saban 共通番号制を考える市民シンポジウム実行委員会は、七月二二日、上智大学で「シンポジウム 共通番号制のすべてを知ろう」を行い、九〇人が参加した。 野田政権は、「行政手続における特定個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」(通称「マイナンバー法案」)を二月一四日に閣議決定し、国会に上程した。政府は、消費税増税法案の成立とともに法案成立をねらっているが、まだ衆院内閣委員会で審議が始まっていない。推進派による全国シンポジウムでは各地で共通番号制は「いらない」「不安だ」「何かおかしい」という意見が噴出しているにもかかわらず、国会情勢から判断して消費税増税法案の成立後、短時間で法案強行成立を策動してくることが予想される。法案阻止のための取り組みが急務だ。

 集会は、法案反対運動を粘り強く取組んできた仲間たちによって準備された。



米は成りすまし犯罪者天国化



 シンポジウムPartⅠは、「共通番号制の本質と問題点を考えるために」というテーマ。

 田島泰彦さん (上智大学教授)は、「情報統制と監視のなかの共通番号制」という観点から①情報は誰のものか?②監視強化のなかの共通番号制③民主党政権下の「新たな表現規制」について明らかにし、「情報を市民のものに取り戻すために、まず必要なことは民主党幻想の克服だ。歴代の政権がやろうとしてきた情報統制と表現規制を現在の民主党政権がやろうとしている。情報公開と市民的自由は、普遍的な課題として取組んでいくべきだ」と強調した。

 白石 孝さん(反住基ネット連絡会)は、 「住基ネットから共通番号制へ、どこが違い、どこが問題か~わが国における国家管理の特徴と問題点」について解説し、「制度上の保護措置として、第三者機関による監視、罰則強化、目的外利用の制限などが言われているが、それは絵空事でしかない」と厳しく批判した。

 石村耕治さん (プライバシーインターナショナルジャパン<PIJ>代表)は、「共通番号でなりすまし犯罪社会化する米国の現状」について報告し、「米国では共通番号制によって成りすまし犯罪者天国化している。だから国防省は、不正アクセスなどを阻止するために一一年四月から国防省本人確認番号を使うことになった。分野別番号に戻さなければならない状態だ。日本は、米国の深刻な状況を知っていながらIT企業と利権拡大のために共通番号制を導入しようとしている。こんな暴挙を許してはならない」と発言した。

 続いて、実行委から「韓国における情報流出となりすまし被害の実情」が紹介された。




8月法案採決阻止を


 PartⅡは、「共通番号制で便利になるという幻想を見抜くために」というテーマ。

 知念哲さん(神奈川県保険医協会)が医療の現場から医療制度の将来の危険性を指摘。三浦清春さん(全国保険医団体連合会政策部員)も発言。辻村祥造さん(税理士、PIJ副代表)が「所得の捕捉と税制の課題」 、西邑亨さん (反住基ネット連絡会/入管法対策会議)が「強まる外国人管理~改定住基台帳法・改定入管法と共通番号制」、桐山桂一さん(東京新聞論説委員)が取材現場から共通番号制の危険性を明らかにした。


 最後に瀬川宏貴さん(自由法曹団)が共通番号制と秘密保全法制の関連性と法案阻止に向けた取組みの緊急性を訴えた。


(Y)