25 石原・大原都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットは、2月5日、北区赤羽会館で「『日の丸・君が代』強制反対!大阪府教育基本条例反対!最高裁『君が代』不当判決糾弾!新自由主義教育路線と対決を!学校現場の非正規雇用労働をなくせ!全ての原発を廃炉に!」のスローガンを掲げて「10・23通達撤回!『君が代』処分撤回!2・5総決起集会」を行い、130人以上が参加した。

 今春の卒業式・入学式にむけて都教委は、起立斉唱を強要する職務命令体制を確認した。これは1月16日に三件の「君が代」処分最高裁判決が「累積加重」処分について触れたため、あらためて10・23通達の「正当性」を押し出し、手前勝手な解釈によって処分強行ができるという恫喝だ。そもそも「10・23通達」(03年)は、卒業式・入学式等に「日の丸」を掲揚し、「君が代」を起立して斉唱することを強制することを通して新自由主義教育と愛国心教育の推進のためであり、グローバル派兵国家作りと連動した攻撃である。

 石原都知事は、「教育再生・東京円卓会議」(11年11月)を立ち上げ、「憲法と教育は日本人の手で考え直したほうがいい。戦後続いてきた教育の破壊的改革をしなければこの国はもたない」などと暴言を吐き、橋下・大阪維新の会による「教育行政基本条例」「学校運営基本条例」の攻撃に見習って東京版「教育基本条例」の制定を狙っている。すでに抗議の不起立闘争をはじめ反対する教職員四三〇人に不当処分を強行しているが、弾圧に抗して裁判闘争や地域ぐるみの反撃など粘り強く闘われている。ネットは、この間の闘いを集約し、橋下・大阪維新の会の二条例に対する反対の闘いと連帯し、今春の闘争体制強化をかちとった。



1.16最高裁不当判決



 集会は、ネットを代表して渡辺秀美さんの主催者あいさつで始まり、とりわけ1月16日に最高裁判決に対して「高裁での戒告処分取消判決を破棄し、処分を有効とする不当判決だ。加重処分に対して『慎重な考慮が必要』ということで1名の減給と停職1ヶ月を取り消した。『一定の歯止め』と思われるが、根津さんの処分は取り消さなかった。ここに最高裁の闘うものに対する分断攻撃と、『日の丸・君が代』による『規律・秩序維持』を乱すものは許さないという姿勢の現れだ」と厳しく糾弾した。

 さらに「大阪では『条例案』から『減給・停職』は残し、橋下は『指導研修』をしても転向しない者は辞めさせるとまで公言している。最高裁判決後、都教委は、10・23通達の合憲性と職務命令を確認している。大阪府教委も『君が代起立斉唱』を求める職務命令を出した。最高裁判決などはそっちのけで事態は進行しつつある。ともに連帯し、『卒・入学式』を闘いぬこう」と呼びかけた。

 「報告」として、がくろう神奈川の反弾圧の闘い、朝鮮学校への公的助成を求める連絡会・東京、原発いらない!3・11福島県民大集会を呼びかける佐藤幸子さん(原発を廃炉に!原発いらない福島の女たち)から発言があった。

 河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会、東京「君が代」訴訟第一次裁判、アイム89処分取り消し裁判から「1・16最高裁判決」の評価、批判などが行われた。

 根津公子さん(被処分者)は、「最高裁に問われていたのは、『君が代』斉唱時の不起立行為に対する停職処分の是非、並びにそれに対する累積加重処分の是非だった。しかし、私の過去の行為を持ち出し、それを『積極的な妨害』として『秩序を害する』としたことは、司法が『積極的な妨害』を『秩序を害する』と恣意的に判断すれば、いかなる不起立処分も妥当とされる抜け道を用意したのと同じだ。極めて恣意的かつ政治的な判決だ」と批判した。



橋下・維新の会の教育基本条例を許すな



 寺本勉さん(「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪)は、「大阪における『教育基本条例』案・『君が代』起立・斉唱強制に反対する闘い」を報告。1・16最高裁判決に対する橋下の反応を取り上げ、「職務命令拒否の一回目から指導・研修を義務づけ、誓約書を提出しない限り現場に戻さない方向へ条例案をさらに改悪しようとしている。誓約書の提出を拒み続けると、それを理由にした分限免職をねらっている」と分析。今後の闘いの方向性として2・12集会・デモ・ヒューマンチェーン、府庁・大阪市役所に対する取組みなどを提起した。

 大阪と福島のカンパアピール後、大嶽昇一さんが業績評価裁判勝利の意義、学校職場での非正規雇用の実態と問題点について報告する仲間、卒業式不起立闘争にむけた決意表明などが続いた。

 最後に集会決議、行動提起(①裁判・集会・行動参加②都教委への抗議申入れ③卒業式ビラまき)を確認し、シュプレヒコールを行った。(Y)