虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

報告 : 11.7 辺野古実防衛省定例申し入れ行動

IMG_1578高江にヘリパッドを作るな 辺野古に新基地作るな

 一一月七日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委の呼びかけで、毎月第一月曜日防衛省申し入れ行動が行われた。

 最初に日韓ネットの尾沢さんが韓国の闘いを紹介し、沖縄反基地闘争との連動した意義を訴えた。

「一一月五日パク・クネ大統領退陣を求める二〇万人のデモがソウルで行われた。チェ・スンシルゲートという口きき、利得を求めるもの、そして大統領演説草稿を見ているなど国家機密が流れた。民衆の怒りはパク大統領の独裁的手法・支配に対するものでもある。民主労総は二度のゼネストを決行して闘っている。さらに、サード配備問題、日韓軍事協定保護協定の締結に向けた協議の開始、沖縄周辺での日米韓軍事演習を行っている。これらは沖縄での軍事基地強化・拡大の動きと連動してる。韓国民衆と沖縄の闘いの連携を作り出そう」。

 横田行動実行委は「一一月二七日、福生でオスプレイ横田基地配備に反対して集会とデモを行う。米空軍のCV22オスプレイが二〇一七年一〇月~一二月の間に横田基地に配備される予定になっている。これに特殊作戦コマンドの訓練も含まれる。このコマンド部隊は高江ヘリパッド建設が完了すれば連携して使うことになる」と指摘し、横田基地への闘いの重要性を語った。

 「高江 森が泣いている」上映実行委の全国一般全国協東京労組が高江の闘いの様子を報告し、映画上映を紹介した。宮古島自衛隊配備に反対する実行委の若者は「宮古島へ帰省してきた。宮古島には航空自衛隊の基地がもともとあり、レーダーの建物が一つあったが目立つものではなかった。今回は新たなレーダー基地など様々な建物が建設されていた。地元は反対の意志を表明している。内地の人々が宮古島に寄り添うようになってほしい。今月の二〇日に宮古島で自衛隊基地建設反対の大集会を開く。石垣島や宮古島の予定地自治会はみんな反対している。支援の声を届けてほしい」と切々と訴えた。

 次に沖縄平和センター事務局長の大城悟さんが電話でアピールした。 「高江でヘリパッド工事が強行されている。政府は年内完成の号令をかけている。一日七〇~一〇〇台のトラックが入っているが計画がずさんだ。環境に配慮してモノレールを作って伐採を最小限とする工事にするとしていたが道路を作り違法な伐採をして工事をやっている。厳しい状況だが排除されながらもまた立ち上がり阻止行動をしている」。

 「山城議長が逮捕・拘留されている。弾圧を怒りに変えて、必ず跳ね返していく。沖縄差別を許さず、民主主義・平和を取り戻す。共にがんばろう」。

 警視庁機動隊の沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会は「警視庁機動隊が沖縄に何人行っているのか、何をやっているのか教えてくれない。不当な行為を税金を使ってやっている。これに対して住民監査請求で、機動隊を東京に戻したい。一一月一五日、中野産業振興センターで北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)と高木一彦さん(弁護士)を講師に勉強会をやるので参加してほしい」と話した。

 日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会と平和・核問題委員会が防衛省に申し入れを行った。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが「福岡高裁那覇支部が行った、辺野古埋立て容認の判決の破棄を求める最高裁行動(11月11日、20日午後6時、キャンドル集会、20日8時~9時情宣 10時~署名提出・要請行動正午~午後1時昼休み集会)」への参加を呼びかけた。

最後に、辺野古実が11月27日(日)午後2時新宿アルタ前、沖縄連帯集会・デモ、12月5日午後6時半(月)定例防衛省行動の行動を提起し、全員で防衛省に向けて「高江ヘリパッド建設、辺野古新基地建設阻止、宮古島・与那国島など自衛隊配備反対」のシュプレヒコールをあげた。日本キリスト教協議会の司会を務めた平さんが「神奈川県の牧師さんが高江での行動の件で、教会に踏み込まれて逮捕された」ことを報告し、戦前の警察のやり方だと批判した。沖縄連帯の連続行動に参加しよう。

(M)

11.2 TPP反対行動報告

TPP11211.4
TPP衆院特別委員会で強行採決
八日衆院本会議採決許すな!
農業、医療、労働など破壊するな


一一月四日午後、自民、公明、日本維新の会はTPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案を衆院TPP特別委員会で野党議員の抗議の中、賛成多数で強行可決した。与党側が民進など野党側と審議日程の調整がつかないまま、委員会採決に向け、午後から締めくくり総括質疑を実施した。民進党、共産党議員は、合意のない状態での委員会開会に反対し退席した。質疑の終了直前、委員会室に戻り、「強行採決反対!」などと書いた紙を手に、塩谷立委員長を囲んで抗議する中、採決を強行した。

今後政府・与党は四月八日にTPP承認案・関連法案の衆院本会議採決を目指すとしている。民進党は山本有二農水相の不信任決議案の提出も検討している。臨時国会の会期は一一月三〇日までだが、政府・与党は会期延長をせざる程追いつめられている。

この日も国会前ではTPPに反対する人々の抗議行動が行われた。TPPの協定審議内容がほとんど黒塗りで明らかにされないまま、農業、医療、労働、食の安全などを根底からくつがえすTPPが成立に向けて、全国の人々の意思を無視して進められている。断じてこれを許してはならない。

11.2STOP TPP 市民アクション国会前行動
国内批准反対 強行採決絶対反対


 一一月二日午後六時半から、衆議院第二議員会館前で「TPP批准反対 強行採決絶対反対」行動がSTOP TPP 市民アクションの呼びかけによって行われた。一一月四日に特別委員会と衆院本会議での強行採決が予定されていたが、山本有二農水相の「強行採決を認める発言は冗談だった」とする二度目の発言が明らかになり、四日の採決をめぐり与野党の激しい攻防が続く中での緊急行動であった。

衆院TPP特別委員会の理事・畠山和也さん(共産党衆院議員)が終わったばかりの理事会の様子を報告した。

「午後五時以降に理事会が開かれた。昨日の山本農水相の二度の暴言を問題にした。①強行採決発言について、撤回したが冗談だった発言②JA関係者に明日農水省に来てくれれば良いことがある、と発言した。大臣の資質に欠けると、野党は午前中に辞任に値すると要求。昼、自民党国対委員長は今日採決したい。野党は採決する状態にないとして午後五時自民と決裂。午後五時一五分理事会で、自民は四日の委員会で締めくくり質疑をする。強く抗議したが民進党理事は退席、共産党は残った。塩野谷委員長は四日午後一時半から総括質疑を行い、委員会の採決をすると決めた。本会議での採決はこの日は行わず、来週にずれこむことになった」。

集会の始まる前、カムロテツさんらのグループがラップ調で訴えた。

「TPP絶対反対、強行採決反対、国内批准反対。与野党合意も認めない。円満採決絶対反対。野党はもっと気合を入れろ、市民はもっと気合をいれろ。採決延ばしてもうれしくない。延ばした分だけこぶしをあげよう」。

山田正彦さん(元農水相)が「四日採決と聞いて頭にきた。日本の農業が危機に陥り、自給率が一〇%になる大事な問題だ。我々の勝負の時だ。許されない。TPPの葬式を出そう。四日正午に集まろう。何が何でも止めよう」と檄を飛ばした。清水忠史さん(共産党、衆院議員)。「採決が一日二日延びたぐらいで満足しない。廃案に追い込もう。農業のみならず、医療・中小企業への問題点が明らかになりつつある。審議は道半ばだ。山本農水大臣の発言、冗談で採決をもてあそぶな、辞めてもらうしかない。四日の委員会強行採決断固反対。中央公聴会も開いていない。日本を滅ぼす自民党になるな」。

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)。「TPPは様々な仕組みを根幹から変えてしまう、恐ろしいものだ。共同通信の行った世論調査でも、七八%が慎重審議を求めている。賛成しているのは一〇%のみだ。世界的にグローバリズムに抵抗する動きが現れている。TPP批准を阻止しよう」。加藤好一生活クラブ生協会長は金曜日には黒のコスチュームでがんばると語った。

毎日反対行動を行っているカムロテツさんは「TPPは社会の根幹が根底から変えられるものだ。6が9になる。山が海になるようなものだ。経済は円運動でなくてはいけないのに、線になりどこか一カ所に集められ独り占めされる。人間の生存・生活が破壊される。だからTPPは許せない」。JR総連、神奈川自治労連、全労連全国一般、自由の森学園の仲間がそれぞれTPPを批判した。



山浦康明さん(日消連共同代表)は「一〇月二七日午前中に、参考人として発言した。食の安全問題、遺伝子組み換え食品は鮭、麦、コメにまで及んでいて我々はそれを食べるのを拒否できない。食品添加物について知りたいが、TPPが通れば企業秘密だから表示しないとなってしまう。安倍首相は午後に、何ら私の具体的説明に反論することなく、日本の基準は変えないと答弁した。まともな審議が行われていない」と批判した。

ママの会の杉山さんは「先週の金曜日からずっと抗議行動に参加している。批准しても抗議しあきらめない。子どもをTPPから守る」と語った。神奈川県大和市から来た仲間は地元の人にTPPを知っているために話しかけている。一一月一二日には地元で行動する。TPPの危険性を地元で訴えようと話した。

横浜からきた岩田さんは「多国籍企業は彼らに都合のよいルールを作る。NAFTAで、アメリカの安いトウモロコシがメキシコに輸出され、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。その人たちがアメリカに行き、低賃金で雇われたのでアメリカの労働者の賃金が半分になった。米韓自由協定によって、韓国の畜産農家は壊滅した。ボリビアでは水道事業民営化され、水道料金が値上げされ庶民が困った。エジプトでは最賃が上げられない。EUに加盟したイギリスの漁業はノルウェーの安い魚が入り衰退した。一%の多国籍企業だけがもうかる。それがTPPだ」と世界で起きている自由貿易協定の問題点を指摘した。

フェイスブック憲法九条の会、歌手のえみむめもの歌など発言が続いた。最後に、「ふるさと」を合唱してTPP阻止まで闘いぬく決意を固めた。

(M)

追記:
この日の行動を終えて、家に帰り午後九時からのNHKテレビニュースで、山本農水相の発言問題を取り上げて、政治家の発言として問題があるとコメントしていた。これで終わると思っていたら、TPP批准によって良いことが起こると三つの例を紹介した。

一番目、日本は豚肉に一キロ四八二円関税をかけているがこれが五〇円になる。価格では米国産に負けるが霜降肉のような質で対抗する農家。この農家は初めTPPに反対していたがピンチをチャンスに変えると紹介した。

二番目、コメ。日本のコメ消費は二〇年前の三分の一に減っている。ベトナムは二二・五%の関税をかけているがこれが撤廃される。そうすると日本の三倍のコメを食べているベトナムに輸出できる。日本のおむすびをベトナムで販売したら、高い商品だがおいしいと売れた。

三番目、自動車部品製造会社。メキシコに輸出しているが、アメリカに製造拠点がない。輸出するには自動車部分の三七・五%しか輸出できないという制限が撤廃される。これが雇用につながる。

このどの例を考えてみても、どれも不確かで、日本の農家やベトナムの農家が豊かになるとは思えない。圧倒的な日本の農家や関税をなくすことによる相手国の農家や労働者の生活が厳しい競争にさらされ破壊されるだけだ。こんなウソとごまかしでTPPを通してはならない。

【11.19 アジア連帯講座:公開講座】徹底批判 自民党改憲草案 ―天皇元首化、国防軍創設、人権抑圧、首相権限の強化―

11.19 アジア連帯講座:公開講座

徹底批判 自民党改憲草案
―天皇元首化、国防軍創設、人権抑圧、首相権限の強化―


清水雅彦写真講演 清水雅彦さん(日本体育大学教授・憲法学/九条の会世話人/戦争をさせない1000人委員会事務局長代行)

【参考テキスト】『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか?』(清水雅彦 著/高文研)


日時:11月19日(土)/午後6時30分
会場:文京シビックセンター 会議室2 (3F)[東京メトロ丸ノ内線・後楽園駅 都営地下鉄三田線・春日駅]
資料代:500円
主催:アジア連帯講座
  東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付 
TEL:03-3372-9401 FAX:03-3372-9402

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 今年7月の参議院選挙で、自民・公明の与党におおさか維新、「日本のこころ」、さらに無所属議員を加えた改憲勢力が、非改選を含めて3分の2以上の議席を獲得。改憲発議への要件が衆参両院で満たされたことで、政権与党による憲法改定作業が、現実の政治課題として目前に迫ってきました。それに呼応するように、大手メディアも「まず修正ありき」の論調で紙面を埋めています。

 自主憲法制定は自民党結党以来の悲願であり、現憲法への「押しつけ論」「一国平和主義論」などの批判を持ち出し、修正を目論んできました。安倍首相は在任中の改憲を繰り返し公言。2012年に発表された「草案」をたたき台に、野党第一党の民進党を巻き込みつつ、秋の臨時国会・憲法審査会での議論開始に執念を燃やしています。

 来年は憲法施行から70年。改憲の原案すらこれまで国会に提出されなかったのは、その平和主義の崇高な不偏性と、二度と戦争を繰り返さないという市民のたゆみない運動や闘いがあったからではないでしょうか。

 自民党草案のどこが問題なのか。それがもたらす社会とは。そして私たちがめざす憲法の姿とは――。

 今回の公開講座では、憲法学はじめ、平和主義や監視社会論など、多方面で活躍中の清水雅彦さんをお招きし、自民党「日本国憲法改正草案」の問題点を徹底的に検証します。


報告:「日の丸・君が代」強制反対!10・23通達撤回!憲法を変えさせない!誰も戦場に送らせない!10.23集会

23集会 10月23日、学校に自由と人権を! 10・23実行委員会は、日比谷図書文化館で「『日の丸・君が代』強制反対! 10・23通達撤回! 憲法を変えさせない!誰も戦場に遅らせない! 10・23集会」を行い、188人が参加した。

 2003年、石原都知事が押し進める新自由主義と国家主義教育推進に向けて東京教育委員会が10・23通達(卒業式・入学式などで「日の丸・君が代」を強制)を強要してから一三年がたった。「君が代」斉唱強要に抗議する不起立・不伴奏等を理由にして延べ四七八人の教職員に不当処分されている。さらに再雇用職員・再任用・非常勤教員等の合格取消・採用拒否も行っている。

 都教委の攻撃は、安倍政権が押し進める教育委員会制度改悪、道徳教育の教科化、教科書検定制度改悪、自衛隊と一体となって宿泊防災訓練の定着化など新自由主義的教育改悪と愛国心教育の先取りであり、戦争法制定を通したグローバル派兵国家建設と連動したものであった。小池都政は、これまでの教育破壊路線を継承し、東京五輪に向けて「日の丸・君が代」を強め愛国心・ナショナリズムの浸透拡大をもくろんでいる。

 被処分者たちは、学校現場、全国ネットワーク構築などの反撃とともに粘り強く裁判闘争を取り組んできた。最高裁判決(2011年5~7月、2012年1月、2013年9月)は、10・23通達について職務命令は思想・良心の自由を「間接的に制約」するとし、「違憲とはいえない」として戒告処分を容認したが、都教委の減給処分・停職処分を取り消した。

 続いて河原井さん根津さん07年停職処分取消訴訟は、最高裁で戒告処分取り消しと損害賠償が確定した。東京「君が代」裁判第3次訴訟でも1審・2審で減給・停職処分取り消しが確定している。10・23通達関連裁判での処分取消合計数は67件・57人となった。

 しかし都教委は、違法処分を反省せず再処分を繰り返し、被処分者に対して「思想転向」を迫る「再発防止研修」を強化した。学校現場では職員会議での「挙手採決禁止」を含む「学校経営適正化通知」(2006年4月13日)以降、教職員に対して露骨な統制管理を強行し、抗議・意見を許さない現場に追い込んでいる。実行委は、都教委の攻撃に屈せず、東京の学校に憲法・人権・民主主義・教育の自由をよみがえらせるためにこれまで闘いの成果を確認し、新たな闘いに向けて確認した。

 集会は、近藤徹さん(「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会 )から実行委あいさつが行われ、「安倍政権は、『国家に従順な人づくり』の道を突き進んでいる。東京における自衛隊との連携による都立高校の宿泊防災訓練、教育課程の介入、『国旗・国歌法』に関する記述を理由とした実教出版の日本史教科書の排除などはその先取りだ。『お国に命を投げ出す』子どもづくりを狙うものだ。『戦争する国』を許さず、『子どもたちを戦場に送らない』ために闘いを広げていこう」と訴えた。

 10・23通達関連裁判訴訟団・元訴訟団が登壇し、一四団体の裁判闘争の取り組みを報告し、新たな闘いに向けたて決意を表明した。

 青井未帆さん(学習院大学教授)は、「戦争ができる国と教育」をテーマに講演した。

 青井さんは、義父が戦争動員されるプロセスと反省の手記などを紹介しながら「戦争は教室から始まる」実態を告発した。そのうえで①第13条( 個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重)、第24条(個人の尊厳と両性の本質的平等)を否定する自民党改憲草案批判②民主主義と国民主権の現状分析③立憲主義を否定する安倍政権を批判し、「政治を憲法に従わせる」観点から今後の課題を提起した。

 特別報告が澤藤藤一郎弁護士(東京「君が代」裁判弁護団副団長)から行われ、「『君が代』訴訟の新しい動きと勝利への展望」を報告した。 

 澤藤さんは、①「10・23通達関連訴訟全体の流れ②最近の諸判決とその要因③訴訟での勝利への展望を提起し、「最高裁は、権利侵害論については語ったが、制度論については語っていない。『主権者である国民に対して、国家象徴である国旗・国歌への敬意を表明せよと強制することは、立憲主義の大原則に違反して許容されない』という意を尽くした主張に、判決は応えていない。憲法20条(信仰の自由侵害)、『教育の自由』侵害の主張にも、子どもの権利条約や国際人権規約違反についても、最高裁は頑なに無視したままである」と批判した。

 第2の特別報告として東京高校生平和ゼミナールが「思いを語る―18歳選挙権、広島、沖縄、憲法」をテーマに戦争反対国会デモなどの取組みを紹介し、今後の戦争反対運動に向けて語った。

 最後に集会アピールを確認し、都教委に対する請願行動の取組みへの参加が呼びかけられた。

(Y)

報告 : 10.15 TPPを批准させない中央集会

IMG_1522今国会でTPPを批准させない
10.15農民連合など全国から八〇〇〇人が結集


ハゲタカによるハゲタカのための条約だ
百害あって一利なしが実態

一〇月一五日正午から、東京芝公園23号地で「今国会での拙速な批准は絶対許さない!1万人行動・中央集会」がTPPを批准させない!全国共同行動の呼びかけで開かれ、全国から八〇〇〇人が集まった。会場には以下のような団体の旗が翻った。農民連、全農協労連、農民センター、全国農団労など農民団体。パルシステム、生活クラブ生協などの生協団体。全労連、東京全労協、国労、全水道東水労、全建総連、国公労連、全建総連、JR総連など労働組合。

集会前段に歌手のえみむめもと制服向上委員会が歌でTPP反対を訴えた。続いて本集会に移った。山根香織さん(主婦連合会参与)が開会のあいさつを行った。

「政府は今月中の衆院通過を狙っている。TPPは一四兆円の経済効果があるとか、日本が締結し米国を引っ張っていくとか、信じられない言葉が政府からあがっている。農水産業の聖域をまもれないことがはっきりしてきている。残された関税の撤廃、食の安全・安心問題など危険な内容であふれている。国民軽視で大企業や投資家優先の協定だ。決まってしまえば後戻りできない。国会批准阻止のために全国で行動が行われている」。

次に、国会議員がかけつけ、連帯のあいさつをした。福島みずほさん(社民党)。「昨日から衆院で審議が始まった。TPPは①農業・酪農を壊す②食の安心・安全の問題。遺伝子組み換え、原産地を表示しなくてもよい③薬の安全問題、国民皆保険を壊す、ものだ。TPPは強欲資本主義のためであり、人々のためにならない。ISD条項によって、企業からしか提訴できない、それによって政府が多額の損害賠償金を払わされる。TPPは百害あって一利なし。米国大統領候補の二人も反対している。どんなことがあっても承認させない」。

小池晃さん(共産党)。「①多国籍企業のために関税をなくしてしまう。医療、食の安全、ISD条項。これは亡国の条約だ。②条約の内容を明らかにしていない。国会決議を踏みにじっている。国産米に影響を与えないと言っていたが嘘だ。米国大統領候補二人も国内の雇用・産業が壊されるから反対している」。

山本太郎さん(自由党)が「英文で六三〇〇頁もある条約は三分の一しか訳されていない。どんなやりとりをしていたのか情報公開したら、すべて黒塗りで出されてきた。こんなひどい状況を多くの人に知らせ阻止しよう」と話した。民進党の国会議員は参加せずにメッセージが紹介された。

オーストラリアはISD条項を禁止

全国から参加した仲間たちが訴えた。Anti-TPP Hokkaido(北海道の青年)。「デモや講演会をやり反対を訴えている。台風で被害を受けた。その上TPPが通れば死刑宣告を受けると同じだ。ベトナムの労働者の賃金が下げられる。ブラック企業が増えるなど、すべての労働者の安全を守ろう」。

石田正昭さん(日本協同組合学会会長、龍谷大学教授)。「批准のやり方に賛成できないという総会決議をあげた。学会がこうした行動をすることは異例のことだ。
①暮らし、命をおびやかす
②協同組合の組織・経営に脅威を与える
③日本が加害者になって途上国の人々を脅かすから、TPPに反対だ。さらに、アベノミクスに反対しなければならない。①財政出動②TPPは年金、健康保険へ民間投資の拡大をすることだ。これは生活を脅かす」。

ママデモ(三鷹)。「オーストラリア上院で、『ISD条項を禁止する』ことを通した。日本の三三県の一一一六人の地方議員にメールしてTPP反対行動に参加してほしいと訴えたが八人しか賛同の返信がなかった。これを一〇〇人以上に増やしたい」。

高田健さん(総がかり実行委)。「安倍首相は参院選で全国一〇〇カ所の演説で憲法改正を一度も言わなかったのに、憲法改正をやろうとしている。一一月南スーダンへ自衛隊を派遣し、駆けつけ警護をしようとしている。安倍打倒の共同の闘いを進めよう」。

吉田敏恵さん(岩手県生協連合会専務)。「午前四時発の貸切バスで五〇人が参加している。八月三〇日の台風一〇号で甚大な被害を受けた。一四〇〇億円の被害のうち二割が農水産物だ。しかし、これは再生する。TPPは食料の自給を壊す。七つの農協を訪れ反対の署名してもらった。まだまだあきらめない」。

植草一秀さん(オールジャパン平和と共生運営委員)。「ハゲタカによるハゲタカのための条約だ。日本を経済植民地にするための最終兵器だ。何が生じるのか。
①日本の農業がハゲタカ農業へ
②医療、すべての人から富裕層だけのものへ
③食の安全・安心が壊される
④労働、一億非正規化⑤農協・生協など共済事業が破壊される
⑥一〇〇〇兆円の郵貯などがハゲタカに持ち去られる
⑦六三〇〇頁の条約。四年間の秘密の保護。これがステルス爆撃機で、ISDに核弾頭が植えつけられている。断じて許せない」。

安倍政権はなぜ批准をいそぐのか

福島農民連。「10・7怒りの軽トラパレードをトラクター三台、軽トラ二〇台で本宮駅から二本松市に向けて行った。原発事故とTPPで二重に苦しめられている。安倍打倒しかない」。内田聖子さん(アジア太平洋資料センター)。「条約内容を翻訳し、読み解きブックレットを作った。国会答弁を見ているとすべて無視していたので怒りがこみ上げた。海外の状況。米国。議会で承認されないように運動している。雇用の問題、ISD条項で主権が脅かされる。日本やオーストラリアの企業から米国政府が訴えられる。カナダ、オーストラリアでは説明会やパブリックコメントが行われているのに、日本ではただの一度も説明会も開いていないし、パブリックコメントもとっていない。民主主義の観点からも異常だ」。

海外からのメッセージが紹介され、集会アピールを採択した。最後に山田正彦さん(弁護士・元農林水相)が「米国に行き、多くの議員や労働組合、環境団体らと話し合った。米国で批准されないものをなぜ日本は急ぐのか分からないと言われた。TPPは米国多国籍企業・軍産企業の世界支配が狙いだ。強行採決させてはならない」と閉会のあいさつを行い、トラクター、軽トラを先頭にして都心をデモ行進した。臨時国会での最大の課題、TPP批准を阻止しよう。 

(M)

【香港】もうひとつの香港は可能だ--左翼は情勢判断を見誤るべからず

20160904hk

もうひとつの香港は可能だ
 

左翼は情勢判断を見誤るべからず


區龍宇

 

原文は無国界社運(Borderless movement)に掲載された

社会運動圏内に一種の意見がある。それは、今回の選挙は工党、街坊工友服務処(以下、街工)、社会民主連線(以下、社民連)の三党派が後退して総得票率も減少したので、民主主義左翼が後退したことを意味し、政治情勢の悪化を反映した、という意見である。木を見て森を見ないとはこのことである。

 


三党派の後退の原因は惰性にあり

 

三党派の後退はもちろん残念なことではある。香港で労働者運動に従事する汎民主派の党派は工党[職工会連盟]と街工だけである。労働は社会の基礎であるが、そうであるがゆえに支配階級は意識的に労働者人民を貶めようとする。だからこそ左翼は多少なりとも労働者を代表する候補者を支持しなければならないのである。両党の後退は喜ばしいことではない。社民連は労働組合の基礎はないが、2011年に(右派が)分裂して以降、その路線は比較的明確になり、中道左派となった。相対的に言えば支持に値するが、この党もまた後退した。

 

しかしこの三党派の後退は、民主主義左翼の後退を代表するものではなく、ましてや情勢が悪化したといえるものでは全くない。その良し悪しは相半ばというところだろう。

 

まず次の点をしっかりと認識しなければならない。今回の選挙は、これまでの慣例と大きく異なり、香港政治の地殻変動という状況のもとで行われたということである。地殻変動とは何を意味しているのか。それは雨傘運動を経て、中国と香港の関係に大きな変化が起こったということである。中国共産党の独裁と香港人の自治権は水と油の関係になった。民主的返還論(基本法の枠組みの下での普通選挙実施)は完全に破たんした。情勢は民主派に新しい方向性を迫っている。歴史は雨傘運動において「命運自主」という名スローガンを召喚したが、それは偶然ではない。ゆえに、改めて民主自決を発展させることは必然である。投票した有権者の五分の一がこの方向性(自決)を提起した候補者を支持したことは、変化を求める意識が小さくないことを反映している。

 


蔡教授を信じると大変なことになる

 

工党、街工、社民連の三党派の後退の理由は、まずこの大局を軽視したことにある。2012年以降、私はこの三党派の友人たちと交流するなかで、大局の変化に注意するよう何度も促してきた。香港人は焦慮を迫られているのだから、政治化とオルタナティブの模索は必然である。だが民衆が左転換するのか右転換するのかはまだ不明であり、それは左翼がどう取り組むのかにかかっている。もし左翼が新しい方向性を提起することに間に合わなければ、そして排外主義的本土主義者に対抗しなければ、左翼を含む民主派全体は取り残され、ひいては敗北するだろう。従来の路線(基本法の枠組みの下での普通選挙実施)はすでに死んでいる、民主自決の方針を提起することでのみ、香港人を政治的困惑の局面から連れ出すことが可能になる、と(原注1)。

 

しかし残念なことに、三党派の指導者は期せずして同じ類の主張をしている。つまり、排外主義本土派は恐れるに足らず、無視するのが上策である、と。彼らは、自決という要求は流行の一種に過ぎない、あるいは、これまでの主張がダメなら、別な主張を言ってみようという程度の窮余の策に過ぎないと考えている。だが彼らは、二〇世紀の世界の反植民地主義運動は、すべて民族あるいは民主的自決という結果につながっていること、国民会議を招集して憲法を制定しなおすという運動につながっているということを完全に忘れている。香港の反植民地運動や自主を求める運動だけがどうしてそのような歴史の例外となり得るというのか。

 

次のような意見もある。自決も結構だが、それはスローガンだけのものだ、と。否!このスローガンは、数百年における世界の民主革命の歴史を継承しているのだ!民主主義革命の常識を知らないものだけが、自決という主張に対して、そのような平板な考えをもつことができるのだ。もちろん、それも歴史的脈絡があってのことだ。つまり香港人には反植民地闘争の歴史がなく、また海外の運動を学ぶこともなかったことから、政治認識が不足しており、情勢の変化においてなすすべがなかったのである(原注2)

 

もちろん歴史は参考になるだけで、人間は歴史を作ることができる。もし民主自決がオルタナティブでないというのであれば、別の新しい方策を発明することもできる。しかし工党と街工は何ら新しい政治的見解を示さなかった。情勢の変化を無視するこのような状態は一般的に「惰性」と呼ばれるし、流行りの言葉でいえば「経路依存性」と言われる。明らかに大局が変化しているにもかかわらず、従来のしきたりを重んじ、すべてそれに従う。

 

蔡子強[香港大学政治行政学の上級講師で政治コメンテーター]は汎民主派政党に対して、若者票に力を割かなくてもいい、新しい主張を提起しなくてもいい、これまで通りの活動をしていればいいとアドバイスしてきた。民主党はこの「ご高見」を受け入れ、選挙結果もまずますであった。なぜなら保守の中産階級に支持基盤があったからだ。しかし工党と街工は労働者市民に依拠しており、断じてそのような保守中産階級に迎合する「ご高見」を受けいれてはならない!だが彼らはそれを受け入れて大きな代償を支払うことになった。社民連はそれよりもマシであった。選挙が始まるまでに主張を転換し、自決に似たような主張を提起した。しかし転換が遅かったことから守勢とならざるをえなかった(三党の後退は、もちろん汎民主派の多くの政党が選挙区で競合したことにもある。私自身も新界西選挙区では当日までどの候補に投票しようか迷ったほどである)。

 


ニューフェイス当選の背後にある意義

 

幸いにも今回の選挙では民主自決派(朱凱迪、小麗、衆志)が立候補し、多少なりとも排外主義本土派以外の選択肢を有権者に提起することができた。この三人が当選する一方、排外主義本土派のイデオローグであった三人のゴロツキ政治屋が落選したことは、「もうひとつの香港は可能だ!」「命運自主の香港、排外主義のない香港は可能だ!」という素朴な願望を持つ相当数の有権者を体現している。

 

排外主義ではないということは、民主的多元主義を受け入れ、中国大陸からの新移民を歓迎することとイコールではない。しかし少なくとも新移民反対を掲げる排外主義本土派とは大いに異なる。自決に賛成するということも、多くの事柄を熟慮する知識をもっていることとイコールではない。しかし工党と街工が奉じ続けている「選挙制度改革の手順のやり直し」に比べればずっとましである。総じて、三人の民主自決派の当選は、政治的綱引きにおいて、民主派の陣地の一部を奪い返し、排外主義的本土派の大勝を阻止した[排外主義本土派からも新人三人が当選した]。逆に、もし三人の民主自決派が当選していなければ、オルタナティブを模索しようとしていた多くの有権者、特に青年世代が、排外主義本土派に回収されてしまっていただろう。それこそ情勢の急激な悪化となったであろう。

 

なかには、世代交代という事情もあり、有権者は新人を好んだのであって、自決の主張など関係ない、という見方もある。このような考え方にはもちろん一定の根拠はあるが、もしそれが全てであるかのように言うのであれば、工党、街工、社民連はそれぞれ新人も候補者として立候補させていたにもかかわらず当選できなかったのはなぜなのか。[民主自決派と排外主義本土派という新興勢力に投じた]22%の有権者のおそらく一定の割合が、多少なりとも自らの政治的判断で投票したことは想像に難くない。雨傘運動を経て、政治情勢は確実に変化しており、民主派を支持する民衆は確実にオルタナティブを欲しており、確実にさらなる政治化と急進化を遂げている。世代交代という理由をあげて変化を求める有権者の願望を否定することができるのか。そもそも世代交代と変化を求めることは対立するのだろうか。

 

また別の意見として、当選した三人の民主自決派はどれも中途半端なものだ、という意見がある。たとえば何某の綱領は排外主義本土派に甘いとか、何某のこの立場は左翼ではないので彼らの当選は特に喜ばしいことでもない、等々である。そして「情勢は悲観的にならざるを得ない」と結論付ける。だがこのような意見は、三人の新人のこれまでの主張や実戦が、排外主義本土派とは全く区別されるものであることを見ていない。より重要なことは、その背景としてさらに多くの民衆がふたたび模索を始めているということだ。惟工新聞[ウェブメディア]が香港のベテラン左翼活動家である阿英に行ったインタビューのなかで、彼はこう述べている「少なくともこの選挙は、香港人に思考することを、ひいてはその政治理念を実践することさえも迫りました。」(原注3)左翼はこの決定的な時期において、消極的な批判に終わるのか、あるいは積極的に参加して大衆を勝ち取るのかが問われている。

 

発展途上という観点が必要

 

当選した三人の新人の不足については、私は「変化を求める 2016年立法会選挙の結果についての初見」のなかでも指摘した。「政治分岐は始まったばかりであるということだ。今後それがどのように発展するのかという変数は極めて大きいし、直線的に発展するかどうかはもっとわからない。とりわけ民主自決派の多くは、スタートしたばかりであり、政治主張および経験は極めて不足している。極右本土派の攻撃の中で、基盤を確立し、流れに抗して、新しい民主勢力を鍛え上げることができるかどうかは、いまだ未知数である。だが真の民主派は、手をこまねいて傍観しているだけであってはならない。闘争に身を投じ、民主勢力の世代交代を促さなければならない。

 

民主主義左翼として、われわれは次の三つの立脚点を持たなければならない。

 

ひとつは、発展途上という観点である。工党、街工、社民連、あるいは朱凱迪、小麗、衆志に対してもすべて今後の発展を期待するというスタンスである。一歩前進すれば、とりもなおさず一つの功徳として、われわれはその発展に尽くす価値がある、ということである。逆に後退すれば批判すべきであるが、それは後ろ向きの批判であってはならない。

 

第二に、民主的教育という観点である。生まれ持ってすべてを理解している人などいない。誰もが学習を通じて会得するのだ。

 

第三は、団結可能な一切の勢力は団結すべし、という観点である。

 

労働者民主派にしろ、中道左派にしろ、あるいは青年世代の民主自決派にしろ、セクト主義を克服し、思考を一新し、路線を転換し、大局を把握し、強大な連合に向けて徐々に進むことで、独裁と排外主義本土派に対抗すべきである。それができなければ、地獄への道へとまっしぐらである。

 

左翼の観点についていえば、さらに多方面にわたり、ここで書き尽くせるものではない。たとえば左翼は代議制選挙についてどう考えるのかについて、阿英のコメントを再度紹介したい。「もし純粋に議席獲得のためだけに選挙にかかわると、その団体は逆に選挙に縛られてしまい、全く逆の結果になってしまうだろう」。このコメントは三人の青年自決派にも同じように当てはまる。今回の選挙がさならる思考を促すことを期待したい。

 

2016926

 

(原注1)私は2012年初めから常に警鐘を鳴らしてきた。当時の論文を参照してほしい。「香港のあり方をめぐる右翼と左翼『香港ポリス論』批判」左翼21[『香港雨傘運動』柘植書房、2015年に収録]

 

(原注2)「雨傘運動の意義と展望」参照[『香港雨傘運動』柘植書房、2015年に収録]

 

(原注3)「労働NGO14年 『雇用関係がつづくということは、労働者がつねに犠牲にさらされるということでもある』」

【香港】分裂ばかりで連合できなければ将来は死あるのみ

20160904hk01

分裂ばかりで連合できなければ将来は死あるのみ
 

區龍宇

 
[本論考は香港紙「明報」2016年9月11日の日曜版付録に掲載された

終わったばかりの選挙をめぐって最も多用された用語は「味噌もくそも一緒に道連れ」であろう。民主派が重複して立候補し「分散化」したことをめぐって、それぞれが攻撃し合あう事態になった。たしかに、そのような泥試合がなければ、民主派の成績はさらに理想的なものとなっただろう。

 


道同じといえども、相為(あいとも)に謀(はか)らず

 

冷静な分析をすれば、たしかに民主派のなかでの分岐は存在していた。たとえば民主自決という主張[選挙制度改革は香港人が決める]と、選挙制度改革手続きのやり直しという主張[選挙制度改革は基本法に定められた手順に従って行う、つまり最終的な権限は中央政府にある]にはたしかに違いがある。真の分岐が存在するのであれば、それぞれ立候補することには、少なくとも一定の理由があるだろう。従来どおりの香港民主化の道筋はすでに断たれているが、新しい道筋はいまだ未定である、という厳しい状況で混乱が生じるのは必然ともいえる。

 

問題は、多くの候補者や政党の綱領に実質的な違いがないにもかかわらず、事前に合同することもできず、逆にそれぞれの主張に終始して同じ選挙区から立候補したということにある。中道右派の民主党、民主民生共進会、公民党がまさにそうである。中道左派の四つのグループも多かれ少なかれそうである。

 

汎民主派[既成の民主派政党]は分散化の原因を比例代表制のせいにしている。しかしそれは根本的な原因ではない。なぜなら分散化は政党だけに限った問題ではないからだ。社会運動を見てみよ。もっと分散化している。20年ほど前、香港では住宅局と水道局の公務員労働組合が民営化に抵抗した。しかし一つの部門に20以上もの組合が乱立していて、どうして闘争に勝利などできるだろうか!今日、政党も社会運動も同じ状況にある。これで専制[中国政府]に抵抗するなどできるだろうか。

 

 

選挙運動が民主化運動を押しのける

 

私は雨傘運動についての一連の総括文章のなかで、なぜ香港人が一般的に政治能力が不足しているのかという分析を試みたことがある。「まず香港人は長年の植民地支配にもかかわらず、それに対する抵抗を欠いてきたことがあげられる。戦後において土着の大衆に根ざした反植民地闘争は存在しなかった。イギリス植民地主義者に反抗することがなかった香港人が、中国への返還の過渡期において民主的政治能力を鍛え上げ、イギリスと中国の支配者から最大限の民主主義を勝ち取ることができなかったのは自然なことである。それゆえ、返還後、中国共産党に自治を奪われていくことも運命づけられていたとも言える。」[『香港雨傘運動』72頁]

 

汎民主派政党からはこんな反論がでるかもしれない。「われわれの二つの普通選挙運動[行政長官選挙と議会選挙]こそ、専制に反対しているのであり、植民地主義と闘っているではないか」。

 

そうではない。二つの普通選挙運動は、真の民主化運動には程遠いものである。民主化を実現するには政治の最高権力機構を徹底して民主化する必要がある。だが二つの普選運動の対象である行政長官と立法会のいずれも最高権力機構ではないのだ。最高権力は中国の中央政府が握っているのだから。だが汎民主派は真の民主化を目指してはいない。だからそれは反植民地闘争と言えるものではないのである。

 

幸運なことに香港人は反植民地闘争を経ずに選挙権を獲得した。しかし汎民主派政党は、この利点を利用して真の民主化運動を発展させるのではなく、議席の獲得だけに専念したのである。その結果、議席だけに執着し、議席のためなら原則を犠牲にして野合または分裂する一群の政治屋を各世代につくりだすことになった。選挙のたびごとに民主化から遠ざかっていった。希望は徐々に禍根に変わっていった。民主化運動の内容は恐ろしく貧相になった。民主と自由、人権と法治を口々に叫ぶが、それは無内容となり、主権在民すら俎上に上らなくなった。政治屋はごろごろいたが、民主化の闘士は姿を消した。これでは中国政府に抗うことなどできようもなく、必然的に終始ばらばらのままとなったのである。

 

 

集団的自己萎縮化

 

しかし彼らの妥協主義は、香港の主人となる準備が全くなかった当時の香港人の意識を反映したものでもあった。これはある一つのエピソードからもはっきりと見て取れる。1991年に行われた最初の立法会の直接選挙において、香港民主同盟[のちの民主党]が6・4天安門事件による追い風を受けて議席を席巻して得意満面となっていた[定数60のうち、18議席が直接選挙枠に充てられ、港同盟の12議席を含む民主派が17議席を獲得した]。そして李柱銘[弁護士出身の港同盟のリーダー]を筆頭に、香港総督府に対して行政局への参加を要求した。それに対して「権力を奪おうとしている」として世論から大々的に批判されたのである。

 

李は不満げに自己弁護した。「選挙に勝利したのだから、民主主義の慣例に従えば、政権に参加するのが当然ではないか!」。しかし当時の有権者はある番組の視聴者の声[phone-in]でこう批判した。「あんたに投票したのは、われわれの声を政府に聞いてもらいたかったからであり、あんたに権力をとらせるためではない!」。これが当時の有権者の意識であった。今日から振り返れば、笑うに笑えないエピソードである。

 

新しい世代が、上の世代と自分自身が抱える植民地の歴史を真剣に総括することなしに、香港人の解放闘争を指導しようと考えるのであれば、無邪気にもほどがあるだろう。実際に、新しい世代の多くが、自決や独立など、新しいネーミングをよどみなく暗唱してはいるが、いずれも内容的に乏しいのである。

 

 

「独立後、一切は現状維持」?

 

ある独立派のフェイスブックにこんな質問が書き込まれた。「独立派はどのような青写真を示せば、最も支持を得ることができるだろうか。 公共住宅の増設だろうか、福祉政策の充実だろうか。」答えはそのいずれでもなかった。「香港は独立した翌日にこう宣言するのだ。市民の生活方式は現状維持、一切は不変である、と。」 馬脚をあらわにした。つまり、偉大な大香港国は、その国名を除いて、現在の香港とまったく変るところがないというのだ。大資本による独占、貧富の格差、高齢者はくず紙拾いで糊口をしのぐ!このような香港国を、搾取にあえぐ庶民や高額な学費ローンに苦しむ青年たちが支持する理由があるだろうか?

 

汎民主派の学者は香港独立派と社会民主連線を、急進派という同じカテゴリーに区分する。しかし社民連の「急進」は、中道左派の急進主義である。前述の独立派は「急進的保守主義」であり、その従兄にあたるのが他でもないアメリカのトランプなのであり、同じ急進派でも全く違うのである。

 

 

香港版「ハンガーゲーム」

 

右翼独立派は、自分たちは新しく、そして急進的だと考えているようだが、実際にはそのイデオロギーは古い上にも古く、保守の上にも保守であり、汎民主派の保守主義がどんどんと右へとシフトしてきたことの結果にすぎない。彼らは古い汎民主派と同じく、植民地主義の遺産を継承している。党派間では互いに泥試合を展開しているが、しかしその社会経済政策においては、高度に同質化しているのである。

 

香港の植民地主義の制度的特質は、政治における権威主義(行政主導と呼ばれる)、経済における大資本のなすがままの独占(自由放任と呼ばれる)である。たしかに香港は特殊である。イギリス植民地から中国の植民地となったこの170年、政治と経済の制度には変化がなかったのだから! それは「超安定構造」などとも呼ばれているのだ! この170年の間、世界経済システムには大きな変化が訪れた。自由貿易は一変して関税戦争へ、そして世界大戦へと至った。その後は、国家が関与するケインズ主義、福祉国家へと移り変わった。そして1980年代初頭からはさらに新自由主義へと転換した。だが香港の政治経済制度には何ら変化も起こったことはなかったのである。

 

これまで変化が起こらなかったのは、このような制度が植民地宗主国にとっては最も理想的だったからである。

 

1、イギリスはアヘンの自由貿易で大いに潤った。中国政府は香港への自由投資で、中国資本が香港株式市場の時価総額の六割を占めるまでになった。香港でカネ儲けの兆しがあれば、大挙して投資をたたみかけ、すこしでも変化の風を感じれば、いつでも自由に投資を引き揚げる。このような自由放任で誰が一番得をするのか、はっきりしている。

 

2、宗主国は表面的には自由貿易をうたうが、実際には行政権を盾にして、土地の囲い込みと独占をおこない、自分の利益を確保しようとしてきた。政府調達では、高値にもかかわらず、必ず「宗主国」のモノが購入された。香港返還の前はイギリス製、そして今では中国製にとってかわったにすぎない。

 

右翼の香港独立派は、植民地主義の政治経済制度すべてを、永遠にそのままにするというのである! 汎民主派政党の主張もそれと大して変わりはない。しかし、まさにその自由放任が、香港人の民主共同体の誕生を阻害しているのであり、命運自主[雨傘運動で叫ばれたスローガンで「運命は自分で決める」という意味がある]を困難にしてもいるのである。「自由放任」のもとで、中下層の民衆は支配者によって引き起こされる底辺に向けた競争に駆り立てられる。まさに映画「ハンガーゲーム」のようである。民衆が互いに「スタートラインにつく前から勝負をつける」、「生まれる前から勝負をつける」というような状況では、民主共同体など存在しようもない。

 

 

植民地主義の害毒を総括し、

香港人の民主共同体を建設しよう

 

幸いにも若い世代は、その親の世代とは大いに異なっている。皇后埠頭の保存運動から雨傘運動にいたるすべてにおいて、文化と個性の発展を大いに重視する姿勢を明確にしており、非難の泥仕合に巻き込まれることを忌諱している。だが青年の素朴な理想は、新しい民主主義の理論で武装される必要があるし、それ以上に植民地主義的遺産の総括を必要とする。そうしてはじめて、新しい綱領の上に分散化を克服し、すべての民主的勢力の連合によって、専制に対する一致団結した抵抗が可能になる。

 

2016910

 

報告:10.6 戦争法廃止!憲法をいかそう!さらなる広がりを求めて 総がかり行動シンポジウム

総がかり 10月6日、戦争させない・9条を壊すな!総がかり行動実行委員会は、東京・北とぴあで「戦争法廃止!憲法をいかそう!さらなる広がりを求めて 総がかり行動シンポジウム」を行い、900人が参加した。

 高田健さん(解釈で憲法9条件を壊すな!実行委員会)が主催者あいさつ。

 福山真劫さん(戦争をさせない1000人委員会)は、「総がかり行動実行委員会の取組み経過と今後の取組み方針」を次のように提起した。

 総がかり運動の特徴は、
①安倍自公政権の暴走の中で、平和・民主主義・憲法が戦後最大の危機にあるとの認識がある
②3・11を契機に自らがかかわってきた運動・運動体の弱点・限界についての自覚がある
③労働団体と市民団体、市民との共闘をめざしてきたこと
④運動経過と立場の違いを超えて、従来分岐していた団体の共闘を形成してきた
⑤政策の実現をめざして選挙闘争も含めて野党共闘をめざしてきた―ことだ。従来にない画期的な市民運動の高揚をつくりだしている。

 今後の主要な取組みとして
①戦争法反対行動(毎月19日行動、対政府交渉、青森現地集会)
②憲法改悪反対闘争(5・3集会)
③沖縄課題で「国会包囲実行委員会」・「オール沖縄会議」との連携強化―「沖縄県民の民意尊重と、基地の押し付け撤回を求める全国統一署名」の取組み
④貧困・格差課題
⑤衆議院選挙闘争
⑥違憲訴訟支援
⑦12月10日、沖縄大連帯集会と沖縄現地派遣―を提起した。

 沖縄コーナーでは「寿」のミニライブ、一坪反戦地主会関東ブロックから高江ヘリパッド工事阻止闘争と機動隊の弾圧糾弾、辺野古新基地反対闘争への支援を訴えた。

 シンポジウム「総がかりのこれまで・これから」では、3人のシンポジストが以下のように問題提起し、論議を深めていった。

 中野晃一さん(上智大学教授)。

 「総がかり行動は、憲法共同センター、1000人委員会、九条壊すな!など関連団体、新しい人々も参加している。これまで平和運動を担ってきた運動体が党派性によって分断されるところがあったが、その垣根を越えて一緒にやるようになったことは画期的だった。国会前の毎週木曜日行動によって新しい人々も参加できる場を作ったことは大きかった。シールズもできて若者たちも参加するようになった。野党議員を呼び出して発言させ、その後の野党共闘に結びついた。市民連合もできた。戦争法の強行裁決後も『19日』抗議行動に続くように抵抗の基盤を作り上げていた」。

 「総がかり行動で市民の共闘体制を作り、野党を呼び込むことを根気強く行ってきた。現在の新潟知事選、東京・福岡の衆議院議員補選は、厳しい闘いだが、投げ出すことはできない。どうやって野党共闘と市民共闘を強化していくか。戦争法に反対し立憲主義を取り戻す闘いは、個々人の尊厳を守る政治だ。戦争は個人の尊厳を踏みにじる最悪なものだ。個人の尊厳をいかに実現し、肉付けしていくかが課題だ」。

 高野孟さん(「インサイダー」編集長、「ザジャーナル」主幹)。

 「参議院選野党共闘と今後の課題について話したい。参院選の結果は、民進党の惨敗、野党統一は善戦だった。32の1人区で野党共闘が成立し、11区で勝利したが画期的だ。問題は戦争法と憲法の問題を中心にした争点にやりきれなかった。民進党の中には集団的自衛権に賛成派がおり、連合の中の電力労連を筆頭にして『共産党とは一緒にやれない』という部分もいたから、野党共闘に至る時間がかかってしまった。11区は、決して戦争法反対で勝ったわけではなく、沖縄は辺野古問題、東北などの農業圏ではTPPに対する不安が大きかった。福島、鹿児島県知事選では原発が争点だった。人々にとって切実な争点があるところでは勝った。つまり、安倍政権の悪いことを一括りにして闘うことができなかった。命が脅かされていることをメインにして括る必要があった。個別政策を積み上げていくのではなく、大づかみでやっていくことだ」。

 「安倍政権は、直線的に突進できず、諸矛盾が現れている。憲法審査会の入口での踏みとどまり、アベノミクスの失敗、天皇の『譲位』問題と日本会議との軋轢、TPPに反対の米大統領候補など歯車が合っていない。あげくのはてに民進党の野田幹事長の配置によって、かつての野田民主党政権を踏襲するならば自公民連立に結び付く危険性を持っている。これを止めるために沖縄の闘いを勝たせることが重要になっている」。

 渡辺治さん(一橋大学名誉教授)。


 「参議院選挙の結果は、安倍政権の最低限の獲得目標を達成させてしまった。もう一つの顔は、野党共闘によって32の1人区で11区で勝ち、安倍政権の大勝を阻止した。この闘いをみんなに見えるように初めて示した。戦争法反対運動がなかったら四野党共闘はなかった。今後は共闘を豊かに、いかに強化していくのかかが課題となった」。

 「安倍政治に代わる受け皿を提起することによって無党派層、自民・公明党支持層まで切り込んだ。だが皿に盛る料理がなかった。人々は、平和の問題だけじゃなくて、貧困と格差、介護・保育所問題、非正規労働問題など暮らしの問題で苦しんでいる。四野党と市民連合の政策協定ではアベノミクス批判も出していた。平和と暮らし関連する法案も提出した。つまり、平和、福祉、抑圧の政治に対する民主主義の政治を実現するために一緒になっていることを人々にもっと浸透させていくことが課題だ。平和と暮らしの両輪を運動の中で提起していくことだ。安倍政治に代わる積極的なイメージ像を出していこう。総がかり行動を全国各地にその担い手を作っていこう。沖縄・基地と辺野古反対、貧困と格差、雇用と賃金、社会保障問題を正面から取り組んでいこう」。

 最後に司会の土井登美江さん(解釈で憲法9条件を壊すな!実行委員会)が閉会のあいさつを行った。

(Y)

報告 9.28 沖縄連帯日比谷野音集会

IMG_14529.28日比谷野音で二五〇〇人が結集
辺野古・高江工事強行許すな
9.16不当判決に抗議する


政府は沖縄を侮辱するな

 九月二八日午後六時半から、東京・日比谷野外音楽堂で「翁長知事への提訴 辺野古の工事再開 高江の工事強行を許さない! 9・28日本政府による沖縄への弾圧を許さない集会」が主催:「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会で開かれ、二五〇〇人が集まった。

 野平晋作さん(ピースボート共同代表)が「九月二六日の臨時国会で安倍首相が所信表明演説で、任務を遂行する海上保安官、警察官、自衛隊員に対して敬意を表わすとして、一斉に拍手した。暴力的に基地建設をしていることに対する敬意であり、これは沖縄を侮辱する行為だ」とまず批判した。そして、基地建設阻止のためにあらゆる手段で闘うと表明し、「沖縄県民の民意尊重と、基地の押し付け撤回を求める全国統一署名」を開始すると主催者あいさつをした。
 
今や高江は無法地帯だ

 次に、大城悟さん(沖縄平和運動センター事務局長)が沖縄からの訴えを行った。

 「高江、厳しい闘いが続いている。参院選直後の七月二二日から高江で工事を始めた。N1ゲートで阻止のテントや車が排除されたことに悔しく、悲しい思いをした。すでに六カ所のヘリパッドのうち二カ所が完成している。残り四カ所の建設が全国から機動隊を動員して強行されている。機動隊を全国から五〇〇人、沖縄から三〇〇人動員。闘う側は二五〇人~三五〇人。排除されながらもがんばっている。四カ所のうち二カ所でヘリパッドの形ができている。ヘリパッドのHとGには陸路で運べないので、自衛隊のCH47ヘリ二機を投入して搬入をしている。民間地上空を飛行している。日米軍事優先の安倍政治を許してはならない」。

 「高江は無法地帯だ。作業員を警察車両が運んでいる。警察は一〇メートル間隔で検問を行い、三~四時間も違法な規制をしている。大型ダンプを二~三台の機動隊車両が守って走っている。警察のやりたい放題だ。本来なら、沖縄の公安委員会が警察庁に要請してから、動くものだがすでに、要請前から警察庁は出動に向けて準備してきた。決してあきらめることはない。水・土曜に集中しながら三五〇人が集まっている。辺野古から一時間半かかる。朝三時に起きて六時にたどりつく。簡単に資材を入れることができない、また日によっては入れられないこともある。現地・高江に結集してやんばるの森を守っていこう」。

 「希少種の繁殖期が来年の三月から六月にやってくる。そうなると工事ができないので、今年いっぱいか延びて一月までが本当の勝負だ。工事のためにやんばるの森で違法な伐採が行われている。沖縄の未来を踏みつぶす基地建設を許さない」。

 「9.16辺野古埋立て違法確認訴訟判決は司法と官邸が判決を書いたのだろう。どうしても納得できない。沖縄県は上告して闘っている。翁長知事を支援して必ず高裁判決をひっくり返す行動をとっていく。判決によって運動が止まることはない。翁長知事はあらゆる方法を使って基地建設を止めていく、と表明している。高江を終わらせて、辺野古に向かうだろう。辺野古での基地建設準備は二年余り経っているがボーリング調査さえ終わっていない。三年は工事が遅れている。命をかけて止めていく。辺野古が作られると沖縄の未来はつぶされる。普天間基地機能を止めることもできた。高江・辺野古に来てください。大きな世論をつくろう。勝利するまであきらめない」。
 
ジュゴン保護勧告を無視し続ける政府

  照屋寛徳さん(社民党衆院議員)、糸数慶子さん(参議院議員、沖縄の風)が駆けつけ、大城さんと三人で手を大きく掲げて、闘う意志を現わした。

 続いて、三村昭彦さん(ジュゴン保護キャンペーンセンター)がIUCN世界自然保護会議の報告を行った。

 「九月一日~一〇日、ハワイで第六回世界自然保護会議が開かれた。今までジュゴン保護の三度の勧告が出されている。さらに、辺野古基地建設のために一七〇〇万トンもの土砂を沖縄県外から運び込むことに対して、侵略的外来種問題があり到底許せない。持ち込み反対の決議に対して、日米両政府は棄権した。日本政府にとってハードルが高いものであり、計画変更をせまるものだ」。

 次に、平和フォーラム、全労協、安保破棄中央実行委が連帯のあいさつを行った。白藤博行さん(専修大学教授)が「不作為違法確認訴訟」判決について、分かりやすく批判する講演を行った。

 「九月一六日の判決は民主主義・地方自治をあざ笑うようものだ。法治国家が泣く。①仲井眞前知事の埋立て承認処分が適法かどうかでやった。県知事には裁量権があり、正しい判断をした。違法ではない。これを取り消したから違法だ、という論法だ。②国防・外交は国の専権事項。責任ある立場に沖縄県にはない。口を出すな。③基地負担の軽減になるのだから、沖縄の民意に反しない。とんでもない認識だ。④最初に司法に行くのでなく、国地方係争処理委員会で話し合うとしていたのに、国はこれを無視して協議に応じなかった。沖縄の自治の問題は日本の自治の問題で、生き死にの問題でもある。法律家として最後まで闘う」。

 集会アピールを採択し、団結ガンバローを行い、銀座・東京駅方面に向けてデモ行進を行った。沖縄・全国署名を成功させよう。

(M)

報告 : 9.22さようなら原発さようなら戦争大集会

IMG_1424 九月二二日正午から、東京・代々木公園野外ステージで「9・22さようなら原発さようなら戦争大集会」が「さようなら原発」一千万署名市民の会の主催で開かれ、九五〇〇人が参加した。東京は早朝から激しい雨が降り続き、集会中も止むことがなかった。それにもかかわらず、福島や北海道、福井など全国各地から参加者が集まった。会場には多くのテント・ブースも並んだ。

 正午から第一部、福島被災者からの訴え、北海道の運動の報告が行われた。そして、寿の歌が参加者と一体となり披露された。

 まず、福島からの報告が行われた。長谷川健一さん(飯舘村、ひだんれん共同代表)。「飯舘村出身です。汚れた村になった。遅れて避難したので断トツの被ばくをした。八人家族で牛五〇頭を飼っていた。村は悲惨な状況になっている。今年の七月末フレコンバッグが一八〇万個。一カ月で一〇万個増えている。何の保障も確約もなく、来年の三月末に避難解除になる。自己責任で帰れと。限界を超えている」。

 「国に求めていることはヒロシマ・ナガサキで行われているような、健康手帳を交付し医療費を無料にすることだ。いずれは村に帰る。農家がほとんどなので、高齢者だけの村になるだろう。そこで生産・生活しなければならないので、チッソが汚染された魚を買い取ったように、売れないものを買い取ってほしい。チェルノブイリに行ってきた。悲惨であった。二度と原発を再稼働させるな、原発をなくす運動をやっていこう」。

 蛇石育子さん(福島県郡山市議)が八〇〇〇Bq/㎏以下の放射性廃棄物なら安全なので再利用するという国の方針を批判し、「東電が管理すべきである。放射能汚染土壌の処理については、何よりも安全安心対策を最優先すべきで、汚染土壌を再利用することは、放射線被ばくを軽視し許容する言語道断の方針だ」と批判した。そして、具体的に①県中浄化センター②産業廃棄物最終処分場の建設予定③原子力バックエンド推進センターによる焼却灰減容化実証実験について紹介し批判した。

 中手聖一さん(避難の権利を求める全国避難者の会共同代表)は「今、札幌に避難している。自力で避難せざるをえなかった被災者を国は放置してきた。避難者は宙ぶらりんの生活を強いられてきた。今、母子避難者が増えている。避難する権利がある。住宅保障があるべきだ。住宅支援の継続を求めて行動を起こしている」と話した。

 長田秀樹さん(北海道平和運動フォーラム代表)は「三つの課題に取り組んでいる。①泊原発再稼働反対②幌延での高レベル放射能廃棄物地層処分研究反対③大間原発(青森県)建設反対。泊原発3号機(90万kW)の再稼働(2017年)に向けた審査が山場にきている。敷地内の断層が問題になっている。北海道は一月が一番電力を使うが原発の電力がなくても電力不足は起きていない。核の廃棄物は持ち込ませないという県の条例が作られた。二〇〇一年から地層処分研究が始まったが二〇二一年頃には施設を全部撤去して終わらなければならないことになっている。幌延で毎年反対の集会を開いている。今年は三一回目を開く」と報告した。



 午後一時半から、第二部が開かれた。澤地久枝さん(呼びかけ人)が「もんじゅを止めると決めたのに、なぜ国は原発を止めるという勇気をもたないのか。福島原発問題は何一つ解決していない。ふる里を奪われた。戻って行く所がない。今後廃炉代金が電気代に上乗せされる。被ばく問題、患者が増えている。廃炉に向けて働く人の被ばく労働問題、賃金が三万から一万円を切るようにされている。不払い賃金問題で訴訟している労働者もいる」と問題点を指摘し、主催者あいさつを行った。

 武藤類子さん(ひだんれん共同代表)が「避難解除、賠償の打ち切り問題、とても困っている。生活の再建ができない。途方にくれる人もいる。家を奪われた。自力避難者も強制避難者も両方とも救済すべきだ。国や県に交渉・申し入れを行っている。現実は厳しい。一〇月二〇日院内集会などを予定している。帰りたくても帰れない。誰が帰れなくさせたのか。甲状腺ガンの子どもが一七四人に増えた。子ども基金を立ち上げる。雇用を保障する制度が必要だ。命が守られる社会を作ろう」と訴えた。

 アーサー・ビナードさん(詩人)。「この間の台風の大水で地下水が地上に達して地上水になっている。毒水をどうするのか。東電は希望にあふれる対策をとっていると言っているが。凍土壁で汚染水を遮断していると言う。凍らせて止める。凍らない凍土壁。新しい日本語が生まれてくる。『凍土のつまり』」。「東京電力は社名を代えた。東京電力フォールデングス。責任逃れだという人がいる。良い名前だと思う。『ホール』、穴が開いているのだ」。

 「プルトニウムを平和利用すると言っているが本音は核武装したいのだ。オバマ米大統領が核兵器を先制しない宣言をし、核廃絶に向けたアピールをしようとした。安倍はそんな約束はしないで欲しいと要請した。とんでもない話だ。核兵器・原発に終止符を打とう」。

 木内みどりさん(俳優)が落合恵子さんのアピールを代読した後、「キューバ革命がなぜ起きたのか知りたくてキューバに行ってきた。一九五八年の革命成功後の革命広場に一〇〇万人集会が開かれた。六〇〇万人の人口だったので、半分が動いたことになる。今の日本だと六分の一で二〇〇〇万人。私なりに二〇〇〇万人を動かす一人としてやっていく」と語った。布川さん(高校生平和大使)が平和な世界をめざす一万人署名について語った。

 宮下正一さん(原子力発電に反対する福井県民会議事務局長)がもんじゅ問題について発言した。

 「一九九五年八月にもんじゅの運転開始。同年一二月に冷却剤ナトリウム火災事故。二〇一〇年、燃料交換用の炉内中継装置が設計の問題で、原子炉容器内に落下するトラブルを起こす。二〇一二年、九〇〇〇点の点検漏れが発覚。二〇一五年規制委が今までの原子力機構が信用できない。新しい組織でやり直しを勧告したが政府は新しい機構を提起できなかった。こんなにデタラメはない。悪魔の原子炉だ。プルトニウムは茶さじ一杯で一〇〇〇万人もの人がガンになり死んでしまう毒性の強いものだ。原子炉が暴走した場合、制御棒を抜くしか止める方法はない。金属ナトリウムは水など反応すると大爆発する危険なものだ。高温で運転するので配管が破断する可能性がある。爆発すれば大量の放射能が出る。もんじゅを運転させてはならない。県などはカネのことばかり考えて廃炉にするなと言っている。年末までに大きな動きがあるだろう。県民は止めたいと思っている。まだ、生き返るかもしれない。声を集中してほしい。必ず勝つ。勝つまで闘うのをやめない」。

 協力団体から、木村辰彦さん(「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲行動実行委)が高江の攻防、九・一六辺野古埋立て不当判決について報告し、共に闘うように呼びかけた。

 福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委)が、「9・19国会包囲集会が二万三〇〇〇人、全国三〇〇カ所で行われたこと、今後、南スーダンで自衛隊が駆けつけ警護を行い、戦争に参加すること、それを阻止するために一〇月三〇日、自衛隊が出発する師団のある青森現地で反対集会を行う、そして、沖縄基地建設反対の統一全国署名を行うこと」を報告し参加するように訴えた。最後に、鎌田慧さん(呼びかけ人)が「原子力船むつを闘いによって廃船にしたことを思い起こし、もんじゅの廃炉という歴史的出来事を記憶し、さらに脱原発・戦争やめろ、沖縄連帯を訴え」閉会のあいさつとした。集会の後、デモが予定されていたが集会の途中では豪雨だったのでデモは中止された。九月二六日から臨時国会が始まる。闘いの秋、安倍政権と対決し、安倍の暴走を止めるようにがんばろう。

(M)

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