官邸前~2五月五日、日本のすべての原発が止まってから、初めて、七月一日に大飯原発3号炉が再稼働されようとしている。

 なんとしても、これを止めようとする人々が六月二九日、首相官邸前に集まった。六月一六日の大飯原発3・4号炉の再稼働を決定する前日の六月一五日以後、数万人の人々が首相官邸前に集まり大規模な抗議行動を毎週金曜日展開してきた。六月二二日には、主催者発表で四万五千人が集まったと言われた。

 午後六時前には、首相官邸に渡る交差点方向の歩道は人で埋め尽くされ、逆方向に下がるしかなかった。反原発を掲げるさまざまなプラカード、ウシトラ旅団、%旗、みどりの未来、日大全共闘や芝工大全学闘などさまざまな旗がなびいている。埼玉や千葉の旗もある。参加者の中で目立つのは若者たちだ。幼児を連れた家族連れが多いのも他の行動にはないものだった。

 官邸前で集会のような訴えがあったようだが、そのアピールは全体に届かない。ひたすら「再稼働反対!」を大声で繰り返し、それに参加者が呼応する。「政府が勝手に決めるな!」、「世論調査でも六割以上が再稼働反対の声を無視するな! なんとしても原発ゼロを実現したい」。こうした怒りを直接に表現するために、デモに参加した者たちの熱気が渦をまいていた。デモに参加する人の波は失せることがなかった。

 午後七時半過ぎ、国会議事堂と官邸前をブロックしていた機動隊の装甲車が移動して、官邸前の道路をブロックした。六車線の道路は完全に解放され、デモ隊で埋まった。官邸へ、官邸へと解放感あふれる人の波が押し寄せた。ぞくぞくする緊張感が続く。このまま押していったらケガ人が出るかもしれない。そんな迫力だ。午後八時前になると、主催者が「今日の行動は終わりです。次にも行動を行うために、速やかに解散して下さい」とアナウンスが繰り返された。もっと頑張ろうという声や、なぜここで終わるのか、という声も聞こえた。ここには、決して引き下がれないという、人びとの息吹きが感じられた。それは回を繰り返すごとに増加し、雪だるま的にふくれ上がる参加者の規模に示されている。

 この日の巨万の結集、七月一日の大飯現地の体を張った闘いにつづき、七・一六代々木公園一0万人大結集の成功へ! (M)