DSCF0984 三里塚大地共有委員会(Ⅱ)と 三里塚空港に反対する連絡会は、横堀農業研修センターで「横堀・団結小屋破壊を許さない!5・20三里塚・横堀現地集会とデモ」を行い、60人が参加した。

 成田空港会社による三里塚闘争への敵対を忠実に代弁する東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、4月25日、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で反対同盟に対して横堀・団結小屋撤去と土地明け渡し、原告(尾野良雄(元横堀農民)=空港会社)の仮執行を認める不当判決を言い渡した。

 高裁は、団結小屋の所有者をなんとしてでも反対同盟のものにするために「総有」(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)論を強引にあてはめ、支援によって建設・維持されてきた歴史的経緯を捻じ曲げた。空港会社にとって団結小屋が反対同盟の所有でないと提訴の前提自体が瓦解してしまうからだ。

 空港会社のねらいは、大地共有委員会(Ⅱ)の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊し、住民を追い出し、一坪共有地運動を破壊するためにある。逆に言えば、それだけ一坪共有地運動が空港会社に打撃を与え続けていることを証明している。

 さらに一坪共有地を強奪するために現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判の控訴審が闘われているが、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点への破壊にまったく着手できないでいる。東峰地区住民への追い出しを許さず、闘う拠点を防衛し、空港会社を追い詰めていこう。



三里塚闘争の大義を掲げて



 集会は横堀研修センター内で行われた。

 横堀・団結小屋住人の山崎宏さん(労闘―労活評現闘)は、団結小屋破壊裁判の経過報告と不当判決を批判し、「三里塚闘争の初心を貫いて闘っていきたい」と発言した。

 加瀬 勉さん(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)は、「今日は、1978年5.20開港阻止決戦を戦った日だ。40年闘う決心は変わらず、闘いを進めていく。いっそうの奮闘を誓い合おう」と力強く訴え、「決意表明」(別掲)をアピールした。

 清井礼司弁護士は、高裁不当判決後、上告するとともに今後の闘いの方向性を提起し、「判決で仮執行がついたので土地明け渡し、団結小屋破壊の強制執行が可能となった。原告の手続き後、裁判所の執行官がいつまでに退去せよと山崎さんに通告に来る。退去拒否状態の場合、二回目に着手する。民間業者が荷物移動などを行い、警察に警備要請する。不当弾圧が予想されるが、ともに抗議していきたい。三里塚闘争の大儀を掲げて闘っていこう。福島、沖縄に通ずる闘いだ」と強調した。

 集会後、デモに移り、元辺田公民館跡を折り返して研修センターに戻るコース。横堀一帯に「団結小屋破壊を許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。

 デモ後、横堀大鉄塔に移り交流会。渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会)から関西新空港反対運動と一坪共有地運動の取り組みなどを報告。さらに長野から駆けつけたたじまよしおさん、木の根プロジェクト、田んぼくらぶから発言があった。(Y)



 「決意表明」



 加瀬 勉(三里塚大地共有委員会<Ⅱ>代表)




 4.25横堀団結小屋撤去東京高裁不当判決に断固として抗議する。我々は4.25横堀団結小屋撤去の不当判決に絶対に承服できない。

 事業認定取り消し訴訟に始まる三里塚空港反対闘争40年余の闘いのなかにおける幾多の裁判は、三権分立・司法の独立とはほど遠い政治裁判であり、階級支配の裁判であり、権力の弾圧裁判での歴史であった。今回の東京高裁の判決も同じものである。我々はこの不当判決に一度も屈することなく徹底的に戦い抜いてきた。これからも戦い抜いてゆく。これが我々の決意であり、基本的な態度である。

 我々は国家の空港建設という巨大開発に先祖伝来の農地を奪われ、山野を奪われ、家を破壊され、多くの三里塚の部落は消滅し、また、多くの農民は村を追われ離散していった。我々はこの国家権力の暴力的政策に生死をかけ徹底的に抵抗してきた。いま、福島の原発事故により、東北、関東の広範な地域の人たちが三里塚の農民の運命と同じくすることとなった。

 我々三里塚の農民は反原発を呼びかけ、共闘し、原子力船むつの廃船を目指して人民の船を大海に出航させ「むつ」を追跡し廃船に追い込んだ。フランス・ラアーグからの核再処理輸入阻止の行動にも立ち上がった。

 以来、今日まで反原発の闘いをつづけてきたが、原発安全神話とその政策を阻止することはできなかった。福島の原発事故の悲劇を阻止できなかったことは痛恨のきわみである。我々は自己の人間としての全存在と良心の全てかけてこの悲劇を克服するために新たなる戦いに立ち上がらねばならない。

 民主党政権、野田内閣は理念なき内閣であり、信念なき迷走内閣である。自民党にすりより、政権にしがみついてゆく反動的政府である。我々は彼らが言う国策である三里塚ハブ空港化を阻止した。

 然るに30万回発着。格安航空便によって野望を成し遂げんとしている。一坪共有地の金銭買収、あるいは横堀団結小屋強制撤去等の強権政治を40年一日の如くおこなっている。三里塚空港建設の失敗を省みず、福島の原発事故の悲劇を教訓とすることができず、原発の技術の輸出、原発の再稼働など亡国の政策を推進せんとしている。我々は、この野田内閣の亡国政策に対決し、その政策を廃棄させなければならない。

 20世紀の科学文明は侵略戦争と広島、長崎の原爆の悲劇をもたらした。21世紀の科学文明の始まりは、福島の原発事故の悲劇をもたらした。広島、長崎、第五福竜丸の被爆、チェルノブイリ、スリーマイル、福島の悲劇を教訓として巨大開発や大資本の暴走を阻止し、人間の命の尊厳を護り取り戻し解放するために、その崇高な歴史的使命と責任を果たしてゆかなければならない。三里塚一坪共有者1100名。大地共有委員会は、その先頭に立って戦うことをここに表明する。