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「原子力規制委員会」人事に異議あり!
「原子力ムラ」から選ぶな! 7・27 官邸前アクション


 七月二七日午後六時から、「原子力規制委員会」人事に異議あり!「原子力ムラ」から選ぶな! 7・27 官邸前アクション」が再稼働反対!全国アクションの呼びかけで行われ、 二八〇〇人が参加した。


 首都圏反原発連合呼びかけの毎週金曜日の首相官邸前行動は二九日の国会包囲行動のために、今回は中止となっているので、いつもより簡単に官邸前に行けるだろうと六時一〇分前に丸の内線国会議事堂駅に着いた。すると、警察によって四つの出口のうち三つが閉鎖され、官邸側の一番遠い出口しか使えないようにされていた。仕方なく、その出口を出ると警察官は「参加者は右に折れて下に下がって下さい」と指示を出していた。国会議事堂側道路は警察のかまぼこ車によって埋まり、歩道は道路側と歩道側に遮蔽棒が置かれ一人が通れる通路が作られ、多数の警察官が配置されていた。いったん指示通りに右に折れて坂を下った。そうすると限りなく、官邸からは遠く、もちろんスピーカーでのアナウンスなんて聞こえない。


 こんなじゃしょうがないと戻っていき、駅出口付近に来ると警察官によってそれ以上の官邸前への通行をじゃまされた。そこでは参加する人たちが口々に警察官に抗議するトラブルがずっと続いた。六時からは「再稼働反対」のコールが始まった。官邸前でのスピーチはいっさい聞こえなかった。


 六時半過ぎになって、官邸前にたどりつき、スピーチが聞けた。すでに福島からの訴えや社民党福島党首などのアピールは終わっていた。俳優の山本太郎さんが「原子力規制委員会に五人中三人が『原子力ムラ』の人間が入っている。五年間脱原発はふたをされる。再稼働はどんどん行われ、新規増設もあるかもしれない。この人事が決まると誰にも止めさせることはできない。日本を破滅から守るためにこの人事を白紙撤回させよう。原子力ムラを解体しよう」と訴えた。次に経産省脱原発テント広場から、「ゾンビのように規制委員会を制圧しようとしている。原発をなくすために規制していく、大飯原発再稼働は間違っていた、これが第一にやるべきことだ。安全神話に関わったものは絶対に委員会に入れてはならない。ハッキリ脱原発派だけが加わるべきだ」と政府案を批判した。


 七時から、福島の子どもの集団疎開裁判を闘う仲間、eシフト、たんぽぽ舎、再稼働反対!全国アクション(別掲)が原子力規制委員会人事の白紙撤回を求める申し入れ書を読み上げ、野田首相などあてのものを内閣府に手渡した。この後八時までアピールが続けられた。


 被曝労働問題、枝野経産相が地元では原発反対派だとチラシを配っていることの暴露、東電電気料値上げ反対のために不払い運動の提起、福井で官邸前アクションと同様にアクションが行われ始めたこと、福井からのメールメッセージでは「大飯町町長が敦賀市長、高浜町長、美浜町長を引き連れ、枝野経産相に大飯だけでなく他の原発も再稼働してくれ、核燃サイクルも進めるように要望したこと」を批判した。


 午後八時になると、警察の広報車から大音量で「八時になると行動は終わります。混乱が起こらないようにすみやかに解散してください」と流された。参加者は大きな声で、警察の介入にブーイング。司会者が「警察は勝手なことを言うな」と一喝し、全員で「原子力規制委員会の人事を白紙撤回せよ、原子力ムラを解体しよう。再稼働反対」とコールを繰り返し、七月二九日の国会包囲行動を成功させることを誓い合った。(M)
 
資料

「原子力規制委員会」人事に異議あり!「原子力ムラ」から選ばないで!

内閣総理大臣野田佳彦様
内閣府特命担当大臣(原子力行政)細野豪志様

 
  国会「事故調」の報告にあるように福島原発事故は収束していません。…略…このような状況の中で、福島原発事故を反省し原発行政の推進と規制とを分離する目的で発足させるはずの「原子力規制委員会」の人事案が、一週間前に妙なリークで衆知され、昨日国会に同意願いが提出されました。

 私たちは、この人事案に異議があり絶対反対です。

 利用と規制とを分離したのに、なぜ規制に「原子力ムラ」の人が3人も入っているのですか? 特に、委員長候補の田中俊一氏は、長年「原子力ムラ」の中枢で活動してきた人で、今なお原発推進機関の職にあります。

 1967年に日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)に入所して以来長年同機構に所属し、同副理事長を務め、原子力学会会長にも就任、2007年から3年間原子力委員会の委員長代理を務めて日本政府の原子力行政を推進してきました。NPO法人放射線安全フォーラム副理事長、高度情報科学技術研究機構(元原子力データセンター)会長も歴任しました。

 「我が国の原子力産業を国際的に展開していくということが日本にとっても産業政策上も重要で、国際的にもそういうことが求められてきている」(原子力委員会、2009年12月25日)。こう言い残して原子力委員会を去った田中俊一氏。

 昨年8月にはNPO法人放射線安全フォーラム副理事長として原子力委員会で除染について発言、「この状況のままで今後の原子力の再生は非常にもう、個人の考えですけれども、絶望的です。…」と先の見えない除染を推進してきて福島県民の怒りをかっています。

  文科省の原子力損害賠償審査会では自主避難者への賠償にも最後まで抵抗しました。…略…
 以下、抗議・要請します。
  1 「原子力規制委員会」人事案の選定過程を明確にしてください。誰が担当したのですか?
  2 人事案がメディアに知られた経緯を調査確認公表してください。
  3 現人事案を白紙撤回してください。
  4 原子力規制委員は、いわゆる「原子力ムラ」から選ばないでください。3・11までの原子力行政推進者や業界からは選ばないでください。
 
  2012年7月27日 再稼働反対!全国アクション