虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

フォト報告:7・1 55万人デモ~香港のことは香港人が決める!中国政府の統制下の香港NO!との圧倒的民意

「週刊かけはし」2019年7月15日号の、7月7日付の沖縄報告に掲載されている「7・1 55万人デモ
 香港のことは香港人が決める! 中国政府の統制下の香港NO!との圧倒的民意」の写真を掲載する。紙面に使われた写真は、そのごく一部にすぎない。(H)

①2019.7.1 香港の日刊紙「蘋果日報(アップルデイリー)」の紙面。一面に6.9の100万人デモ、6.16の200万人デモの写真と共に、「悪法未撤回、林鄭未退陣」の見出しがある。
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②2019.7.1 香港の日刊紙「蘋果日報(アップルデイリー)」が出した特集版の中の6.9デモの写真。103万人の香港人が決起し、白服姿の良識ある人海だと伝えている。
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③2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモを呼び掛ける横断幕。悪法の撤回と香港行政長官の林鄭退陣を求める。
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④2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。前日はがされたが一晩で元通りになったステッカー類。その横に救対班のテント。
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⑤2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモ行進の道路わきに設置された様々な団体のブース。
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⑥2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。デモの先頭の宣伝カーとマイクで呼びかける青年。
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⑦2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。道路はプラカードを手に行進する人々であふれかえった。
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⑧2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。中央分離帯をはさんで両側の道路が皆行進コース。
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⑨2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。「大専同志行動」というLGBTIQA+の学生団体の横断幕「すべての権力を人民へ」
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⑩2019.7.1 香港。容疑者引き渡し条例の改正案に反対して行われた大デモ。55万人参加。女性が手にしていたプラカード。写真を撮らせてと言ったら顔を隠した。
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報告:6.28 G20大阪NO!集会とデモ

_20190703_2046496月28日、29日の両日、インテックス大阪で主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催された。

 全国から三万人の警官を動員し、市内のいたるところに警察車両が配置され高速道路は閉鎖、駅のごみ箱もすべて封鎖または撤去という異様な雰囲気と、「大阪で世界最大の政治イベントが開催され、日本政府がリーダーシップを発揮する」という執拗な宣伝の中である種の「高揚感」さえ煽られている状況の中、同二八日にサミット会場の対岸に近い天保山公園で午後一時から「G20大阪NO!」デモの前段集会が開催された。海外からの参加者や全国各地からの参加者を含む約200人(主催者発表)が参加した。

 司会の「梅田解放区」の園良太さんの開会宣言と、歌とコールの練習に続いて、実行委員会呼びかけ人の一人である斎藤日出治さん(大阪産業大元教授)の基調的な発言。斎藤さんは「世界の貿易・投資・GDPのいずれも80%以上を占めるG20の経済成長は、私たちの生活とはまったく無縁だ。すべてはグローバル資本の利益のためだ。今やグローバルなリスクが拡大し、地球温暖化をはじめとした矛盾になんら対応できてはいない。私たちは国家のあり方を変える必要がある。グローバル資本の競争力を高めるための政策が、リスクを引き起こしており、G20の首脳会議はこうした問題に何ら対応できない。私たちの暮らしのために世界を変えよう」と訴えた。

 齋藤さんはさらに「ファシズムと二つの世界大戦は資本主義の行き詰まりを示すものだった。資本主義は歴史的使命を失ってしまった。私たちこそが世界を変えよう」とアピールし、大きな拍手を受けた。

 次に、韓国から参加を予定していたアジア共同行動の活動家と「平和オモニの会」のメンバー7人が空港で入国を拒否され、参加できなかったことが報告され、メッセージと実行委員会の抗議声明が読み上げられた。

 海外からの参加者のアピールは、同25・26日に大阪市内で開催されたG20市民
サミットと開催期間中の会場内での提言活動のために来日したインドネシア環境フォーラムのサウンさん。「気候変動対策への支援がきちんと行われていない。日本政府はインドネシアで石炭火力発電所を建設しようとしているが、それは気候危機を引き起こす可能性がある。地元では漁民が生計の手段を失い、農民の土地が奪われようとしている。工事の現場では三五人もの子供たちが死ぬ大事故も発生した。私たちはG20が石炭産業への融資をやめるよう申し入れたい」と語った。

 連帯挨拶としてFoE(地球の友)Japanの深草亜悠美さんが、インドネシアでの石炭火力発電の持つ危険性を指摘し「気候変動への責任のない人たちが大きな被害を被っている。クライメート・ジャスティスは人権を重視したつながりだ」と呼びかけた。深草さんたちは27日にも神戸や大阪で人目を引くアクションを起こし、世界で広がっている若者たちの気候アクションに呼応した日本での動きを印象付けた。
 
 全日建連帯労組からは「不当な弾圧で権利を制限し、身動きできなくさせる弾圧が続いている。この間も新たな弾圧があり、子どもの保育園のために就労証明を雇い主に求めたことが強要にあたるという無茶苦茶な罪状で仲間が逮捕されている。連帯労組にかけられている弾圧をはね返し、無罪を勝ち取る」という力強いアピールがあった。

 米軍Xバンドレーダー基地反対京都連絡会からは「トランプが使う自動車を積んだ乗用車を積んだ軍用機が着いた」という情報が紹介された。

 最後のリレートークで、実行委員会参加団体や飛び入りの参加者の3分間アピー
ル。

香港からG20への支援要請活動のために来日した若者たちの一団がリレートークの最後に登壇し、習近平への抗議をこめ「反送中」(中国政府に身柄を引き渡すな)のプラカードを掲げて闘いの決意を表明した。

三時からのデモは天保山公園からサミット会場の対岸の中央突堤へ向かって進み、元気なシュプレヒコールとドラムで注目を浴びた。終了後、中央突堤でサミット会場を睨みながら抗議の声を上げた。香港からの参加者の一人が海に飛び込むパフォーマンスで香港の闘いへの注目を訴えた。

          (K)

報告 : 6.13 香港の自由と民主主義を守る緊急行動

香港13元山仁士郎さんらが呼びかけ

香港と沖縄の共通した闘い

東アジアの民主化を共に


六月一三日午後五時半から、九段下にある香港特別行政区政府香港経済貿易代表部の前で、香港の自由と民主主義を守る緊急行動がSNSで呼びかけられ、三〇
〇人を超える人たちが集まった。呼びかけたのは元山仁士郎さんや杉原浩司さんら。

「容疑者引き渡し条例は香港の一国二制度を壊し、香港の自治が脅かされる
ものだ。そして外国人にも適用される。警察の暴力的弾圧も強まっている。東アジアの自由のために連帯する」と発言者と呼びかけ人から趣旨が話された。

プラカードを掲げた参加者が増えていく。参加した人たちが次々と思いを語った。

「何かしなければいけない。民主主義的抗議をしているのに、暴力的な弾圧はしないでほしい」。

香港生まれ。「返還される前に生まれた。こういう事態を恐れていた。民主主義が壊されてしまう。日本もそうなってしまう。なぜ声を挙げないのか。返還から二二年、世界の平和が崩される。自分たちの問題だ」。

沖縄人。「中国が香港に圧力をかける。これは沖縄と日本の関係と同じだ。反対
しているのに辺野古の基地が作られている。黙っていられない」。

香港人。「香港が好きだ。海、人々が好きだ。美しい香港であるように。日本と
香港、友好であるように立ち上がるべきだ。他人ごとではない。平和な世界を歩んでいくように願っている」。

香港人。「父は上海の人。天安門事件を思い出し落ち込んでいる。中国は好きだが中国政府は批判はしなければならない。ヘイトクライムにならないようにしなければならない。今日の香港は明日の日本だ。権力の横暴には東アジアの民衆の力で立ち向かおう」。

日本人。「中国の労働運動を支援している。一九八九年天安門で労働者も立ち上がった。その後弾圧され、香港に亡命してきた。香港は中国の民主化を支援する重要な位置にある。こうした香港の運動をつぶすような条例改正を許してはならない」。

杉原浩司さん。「日本政府と米国は天安門事件弾圧に対して、動かなかった。今回も日本政府は態度表明していない。われわれの自由・人権も脅かされる。私たちの連帯行動が香港の人たちを勇気づけ、条例案を止めることにもつながる。東アジアの民主化をいっしょに進めていこう」。

SNSで呼びかけた林田さんは「無抵抗の若者が思想・自由を守ろうと闘っている。黙って見ていることはできない。法律の問題だけでなく、自由に考え行動することへの弾圧だ。それに対する連帯。言論の自由を守れ、国家の暴力に反対する。『言うことを利かせる番だ。おれたちが』」。

最後に授業の関係で遅れてかけつけた元山仁士郎さんが「なぜ、香港の人たちをサポートするのか、それは沖縄を大切に思っているからだ。人々が声を挙げても届かない。国が弾圧してくる。香港と沖縄が共通している。香港を応援することを大事にしたい」と語った。

「香港頑張れ」のコールを繰り返した。そして、引き続き午後九時から渋谷ハチ公前で同様の集会を開くことを明らかにした。午後九時からの集会には二〇〇〇人が集まり、香港の運動との連帯を固めた。

 (M)



報告 : 6月12日、明治大学で周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)が講演

香港12中国政府「やりたい放題」許すな
攻防の現段階と私たちにできること


六月一二日午後五時一〇分から、明治大学駿河台校舎リバティタワー1012教室で、周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)が講演「香港における犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする条例改正案をめぐる攻防」を行った。中国法特別講義として、授業の一部をさいて行われた。六月六日、香港の議会で、この条例案が審議されるのに反対する一〇三万人もの抗議デモが行われたばかりでもあり、日本のマスコミ各社が報道カメラを持ち込んだ。また、香港からの留学生も多数参加し、教室は満席になり入りきれない人もたくさんいた。

鮮明な見解公表日本政府に望む

BBCの反対デモ映像が映し出された後、周さんが講演した。(以下講演要旨)

六月一二日に改正条例案が提出の予定だった。不当に拘束され、中国本土に送還される。これに反対し、一〇三万人が抗議した。一九九七年香港が中国に返還されて以後最大の規模だ。一国二制度によって、中国法は適用されないとされていたがすでに中国法が適用され始めている。

私は二二歳で、二〇一四年の雨傘運動に参加した。二〇一八年の立法会選挙に立候補しようとしたがその権利が取り消された。

香港は夜景が綺麗で食べ物がおいしいと見られているが、政治問題がたくさんある。逃亡犯条例改正案は、中国に引き渡される非常に危ないものだ。香港人だけでなく、外国人も影響を受ける。六月中に立法会で議決される可能性がある。本会議を予定しているが、議会前の占拠によって開催されていない。議会は半分だけが直接選挙され、残りは間接選挙で北京派の議員の方が多い。

中国本土は公平・透明性・人権・自由がない。司法が独立していない。中国共産党の道具として利用されている。三権分立がない。法治社会でもなく、恣意的拘束や逮捕、拷問が行われている。国家転覆罪もある。不可解な形で、障害を負わされたり、死んでしまった人もいる。活動家や弁護士、記者なども標的にされている。国家安全罪があるが、他の罪で引き渡される可能性もある。中国当局は罪をでっち上げることもやっている。

政治的誘拐が合法化されている。身の安全が保障されなくなる。香港の良さがなくなる。二〇一三年に、香港で中国批判の本を売っていた人が中国に誘拐された。このように中国当局のやりたい放題になる。香港は香港でなくなる。

四月二八日、一三万人のデモ、六月九日、一〇三万人の抗議デモが行われた。こ
れに対してカナダ・イギリス政府は条例に反対する共同声明を発表した。アメリカ政府と商工会議所が批判し、EUは反対の申し入れをした。

私が東京にいるのは、日本の現状を変えたいからだ。日本は香港との経済的つな
がりが大きい。日本政府は意見を言っていない。六月五日、衆院外務委員会で河野外務相は改正案について、「一国二制度があるから、声を出すべきではない」と発言した。一国二制度が一国一制度になりそうだ。改正案に対して、はっきりした意見を持ってほしい。

六月二七日を採決の予定にしている。自発的な商店の休業・ストライキや授業ボイコットが起きている。レストランに入って、IDカードをチェックしている。今日休業した店舗は一〇〇〇以上。警察が職権を濫用して、立法会のある駅で身体検査をしている。銃で撃ったという話もある。ペッパースプレイ、催涙ガスなど暴力のレベルが上がっている。どうなるか分からない。もっと注目してほしい。

民主化に関心を 日本も同じでは


講演の後、質疑応答が行われた。

——今後どうなるか。

予測することは難しい。六月九日のデモは三〇万人と予想されていたが一〇〇万人を超えた。想像できない。ストライキも起きている。雨傘運動や反愛国教育運動の時はリーダーがいた。今回は自発的な行動だ。自分の家を守りたいという責任感が強い。大学生は夏休み中、中高生が授業ボイコットした。これを見ても今回の広がりを示している。

—— 一九八九年六月天安門広場に一〇〇万人が集まり、民主化を求めた。しかし六・四悲劇が起きた。

今の香港の事態はあぶない状況になっている。戒厳令の可能性もあり、解放軍の虐殺もありうるか。

若い人はなぜと思っている。変わってしまうことに対する危機感。中国法が適用される所には住みたくない。日本政府は明確な態度を示していない。声を上げていかなければならない。

——運動のきっかけは?


責任感だと思う。一番好きなのは香港だ。好きな場所を守りたい。香港は一九九〇年代に難民を受け入れてきた。今は政治難民をつくっている。香港は自由社会だ。自由を壊しているのは中国共産党政権だ。希望を持っていたから闘ってきたし、これからも持ちたい。

——手助けすることはあるか。日本に望むことは。


民主化に関心を持ってもらいたい。香港の経験から自分が生きる社会に関心を持つことは重要だ。主権者としての意見を持つこと。日本も同じ問題がある。

——目指している政治の在り方は。

普通選挙を求めた。しかしこれがすべてではない。民主的制度がない。有権者は限られている。住宅や教育問題に声がないとダメだ。民主主義とは自らの未来は香港人が決める。生活は民衆が決める。

在日香港人留学生などがプラカードを用意していたが、学内でのパフォーマンスは禁止ということで、外に出てプラカードを掲げるパフォーマンスを行った。

 

(M)


報告 : 6月16日「年金返せ」デモ

年金1 六月一六日午後二時から、SNSで呼びかけられた「年金返せ」デモが東京・日比谷公園中幸門を出発して、銀座を通り京橋まで行われた。若者たちの参加が目立ち、二〇〇〇人を超えていたのではないか。

 ことの発端は、五月二二日に金融庁審議会で出された、少子高齢化や非正規雇用の増加で公的年金の支給が困難となり、将来的に国民に自助を求める報告書案にするというもの。この報告書に、「九五歳まで生きるとしたら公的年金のほかに夫婦で二〇〇〇万円が必要」と書かれていた。つまり、年金だけだと毎月五万ずつ赤字になるというのだ。そして、年金が何歳からどのくらい支給されるのか、きちんとした見通しもたっていないことだ。「百年安心の年金」が足元から揺らいでいる。

 年金支給の危機として捉えられたこの報告書を、麻生金融担当大臣は自分が諮問したにもかかわらず、受け取りを拒否し、この審議会報告書をなかったものとしてしまった。その後、この審議会の根拠となった数字は厚労省が出したものであることが分かった。夏の参議院選の争点となることを恐れた政府・自民党は打ち消しにやっきになっている。

 こうした真実を隠し、ウソで逃げ切ろうとする安倍政府へ怒りをぶつけるデモだった。デモのコールは「年金返せ、年金壊すな、生活できる年金を、暮らしを守る年金を、支給開始繰り下げ反対、二〇〇〇万円も貯められないぞ」というものだった。米軍から兵器を爆買いするのに、年金や社会保障費を切り下げる安倍政権を許さないぞ。

(M)


報告:移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019

配信:19061移住者42日間にわたり 活発な論議が

 6月1、2日の両日、日本教育会館を会場に「出合う、感じる、多民族・多文化共生社会〜いっしょに考え、ともにつくろう〜」をテーマとして「移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019」が開催された。主催は同フォーラム実行委員会。

 文字通り内容がぎっしりつまった催しであり、6月1日は、テレビなどで活躍するサヘル・ローズさんと矢野デイビッドさんのダイアローグで多文化共生とはどういうことかを考え、その後同会館の7・8・9階の会議室を使って、15の分科会でテーマを絞った議論、2日は、全体会「どうなる、どうする移民政策」を通じて、外国にルーツをもつ人々を迎え入れるに当たって、今年四月施行された新入管法があらためて日本の社会に突きつけている課題を共有、という構成だ。

制服姿の高校生たちも参加して

 政府は新入管法で「特定技能(1号と2号)」という新たな在留資格を設定し移住労働者受け入れを拡大する一方で、現実に進んでいる移民社会の現実に背を向け、頑として「移民政策」を拒否、移住労働者を1人の人間として社会に迎え入れるための制度を整えていない。そうであるならば、市民の側から移民政策をつくっていこう、今回のフォーラムはその思いから企画されたという。

 実は同フォーラムには20年以上の積み重ねがあり、第1回が1997年に開催された。バブル経済の中で日本社会に、それ以前の中国や朝鮮半島にルーツをもつ人々以外のルーツをもつ人々(「ニューカマー」と呼ばれた)が増え始めたが、当時の日本社会には現在以上に多文化共生の備えがなく、政府は治安的管理以外はすべて放置、移住労働者が遭遇した生活上のさまざまな困難と必要には、労働組合運
動を含む市民が、遅れてその圧力の下に自治体が、まさに手探りで応じていた。同フォーラムは、それら市民団体の経験交流を進め、また移住労働者自身の声を集めつつ、それらを基礎に、市民の側から多民族・多文化共生の理念と施策の必要を発信する場として無視できない役割を果たしてきた。1999年以降は全国持ち回りで開催されてきた。

 政府が昨年秋から前述のように、手前勝手で御都合主義的な、「労働力」としてのみの移住労働者導入を画策し、実に粗雑で空虚な議論のまま新入管法を強行に成立に持ち込み、「共生のため」と称する急ごしらえの「総合的対応策」でも、共生施策を事実上自治体丸投げにする状況の中で、移住労働者が直面する困難と人権侵害はさらに深刻化することが懸念された。日本社会がすでに移民社会になっていることを直視した「移民政策」が避けては通れない課題になっていることは明白だ。

 今回のフォーラムは、まさにこの状況を前に20年ぶりに会場を東京に設定して開催されたものだが、いわば先のような危機感も背景に、移住労働者当事者はもちろん、弁護士や研究者、現場の労働運動活動家を含み実に多様な参加者が集い、また若さが溢れる催しとなった。実際、ダイアローグ会場は参加者で溢れ、分科会では事前申込で定員が一杯になるものがいくつも出た。また、制服姿の高校生の集団など、開会に当たって司会者があえて触れるほど、この種の集まりでは他に例がないほど若者の姿が光り、参加者平均年齢が格段に低下していたことは歴然だった。

 そのことだけでも同フォーラムは成功と言えるが、ダイアローグ、分科会(筆者は当然ながら一つにしか参加できなかったが)、全体会ではいずれも参加者に深く訴える問題提起があり、充実した資料集とパンフレット「移民社会20の提案」を加え、フォーラムは豊かな成果を残した。なお同フォーラムは、朝日、毎日、東京の各紙、および共同通信の後援を受けていた。このフォーラムの成果が移住者関連の報道にどう反映されるか、今後を注視したい。

「一人の人間」として生きること

 その上で簡単だが企画のいくつかを紹介する。

 まずダイアローグが刺激的だった。登場の2人が語った半生が実に壮絶だったが、2人の提言は、その経験に裏打ちされた強い感銘を参加者に残した。

 具体的にまず矢野さんは、どんどん進む多様化に追いつこうとすること、あるいは何かに合わせようとすることではなく、1人の人間として自分の人生を生きることを基軸に置いて、それに寄り添うことが何よりも大切、と力説した。そして、移住者が新たなものをつくる可能性をもっていることを前向きに受け止めることも必要、と加えた。

 サヘルさんは、移住者には各々事情があり、まず人として見て信じることから始めてほしい、と訴えた。そして実は「多民族・多文化共生」という言い方には引っかかりを感じていると語り、国境は誰が決めた、アイデンティティは私、自分探しではなく自分つくりこそ基本、と強調した。

 二人とも民族でアイデンティティをくくるのではなく、あくまで一人の人間として直接ふれあうことの重要さを語ったことが印象的だった。そして最後に、会場の若者による、イランやイラク人の人々に周囲のほとんどがテロリストの印象をもっていることを変えたいとの質問に、サヘルさんは躊躇なく、まず友達になろう、レストランに行こう、と直截に答えた。それは参加者に、笑いの中で、人としてふれあうことへ自分の中から変える必要をあらためて納得させるものだった。

医療・福祉の分科会に参加

 筆者が参加した分科会は、医療・福祉・社会保障分科会。当日受付の段階では定員に空きがあって参加できたのだが、ここも始まってみると、すぐさま補助椅子が必要になるほど会場は一杯になった。

 議論は、各地での実例紹介も含めて、移民政策の不在が、健康保険に入れないことによる医療抑圧や、医療通訳の問題、また予防接種に当たっての罹災確認の困難さなど、すでに移住者に医療のさまざまな問題をつくり出していることを明らかにした。そして今回の新入管法施行で打ち出された「総合的対応策」も、それらを克服するものであるどころか、健康保険の適切な適用を名目に移住労働者に対する差別的な施策に余地を与えていることが指摘された。

 多岐にわたるそれらの問題は、ことの性格上厳密さが必要でありここで簡略に紹介することは控える。しかしそれらの問題の根底に、在留資格の法的地位が権利ではなくあくまで資格にすぎないという問題が通底していること、したがって人権保障としての明確な移民政策が不可欠と強調されたことは明確にしておきたい。

 同時に、先の施策打ち出しに当たって、ネットを中心に流されたフェイクも大きな影響を与えたこと、そうしたフェイクがスーッと入り込む状況があること、さらに「なりすまし」防止を口実にすでに診療拒否を打ち出している医療機関が出ていることなど、市民の側からの警戒と対抗の必要があらためて浮き彫りにされた。

多民族・多文化共生社会実現へ

 全体会ではまず、国士舘大学教員の鈴木江里子さんから、新入管法と「総合的対応策」に関する制度解説が行われた。そして、「特定技能一号」という新たな在留資格は明らかに異なる扱いであり、職場移動に際して地域移動をコントロールする余地を残していること、永住許可の居住要件の就労資格から排除することで安定的な在留資格への移行を制限していることなど、重大な問題を残していることを指摘した。さらに「総合的対応策」に対しても、いくつかの具体的事項を指摘しつつ、事実上自治体丸投げであり、制度的不平等の改善がまったくなく、共生の実現を不可能にしている制度的な壁が依然放置されている、と厳しい批判が加えられた。

 この報告を受けて大阪大学教員の高谷幸さんが、政策提言としての「移民社会20の提案」を提起した。政府省庁への働きかけに力点を置いたこの間の活動における、当事者の視点の不足と広い社会への訴えの不足を反省し、その二点を意識し必要最低限なものに絞った内容にすべく作成には三年をかけたという。そしてあくまで議論の素材であるとして、移民政策の実現に向けたプロセスとして広く活用を呼びかけた。

 その上で、日系ブラジル人三世のアンジェロ・イシさん、韓国出身のイ・ソンヒさん、在日朝鮮人三世の金竜介さんの3人が前述の鈴木さんをファシリテータとして、「どうなる、どうする移民政策〜移動・定住・永住する人々の視点から考える」との標題で議論を交わし、さまざまな切り口から示唆に富む具体的な問題提起が行われた。たとえば権利防衛における自己決定権、特に職業選択の自由の決定的重要性、家族帯同を妨げることにはらまれる人権侵害の深刻さ、などが指摘され、権利は特権ではないことの理解を進める啓発、および社会構成員として一括的な権利を確立することの必要性が力説された。

 特に、移住者の権利の問題は日本社会の底辺にある問題と共通する、社会全体の連帯で底辺の問題全体のステップアップを、と訴えたイ・ソンヒさんの指摘は印象に残るものだった。ダイアローグを含めて、このフォーラム全体は確かに、人権そのものに関して日本社会が抱える問題を照らし出していたと言えるからだ。

 こうして参加者に今後に向け多くの刺激と示唆を残した今回のフォーラムは、その示唆を「一人ひとりを大切にする多民族・多文化共生社会を実現」する課題として確認する大会アピールを採択して終了した。
         
(D)   



報告:5.26トランプ来日と新天皇・トランプ会談反対・新宿デモ

配信:5.26 5月26日、アメリカのトランプ大統領は「国賓」として来日した。トランプの来日は2017年11月以来、2度目となる。5月26日、トランプは安倍首相とのゴルフ、千秋楽の大相撲観戦と優勝した朝乃山への米大統領杯贈呈、さらには安倍首相夫妻との会食など日米政治家トップ同士の親密な関係を誇示した。翌5月27日には、新天皇夫妻との会見も行われる。徳仁天皇としては、国賓として招かれた外国元首との初の公式会見となる。

 今回のトランプ訪日の政治的意味は、きわめて重要である。拡大する中国の影響力に対する政治・軍事・経済的対決、朝鮮半島の非核化をめぐる北朝鮮・金正恩体制との緊張した駆け引き、さらにはイランをはじめとした中東地域での軍事的緊張の深刻化など、トランプは安倍政権との間で、軍事を軸にした完全な一体化を求めており、安倍政権もまたトランプの要求に応えることこそ、日本が取りうる唯一の選択であると確信しているからである。

 安倍政権が憲法九条の改悪を何がなんでも強行し、沖縄・辺野古の新基地建設をすすめているのは、そこにこそ帝国主義国家としての日本生きる道はないと確信しているからだ。

 5月26日、「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」(おわてんネット)は、トランプ来日と新天皇・トランプ会談反対をかかげて、新宿デモを行った。午後2時20分から新宿駅東口アルタ前で集会を開始。幾重もの警察の包囲、天皇主義右翼の罵声と挑発の中で、元気いっぱいにトランプ訪日、安倍首相との首脳会談、海上自衛隊初の空母型護衛艦「かが」への搭乗、天皇徳仁との会見のねらいを明らかにしていった。

 立川自衛隊監視テント村の井上森さんは、「おわてんネット」を代表して、現在の「令和天皇制」なるものが米日の支配階級の合作によるイデオロギー装置である、と語り、安倍・トランプ会談、天皇・トランプ会談それぞれの狙いを分析、批判する作業を通じて、天皇制に反対する運動を広げていくことを呼びかけた。

 つくば市の仲間は、6月8日のG20デジタル経済・貿易閣僚会合に反対する行動への参加を呼びかけた。練馬の仲間は、前日の五月二五日にG20への反対、トランプ・天皇会談反対を課題にした集会・デモについても報告した。神奈川の仲間からは、空母型護衛艦「かが」にトランプが搭乗することを通じてアピールされる、アジアにとどまらないグローバルな日米軍事共同作戦への抗議が表明された。

 「天皇制はいらないよ!」の歌声がにぎやかに広がる中で、デモに出発。執拗な右翼の挑発をはねのけ、150人のデモは元気よく人出でにぎわう日曜日の新宿の町に、「天皇制はいらない!トランプ・徳仁会見反対」の訴えを響かせた。

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報告:5.25「示そう 辺野古NO!の民意を」全国総行動

配信:5.25国会5月25日、「真夏」のような太陽が照りつけ、午前中から気温が30℃を超えた東京の国会議事堂前で、「示そう 辺野古NO!の民意を」全国総行動が午後1時半から行われた。行動には5000人の労働者、市民、学生が集まった。

 この日の集会は、何よりも沖縄県民の度重なる「辺野古新基地NO!」の意思表明(県知事選、県民投票、衆院補選など)に追い詰められながらも、あくまで強行姿勢で基地建設に突き進む安倍政権を倒し、憲法九条改悪を完膚なきまでに葬り去る人びとの意思を示すために準備された。

オープニングは川口真由美さんの歌と、おなじみ菱山奈帆子さんの元気いっぱいの歯切れのよいシュプレヒコール。

 松平真澄さん(ピースボート)の司会で始まった集会では、まず初めに野平晋作さん(「止めよう辺野古埋め立て」国会包囲実行委)の主催者あいさつに続いて、落合恵子さん(作家)が最初の発言。落合さんは「安倍首相は、辺野古新基地反対が圧勝した県民投票の結果を受けて、『沖縄には沖縄の民主主義があるかもしれないが本土にも本土の民主主義がある』、と居直った。これはある意味では正しい。堂々と安倍政権を私たちが打倒しよう」と呼びかけた。

 続いて、沖縄からの訴えをヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんが行った。安次富さんは、昨年の県知事選から始まる各市長選での勝利、県民投票の圧勝、そして衆院三区補選でのダメ押し的勝利を受けて、堂々と基地のない沖縄に向けて闘う決意を表明した。

 政党のあいさつは立憲民主党の石橋通宏参院議員、国民民主党の森裕子参院議員、日本共産党の小池晃参院議員、社会民主党の福島みずほ参院議員が行った。

 自治体議員からは東京都武蔵野市議の内山さと子さん、「市議会で、賛成16、
反対7で「辺野古新基地建設を見直すと議決された」、と発言。公明党議員三人も「辺野古見直し」決議に賛成したという。学者・文化人の公開質問状について紹介した藤本泰成さん(戦争させない1000人委員会)は、「自衛隊を災害対応部隊に編成替えしよう。この国を変えるのは主権者としての国民だ」と語った。

 第1部のまとめとして発言した高田健さん(憲法9条を壊すな実行委)は日本国憲法九五条(「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会はこれを制定することはできない」)を紹介しつつ、その意味を強調した。

 集会の第2部は、A、B.Cと三つのエリアに分けて、違ったプログラムで進行した。正門前のAエリアでは、満田夏花(FoEジャパン)が、「100万種もの動植物が絶滅の危機に瀕している。サンゴの保護という国際約束に反して埋め立てを強行することは許されない」と訴えた。さらに辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会首都圏グループの若槻武行さん、官邸前で一人で抗議の意思表示をしている沖縄県出身の加藤朋子さん、「島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会の高梨晃嘉さん、宮古島への自衛隊配備に抗議している宮古島出身の鈴木登美子さんが、それぞれの思いを発言した。

 国会前では、最後に青信号を使って横断歩道を渡り、国会正門前で横断幕を使い意思表示するパフォーマンスを繰り返し、沖縄とともに闘う意思を表明した。

(K)

案内 : 三里塚 7.14東峰現地行動

3Screenshot_20190527-010036~2三里塚 7.14東峰現地行動



◦日時:7月14日(日)午後1時

◦場所:旧東峰共同出荷場跡(千葉県成田市東峰65-1)/集会後、開拓道路に向け
てデモ

◦会場への行き方:京成東成田駅地上 12:00集合 迎えの車待機
10:34発  京成上野特急 →11:41着 京成成田→11:52発  京成成田 →乗り換え 
京成東成田線(普通) [芝山千代田行き]→11:57着  東成田 

◦主催:三里塚空港に反対する連絡会
連絡先:千葉県山武郡芝山町香山新田90-5/電話:FAX0479-78-8101



飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ!   
反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対!


◆安倍政権打倒!

 安倍政権は世界のどこでもアメリカと共に戦争ができる体制を作るために憲法改悪を目論んでいる。労働者・人民を戦争に動員するためにナショナリズムと排外主義をあおり、挙国一致体制を構築しようとしている。民主主義と完全に対立し、一切の差別と戦争の元凶である天皇制を強化し、戦争と天皇制に反対する者の存在を許さない社会作りである。

 安倍は沖縄の辺野古への米軍新基地建設を、沖縄住民の反対の意志を踏みにじって一方的に推し進めている。そのやり方は一片の民主主義も存在せず、ただ強権をもって進めるのみである。これに対して沖縄の住民はあらゆる手段を使って、体を張って粘り強く闘い抜いている。

 民主主義を破壊し、戦争の道を突き進む安倍政権を打倒しなければならない。

◆やめろ! 人権・環境破壊の飛行時間制限緩和

 三里塚においては成田国際空港会社が第三滑走路を2030年度までに完成させ、2020年東京五輪・パラリンピックによる便数増加に対応するためだとして飛行時間(現行午前6時から午後11時まで)を1時間延長するという計画を打ち出した。

 1月、夏目誠空港会社社長は、「第3滑走路建設など成田空港のさらなる機能強
化について地域の思いをしっかりと胸に刻み、全力で取り組みたい。A滑走路の夜間飛行時間制限緩和もできるだけ早く実施したい」と語った。夏目は昨年より、飛行時間の延長を1年前倒しで19年の冬ダイヤ(10月27日から)実施したいとしていた。

 これについては2月4日の四者協議会(国・千葉県・空港会社・周辺自治体)において合意された。しかし、騒音被害を実際に受ける飛行ルート直下の芝山町・横芝光町住民はあくまで飛行時間の延長を認めることができないと反対している。横芝町住民は「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板を掲げ、抗議や不安を強く表明している。

 空港会社は滑走路建設などの用地確保に向けて地元で移転、土地買収の動きを進め、空港会社は現時点で地権者の大多数の同意を得たと発表している。

 用地買収については移転補償や地域振興策などの問題が山積し、飛行時間延長の問題同様、地域の住民の意志と目先の利益のみを優先させる行政の思惑との間には対立があり、空港会社の住民の意志を無視した進め方には懐疑と反発の声が上がっている。

 3月末には横芝光町の水田で航空機の金属プレートが発見された。飛行直下の住民は騒音被害と共にこうした落下物の危険にもさらされることになる。

 住民の生活を破壊し、不安を増大させる第3滑走路建設、飛行時間延長に反対し
ていこう。用地内東峰・天神峰の住民追い出し、農地強奪を許さず、連帯して闘おう!(2019.5.20)

◆一坪共有地運動に敵対する所有者不明土地の登記・管理適正化法

 5月17日、参院で「表題部所有者不明土地の登記・管理適正化法」が成立しました。この法は、所有者不明土地(①不動産登記だけで所有者が判明しないか連絡がつかない土地②相続手続きをせず、相続登記をしていない土地)を売却可能にする悪法です。

 例えば、一坪共有者が死亡し、相続手続きをしていない一坪共有地は、この法の適用対象となります。法務局は、所有者が特定できないと認定し、裁判所が選任した管理者による売却が可能となり、売却した代金は供託にするのです。法務省は、この法に加えて、来年には売却がやりやすいように①相続登記を義務化し、期限内に手続きをしていない土地は売却可能②土地所有権の放棄確認の緩和の立法化もねらっています。

 現在行われている一坪共有地の一般社団法人三里塚大地共有運動の会への登記
移転がますます重要な取り組みとなってきます。ぜひ御協力ください。 

詳細は
三里塚大地共有運動の会ブログを参照してください。
https://kyouyu-undou-no-kai.blogspot.com/


【アジア連帯講座:7.12公開講座】フランスはいま 「黄色いベスト」運動を学ぶ

1Screenshot_20190526-231447~2アジア連帯講座:7.12公開講座

フランスはいま
「黄色いベスト」運動を学ぶ


講師:湯川順夫さん(翻訳家)

日時:7月12日(金)18:30~

場所:文京区民センター3D会議室


 フランス・マクロン政権に抗議する「黄色いベスト」運動は、2018年11月から始まり、この5月18日で半年を迎え、フランス全土で4万1000人(主催者発表/最盛時の参加者は30万人以上)が参加しています。警察権力の弾圧に抗して持続的な民衆パワーを示し続けている。

 『黄色いベスト』運動は、燃料増税の中止など生活、雇用、年金、緊縮政策の中止などにわたって要求しています。つまり、民衆の生存権行使の要求を具体化し、同時に資本家のためのマクロン政権を許さず、デモという表現を繰り広げているのです。だからこそ「燎原の火」のごとくフランス全土に広がったのでしょう。

 『黄色いベスト』運動について、フランスの社会運動に詳しい湯川順夫さん(翻訳家)を招き、運動の分析・解説をしていただきます。日本の民衆運動とも比較しながら、今後の運動の方向性について論議していきたいと思います。

湯川さんが翻訳した著作
◦『フランス社会運動の再生――失業・不安定雇用・社会的排除に抗し』 クリストフ・アギトン、ダニエル・ベンサイド著、柘植書房新社、2001年◦『新しいインターナショナリズムの胎動――帝国の戦争と地球の私有化に対抗して』 ダニエル・ベンサイド著、加藤洋介、星野秀明共訳、柘植書房新社、2009年◦『21世紀マルクス主義の模索』 ダニエル・ベンサイド著、柘植書房新社、2011年……その他、
多数


■紹介
フランスNPA(反資本主義新党)の全国スポークスパーソンは語る
『黄色いベスト』運動は、新しい種類の民衆運動だ

                
 「……運動は、ソーシャルネットワーク上で野火のように広がった請願署名で始まった。それはこのような形で、あらゆる政治的枠組みあるいは労組の枠組みの外で発展した。高速道路上での環状交差路に対する封鎖が11月に始まった。経済的機能を乱し、トラック運行を妨げるために、町々のすぐ外側の交差点が標的にされた。数10万人(最低でも30万人)のジレ・ジョーヌ(「黄色いベスト」運動)が、およそ2500ヵ所の封鎖に参加した。昨年11月17日から、警察との調整がない無届けデモが毎週末、数10万人の参加者を連れ出した。

 パリではその連れ出し先が、労働者運動のデモが向かわない高級住宅街、政府省庁の事務所、権力の現場、そして市中心部だった。デモに対する警察の抑圧は、度を増し続けてきた。12月1日には、凱旋門が標的にされ、非常に激しい衝突の中で外観が傷付けられ、ル・ピュイ・アン・ブレ(オート・ロワール県の自治体:訳者)では知事官舎が焼き討ちされ、ニースとナンテールの空港が封鎖された。一
二月八日、政府は、軍用武器と装甲車を装備した警官85000人を動員、パリや大都市のほとんどでのデモを止めることもなく2000人以上の「予防」拘禁を行い、一つのメッセージを送りたいと思った。

 この日以後弾圧が、ジレ・ジョーヌがパリで一斉にデモを行うことを妨げることになった。しかしこの国の残りではそうはなっていない。12月半ば以後デモ参加者数が減少したとはいえ、その数は毎土曜日、依然非常に高い水準を保ってきた。運動は今なお存在し、非常に決意の固い人々数万人を動員し続けている。それでも政府は、ジレ・ジョーヌを住民の残りから政治的に孤立させようと、僅かな譲歩を行い、見せかけの論争を始めつつ、前例のない警察の弾圧と法を使った弾圧によって、決起を破壊するためにあらゆることを行ってきた。

 政府は12月1日のデモの後、抗議の起点になった燃料税引き上げの取り消しを公表した。しかしそれは小さすぎ遅すぎた。政府は12月8日のデモの後、「あなたにプレゼントを贈るが、その支払いはあなただ」との全体原則にしたがった公表を行った。プレゼントの資金はすべて税金から当てられる。富裕層や経営者から徴収される資金は一ユーロもない。そしてそのプレゼントとは、「費用を雇用主に課すことがまったくない」、被雇用者に対する最低賃金月額100ユーロ引き上げ、諸企業における年末ボーナス(雇用主がそれを選択すれば)、時間外労働に関する税控除の復活、そして月収2000ユーロ以下の年金生活者に対する、社会保障資金を補助する税の引き上げ取り消しなどだった。それはトリックだが、しかし象徴となる形で、彼らは後退したのだ!……」




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