DSC_03035月9日に政府が認定した東電の新「事業計画」は、柏崎刈羽原発全7基の再稼働を前提にし、福島第二原発はおろか福島第一原発5、6号機の廃炉費用も計上されていないという福島事故を経てもなお原発推進に固執するあり得ない内容の代物として発表された。

そして、「東電の実質国有化」とメディアで言われるこの「事業計画」の正体は、原発事故で息も絶え絶えになった東電に代わって政府が「責任を持って原発を動かす」という言わば「原発救済」政策でしかない。それはまた、原発の「不良債権化」を阻止して、東電に4兆円を融資している銀行団を「救済」する意味合いも含まれている。

また、賠償費用は20msv未満の汚染地域は全員帰宅を前提に計算し、除染費用は「放射性物質は無主物」とばかりに一切計上されていない。そして、勝俣恒久会長や清水正孝前社長ら経営陣が一切の責任から逃れながらその一方で、東電単独で3600人、関連会社併せて7400人の労働者のリストラ計画も盛り込まれている。

こんな「東電再建」と「政府による原発救済」の「事業計画」は認めない、と東電前アクション!は6月27日の株主総会で最終決定されようとしている「事業計画」に反対しようと、株主総会会場でのアピールと夜の東電前でのデモ行進を行った。

朝の対株主総会行動で株主たちに「脱原発株主の提案の賛成を」とアピールし、夜の「あらためて"東電解体"」宣言デモは日比谷公園に集まって前段集会。呼びかけの東電前アクション!から「今日の位置付け」をアピール。

"東電「再建」計画とは、柏崎刈羽原発を再稼働し新潟の人々を危険に晒すことを前提にした「再建」、福島の事故被害を隠蔽し、賠償責任を大きく放棄することを前提にした「再建」、その不十分な賠償責任すら電力料金に上乗せ、つまり料金値上げを前提にした「再建」、下請け労働者に被曝労働を強いて責任を取らないことを前提にした「再建」、言い換えると企業延命計画です。これに対し、私たちははっきり宣言する。それらを前提にしなければ「再建」できないのなら、「再建」などきっぱり諦めろ"

そして、福島で反原発を訴えている武藤類子さんが、東電の株主総会で提案した議案説明の文書であり、この集会へのメッセージとして送られたものを代読。

"東電は被害を受けた全ての人々に対し、本来はお金などでは償えないことではありますが、事故を発生させた企業として出来る限りの賠償をしなければなりません。国から支援された2兆4千億円を今も困難な中にいる人々、除染費用、すべての収束作業員の補償のために使ってほしい"と訴えるメッセージが読み上げられた。

そして、この日は福島第一原発の収束作業に携わっている労働者からのアピールがあった。

"原発の問題は差別の問題。福島の収束作業に従事しているのは都市部の貧困の人々、福島の貧困な地域の人々、東北の出稼ぎ労働者が日給1万円にも満たない状況のなかで働いている。しかし、都市部の反原発運動住民は無責任に「ハイロ、ハイロ」コールする。だけど、その廃炉の作業をしているのは人間です。収束作業員です。都市の人たちに本当に言いたい。無責任な「ハイロ」という言葉ではなくて、その廃炉に向けて皆でこの原子力という技術が生み出す差別の問題を、自問自答しながら、そしてこの新しい社会、新しいエネルギーをこれから皆で考えてほしい。"

この反原発運動への厳しい突きつけは、ともすれば「原発の危険排除」のみに集中するあまり、そこで必然的に生じる犠牲を仕方のないものとして追いやりかねない運動のあり方に、大きな波紋を投げかけるものだった。

デモ前集会を終えて、東電に向けてデモが出発。途中の関西電力東京支社前では「大飯原発再稼働反対!」とアピール。その先の東電前では全体で立ち止まりさらに大きな声で「柏崎刈羽再稼働反対!」「電気料金値上げ反対!」「東電解体!東電解体!」と150人がアピールした。

(F)