kabu 6月28日、東京・芝公園内の「ザ・プリンス パークタワー」で東京電力の株主総会が開かれた。福島第一原発事故の大惨事を引き起こし、三カ月以上たっても「収束」の見込みどころか、核燃料の「メルトダウン」から「メルトスルー」へと至った現状を覆い隠し、放射能被害をさらに撒き散らし続けている東電経営陣に対する怒りは日増しに高まっている。

 この日の株主総会では、これまで最高だった昨年をさらに三倍近くも上回る9309人もの株主が参加した。会場では402人の株主による「新規原発の建設停止、老朽原発からの順次廃炉」という脱原発を求める議案が提案されるなど、東電経営陣の責任を追及し、脱原発を求める声が渦巻いた。

 会場入り口には、この日早朝四時に郡山をバスで出発し、東電株主総会に現地の声を届けに来た福島の仲間を先頭に、長蛇の列で会場に入る株主に「原発やめよう」の宣伝が繰り広げられた。株主の中には「原発に反対するなら電気を使うな」などと突っかかる人も見受けられたが、全体としては好意的な反応で、手を振ったり、うなずいたりして激励・共感の意思を示す人が多かった。

郡山の未来をつくる会の蛇石郁子さん(郡山市議)、滝田はるなさんらは「東京電力は福島県民の損害を全面的に賠償せよ」と題するチラシを株主に配り、「事故の収束、全原発の運転停止、廃炉推進」「子どもをはじめ県民の避難・移住費用の負担」「汚染された表土、瓦礫、汚泥等の撤去・搬出、大地、空気、水、生活環境の浄化」「農林漁業・事業収入、雇用・賃金喪失、健康被害への補償、恒久的な健康管理と医療保障」「猪苗代湖・尾瀬沼水利権の福島県への無償返還と布引高原風力発電電力の供給」を訴えた。福島の子どもたち、農民・市民の健康被害を訴える蛇石さんや滝田さんのアピールに人びとは聞き入った。
 
1989年に結成され、毎年の株主総会で脱原発の議案提案を行ってきた「脱原発・東電株主運動」の人びともリーフレットを配り、会場内外で訴えた。

東電株主総会は例年を倍以上の時間を要する六時間以上の長丁場の審議となり、「脱原発」を提案した議案には8%の賛成(昨年は5%)が寄せられた。東電の株主である福島県の南相馬市と白河市の二つの自治体も「脱原発」議案に賛成した。

原発推進に固執する電力資本の責任を問い、原発を断念させるためのさまざまな取り組みがさらに求められている。(K)