815 8月15日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動が行われた。まず、午後一時から在日本韓国YMCA九階ホールで集会が行われ、132人が参加、デモには200人が参加した。


集会後、神保町を通り九段下の靖国神社近くを通る「靖国思想」解体のデモを行った。既存右翼や在特会らは最初から最後までデモ隊列に対して執拗に攻撃を加えた。この間の反原発サウンドデモに対して逮捕を相次いで行っている警察だが、この日の右翼らの違法なデモ妨害突撃、交通妨害などの道路交通違反などには一定の規制はするものの、明らかな馴れ合い、泳がせの対応をとっていた。警察・機動隊はデモ隊をサンドイッチ規制して、正当なデモ行進をじゃました。デモ隊はこうした攻撃を跳ね返して、「靖国」「天皇制」を批判して、断固としてデモを貫徹した。


 3月11日東日本大震災以後、被災者の「慰問」と死者の「鎮魂」を行った天皇が新たな「国家の再生」に向けたメッセージを発している。こうした天皇制を撃ち、国家による、あらゆる死に対する意味づけを核とした、8.15の「追悼空間」=全国戦没者追悼と靖国思想――新しい国立の無宗教の追悼施設、あるいは千鳥ケ淵拡充という方向性も含めて――の解体に向けた行動に、今年も取り組んだ。

 


 集会は最初に、加納実紀代さん(女性史研究者)が「原爆・原発・天皇制」と出して講演を行った。


 加納さんは1945年8月6日、爆心から二キロ弱に住んでいて部屋の中で被爆した。当時五歳だった。父親は爆心地で消滅的に殺された。加納さんはじゃがいもからドッチボールのような顔になって死んだ友だちのこと、首のない死体や灰のような死体のことなど自分で見た残酷な原爆のすさまじさを語った。原爆は他の兵器と比べて、瞬間性、無差別性、根絶性そして全面性、持続・拡大性を持つものだ。


 原爆の被害とジェンダーについて。語り部をやっている阿部静子さん(19歳)はまぶたが閉じない、唇がないということで18回も整形手術した。結婚差別がひどかったことを紹介した。ヒロシマは被害者か、と問いかけた。戦争に明け暮れた日本の近代。その中で軍都「廣島」の加害性。1941年開戦時、広島の陸軍第五師団は真珠湾攻撃より一時間早くマレー半島のコタバル上陸作戦を行い、その後行く先々で住民たちを虐殺していった。原爆はアジアにとって「解放」だったのか? 加害者であり、被害者であったヒロシマ。


 原発について。なぜ「唯一の被爆国」が原発大国になったのか? アメリカは核の独占がソ連によって打ち破られた後、西側同盟諸国を支配化に置くために1953年、原子力の平和利用を打ち出した。日本では中曽根康弘と正力松太郎が積極的な役割を果たした。運動側どうであったか。被爆者、進歩的学者にも共有されていた科学技術信仰。原子力情報室初代代表になり、反原発運動で重要な役割を果たした武谷三男は1952年に、「被爆国だからこそ平和利用を」と推進論を展開したが、1954年3月、ビキニ環礁での水爆実験と日本人船員の被爆事件後、立場を転換した。ビキニ被爆を受けて、原水爆禁止署名運動が全国的に行われた八千万人弱の国民のうち3200万人が署名するという空前の運動の広がりが作られた。55年6月に日本母親大会の第一回が、八月に原水禁大会の第一回が開催された。しかし、ここでも「原子力は人類の繁栄のために」というスローガンが掲げられていた。


 原爆と天皇制。昭和天皇はアキヒトに宛てた1954年9月9日の手紙で敗戦の理由を「我が軍人は精神に重きをおきすぎて、科学を忘れたことである」と書いた。そして、アキヒトも8月15日の日記に敗戦の理由を「科学の力が及ばなかったためです」と記している。被爆の現実に立ち向かうというより、「アメリカはすごいんだ」という「クールな認識」であったろう。現憲法の制定の過程で、明治天皇制的なものを残そうとした日本の学者に対して、アメリカは原子力を背景に、マッカーサーの用意した「憲法」をいわば「押し付けた」。天皇制のもとの民主主義であり、沖縄を犠牲にし、日米安保の核の傘のもとでの戦後の出発であった。


 戦前の「近代の超克」論や日本的「和の論理」、「和の母性文明」=天皇制の論理を繰り返さないために、近代がめざした「豊かさや便利さ、効率性」を問い直し「弱者」のままで尊厳を持って生きられる社会をめざそう。

 


 講演後、参加団体によるアピールが行われた。差別排外主義に反対する連絡会の藤田さんは「行動する右翼に対するカウンター行動を9・23新宿柏木公園からのデモを行う」と発言した。「日の丸・君が代」の強制に反対する会の京極さんが、8月4日に横浜市の中学の歴史と公民の教科書が「つくる会」系の育鵬社のものが採択された。神奈川県下では藤沢市などでも採択され、実に45%の中学生が使うことになってしまったこと、そして大阪府で「君が代」強制条例が採択され、さらに「教職員処分」の条例化が九月府議会で目論まれていることが報告し全国的な反対運動をつくろうと呼びかけた。


 福島原発事故緊急会議の天野さんが9.11再稼働反対全国行動に向けた事前学習会を紹介した。許すなヤスクニ国営化阻止8・15集会実行委がアピールを読み上げた。反安保実行委が10月15日、浅井基文さん講演会のお知らせ。ブッ通しデモ実行委が7月23日から9月10日まで50日間、「がんばれ日本」というネオナショナリズムに抗して、都内で毎日デモを行っていることを報告し、ネットで検索してデモに参加してほしいと訴えた。靖国解体企画が正午に黙祷粉砕デモを靖国神社前で行ったことを報告した。最後に集会宣言を読み上げデモに出発した。

(M)