虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

【三里塚】台風15号による横堀研修センター被害の修繕カンパに御協力お願いします

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P9141773[1]台風15号による横堀研修センター被害の修繕カンパに御協力お願いします

 1口 1000円

 【目標額/トイレ修繕費10万円+納屋修繕費20万円】

★かならず「台風被害カンパ」と明記してください。

ゆうちょ振替口座/口座記号番号 00130―6―697201
         口座名称 一般社団法人 三里塚大地共有運動の会

一般社団法人三里塚大地共有運動の会 2019年9月17日

連絡先/〒151―0061 東京都渋谷区初台1―50―4―103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
電話  03―3372―9408 /FAX  03―3372―9402
/メールアドレス kyoyu@sanrizuka.net

 9月8日から9日かけて首都圏をおそった台風15号は、9日未明千葉市に上陸し、東関東自動車道をなぞるように北東に進みました。千葉市や成田市で観測史上最大の風速を記録する強い台風でした。千葉県内では電柱や木々が倒れ、大停電が発生し、住宅や農業用ハウスなどに大きな被害がありました。

 63万軒に及ぶ停電は、当初11日中の復旧を目指すとされましたが、被害は広範囲で、完全復旧の見込みは次々と繰り延べられ、現在では27日とされ、1週間を経過しても、いまだ、75000軒が停電し、15000軒が断水しています。

 空港周辺の成田市、芝山町、多古町でも停電・断水が続き、私たちの闘う仲間も被害を受けています。三里塚空港反対闘争の拠点である横堀農業研修センター(旧・労農合宿所)では、納屋の屋根や壁の一部が飛び、トレイが横倒しになりました。

 9月13日事務局会議では、緊急の現地入りとともに研修センター修繕などの「台風被害カンパ」、修繕作業などを取り組むことを決めました。皆さん、御協力お願いします。


配信:トイレ■9月14日、横堀農業研修センター応急補修と現地調査の報告

 9月14日(土)三里塚大地共有運動事務局と中川憲一さん(元管制塔被告団)は、3人で三里塚現地に行きました。

 台風通過の2日後、千葉の仲間から「横堀農業研修センターのトイレ、納屋の屋根が飛んでいる。トイレそのものが横倒しになっている。東峰・ワンパック鶏舎の屋根も飛び、ソーラーパネルのインバーターを設置した小屋が倒壊。横堀鉄塔は竹が倒れているものの、農民像は無事」という報告が届いていました。

 緊急でしたが、私たちは、水・缶詰、ブルーシートなどを持参して京成東成田駅に午前10時過ぎに集合。天気は曇。倒木、壊れたビニールハウス、屋根にブルーシートが張られていたところなどが目立ちました。いまだに停電、断水が続いており、深刻な生活被害が続いているようです。
  
以下、訪問した順で報告します。

 ① 木の根ペンション―被害なしでしたが、停電中。念のためにブレーカーが落としてありました。

 ②柳川秀夫さん宅(芝山町香山新田)―畑に被害、裏の木が倒れ電線に引っかかっています。停電は1日だけでしたが、発電機もあり、自力で乗り越えました。里芋の葉、シートで覆った野菜も被害を受けています。

 柳川さんは、畑に野菜の種を撒く作業中でしたが、次のように話していました。

 「台風が通過する時はすごかった。大変だよ。電気は一晩だけだったらよかった。裏庭の大木が半分から折れた。家に直撃しなくてよかった。俺のところはまだいいほうだ。ニンジンとか野菜は出荷できない状態だ。秋の野菜は値段が高くなるな。ハウス農家は、ビニールが吹っ飛んだり、パイプが折れたりで大変だ。立ち直れないほどだ。稲刈りが終っているところはいいが、稲が倒れて収穫できず、収穫したものは乾燥機に入れるが停電で乾燥できずに芽が出てきてだめになってしまう。田んぼの被害は大きいだろう。秋の台風のはじめだからな。また来たら大変だよ」。

 ③横堀鉄塔と案山子亭(芝山町香山新田)―停電中。手前の誘導路下のトンネルも停電。建物に被害はないものの、周囲の竹や木が倒れています。電話ケーブル切断で固定電話も停止中。倒れた竹、木を切ったり、草刈りが必要です。整備作業の応援が必要です。

 ④横堀農業研修センター(芝山町香山新田)―停電中。固定電話停止中。竹が多数倒れています。竹の撤去作業をして車を庭に入れた。トイレは、横倒れになっており、屋根・壁等が吹き飛んでいます。納屋も強風と雨で被害を受け、老朽・腐敗をさらに促進。母屋、フリースペース、ポンプ小屋は無事でした。

 私たちは、破壊されたトイレの前面の屋根を取り外し、ロープで引っ張り、横倒れの状態から原状に戻しました。明日からの雨の打撃を避けるためブルーシートを張りました。これらはとりあえずの応急処置であり、今後、修繕のための作業などを設定する必要があります。当然、トイレ修繕のための新たな材料などを購入するためのカンパ、また納屋修繕も含めたカンパが必要で全国の仲間に訴えることを再確認しました。

 ⑤石井紀子さん宅(成田市川上)―石井さんは不在。事前の報告によると入り口の杉の木が倒れていたが、すでに撤去されていました。停電は5日間、ロウソクで過ごしていたとのことです。

 ⑥らっきょう工場(成田市東峰)―停電は4日間。訪問時は休日。空港会社が植えた防風林が数本、工場に向かって倒れ、除去されず放置されたままでした。旧出荷場前の荷物小屋がバラバラになっていたほか、空港会社が設置した「騒音避難プレハブ」や仮設トイレが横倒しになっていました。

 ⑦東峰・新出荷場は、鶏舎の屋根が飛び、トタンの屋根が木にぶら下がったままでした。屋根を失った鶏舎のなかの鶏は元気でした。

 ⑧加瀬勉さん宅(香取郡多古町牛尾)―加瀬さんは停電でも断水でも、とても元気でした。井戸水を耕運機で近所に配ったり、近所の被害状況を写真撮影したりして活躍中です。多古町は七割が停電と断水。固定電話も携帯電話もつながりにくい。店舗も閉店。停電はあと2週間続くようですが、ガスはプロパンなので、調理はできます。

 加瀬さんは、開口一番「電気がつかないけど、テレビ、パソコン、読書から解放され、さまざまなことを考える時間ができている。満月の下、野外で虫の響きを感じながら食事だ。早朝は白々と明けていく空に感動してるんだ。こんな解放感を味わったのは生まれて初めてだ」と述べてました。

 さらに「牛尾集落50軒中、電動ポンプの井戸は10軒、手押し井戸は5軒。発電機があれば、水は出る。さらに高谷川や栗山川、山からのわき水など、水は充分にある。だからあわてる必要ない。コンビニは停電で休業中だ。水はコンビニで買うものという発想だからだめなんだ。濾過すれば飲み水もできる。自然に対する自給自足のゲリラ戦の思想があるから、こういう時に生かせるんだ」と強調していました。ペットボトルの水を持参したのが、恥ずかしかったです。

 私たちは、加瀬さん宅に上がり、三里塚闘争史館のように歴史的な写真や書類等が並んでいる部屋で、コーヒーをご馳走になりながら、台風後の対応などについて話を伺いました。

 ⑨行き帰りの道では、いたるところで杉の植林が倒れていました。農業用ハウスは骨組みだけとなり、その骨組みも押しつぶされたようにゆがんでいました。

 通行量の少ない道路では、いまだ倒木が放置され、通行できないところがありました。辺田でも、道路を横切るように田んぼに向かって杉の木がたおれ、電線を切断していました。信号機も各所で消えており、空港南側入り口である第6ゲート(旧5ゲート)前の千代田交差点は交通量が多いにもかかわらず、消えていました。しかし、そこから500メートルほどの横宮交差点は正常に動いています。

 コンビニは、営業中のところもあれば、停電で閉店のところもありました。停電の場所はまだらです。東峰のコンビニは営業しており、弁当などは普段どおりですが、冷蔵庫内の冷凍食品やノンアルコール飲料は空っぽでした。

 農業の被害が大きいことは、少し見ただけでも実感できました。しかし、停電と断水の影響は、じわじわと生活を脅かしており、外から眺めただけでは判りません。早急な復旧や支援が必要と感じました。

報告:みんなで議論する! 東京パラリンピック! ただし、アンチ(9月8日)

東京パラリンピック 9月8日、2020オリンピック災害おことわり連絡会は、アカデミー茗台学習室で「みんなで議論する! 東京パラリンピック! ただし、アンチ」を行った。

 連絡会は、パラリンピック開催(2020年8月25日~9月6日)1年前にあたって様々な角度からパラリンピックを検証するためのステップとして企画した。論点としては、例えば、「競技であるかぎり差別の助長につながらないか」「競い合わないスポーツはありうるのか」などを設定した。

 すでに連絡会は、そのためのアプローチとして「反東京オリンピック ガイド」の「14 パラリンピックと優生思想」で「『障害者』スポーツの多くは、障害の程度や種類によって細かくクラス分けされています。秒単位で勝敗を争う世界の発想は、障害の軽重によって、能力の高低によって人々を序列化するのが前提です。人々はそれぞれの『障害』の軽重、能力の高低に沿って『分をわきまえる』ことが当然のように求められるようになります。これはナチスドイツが国策として『障害者』を抹殺した優生思想の発想となんら変わるところはありません」と批判。

 また、「『障害者』たちは、パラリンピックとは関係ないところで、自然発生的にスポーツを含む様々なことを工夫しながら楽しんできました。また、共生共学の空間の中では、『障害』のある子ども、ない子どもが知恵を出し合いながら色々なことを一緒に行ってきました。パラリンピックと『障害者』スポーツの称揚は、スポーツ以外のことを行っている人々の姿を不可視化し、共に生きている人たちの存在を後景化していきます」と強調している。

 そのうえで学習会の呼びかけでは「『健常』という『国民の責務』を果たさな
い、つまり戦争に行けないという『非国民』の範疇から脱出するための装置の一つとしてパラリンピックがあるのではという議論、皇室による観戦と慰労、オリパラ道徳教育、感動の共生、高額な義肢器具、オリパラの一体化など、パラリンピックが記録やメダルをともなう国威発揚に政治利用されていないかといった問題についても、みんなで議論したいと思います」と呼びかけた。

 問題提起を北村小夜さん(障害児を普通学校へ全国連絡会)、岡崎勝さん(自由すぽーつ研究所)が行った。

 北村さんは、「分けるな(パラリンピックは障害者差別を助長する)と言う立
場から」というテーマ。

 資料として「『障スポ』と歩む皇室」(朝日/18・10・12)、「東京パラリンピック 22競技540種目」、「障害区分(障害の種類・程度)」、「2018全国障害者スポーツ大会出場選手申込」などを材料にしながパラリンピックが抱える「差別・選別」などの問題性を浮き彫りにした。

 とりわけ北村さんは、「しばしばパラリンピックについて発言してきたのは、障害者や家族が生きて行くための要求をしていく中でしばしば恩恵に甘んじなければならない場面を見てきたからです。それは深い所で天皇制につながっています。皇族たちは障害児・者に対しては『憐み』を惜しみません。それがパラリンピックには露骨に表われます。感動、慈愛と同じ路線上に在る健常者は、頑張る障害者に感動し、できない障害者を憐れみます」と問いかけ、健常者と障害者の関係と差別のあり方、天皇制統合装置の反動性を暴いた。

 さらに、「『パラリンピック』が正式名称になり『もう一つのオリンピック』という考えが定着してきた。こうして大会ごとに整ってきたように見えるが、よく見ると障害者の振り分けの基準が整ってきたということである。制度が整い優れた能力の先主が現れればできないことを弁えざるを得ない障害者が明らかになる。それを無視するのが競争の理である。排除が進み、人々の心のバリアフリーも障害者の能力を過小評価するか過大評価するかに二極化されかねない」ことを明らかにした。

 岡崎さんのテーマは、「パラリンピックっていいものなの? スポーツにとっての『障害』を考える」。(この日、台風15号の影響で会場参加ではなく電話での報告となった)。

 冒頭、「教員という仕事で、障害を持った子どもたちと長い間付き合ってきたけれど、体育やスポーツの授業や指導の場面で、彼らと向き合うときは、体育やスポーツとは何か?という本質的な問いなしですまされなかった。オリンピック批判はスポーツ批判や社会批判として成立しなければならないけれど、パラリンピックも同様なのだと思う。『障害者スポーツ』について少し考えてみたい」と述べ、次のような問題提起を行った。

 「パラリンピックのスポーツとは、人間を障害者と健常者にカテゴリー化することと同一視することである。さらに掘り下げれば、①競争原理と排除の原理の中に感動を求めている ②費用対効果、宣伝効果によってスポーツの社会モデルを構築していく。資本の論理。 ③スポーツの意義を障害を持つ人にも強制していく。教育の論理。④「障害者への理解」を「障害者の『克服』を志向する」こととセットにする。勤勉効率。 ⑤障害「用」スポーツの囲い込みと分断。肢体と知的。障害の微細な分類。 ⑥「健康な障害者」イメージの固定化と暗黙の強制と動員。総動員体制などの問題が存在している―などと分析する視点をあげることができる」と述べた。

 さらに「オリンピックとパラリンピックの同一性と『協力』」、「障害者スポーツを見るまなざし」について取り上げ、「いずれも格差序列を前提としており、権力行為そのものだ。『健常』とは何かとして問われている」と訴えた。

 討論では、「運動会そのもののあり方、必要性があるのか」、「れいわ新選組
の積極性と今後の課題」、「障害者による『健常者社会』の告発、諸要求実現、あらゆる場でアプローチしていく踏みこみの必要性」などの論点などが様々な経験談の紹介も含めて提起され、明日に向けたリアルな論議が行われた。これからの1年間、パラリンピックに対する問題提起を継続して行っていくことを参加者全体で確認した。

(Y) 

報告:8.30アフリカの資源・環境・未来を奪うTICADにNO! TICAD7に反対するアピールとデモ

配信:チカッド 8月30日、横浜でTICADを考える会は、桜木町駅前広場で「アフリカの資源・環境・未来を奪うTICADにNO! TICAD7に反対するアピールとデモ」を行った。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環としてアフリカへの経済侵略と軍事的影響の拡大に向けて横浜の第7回アフリカ開発会議(TICAD/8月28日〜30日)でたち振る舞った。TICADは、国連とともに日本のイニシアチブで積み上げてきた。アフリカ各国(五四カ国)の政権首脳を経済援助と称して買収し、日本資本と共同で権益を広げてきた。

 TICAD7のテーマとして「アフリカの躍進を!ひと、技術、イノベーションで」を掲げたが今回の横浜宣言は、中国によるアフリカへの覇権からの劣勢を意識して対中国シフトに貫かれた内容となっている。その一つが中国の海洋進出に抗して「自由で開かれたインド太平洋」構想を押し出し、日本帝国主義の利益と手前勝手な立場から「海洋安全保障における協力促進と国際法の原則に沿った、ルールに基づく海洋秩序」などと言い出しているにすぎない。

 つまり、中国の軍事力の影響拡大に対して日本は、日米安保のグローバル戦争を前提にした軍事作戦の展開のレベルアップを策動しながら米軍とともにその一端を担っていくことを目的にしており、それを中東・アフリカへと広げていくのが本音だ。軍事的緊張と挑発を射程に入れた帝国主義的野望を許してはならない。

 さらに宣言は、経済的分野についても中国による借金漬けを前提とした過剰融資の手法を批判する。だが、政策目標として「経済構造転換の促進と改善が必要」「質の高いインフラは、持続可能な経済、社会、開発効果の最大化に寄与する」「アフリカ開発における民間の役割を認識」と強調し、欧米帝国主義の経済侵略政策に連動しながら諸分野に渡って収奪と搾取を行っていくことを宣言した。

 安倍首相は、わざわざ「この三年間で日本からアフリカへの民間投資が約二兆一千億円に達した」と自慢し、「この勢いが日々新たに塗り替えられるよう、全力を尽くす、日本企業のアフリカへの投資を助けるため、あらん限りの策を講じる」と居直った。

 横浜宣言は、アフリカに対する人権・環境破壊を加速化させることは明白だ。アフリカ民衆とともに連帯運動を強化し、中国も含めた帝国主義諸国の野望を打ち砕いていこう。

 アピール行動は司会の中森圭子さんのあいさつから始まり、「私たちはTICADに反対する声をあげていこうということで集まりました。TICADは、アフリカの人々のためになるからやると言ってますが、本当にそうでしょうか。アフリカでは戦争が続き、民族同士の争いが絶えません。先進国が資源をどのように使うかという目的のために襲いかかるようにねらっている。アフリカ民衆の生存を脅かすような日本政府の政策に対して反対していくことだ」と訴えた。

 リレートークに入り、TICAD7に反対するアピールが行われた。

 大友深雪さんは、アパルトヘイト時代から南アフリカの教育支援に関わってきた観点から「どんな地域でさえ武器、原発、軍隊、有害物質の所有・持込みを許さず、水・種子の民営化を阻止。住民の立ち退き、土地破壊をまねく大規模開発と農業ビジネス、巨大プロジェクトへの投資をやめさせよう。債務は取り消し、不当蓄財解体、汚職根絶だ。住民による資源の再配分、協働の助け合いが必要だ」と強調した。

 さらに会の小倉利丸さん、茨城国体を問う「戦時下の現在を考える講座」、信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会、木元茂夫さん(すべての基地にNO!をファイト神奈川)、宮崎俊郎さん(「2020オリンピック災害」おことわり連絡会) が発言。

 アピール終了後、桜木町駅前から横浜赤レンガ倉庫に向けてデモに移った。「TICAD7反対!アフリカ民衆の人権破壊を許さない!」とシュプレヒコールを響かせた。

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報告:アジア連帯講座 8.9公開講座 参院選・統一地方選の結果をどう見るか? ~大阪からの視点~

配信:寺本講座講師:寺本 勉さん (どないする大阪の未来ネット 〈 どないネット〉運営委員)

 8月9日、アジア連帯講座は、寺本 勉さん (どないする大阪の未来ネット 〈どないネット〉運営委員)を講師に招き、「参院選・統一地方選の結果をどう見るか? ~大阪からの視点~」をテーマに文京区民センターで公開講座を行った。

 大阪で活動される寺本さんは、「どないネット」の活動を通して、「大阪都構想」、地下鉄・水道など の民営化、夢洲へのカジノ(IR)・万博誘致などに反対する運動にとりくみ、情報交流・共有のネットワー クを広げてきた。この間の経験から大阪府知事・市長選挙、参院選の結果分析を通して大阪および日本の政
治動向を浮き彫りにした。

 とりわけ参院選挙について2012~2019の国政選挙の得票数の推移を分析し、戦後二番目に低い投票率(48・8%)について寺本さんは、「安倍政権は低い投票率の中で、政権を維持していることがわかる。『無関心の組織化』『政治的諦めの組織化』ともいうべき政治戦略だ。その中でも18~19歳の投票率は31.33%と低かった。森友・加計問題に典型的な徹底した責任回避、ごまかし、まともな論議をしない、臭い物に蓋をする(原発で顕著)など、政治不信をかきたてる姿勢(意図的と思える)の結果だ」と述べた。また、「共産党・公明党・社民党の緩やかな衰退」傾向なども明らかにした。

 そのうえで①左右のポピュリズム政党の台頭 ②維新とはどういう政治勢力か?なぜ大阪で強いのか? ③グローバルな視点でローカルな問題を考える―について提起した(①~③報告要旨別掲)。

 最後に寺本さんは、「新しい局面の可能性を現実化させるにはグローバルな視点が重要だ。そして、オルタナティブな社会とはどういうものか、そこに至る道筋とは何かについての議論を積み重ね、民衆の共同実践を目的意識的に形にしていく努力が求められている」と強調した。

(Y)


寺本さん①~③報告要旨

 ①左右のポピュリズム政党の台頭

 「れいわ新選組」の特徴は、①徹底的に反緊縮政策②多様性を実際に体現した候補者選び③SNSを活用した。街頭から支持を拡大させ、連動して草の根カンパで四億円を集めた。それは米のサンダース旋風を想起するような状態だった。

 朝日新聞出口調査では5%が比例区の投票先に「れいわ」を挙げた。無党派層に
限ると、10%がれいわ(公明、国民、共産、社民を上回る)だった。無党派層の自民と公明への支持は前回の参院選から大きく変わらず、ほかの野党支持層の流入があったとみられる。

 つまり、今回は、新たな層を投票行動に引き入れたというよりは、従来の立憲
民主・共産・社民の支持層からの流出が主だった。

 NHKから国民を守る党(N国党)は、表向きは「NHKスクランブル放送の実現」というワン・イシュー政党であり、立花代表のワンマン政党とも言える。本人は、右翼的主張を一切表に出さない。

 政治性格においても、例えば候補者41人中、九条改憲賛成19人、反対6人、無回答16人(毎日新聞の候補者アンケートによる)で統一性がない。だが、統一地方選立候補者には、極右レイシストが相当数入り込み、何人かは当選している。

 真鍋博さんは、「N国『躍進』の背景にあるものは何か」と問いながら、次の
ように問題提起している。

 「『NHK』という事業体そのものの改革の是非というよりは、NHKは分かりやすい〝的(まと)〟にされているに過ぎない。『NHK』に象徴される『巨大な既得権益』への反発であり、自分たちのお金を強制的に吸い上げる一方で、自分たちの生き死にに対しては一切関心を示さない、目には見えない力に対する拒絶のサインである」。

 「もしこれらの階層に潜在している怨嗟(えんさ)を上手く手当てすることができなければ、『N国党』でなくとも別の新興勢力のようなものが、数百万人は存在するであろう『怨嗟の票田』を得て急伸するだけである。想定外の事態へと突き進むポテンシャルがあることに、果たしてどれだけの人々が気付いているだろうか」と政治性格をまとめている。今後も注意し、監視していかなければならない。

 ②維新とはどういう政治勢力か?なぜ大阪で強いのか?

 日本維新の会は、右派ポピュリスト政党のはしり的存在だと言える。大阪では、10年以上にわたって、実際の行政の経験を積み、持続的な支持を得ている。しっかりした支持者名簿を持ってドブ板的選挙を展開し、きっちりした票割りを行っている。しかも参院選では、地域政党(名古屋の減税日本、北海道の新党大地、東京の「あたらしい党」など)との連携で全国展開を図った。基本的には「大阪のような改革=身を切る改革を全国で」という立場だ。

 2012年総選挙から2019年参院選での維新の比例区得票数の推移、知事・市長選の得票数の推移(略)を通して、橋下徹と維新登場の背景が見えてくる。それは大阪における「オール与党」体制という閉塞した政治状況への反発だ。つまり、東京一極集中による大阪経済の地盤沈下への不安を根拠にした一点突破型のリーダーシップへの期待へと流れていった。維新は、橋下知事(当時)によって仕掛けられた大阪自民党の大分裂によって生まれた。

 一連の維新圧勝をもたらしたのは大阪の社会的状況がある。それは①深刻な格
差と貧困②府下一斉テスト(チャレンジテスト)による内申書評価の「修正」などによる教育差別・分断の強化③公務員労働者への攻撃を集中。大阪を新自由主義の実験場とするためには不可欠だった。

 しかも維新のコアな支持層は、大阪の住民の深刻な分断状況の中で、いわゆる「勝ち組」(と思っている人々)が維新・都構想を支持した。30代から50代にかけての男性で、一定の所得がある階層だと言われている。自分たちの税金が、公務員や「負け組」のために使われることへの嫌悪感がある。そのことを2019ダブル選挙のスローガン「大阪の成長を止めるな!」に現われている。

 吉富有治さん(フェイスブック「ヨシトミの毎日、ときどき隔日の随感」から)は、次のように分析している。

 「維新は『改革』を訴えるから新しいタイプの革新政党のように見えますが、わたしの考えは違います。公立高校の廃止や統廃合、文化事業への突き放した態度を見ると公明党の福祉重視か共産党のような左派とも似ていない。それどころか、万博やIR・カジノの誘致といった公共事業型の景気対策を推し進めるあたりは自民党の体質に近いのです。維新とはつまり、自民党が変異した『ネオ自民党』ではないかと思うのです」。

 「大阪で維新に人気があるのも改革政党だからというより、安倍政権や国政自民党に人気があるのに通じるものがあるのでしょう。安倍政権のめざす新自由主義的『改革』の露払いの役割を持っており、その意味では、安倍政権の「突撃隊」的な性格を持っている」。

 ③グローバルな視点でローカルな問題を考える

 ウォルデン・ベロさん(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス元代表)は、ヨーロッパにおける右派ポピュリズム政治勢力台頭の背景(2017年2月講演より)について次のように分析している。

 「ヨーロッパの極右政党は、階層格差の拡大にともなってグローバリズム批判を展開するようになった。イアン・ブルーマが『右翼は新しい左翼である』と指摘したように、社会主義勢力が放棄した政策を極右が横領した形になっている。たとえば、フランス国民戦線は、当初アルジェリアからの引き揚げ者を支持基盤として、ルペン父はウルトラ自由主義を信奉していた。しかし、娘のマリーヌ・ルペンは、反資本主義、反グローバリズムを掲げ、保護主義による国民経済擁護、ユーロ離脱、社会保障制度再建という国家社会主義路線をとっている。しかし、彼女の言う社会保障制度再建は、福祉排外主義であり、福祉共同体からの外国人の排除を意味する」。

 ここでのポイントは、「オルタ・グローバリゼーション運動は極右に主張を横領された」と結論づけていることだ。

 それでは日本におけるヨーロッパ型の極右政党が台頭する可能性はあるのか。例えば、入管法改悪による「移民労働者」の急増を一つの契機にして高まるかもしれない。そもそも安倍政権は、極右ポピュリズム的性格を持つ形になっていると言ってもいいだろう。バーチャルな「改革」への幻想を自己の基盤とする点では、ヨーロッパと共通するところがある。

 一方、2011年以降、左派ポピュリズムも台頭してきた。それはギリシャのシリザ、スペインのポデモス、アメリカのサンダース、イギリスのコービン、フランスの「不服従のフランス」(メランション)などだ。

 実践的には、広場占拠を軸とする社会運動の拡大、ヨーロッパにおける若い世代を中心にした社会運動の継続などがあげられる。具体的には、ドイツの反ヘイト運動、フランスの「黄色いベスト」運動、各地での「森を守る」闘い、高校生を軸にした「フライデー・フォー・フューチャー」運動、イギリスの「絶滅への反逆」運動などをあげることができる。

 しかし、ヨーロッパの左派ポピュリズムは、すでにその限界を示しつつあるのではないか? 例えば、①2017シリザによるトロイカ(EU、欧州中央銀行、国際通貨基金)への屈服②スペイン・ポデモスの内部対立と「混乱」 ③連続する社会運動と左派ポピュリズム政党との断絶―などを上げることができる。

 今後の課題として、れいわ新選組とN国党の台頭から何を読み取るのか、読み取れるのかという問題についてともに継続して分析していこう。

 れいわ新選組は日本における左派ポピュリズムの可能性を示すのか? れいわ新選組「現象」は、新しい局面を予兆させるものが確かに存在している。山本太郎さんの街頭演説への結集とヨーロッパの「広場占拠」とは違うと思うがどうだろうか。人々の感覚を「山本太郎」という個人に集中させたもので、運動化されていないまま、「漂流」する可能性をも含んでいる。ある意味、より危機的なのかもしれない。「左」右のポピュリズムが合流してしまう可能性もあるのではないか。

 先に述べた N国党に投票した人々の感覚は、フランスの「黄色いベスト運動」の参加者に近いと思われるが、どうだろうか?

 N国党に現われた民衆の意識は、ヨーロッパの極右レイシスト政党に流れてい
った傾向と共通点はあるのかなどを追跡調査していかなければならない。いずれにしても状況としては、遅ればせながらヨーロッパに近づきつつあるのではないか。

報告:アフリカでの資源収奪と私たちの『豊かさ』―ルワンダとコンゴ民主共和 国を中心に―

 8月25日、アフリカから学び考える横浜の会は、かながわ県民センターで村田はるせさん(アフリカ文学研究)を招き、「アフリカでの資源収奪と私たちの『豊かさ』―ルワンダとコンゴ民主共和国を中心に―」をテーマに「おはなし」が行われた。

 8月28日~30日、横浜で第七回アフリカ開発会議(TICAD)が行われる。この国際会議は、一九九三年以降、日本政府がアフリカへの経済侵略を強化していくために主導し、国連、国連開発計画、アフリカ連合委員会、世界銀行と共同で開催してきた。安倍政権は、この会議に対して「横浜宣言」において「民間企業の発展、デジタル変革、若者・女性の起業」を掲げ、「投資環境整備」「最後の市場アフリカ」として日本資本の侵略を促進させていくステップとして位置づけている。

 その本音を隠すこともなく「TICAD7の主要テーマの一つは、投資の促進とビジネスの活性化です」と強調するほどだ。例えば、国際協力銀行は再生エネルギーや廃棄物処理の普及促進として4000億円融資するが、当然、日本資本の利権を前提にして計画している。国際協力機構もアフリカ開発銀行と共同でインフラ開発に3000億円超の円借款融資によって借金漬けを通した権益を広げていくねらいだ。

 軍事的にも、モザンビークPKO派兵(1993年)を皮切りに自衛隊医療部隊、空輸部隊を派兵してきた。11年7月にはジブチ共和国の国際空港内に海賊対策などと称して自衛隊基地を設置し、ここを拠点に軍事展開をしている。

 憲法九条改悪を先取りした派兵強行を既成事実の積み上げによって強行突破してきた。とりわけ中国による「一帯一路」構想と連動させたアフリカに対する大型インフラ投資と借金漬けによる権益拡大、軍事的影響力の拡大に対して横浜宣言で「ルールに基づく自由で開かれた海洋秩序」を明記し、対中国シフトの一環として構築していくことをねらっている。

 このようなTICADに対して横浜の会は、「サハラ以南アフリカの多くの国は、独立したあとも独裁的な統治や、資源収奪をねらう先進国の政治的・経済的介入に苦しめられてきました。日本から遠くはなれたアフリカでの紛争は、わたしたちの豊かな生活と無縁ではなく、むしろ深くかかわっています」という立場と視点からアフリカが抱える課題を探った。

 村田さんは、最初に「コンゴ東部での資源収奪」についてクローズアップし、歴史経過を踏まえ「1998年からの10年間、暴力、病気、飢えなどによるコンゴ東部の死者数は540万人にのぼっている。人権侵害の多くは、資源の採掘現場で起きている。コンゴ軍や武装勢力が資源の搾取のために一般市民を奴隷労働者扱いしている。資源を売った資金で武器を買い、兵力が増すことによって資源地域への支配をますます強化している」と述べた。

 次に「ルワンダのジェノサイド」を取り上げ、①前史―ベルギーの植民地支配、ツチ族優遇政策②内戦(1990年~)③ジェノサイド(1994年4月~7月)などについて整理し、武装勢力の支配と住民抑圧がつづいていることを批判した。

 そのうえで「紛争を終らせるためには、ガバナンス改善、治安改革、法の統治
の浸透が必要だ。コンゴ人による取り組みを支援するべきだ。それはコンゴの市民社会による活動、議会による規制の取り組みだ」などを強調した。また、「紛争資源問題や性的暴行ばかりを取り上げる過度に単純化された『語り』が、意図せざる問題を引き起こしたり、他の重要な問題を覆い隠したりしている」という研究者たちの指摘を紹介した。

 村田さんは、「外から見れば『民族対立』に見えるが、本質的には権力者間の
争いであり、利益を守るために民衆をだまし、対立を煽る操作などを繰り返してきたのが実態だ。だがルワンダ民衆は、権力者たちの正体を見抜き、新たなステップに向かおうとしている。私たちはアフリカ民衆の訴えを誠実に聞き、生活や生き様などに対して具体的に寄り添う姿勢が重要だ」と訴えた。

 木元茂夫さん(「自衛隊は何をしているのか」編集委員会)は、「アフリカ大陸と自衛隊 海賊対処部隊派遣の10年」について報告した。

 最後に、主催者から8月30日の「TICAD7に反対するアピールデモ」(午後6時半、横浜・桜木町駅前広場)への参加を呼びかけられた。

(Y)

【10.25公開講座】イギリスは今 ブレグジット(EU離脱)をめぐる労働組合運動の状況

Screenshot_20190819-155635~2イギリスは今 ブレグジット(EU離脱)をめぐる労働組合運動の状況

講師:浅見和彦さん(専修大学)

日時:10月25日(金)/午後6時30分〜

場所:文京区民センター3C会議室(都営地下鉄三田線春日駅下車)/
https://www.city.bunkyo.lg.jp

 イギリスの経済危機などを背景に2015年5月の総選挙で保守党は、英国の「ブレグジット」(欧州連合離脱)の是非を問う国民投票の実施を公約し、16年6月に国民投票を行いました。結果は、離脱賛成が過半数でした。ところが保守党のメイ首相は、EU離脱協定案を議会に提出したが、否決。「ブレグジット」をめぐって混迷を深めていくことになります。

メイ首相辞任後、7月に保守党党首とな
ったボリス・ジョンソンは、「EUとの合意があってもなくても10月31日の期限までに必ず離脱する」と公言しています。労働党は、第二回国民投票案が提出されれば支持すると表明していますが、内部的にはスタンスのとり方の違いがあるようです。

 このような流れの中で左派系・労働組合はどういう態度なのだろうか。「レフト・ユニティー(左翼統一)」(映画監督のケン・ローチなどが呼びかけ、2013年11月に結成)は、「今回の国民投票は、反移民感情に突き動かされ、レイシズムが焚きつけた極右からの圧力がもたらしたものだ。これは英国の政治史の中で最も反動的な全国運動であり、極右の公然たる登場に結果してしまった」と批判。また、左派系も「レイシズム、外国人排撃、英民族主義の右翼の構想」と批判してきたが、諸傾向と温度差があり一括りできない状況です。

 分析・評価するための情報が少ないなかで、英国の「ブレグジット」問題をこじ開けるための第一歩として公開講座を設定しました。浅見和彦さん(専修大学)は、「現代労働組合研究会/新しい労働組合運動のゆくえ・戦後労働運動の歴史をたどり、イギリス運輸・一般労組の研究」というテーマで研究活動を行っています。近日、ギリス現地調査に向かう予定です。浅見さんから「ブレグジット」問題をめぐる労働組合の諸傾向、人々の動向などのレポートを含めて報告していただきます。


浅見和彦さん(専修大学)のブログ http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/unyuippan.htm

アジア連帯講座 東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付 TEL:03-3372-
9401 FAX:03-3372-9402
アジア連帯講座ブログ:「虹とモンスーン」 http://monsoon.doorblog.jp/ 

報告:8.10 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 」キャンドル行動

配信:ヤスクニ 8月10日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 」キャンドル行動実行委員会は、水道橋の在日本韓国YMCAで「2019 今、ヤスクニと植民地責任 なぜ加害者が被害者ヅラできるのか」をテーマにしたシンポジウム集会を行い、ヤスクニ抗議のキャンドル行動も含めて400人以上が参加した。

 開会のあいさつが今村嗣夫さん(共同代表)から行われ、「アジアの証言集会」(1978年4月)での台湾出身戦死者の遺族によるヤスクニ合祀取消しの取り組みを紹介しながら、「キャンドル行動は、毎年1回一四年間続けている。転換する朝鮮半島、東アジア情勢の下で、日本と周辺諸国との関係再構築の方向性を探っていかねばならない。ヤスクニ『合祀』拒否しているアジアの遺族のさまざまな苦悩を想起して、今日もまたキャンドル行動をつづけましょう」と発言した。

シンポジウムに移り、以下の4人のパネリストから問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「植民地主義をやめるという課題」というテーマから①〈私たち〉の現在地②安倍政権と植民地主義③日韓関係の現在について提起した。

 さらに徴用工裁判大法院判決を取り上げ、「1965年の日韓請求権協定は、日本側は一切の植民地支配を認めずに結んだ。そのことを「完全かつ最終的に請求権問題が解決された」と言っているのが安倍政権だ。判決は、不法な植民地支配の下で反人道的な行為として行われ、それに対する慰謝料として請求されているのだから正当であると判断した」と述べた。

 また、「日本政府は、「国と国との協定によっては、個人請求権は解消しない被害ことを日本政府は広島の被爆者の米国に対する請求とか、シベリア抑留の被害者のソ連に対する請求とかで関連して述べてきた。外務省の条約局長も日韓条約請求権協定についても個人請求権は解消されていないと答弁している」ことなどを明らかにし、安倍政権の不当性を批判した。

 竹内康人さん(歴史研究者・強制動員真相究明ネットワーク)も「植民地支配と強制動員」というテーマから韓国・徴用工裁判大法院判決の意義について、①戦争被害者個人の企業に対する賠償請求権を認め、強制動員企業の法的責任を目地 ②日韓請求権協定では強制動員の損害賠償は未解決 ③戦争被害者の尊厳を回復、市民の正義を実現したことを強調した。

 そのうえで「強制動員に関わり、その歴史を継承する日本企業は、その事実を認知し、日韓政府とともに解決に向けて共同の作業を行うべきだ。被害者賠償に応じ、和解をすすめるべきだ」と提起した。

 渡辺美奈さん(女たちの戦争と平和資料館館長)は、「植民地支配と『慰安婦』」を取り上げ、「戦地の慰安所に連れていかれた植民地の女性たち」や「植民地朝鮮内で日本軍の『慰安婦』にされた女性たち」を浮き彫りにし、①戦争責任と植民地責任②戦時性暴力と植民地支配下の性暴力③植民地公娼制度と日本軍の慰安所の連続性を批判した。

 金世恩さん(日本製鉄強制動員訴訟原告代理人・弁護士)は、「植民地支配を裁いた大法院判決」の現状について報告し、「強制動員は、日本政府の朝鮮半島に対する不法的な植民地支配及び侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為である。判決は、解決できなかった問題を深く調べ、今でもこれをきちんと解決する機会とするべきである」と訴えた。

 続いて、韓国人遺族証言、台湾の合祀反対を取り組む仲間のビデオメッセージ、日韓若者アピールのダンス。

 特別アピールが日本軍「慰安婦」問題解決全国行動、即位・大嘗祭違憲訴訟の会、「韓国は『敵』なのか」声明の会の内田雅敏さん(共同代表)から行われた。

 さらにトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」で「平和の少女像」を出品した彫刻家・キムソギョンさんが登壇し、展示中止などについて批判した。

 コンサートに移り、ジンタらムータ、ソン・ビョンフィさん、ハン・チュンウンさんが熱演した。
 最後に徐勝さん(共同代表)が閉会あいさつした。

 集会終了後、ヤスクニ抗議のキャンドル行動に移り、神田一帯にわたってシュプレヒコールを響かせた。

(Y)


報告:天皇に平和を語る資格なし 国家による『慰霊・追悼』反対!8・15行動

8.15 8月15日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、「天皇に平和を語る資格なし ―国家による『慰霊・追悼』反対!8・15行動―」が行われた。

 すでに日本武道館では、全国戦没者追悼式が行われている。新天皇・徳仁が即位後初めて式に参加する。国家による慰霊と追悼が強調される儀式に抗議してきた反天皇勢力は、この日も式に向かって抗議の意志をたたきつけた。

 そもそも戦没者追悼式は、安倍政権のグローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪を貫徹するために天皇代替わりと2020東京五輪キャンペーン、差別・排外主義を貫くナショナリズムを煽りながら民衆統合の強化と連動したイベントだ。

 天皇徳仁は、安倍政権との連携プレーを常に前提にした「おことば」において前天皇明仁が使ってきた「深い反省とともに」を「深い反省の上に立って」と言い換えたうえで、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」などと述べた。明らかにアジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、欺瞞的な「平和主義」天皇像を踏襲し、新たな天皇像に向けて立ち振る舞った。

 つまり、日米安保体制下、米軍の派兵作戦に参戦してきた自衛隊の「実績」を覆い隠す任務を担ってきた天皇制装置の役割、これからも天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任からの逃亡について居直り続けていくことの宣言でもある。天皇ナルヒトの反動的役割をメディアは一斉に讃え、挙国一致を演出しぬいた。
 
 安倍晋三首相にいたっては、「式辞」において「アジア諸国への加害と反省には七年連続で触れなかった」(朝日8・16)と揶揄されるほどに日本の植民地支配と侵略戦争犯罪を無視した。それだけではない。安倍は、「先の大戦では……広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などで、無残にも犠牲となられた方々」(首相官邸)と初めて触れたが、広島・長崎が要求する核兵器禁止条約への署名、沖縄民衆が要求する辺野古新基地建設反対について一言も取り扱うこともしなかった。まさに居直りそのものだ。

 安倍は、中国、韓国などの反靖国抗議を抑えるために靖国神社に玉串料の奉納と閣僚に参拝を行わせなかった。このジグザグに対して靖国神社境内での「戦没者追悼中央国民集会」(英霊にこたえる会、日本会議主催)は、「天皇陛下のご拝実現に向け、首相や閣僚の参拝の定着を求める」(産経)などと抗議のボルテージを上げ、櫻井よしこは「国家の基盤である憲法をきちんと改正していこう」
(同)と叫ぶしかなかった。

 天皇代替わりと2020東京五輪キャンペーンの真っ只中、安倍政権と天皇制、右派勢力の共犯関係を暴きだし、反天皇闘争を強化していこう。

 集会は、松井隆志さん(大学教員・『季刊ピープルズ・プラン』編集委員)による「〈戦後〉批判 戦争責任問題との関連で」というテーマの講演から始まった。

 松井さんは、①「戦後」への攻撃②問題含みの「戦後」③天皇制の存置によって「戦後」に何がもたらされたか④象徴天皇制の能力と欺瞞性を高めた「平成流」などについて分析。

 そのうえで「新天皇・徳仁は、解釈改憲を前提とした『合憲』路線だ。即位時に『常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり』という発言に現れている。今後、女性天皇、政教分離、歴史認識問題が浮上せざるをえない。本来であれば戦争批判であるべきだった『戦後』に居場所はなかった天皇制を継承する以上、その欺瞞をなくすことはできない」と批判した。
 
 参加団体のつくば・戦時下の現在を考える会、4・23天皇の出迎え・見送りに子どもたちの動員に抗議する八王子市民有志(根津 公子さん)、12・12靖国神社抗議見せしめ弾圧を許さない会、「2020オリンピック災害」おことわり連絡会、即位大嘗祭違憲訴訟の会、自衛隊・米軍参加の東京都・多摩市総合防災訓練に反対する実行委員会からアピールが行われた。

 さらに、おわてんねっとから「声明 あいちトリエンナーレ『表現の不自由点・その後』への天皇制弾圧に抗議し、反天皇制の闘いへの参加を訴える」が読み上げられた。

 最後に集会宣言を確認し、おっちんズの「天皇制はいらないよ」「天皇に平和を語る資格なし」の唄を参加者全体で合唱した。

 デモに移り、九段下交差点から靖国神社に向けて「全国戦没者追悼式反対!靖国神社は戦争神社!即位の礼も大嘗祭もいらないぞ!」のシュプレヒコールを繰り返した。途中、スコールのような豪雨になってしまったが、参加者は最後まで力強くデモを貫徹した。なおデモ参加者は、320人を超えた。

(Y)

報告:8.2 自衛隊・米軍参加の東京都・多摩市総合防災訓練に反対する集会

配信:防災 8月2日、自衛隊・米軍参加の東京都・多摩市総合防災訓練に反対する実行委員会は、多摩市永山公民館で9月1日に強行する防災訓練=治安訓練と称する「防災ショー」に反対する集会が行われた。

 9月1日に京王線・多摩センター駅を中心に東京都・多摩市合同総合防災訓練が強行される。統一テーマとして「住民等による自助・共助」と「行政及び関係機関の連携」を掲げているが、例年通り、軍事作戦として自衛隊と米軍が参加し、防災ショーを繰り広げる。

実行委は、総合防災訓練に対して①地域住民など1万人
以上が動員され、戦時動員体制の訓練のようになっている ②自衛隊の「主たる任務」は防衛出動=敵との戦闘(自衛隊法三条)であり、災害派遣や防災訓練も部隊展開や行政との調整、住民の誘導・統制など、戦争のときの活動のノウハウを蓄積する訓練(米軍も同様) ③自衛隊が前面に出てくる背景には、民衆、特に児童生徒への意識浸透が目的。安保法制化により自衛隊員の数が減少している―などについて批判。

 そのうえで「ほんとうに『防災』に必要なのは何?」と問い、「地震による死者を減らすのなら、防災訓練に自衛隊を参加させるよりも、建物の耐震化を急ぐことだ。全国にある個人住宅のうち18%が古い耐震基準で作られた建物で耐震化が必要だ。しかし、5兆2000億円の防衛費に比べて、住宅耐震化のための耐震対策緊急促進事業などの国の予算はたった200億円程度だ」と厳しく批判している。

 集会は、このような「防災ショー」の狙いを暴きだし、9月1日の反対行動に向けて4人の仲間から問題提起が行われた。

 藤田五郎さん(東京都総合防災訓練に反対する荒川―墨田―山谷&足立実行委員会)は、「防災訓練反対闘争の20年」をテーマして「2000年の中央区・荒川区などの広域訓練が石原都知事のビッグレスキュー(首都を守れ!)という治安弾圧訓練として行われ、積み上げてきた。基本性格を踏襲しながらも、3・11東日本大震災を受けて被災地で活躍する自衛隊を押し出し、自衛隊の宣伝ブースによる勧誘活動が強化されてきた。この延長で自衛隊の学校へのアプローチも増えてきている。自衛隊員の減少もあって、勧誘活動を意識的に行っている。今回の訓練でも多摩中学の生徒135人が授業という形で参加する。自衛隊との接触を増やしているのが危険な兆候だ」と分析した。

 永井栄俊さん(戦争いらない多摩市民連合)は、「教育再編と浸透する自衛隊」と題して、「多摩市総務部防災課との話し合いで明らかになった今回の防災訓練」の実態を明らかにした。「防災課は、訓練の一環として自衛隊音楽隊を先頭のパレードがある。児童生徒は見学するだけで参加するのではないと説明した。参加をお願いしているのであり、『動員』という強制力ではない、自主的な防災訓練だと言っていた。しかし、実態的には参加する人数なども決められているように動員人数達成のために地域・学校は動いている。自衛隊と児童との接触を増やしながら、勧誘活動を広げている」と指摘した。

 加藤輝雄さん(戦争法廃止・安倍倒せ!反戦実行委員会)は、「地域社会と防災」について①自衛隊に頼らない防災の街づくりと、本業としての救助専門の集団、組織、制度を作ることが必要 ②セーフティネット(共助)としての地域コミュニティーの復権 ③自衛隊・米軍に頼らない(拒否する)地域コミュニティー=住民が主人公の街づくりへ―について問題提起した。

 池田五律さん(戦争協力しない・させない!練馬アクション)は、「オリンピックと自衛隊」の関係を分析し、「2013年9月10日に防衛省・自衛隊2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別行動委員会を設置している。以降、自衛隊は任務として取り組み、東京五輪と2019ラグビーワールドカップを防衛省・自衛隊として一体的に取り組んでいくことも確認している。東京新聞(19年1月18日)が『自衛隊に警備協力要請 五輪組織委がテロ対策』と報道しているように自衛隊は早くから治安出動の軍事作戦としてオリンピックとラグビーワールドカップの警備を位置づけて展開してきた。九条改憲の先取りとして自衛隊のレベルアップを作ろうとしている」と明らかにした。

 質疑応答後、多摩市民、いぢち恭子さん(生活者ネット・社民の会)、東京都総合防災訓練に反対する荒川―墨田―山谷&足立実行委員会からの連帯アピール。最後に実行委は、9月1日の総合防災訓練に対する監視行動、情宣、報告集会への参加を呼びかけた。

(Y)

案内 8/10 平和の灯を!ヤスクニの闇へ 第14回キャンドル行動

8/10 平和の灯を!ヤスクニの闇へ 第14回キャンドル行動

 現実を見つめ、この国のあり様を問い直していく必要があります。
 転換する朝鮮半島、東アジア情勢の下で、日本と周辺諸国との関係再構築の方向性を探っていかねばなりません。
 2019年ヤスクニキャンドル行動を、このことを考えていく場にしていきます。


平和の灯を!ヤスクニの闇へ 第14回キャンドル行動
と き:8月10日(土)開場 13:00 開始 13:30〜18:30
    キャンドルデモ 19:00〜
ところ:在日本韓国YMCA
    東京都千代田区神田猿楽町2-5-5
    アクセス→http://www.ayc0208.org/hotel/jp/access-access.html
内 容:
・シンポジウム「今、ヤスクニと植民地責任−なぜ加害者が被害者ヅラできるの
か?−」
 パネリスト:
  高橋哲哉さん(東京大学教授)「ヤスクニと植民地責任」
  竹内康人さん(歴史研究者・強制動員真相究明ネットワーク)
        「植民地支配と強制動員」
  渡辺美奈さん(女たちの戦争と平和資料館館長)
        「植民地支配と『慰安婦』」
  金 世恩さん(日本製鉄強制動員訴訟原告代理人・弁護士)
        「植民地支配を裁いた大法院判決」
・遺族等の訴え:韓国/日本/沖縄の遺族等
・諸団体からのアピール:「慰安婦」問題解決全国行動
            戦争させない1000人委員会
            ほか
・コンサート:ジンタらムータ、ソン・ビョンフィさん、ハン・チュンウンさん
参加協力券:1000円
主 催:平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動行動実行委員会
    共同代表:今村嗣夫、内田雅敏、大口昭彦、金城実、菅原龍憲、
         鈴木伶子、辻子実、徐 勝、野平晋作、服部良一、
         高金素梅、飛魚雲豹音楽工団、李熙子
連絡先:四谷総合法律事務所
    E-maiL peacecandle2006@yahoo.co.jp
    TEL 03-3355-2841
    FAX 03-3351-9256
    HP http://peoce-candle.net/

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