10月15日、アジアの金融センターのひとつである香港でもウォール街をはじめ世界各地で取り組まれた占拠アクションに呼応する取り組み「占領中環」(中環を占拠せよ)が行われた。「中環」は内外の金融機関が集まる香港のビジネス地区の中心。「占領中環」アクションは、香港証券取引所や日本領事館などがある「中環交易スクエア」とオフィスやショッピングモールの複合施設である「国際金融センター」の間の広場で行われた。


左翼21、リーマンブラザーズ投資家被害者連盟、コミュニティメディアのFM101、中文大学左翼学会、反核連盟、社会民主連盟、街坊工友服務センター、人民力量、大学人による企業監視アクション、社会主義行動などが呼びかけた。


左翼21は、第二証券取引所の入り口に「占領中環」と「反資本主義」の横断幕とテントを広げた。その他の団体もさまざまなスローガンを掲げて「中環占拠」に取り組んだ。


参加団体から金融資本が支配する社会を批判する発言が相次いだ。反核連盟のメンバーは、原発産業は核兵器産業から派生したものでありともに多国籍企業のビジネスと化している、国家だけでなく国連までをも巻き込んだ巨大ビジネスであり、それらのシンジゲートが決める被曝基準は安全や科学とは程遠い、ビジネス中心の基準であり、日本政府の福島原発事故後の対応を見ればそれは明らかだと厳しく批判した。


その後も全体行動終了の夕方までさまざまな発言やパフォーマンスがつづき、参加者全員で上海香港銀行(HSBC)までデモを行い、デモ解散地点でさらに集会が続いた。10月17日の月曜日時点でもこの場所での座り込みは続いている。(H)


以下は、左翼21に参加する香港・先駆社の同志による「占領中環」アクションでの発言。

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私たちが占領すべきは何なのか
「占領中環」集会での香港・先駆社の同志の発言
2011年10月15日


2011-10-15B


ニューヨークのウォール街占拠は、金融資本に反対する大衆的行動として世界各地に広がり、現代資本主義制度の本質を人々の前に明らかにしています。

現代資本主義の本質とはなんでしょうか? 私たちの後ろにあるセントラル取引所スクエアを見てください! 毎日2兆ドル(!)ものマネーが24時間絶えず国際金融市場で取引されています。そのうち、モノや労働力の売買といった、まともな経済活動はわずか1%だけです。その他はまるまる投機活動なのです。多くの社会的資本がごく一部の大企業に握られています。かれらはその富を、生産活動にではなく、ますます金融投機に振り向け、マネーがマネーを生むビジネスに賭けているのです。やれ外為だ、いやデリバディブだ、ファンドだ、サブプライム等々、まだまだあります。金融投機がこれまでになく想像を絶するほどの規模に膨れ上がる一方で、生産的な活動や医療、教育、社会福祉などの事業は活力を失い縮小する一方です。

グローバル資本主義はすでに巨大なカジノと化しています。「カジノ資本主義」になっているのです。それは普通のカジノよりもさらに悪質で恐ろしいものです。もしカジノでスったとしても、せいぜいフクロにされるか、家族に害が及ぶくらいが関の山でしょう。しかしこの「カジノ資本主義」は、賭けに参加していない普通の人々に被害を及ぼし、賃下げやリストラを強制し、苦労して支払ってきた年金などの基金の大半をあっという間にスッカラカンにしてしまうからです。


いったいこれはどういった災いなのでしょうか。それは、金融独占の時代における資本主義の腐朽性と反動性にまで発展したものに他なりません。もちろん資本主義が必然的に貧富の格差と環境破壊を引き起こすことはいうまでもありません。資本主義はすでに恐ろしい悪魔になってしまったのです。それを更正することができるなどと、いまだに信じることができるでしょうか。それは消滅させなければ、プロレタリア民衆に前途はないのです。


もちろん私たちは、労働時間の短縮、賃金引上げ、社会保障制度の設計など、部分的な改良を勝ち取ることも必要です。これらの要求は当然であり、プロレタリア民衆の切迫した要求だからです。しかし、資本主義制度が依然として維持されており、1%のブルジョア階級が権力を独占している状態では、これらの改良政策の全面的で実質的な実現は不可能なのです。1%の特権集団による政治経済領域における独裁をひっくり返し、プロレタリア民衆のための民主的政府を建設することではじめて、民衆のための各種の社会改革の全面的実現が可能になるのです。


確かに、私たちはセントラルを占領し、ウォール街を占領し、金融独占資本主義の象徴的空間の一切を占領しなければなりません。しかし、そこは本当に進駐すべき場所ではないのです。では何処を占領しなければならないのでしょうか。われわれが占領すべきはブルジョア階級が独占する政治権力と経済権力なのです。プロレタリア民衆が主人にならなければならないのです!


今日の世界同時的な抵抗アクションは「Global Revolution」と呼ばれています。これは非常にメッセージ性のあるスローガンです。資本主義がグローバル化しているのであれば、反資本主義運動もグローバル化しなければなりません。革命もグローバル化しなければなりません。革命がふたたび日程に上る日が来たのです。しかし革命はそう簡単に実現できるものではありません。なぜでしょうか?


私たちが集会でよく歌う「インターナショナル」には、次のような歌詞があります。「思想を監獄から解放せよ」という歌詞です[中国語バージョンの歌詞:訳注]。そうです!もし私たち自身の思想革命がなければ、つまり革命的意識がなければ、多くの勇敢な大衆運動が起こったとしても、それは袋小路に入り込み、成果をあげることはできないでしょう。ひどい場合には惨敗することにもなるでしょう。


もし我々が資本主義思想の監獄に囚われたまま、「パイを大きくすれば分け前も多くなる」などの主張を信じ続けたり、法人税の引き下げや福祉削減や自由市場を信じ続けたり、あるいは「福祉国家」の改良政策の再来によって貧富の格差を縮小させ公平な社会を実現できると信じていていいのでしょうか。徹底してそのような幻想を放棄することなしには、反資本主義のグローバル革命を実現することはできないでしょう。今日、私たちのセントラル座り込みは、資本主義制度の問題点を検証し、資本主義をのり超える可能性と必要性、そしてそれに代わる社会制度についての討論を始めなければなりません。


2011-10-15