横堀くぼち写真 8月9日、東京高裁第五民事部(大竹たかし裁判長)は、柳川秀夫さん持分裁判と横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判に対して控訴棄却の不当判決を出した。裁判後、清井礼司弁護士は、不当判決に対しては上告するという三里塚反対同盟の意志を明らかにした。

 判決は、いずれも空港会社の単独所有を認め、全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる悪法)を適用した千葉地裁不当判決を支持した。

 柳川持分裁判は、横堀土地持分(約116㎡、15分の3)に720万6507円、木の根の土地持分(1.5㎡、780分の1)に12万9246円を一方的に支払うことによって「所有権の移転」と称する土地強奪を認めた。

 しかし柳川さんの横堀共有地持分は15分の3の所有であり、空港会社が「大部分の持ち分を所有している」という評価は当てはまらない。だから一審判決では、「裁判所による共有物の分割(民法258条2項)について、法は、裁判所の適切な裁量権の行使により、共有者間の公平を保ちつつ」などと振る舞いながら「共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償の方法による分割をすることも許されるべきである」などと強引に空港会社の所有権を認める暴論を展開せざるをえなかった。

 高裁もこの乱暴な論理を踏襲し、「NAAは空港用地として不可欠な土地を単独で取得する必要性が高い」し、「賠償額は妥当で、当事者間の公平が害されることはない」などと強引に認定し、柳川さんの反論を排除した。

 横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判でも全面的価格賠償方式を適用し、空港会社が被告・共有者37人(持ち分1080分の1)に賠償額3万727円を一方的な支払いで所有権移転を認めた。

 このように司法権力と空港会社が一体となって共有地強奪と敵対を強行した。反対同盟は、ただちに上告し、裁判闘争を闘いぬく決意だ。

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●現闘本部共有地裁判控訴審判決

     10月25日(木)/東京高裁第2民事部822号法廷/午後1時



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