kinone 7月17日、三里塚・木の根ペンションで「成田空港に囲まれた『木の根』で20年ぶりのプール開き!」が行われ、80人が集まった。

 木の根ペンションとプールは、成田空港のど真ん中にあり、この土地は反対同盟と全国の一坪共有者によって所有されている。三里塚闘争にとって重要な拠点であり、空港会社の一切の強奪策動をはね返し続けている。この闘争拠点で木の根プール再開作業が2010年7月から始まった。発揮人の大森武徳さん(続・木の根物語プロジェクト)は「木の根は三里塚闘争の原点。東峰・天神峰が騒音問題で厳しい闘いを強いられる中で、木の根は少しほっとできる場所にしたい」という思いから着手。以降、スタッフ参加を呼びかけ「続・木の根物語プロジェクト」が立ち上がり、水抜き~ゴミさらい~泥抜き~プール周辺の整備など約一年かけてたどり着いた。

 すでにプールは注水してから水深100㎝近くになっている。ペンションの庭には中川憲一さんの生ビール・ソフトドリンク店、石井紀子さんたちの野菜料理店、平野靖識さんたちの「らっきょう工場」店、プロジェクト直轄のかき氷・焼きそば店が立ち並ぶ。

 プール開きは、相川陽一さん(地球的課題の実験村)の司会で始まった。

 開催あいさつが大森さんから行われ、「1980年、三里塚・子ども共和国に参加しプールで泳いだ。その後、使われていないプールを知り、なんとか再開しようと思った。仲間たちと泥抜きを始め、ここまでこれた。これからも色々と発信していく。自給自足の生活も含めていろいろと実験していきたい。今後もペンションに注目してください」とアピール。

 柳川秀夫さん(三里塚反対同盟世話人)の音頭で参加者全体で「乾杯」。 さらに「ここは空港の真ん中にある。プールが綺麗になり、多くの人が集まってくれた。空港反対の意志を発し続けていく。福島原発事故が起こり、深刻な事態になっている。空港のような巨大開発、『便利な社会』を目指してきた結果だ。三里塚闘争の結論としてこの社会を見直し、『腹八分目の社会』をめざしていくことだ」と強調した。
 
kinone2 加瀬勉さん(三里塚反対大地共有委員会<Ⅱ>)は、「子どもたちの未来を託して、大人たちが『頑張ったよ』と伝えるために、さらに三里塚を闘いぬいていく。ここは全国の1100人の共有者の土地だ。だから日本人民の土地だ。闘争の楽しさを無限大に広げていく三里塚闘争を闘っていこう」と呼びかけた。

 アピールタイム後、次々とプールに入っていく。飛び込み、水泳、ボールの投げ合い、水鉄砲の打ち合いなど炎天下をはねかえす水しぶきを発散させていった。さらに庭では、ロックバンド、チャンググループ「ウリト」の演奏。歓談交流が続いた。

 「360度空港」のプールが再スタートした。小川源さんの遺志を受け継ぎ、三里塚闘争拠点の「無限大」の可能性を全国の力で開拓していこう。(Y)