開するためにいっしょになって声明をつくった」。

 「領土問題といってもそれは歴史問題だ。日本の侵略によって起きた問題だ。尖閣問題は石原都知事が火をつけ、日本政府が国有化した。中国から見れば現状を変えたことだ。固有の領土なんてありえない。日本政府は領土問題は存在しないというがこれでは対話さえできない。市民アピールは、大きな反響を呼び起こした。一〇月四日、中国で理性を取り戻そうとアピールが出され七〇〇人が賛同している。一〇月六日、台湾で上海、北京、ソウル、沖縄、そして日本からスカイプで参加した国際会議が開かれた。そこでは平和的、対話で解決をしようと話し合われた」。

 「今後、民間交流やシンポジウムを開きたい。解決のために不戦・互恵の流れを広げていきたい。相互不信があるから領土紛争がある。東アジアを平和で豊かにするためにがんばろう」。

 世話人の内田雅敏弁護士が北京からのアピール(①領土問題の悪循環を断とうについて、理解する。②理性を持って解決を③偏狭なナショナリズム反対④民間ルートの発展を。子々孫々のために平和的未来を築こう)を代読し発言した。

 「中国人強制連行、西松建設問題で和解が成立し殉難の碑が建てられた。それは日中友好のあかしだ。五回目になるが今年も三〇人が中国から参加する予定だった。しかし、十数人は日本が恐いなどと来られなくなり、一八人が広島にやってくる。その中国人たちを広島の原爆資料館に案内する。強制連行して作られた中国電力水力発電所は今も使われている。中国人たちは末永く使って欲しいと言い、中国電力側は大事に使いたいと述べた。殉難碑が友好の碑に変わる。運動の正しさを確信している」。

 橋本勉さん(民主党、衆議院議員)が「山口外務副大臣は尖閣の国有化をやってはいけないと外務大臣に進言していたがこれを無視して野田内閣は国有化を決めた。この結果、中国の日本企業や日本人の生命が危うくされた。慎重にことを進めなければならない。他の国の国民が平和に生きられるように考えて行動しなければならない」とアピールに賛同する立場を語った。

 服部良一さん(社民党、衆議院議員)は「今回の領土問題は日本の帝国主義・植民地支配に端を発しており、歴史認識の問題だ。日中国交回復の時、棚上げにされ、後世のわれわれに託された。侵略の歴史を教えてこなかったわれわれも反省すべきだ。鳩山政権時は東アジア共同体を呼びかけた。その後の政治が悪い。盧溝橋事件勃発の七月七日に国有化を決めた。中国人の歴史認識をまったく理解しようとしないのが今の政府のやり方だ。今回の勇気ある市民アピール行動は平和構築に大きな力になる。国会は国益に流されているが日本がアジアに信頼されることが国益だ」と述べた。

 在韓被爆者問題を長年にわたって取り組んできた小田川興さんが韓国の五九六人が署名したアピールを読み上げた。このアピールでは、中国・台湾の声明に深く共感し、日本の市民アピールに熱い支持をすると表明している。また、小田川さんは日韓の学生交流事業の経験を通して「正義と信義」が大切であり、それが平和の源泉になると訴えた。福島みずほ社民党首は「領土問題を口実に、オスプレイの配備や沖縄の基地の強化、そして憲法を変え、戦争のできる国をつくろうとする動きに危惧を感じる。中国・台湾・韓国でもキャンドルが行われていると聞いている。人と人のつながりをつくりだそう」と発言した。この他、瑞慶覧チョービン衆院議員が連帯のメッセージを寄せた。

 コメディアンの松本ヒロさんほか数人の参加者がそれぞれ熱い思いを語った。最後に高田さんが、世界各国にいる日本人が賛同していること、沖縄からの賛同が多いことを紹介し、①一〇月二五日に内閣府にアピールを提出する。②賛同個人署名を一〇月二四日まで行う、と行動提起した。そして、「米軍と自衛隊が沖縄諸島のすぐ近くで、島の奪還・上陸訓練を行おうとしている。また、中国人民解放軍も同様の訓練をやろうとしている」と、軍事行動のエスカレートを批判し、アピール運動の重要性を再度確認した。(M)