三里塚009 9月16日、千葉地裁民事第2部(白石史子裁判長)は、現闘本部共有地裁判で全面的価格賠償方式(地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる悪法)によって「成田国際空港会社の所有とする」不当判決を言い渡した。

 被告と弁護団は、一坪再共有地運動は支援に名義の形式を再共有化したにすぎず、空港会社(原告)は現在の共有名義人(一坪共有者)に対して共有物分割請求はできないと主張してきた。しかし地裁は空港会社の主張を認めて判決は、「譲渡契約の各当事者間において、買戻し等の条件が付されていたにとどまり、譲受人が本件土地の実質的な共有持分権を取得していないとはいえない」と断定した。

 その根拠として「一坪共有運動及び再共有化運動は、成田空港の建設予定地内の土地の所有権を細分化して用地取得の交渉や手続き等を困難にすることを目的として行われるものであるところ、共有名義人らが実質的な共有持分権者でなく、もと所有者ないし反対同盟のみが所有者であるというのでは、一坪共有運動の目的を達することはできない」から「実質的な共有持分権を取得しなかったとは考えられない」と決め付けた。おまけに「三里塚大地共有契約書」を取り上げ「受贈者は、土地の権利は取得するが、転売、贈与、担保権の設定等、権利の移転及び共有地の分割は一切しない」の文言があるではないかと言うのである。



空港会社防衛の千葉地裁



 そもそも一坪共有運動及び再共有化運動の責任機関は、三里塚大地共有委員会であり、わざわざ取り上げた「三里塚大地共有契約書」に明記されているように共有者は「転売、贈与、担保権の設定等、権利の移転及び共有地の分割は一切しない」という契約そのものが「単に登記名義を取得した」ことを証明している。地裁は、このような単純な証明自体を意図的に排除し、明らかな論理矛盾の強行突破は、ひたすら空港会社の主張を守り抜くところにある。

 さらに被告と弁護団は、今回の提訴そのものが、1991年から反対同盟と国・運輸省―空港公団(当時)の間で始まったシンポ・円卓会議の中で運輸省と公団が、農民の意志を無視し国家権力の暴力を使って推し進めた空港建設のやり方を謝罪し、二度とそのような強権的な手段を用いないと約束した歴史的経緯などを無視して裁判を通した「強制収用」だと主張してきた。

 しかし地裁は、現闘本部が「平成一〇年以降使用されておらず、屋根と壁の一部が損壊しているなど廃屋同然となっており、現在は、原告が四方を鉄板で囲ん」でいると平然と言う。空港会社が反対同盟になんら打診もなく、同意もなく一方的に横堀十字路から現闘本部に向かう道路を封鎖し、横風滑走路建設の一環として現闘本部を鉄板で囲んだ犯罪を一言も触れないのである。

 あげくのはてに「本件土地の位置関係や被告らの共有持分に照らして、反対同盟熱田派が、本件土地の現物分割を受けた上で現闘本部建物を維持し、その経済的用法に従って利用するのは、ほぼ不可能である」と空港会社の主張を持ち上げながら「本件土地が原告の単独所有となったとしても直ちにC滑走路の建設が開始されるとは認められないが、そのことが、全面的価格賠償の方法による本件土地の共有分割を否定する理由とはならない」などという暴論を展開した。

 「本件請求が、隅谷調査団見解に反し、信義則に反するということはできない」と断言するが、その根拠もいいかげんだ。空港会社の主張をほぼ認めつつ、「本件は、本件土地が原告及び被告らの共有であることを前提とする民法所定の共有分割を請求するものである」などと一坪共有地運動、空港会社の犯罪などの歴史的経緯を抹殺し、自らの責任位置を棚に上げ、巧妙にすり替えている。そのうえで「共有分割訴訟は、共有において共有分割請求の自由が保障され、各共有者が共有物分割請求権を有する(民法二五六条)ことを前提に、共有者間に協議が調わないときに、裁判所が諸事情を総合考慮して裁量によって公平な分割の方法を決定するものである」などと本件裁判論を披露して強引に「土地収用法上の収用手続きとは本質的に異なるものというべきである」などと飛躍した結論を提示するほどだ。



控訴審勝利へ



 以上のように千葉地裁は、空港建設推進派として空港会社の一坪共有地強奪のためのでっち上げ主張をことごとく認めたのである。不当判決を糾弾し、判決の反動性を社会的に暴露していかなければならない。

 裁判後の集約で清井礼司弁護士は、不当判決を批判し、控訴して闘っていこうと訴えた。

 柳川秀夫さんは、「円卓・シンポの約束を破ることは許さない。不誠実な態度を放置することはできない。断固闘っていく。闘争の質は変わっていない」と決意表明した。

 山崎宏さんは、「空港会社は、勝手に現闘本部を鉄板で囲い。使わせないようにしてきたのに『廃屋同然』などと主張した。空港会社の主張を追認する判決を糾弾する」と発言した。(Y)



■柳川秀夫さん持分裁判判決

9月22日(木)午後1時10分、千葉地裁601号法廷

(★案内では午後1時30分でしたが、1時10分の間違いでした)



■横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判判決

9月28日(水)午後1時10分、千葉地裁601号法廷



■横堀・団結小屋破壊裁判判決

10月25日(水)午後1時10分、千葉地裁601号法



★いずれも開廷30分前には各法廷前に結集してください。終了後、集約報告。

★千葉地方裁判所/JR総武線・内房線・外房線千葉駅から徒歩15分,京成千葉線千葉中央駅から徒歩8分



■ 9・30一坪共有地裁判判決報告会

9月30日(金)/午後7時/場所:全水道会館小会議室(JR水道橋駅)

報告:清井礼司弁護士/反対同盟共有委員会(Ⅱ)