919 1 9月19日、東京・明治公園で「太陽と風、大地、自然の恵みをエネルギーに! さようなら原発1000万人アクション」が同実行委員会の主催により開催され、会場に入りきれない大勢の人々六万人が大結集した。

 JR千駄ヶ谷駅を下りると改札まで10分程かかり、明治公園までたどりつくまでにさらに20分かかってしまったように、参加する人、人の波であった。開会一時間前に公園内は人で埋めつくされた。福島の被災者数百人は、「怒 福島隊」「怒 中通り隊」などのノボリを掲げて参加した。福島の被災者と連帯し、脱原発をめざすさまざまな市民グループの旗、大間や浜岡など原発立地地の旗、社会フォーラム系労組、全労連、全労協と労働組合の全国からの旗がなびいていた。

 午後一時から、寿によるオープニングコンサートが開かれた後、世界で繰り広げられている脱原発ポスターがメイン会場に登壇した。

 前段が終わり、いよいよメイン集会が開催された。呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)、大江健三郎さん(作家)、落合恵子さん(作家)、内橋克人さん(経済評論家)、澤地久枝さん(作家)が次々に登壇し、思いを語った。

919 2 鎌田さんは次のように語った。

 「今も続々と会場に参加者が詰めかけている。四万人を突破しているだろう。今日は一つの結節点であり、これからの出発点だ。一千万人署名は百万人を突破した。野田首相は国連で安全性と信頼性を実現し、の再稼働を行う演説をすると言う。世論調査でも八割の人が反対しているのにこの首相の行為は人民への敵対だ」。

 「どれぐらいの被曝者が発生しているのか。恐ろしい結果を認め、救済をしていかなければならない。脱原発運動は意識を変えていく文化革命だ。核と人類は共存できない。原発のある社会はいらない。子どもに平和な社会を残そう。原発にさようならと言おう。来年の3月24日に日比谷野外音楽堂で署名集約集会を開く。いっしょになってがんばろう」。

 次に大江さんが、原子力エネルギーは必ず荒廃し犠牲を伴うと指摘し、「イタリアは原発再開をめぐる国民投票を行い、九割の反対で阻止した。それを受けて自民党の幹事長は、『福島の事故を受けて集団ヒステリーになるのは分かる。反原発と言うのは簡単だが生活をどうするのか』と発言した。福島の汚染をどうするのか、内部被曝をしている子どもたちの健康をどうするのか。これからも私たちは原発事故を恐れる。政党の幹部や経団連に対して、原発をやめさせるように思い知らせなければならない。それには市民のデモや集会しかない」と提起した。

 内橋さんが「福島や下北半島、日本中から世界から参加してくれている。集まってくれてありがとう。原発は安全であるという神話がつくられ、今でも地下に穴を開けそこに原発をつくる計画が進められている。核武装の潜在力を持ち続けようとしている。原発エネルギーではなく、命のエネルギーが輝く国にしよう。さようなら原発」と訴えた。

 落合さんが「フランスで核事故が起きた。次は誰が犠牲になるのか。福島の子どもたちは『放射能は来ないで』と言う。それは国家の犯罪だ。そんなことを続けてはならない。函館で海峡を渡った大間原発に反対する人たちが運動を起こした。私の友人がオーストラリアから参加している。暴力に対して非暴力で歩き続ける」と発言した。

919 3 膝の骨折で50日間入院したという澤地さんは、それでも今日の集会に参加するために立ち上がらせたと語り始めた。「日本はヒロシマ・ナガサキの原爆の経験があり、原発を持ってはいけない国でありながら五四機の原発を持っている。これを変えさせるのは市民運動にかかっている。世直し、新しい国づくりが必要だ。二度と戦争を起こさせないと女たちががんばってきた。東電・国の責任を追及していかなければならない」。

 次にフーベルト・ヴァイガーさん(ドイツの国際的環境団体のネットワークに参加しているF0E代表でミュンヘン大学教授)、俳優の山本太郎さん、福島現地より武藤類子さん(ハイロアクション福島原発)が発言した。

 ヴァイガーさんは「ドイツでは何十年も何百万人もの人たちが反原発闘争を闘ってきた。フクシマに連帯を送りたい。フクシマは世界を変えた。原発はどんな国・システムでも制御できないこと明らかにした。政府・企業はなすすべを持っていないことを明らかにした。政府・原子力産業は福島事故を小さく見せよう、隠そうとしている。ドイツ、イタリアは大きな変化を見せた。ドイツは八機の原発を停止し、2022年までに脱原発を実現する。脱原発は政治的にやるかどうかだ。それは電力会社の解体、再生可能なエネルギーによって可能だ。二度と事故を起こしてはならない。いっしょに闘おう」と訴えた。

 山本さんは自分の人生は福島事故によって変わったと語り、原発推進派によるテレビや新聞の支配に抗して、子どもたちを守るために行動を起こそうと提起し、会場と一体となるコール行った。

 会場に福島から参加した数百人の人たちも起立した。そんな中で、福島の武藤さんが報告を行った。

 「福島はとても美しい所だ。海の浜通り、桃・梨・りんごの採れる中通り、そして会津平野。山は青く、水は清らかだ。そんな所に放射能が降り注ぎ被曝者になった。直後からの安全キャンペーンと不安の狭間で悩み悲しんだ。逃げるべきか、毎日決断が迫られた。国は守ってくれない。福島が実験場にされてしまう。捨てられる。推進側が息を吹き返す。それに対して、怒りを持って静かに子どもたちを守ろうと立ち上がっている。労働者が、農民が、障がい者が国と東電の責任を追及している」。

 「もう、原発はいらない。東北の鬼となっています。苦悩する私たちとつながって下さい、アクションに注目して下さい。私たちはどこにでも出向きます。私たちを助け下さい。フクシマを忘れないで下さい」。

 「暮らし方、生き方が問われています。コンセントの向こう側に差別と犠牲があります。美しい地球を原発で壊してはいけない。豊かな理想的な世界をつくろう。それには行動すること、誰でも変わる勇気を持とう。横につながり、途方もなく重くても軽やかに生き延びていこう」。

 司会者からアメリカのノーム・チョムスキーやフランスのスーザン・ジョージなどからメッセージが届いていることが報告された。最後に平和フォーラム・人権の藤本事務局長の音頭で脱原発コールを会場全員が行い、三つのコースに分かれてデモ行進を行った。福島原発事故から半年、今回の集会は原発を継続しようとする政治・電力会社・財界との長く厳しい闘いの大きな出発点になった。一千万人署名を実現し、原発の再稼働を止めよう。脱原発へ。

(M)