k 四月一七日から経産省前テントひろばで大飯原発再稼働阻止、原発ゼロへの思いを込めて五月五日の「泊が止まる日」までの「集団ハンガーストライキ」が決行されている。「黙っていても原発は止まるわけではない。ゼロの日を反原発の民衆運動自身の力で迎えよう」という決意を込めたアピールだ。

 一二時からの記者会見には、二九人のマスコミ関係者が詰めかけカメラやビデオを向ける。この日二六人になった集団ハンスト参加者は「再稼働阻止」と書かれた鉢巻きを締め、そろいの白いハッピを着込んで椅子に座っている。ハンスト者を囲む支援の人びとは三〇〇人近くに達した。

 上原公子元国立市長の司会で進められた「記者会見」集会では、まずテント村代表の渕上太郎さんが「ハンスト宣言」を行った。

 「野田政権はインチキなインスタント安全基準をもって、大飯原発再稼働に踏み切ろうとしている。まず再稼働ありきで、そのごり押しのために安全性をでっちあげるという、無責任かつデタラメきわまりない暴挙である」「脱原発への思いが日本列島に高まる中で、民衆の議論も新組織『原子力規制庁』の発足も待たずに四閣僚が強行しようとするこの決定は、絶対に許すことのできない重大犯罪である」。「だが、3・11を経て人々はこのような欺瞞にもはや騙されはしない。なぜならそれはこの国の、そして全世界の人々の命に関わるものであることを知っているからである」。

 続いて三月三一日からリレーハンストを行っている「原発いらない福島の女たち」から黒田節子さんが発言。黒田さんは、福井県小浜市の明通寺住職で大飯原発再稼働阻止のため三月二七日から三月三一日までハンストを行った中嶌哲演さんを引き継ぎ、三月三一日方リレーハンストに入ったことを報告、「ハンスト参加のエントリーは一〇〇人になろうとしている」と語った。

 社民党の照屋寛徳衆院議員、服部良一衆院議員も激励にかけつけて発言。服部さんは大飯原発再稼働に抗議し、テントひろばでのハンストと連帯し、自分も議員活動をやりぬきながらこの日から四八時間のハンストに入ると宣言。大きな拍手を受けた。さらに川田龍平参院議員(みんなの党)も「脱原発と再稼働反対のためにがんばる」とアピールした。

 次に三月三一日まで大飯再稼働に反対して五日間のハンストを貫徹した、「原発銀座」若狭湾の反原発運動の草分けともいえる福井県小浜市明通寺住職・中嶌哲演さんを広瀬隆さんが紹介。中嶌さんは静かながら凛とした口調で「後から来る者たちのために」行動する必要性を強調した。さらに一〇〇〇万人アクション呼びかけ人の鎌田慧さん、落合恵子さんや講談師でいわき市出身の神田香織さんが発言し「原発のない社会を実現するために、今が正念場」とハンスト者を激励した。

 広瀬隆さんも「原発を止めたことで関西電力が供給不足になることは絶対にありえない」と語った。

 こうして大きな注目の中で「大飯原発再稼働阻止」のため五月五日まで続くハンストが始まった。ハンスト期間はそれぞれ一週間、三日、一日とまちまちだが、共通の意思を集団的に表現するものとしてつくり出されようとしている。「原発ゼロ」の恐怖におののき、大飯から伊方へと再稼働早期実現に躍起となる野田政権の暴挙を、なんとしてもやめさせよう。(K)