虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

報告 4.10 緊急事態宣言!?カネは公共医療と人々の生活のために使え!日銀前スタンディング 

IMG_3110Friday for Fair Finacial(FFFF)公正な金融のための金曜日@日銀前スタンディング(その3)

 四月一〇日(金)午後七時から・東京・日本銀行本店裏で「緊急事態宣言? カネは公共医療と人々の生活のために使え!日銀前スタンディング」が、att
ac首都圏の呼びかけで、三回目が行われた。真冬のような冷たい強風が吹くなかであったが元気に行動を行った。

 司会の京極さんが「非常事態宣言が出されたが、政府の強権的なやり方ではなく、市民がどのように行動して止めていくのか、みんなで考えて言いたいことを発信しよう」と呼びかけ、「テレワークが推奨され、ZOOM会議システムが使われているがセキュリティの問題があり、監視されているということも指摘されている。私たちは違うシステムで発信していく準備をしている。また、二回目のアクションはインターネットラジオで配信した。今回もそうしたツールを活用したい」と提起した。

 次に参加者から発言が行われた。加藤匡通さん(茨城不安定労働組合)が発言した。

 「非常事態宣言の対象都市に茨城県は入っていないが、知事はつくば市など七つの市に対して同じ扱いをするとし、外出自粛を強く要請し、公共施設を使えないようにし、シネコン・大規模商業施設は閉まっている。メーデー会場は借りれないので、どうするか思案している。つくば市は有料でない所で、一〇人以上人が集まらなければ使うことはできるとしている」。

 「ハウステンボス、ディズニーランドで非正規が雇止めにされている。そして倉庫・工場の派遣労働者の仕事がなくなっている。カネを寄こせ。食料を配給せよ。死なないですむようにしてくれ」。

 フリーライタ—の仲間は「憲法に非常事態権限を入れたいから出したのだろう。PCR検査を行わないから、誰が感染しているか分からない。まず救済を。反貧困ネットなどが四月一六日に各省と交渉する院内集会を開催する」と報告した。

 神奈川県の茅ケ崎で生活困窮者の支援を行っている松本和史さんが「今、話題
になっているのは安倍のマスクと休業補償と自粛要請がセットになっていないこと。布マスクで安倍の評判は落ちた。介護事業者などにマスクが優先的に一人当たり一枚から二枚届いた。毎日洗って使えるというものだが、毎日そんなことはできない。役に立たない。四六六億円もそんなことにカネを使うな。日銀は一日に一〇〇〇億円も株価を上げるために使っている。カネには困っている人のために使え。生活保護の申請が増えているが親族で支える人がいるのではないかなど、生活保護を受けさせないようにする圧力や手続きの煩雑さがある。アメリカのように即現金を支給すべきだ。また、外国人労働者がコロナウイルスを持ち込むなというようなヘイトを受けている。横浜市はカジノ誘致をやめていない。ギャンブル依存症者を生み出すものだ」と報告した。

 京都で大学の非常勤講師をしている堀江さんは「オンライン講義の採用によって、どれくらいの首切りがあることか。自宅でオンライン講義を受けるには、そのためのコンピューターなどの資源を持っていないとできない。学生の一割がスマホしか持っていないという調査結果がある。そして、キャバクラなど性的サービス産業でバイトをする学生もいる。こうした人たちの仕事が奪われている。怒りをもっている。自宅が安全か。自宅で暴力を受ける問題が出ている。いろんなグループが連帯・連携しつつやっていきたい」と発言した。

 小倉利丸さん(批評家)は「外出するなと言われているが、世界的にもどれだけリスクを軽減しているのか。それ以上に犠牲を強いているのではないか。国家や企業が生き延びるためにやっているのではないか。アメリカの黒人・ヒスパニック、貧困者などの感染者率が非常に高いことが分かった。メディアの情報しかない。言論・表現の自由が奪われている。日銀前アクションも多くの人とつながっていきたい。この運動は一から二カ月で終わるものではない。もしかしたら一から二年になるかもしれない」と話した。

 最後に、ATTACKの稲垣豊さんがまとめの発言をした。

 「緊急事態宣言とあわせて発表された事業規模一〇八兆円の経済対策。しかし実際の新規の財政支出は二九・二兆円、しかも減収家庭への給付金は四兆円など市民生活に関係する支出の少なさに比べ、財政投融資を活用した『新型コロナリバイバル成長基盤強化ファンド』などに九・三兆円、そして金融措置によるメガバンクをはじめとする金融機関による民間資金は四二兆円と最大の金額を誇っている」。

 「この巨額のマネーの出どころは日本銀行。そしてそのマネーは金融システムと大量廃棄の生産システムを温存する大企業へと流れるだけ。膨大なCO2排出をつづけてきた大企業、たとえば航空会社は二兆円の支援要請、トヨタもメガバンクに対して一兆円の融資枠を要請。カネの使い方、完全に間違えてます!」。

 「減収補償やリストラ阻止とともに、いま最も重要なのは、最前線で感染症に取り組む医療従事者や公衆衛生人員の増員などを担保する財政支出です。しかし政府の緊急経済対策ではそのことがほとんど語られておらず、ただ医療従事者らの自己犠牲に感謝するだけです。これでは現場からの悲鳴に応えることはできません」。

 「メガバンクと大資本による大量浪費の生産システムの温存ではなく、自然環境を守り、公共サービスや福祉医療などの必要が満たされた社会システムへの転換こそ、この危機の先に見出すべき出口だ」。

 次回は四月一七日午後七時から、日銀本店裏で、看護労働者や学生から訴えを
予定している。

(M)

報告 4.6 辺野古実が防衛省に月例申し入れ行動

DSC_1120辺野古・埋め立て設計変更を申請するな

 四月六日午後六時半から、辺野古新基地建設を止めろと防衛省に申し入れる定例行動が、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の呼びかけで行われた。

 安倍政権による新型コロナウイルスに関する非常事態宣言を発し、改憲の先取りをしようとすることに対して、批判する意見を司会が語ることから集会が始め
られた。

 日音響のアコーディオンによって、沖縄の闘う歌を歌い、参加者からの発言が行われた。

 主催者が「コロナウイルス問題で、政府は仕事に行くな、休業しろと呼びかけているが、辺野古基地建設ではまったく工事が自粛されていない。本部港ではすごいペースで土砂が運ばれ、辺野古の海に土砂が投入されている。そして、機動隊は座り込みに対して、コロナ対策などせずに暴力的排除をしている」と批判した。

 さらに、「四月一日、専門委員会が会議を開き、埋め立て予定地の大浦湾の粘土を計っていないとしていたが業者が測定していたことが出てきた。また、防衛省が出した資料で二〇カ所のミスが見つかったものを、専門委員会はミスがあったかもしれないが問題はないと見解を示した。こんなことは許せない。ただちに埋め立てを止めろ」と訴えた。

 宮古島の自衛隊ミサイル基地建設に反対する住民の会から、電話でのアピールが行われた。「四月五日、三八〇人の警備隊と二四〇人のミサイル部隊、合計七〇〇人余りの編成完結行事が行われた。住民たち三〇人で、のぼり旗、マイクで抗議し、申し入れ(別掲載)を行った。弾薬庫、基地の撤去まで闘う。連帯してほしい」。


 続いて、安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が電話でアピールした。

 「コロナウイルスの影響で、社会的混乱を起こしている。嘉手納基地の米兵二人がコロナに罹った。防衛省は米軍基地の閉鎖を申し入れていない。明日、七都道府県に非常事態が宣言される。米兵の外出禁止を要求する必要がある。警備員にマスクを着けろと要求している。安倍政権はマスクを二枚配布する。しかし、それに従わない防衛省は何か。マスクをばらまくより、困っている医療機関に配布する。市民を守ろうとしない、それの極限が沖縄だ」

 「政府は埋め立て設計変更申請をする。知事は民意にそって対応するだろう。沖縄のコロナウイルスのまん延は県内の帰省者や県外から持ち込まれた。これ以上まん延させないために、関東から運動で沖縄を訪れるのをストップしてほしい。私たちは困難でも闘う」

 ストップ辺野古キャンペーンの加藤さんが「埋め立て設計変更により、一旦工事建設の受注が打ち切られる。護岸建設を請け負っているゼネコンからは『軟弱地盤で作ってもしかたがない。前代未聞の工事だ』と嘆きの声が出ている」と報告した。

 複数で参加した郵政シルバーユニオンのメンバーが「沖縄連帯ツアーを一四回派遣してきた。二月に南西諸島への自衛隊配備反対のために石垣島で交流した。ミサイル基地建設のための造成工事が小学校や民家の近くで行われている。六月に、一五次のツアーを企画している。石垣島・辺野古をつなぐ。労働組合運動が厳しい状況だががんばっていきたい」と報告した。この後、キリスト者や辺野古沖でカヌーで抗議した仲間が発言した。

 戦争に協力しない!させない!練馬アクションとアジア共同行動日本連絡会議が防衛省申し入れを行った。アジア共同行動は、「米軍基地の横須賀五人、嘉手納三人、佐世保一人の兵士・家族が新型コロナウイルスに感染しているが明らかになった。危険極まりない米軍基地を即時封鎖し、米軍に対して強制力をもって感染実態を報告させることだ。米軍の自由な航行、自由な出入国を禁止することだ。従わなければ、米軍を国外に退去させよ」と要求した。

 最後に今後の予定が明らかにされた。
●五月一一日午後六時半から、防衛省月
例申し入れ行動。
●埋めるな連、設計変更批判の新たなパンフを作ったので宣伝
行動で利用してほしい。
●設計変更申請が明らかになった時、翌日午後六時半か
ら、防衛省抗議行動。皆さん参加しよう。

(M)



4・5ミサイル部隊発足式典の中止を求め、強行配備に抗議する集会決議


 2017年10月末から始められた宮古島での陸自新基地建設は、まだ終了していないにもかかわらず、2019年3月には、千代田に380名の警備隊が編成され、今日、2020年4月5日、240名のミサイル部隊と追加の警備隊、合計700名余りの編成完結行事が行われることは、宮古島への陸自ミサイル部隊配備の既成事実化を急ぎ、与那国、奄美と続けて琉球弧の島々の軍事要塞化を完成に近づけることである。

 辺野古の米軍新基地建設が沖縄県民の粘り強い反対運動によって、遅々としている現状のもと、米軍と自衛隊の基地の共同使用、合同訓練の実態を見れば、南西諸島の自衛隊基地化は、日米両政府の軍事戦略上、重要な意味を持っている。

 島々の自衛隊新基地が、辺野古新基地の代替としての機能を持つことも予想され、そうでなくても、米軍の共同使用、共同訓練などの可能性は非常に高い。

 千代田新基地への陸自ミサイル部隊配備の他、空自の野原レーダー基地へのサイバ一部隊システム防護隊配備、準天頂衛星(新里の管制施設強化)による宇宙の軍事利用、水陸機動団の訓練、オスプレイによる水陸両用車の運搬、拡張整備された平良港への海自艦船の接岸、下地島空港の軍民共用等々の可能性が今後考えられる。南西諸島全体の司令部は、宮古島に置かれるということは2015年計画発表段階で明らかにされている。宮古島をこのような軍事の島にすることは、戦争の危機を引き寄せることに他ならない。私たち市民は宮古島の軍事要塞化に断固反対する!

 しかも、今年に入り、瞬く間に世界中に蔓延し始めている新型コロナウイルスによる肺炎の感染状況によって、日本中が生産活動も、商業活動も、市民生活も自粛を余儀なくされている中にあって、なぜ、自衛隊基地内の活動だけが状況を無視し、市民を不安に陥れるように、密集して隊員の編成祝賀式典を宮古島で行うのか? 万が一、閉鎖的な空間である千代田基地内から感染者が出て拡散した場合、基地は感染者集団クラスターとなり、基地外へ感染が拡大したならば、感染者病床が3床しかなく、人口呼吸器も13個しかない宮古島では、医療崩壊は簡単に起こることが想像できる。宮古地区 医師会からも自粛要請が出され、宮古島市も要請していると報道がある中で、規模を縮小したからと言っても、中止や延期ではなく、実施することは余りにも危険で、市民の命を軽視していると言わざるを得ない。自衛隊基地内の式典実施に強く抗議する。
 
千代田基地内の弾薬庫は建設しないという約束通り撤去すること!

保良の弾薬庫建設をやめること!

野原レーダー基地の増強機能強化をやめること!

戦争につながる施設建設、新基地建設をやめることを求め、ここに決議する。


2020年4月5日

ミサイル基地はいらない宮古島住民連絡会
4・5ミサイル部隊発足式典の中止を求め、強行配備に抗議する集会参加者一同

【案内】4.29 反「昭和の日」デモ

■4.29 反「昭和の日」デモ

★4月29日(水休) 14:45集合 

千駄ヶ谷区民会館(原宿駅下車)前集合


「米軍優位の日米地位協定と日米合同委員会の密約」(吉田敏浩 さん) → 延

★時期を見て改めて開催します。暫くお待ち下さい。



今こそ問う「安保・沖縄・天皇」4.28-29 連続行動実行委員会
【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/市民の意見30 の会・東京/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/反安保実行委員会/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会/ピープルズ・プラン研究所/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会


今こそ問う「安保・沖縄・天皇」4.28-29 連続行動実行委員会の呼びかけ

2020年4月1日 反天皇制運動連絡会

 私たちは、60年安保闘争から50年目となる2010年から、4月28日・29日の連続行動に取り組んできた。

 4月28日は1952年にサンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した日であり、29日はかつての天皇誕生日であって、裕仁の死後、「みどりの日」を経て「昭和の日」となった。この両日を連続行動として取り組むことに意味があることを改めて確認しよう。

■誤った戦後日本のスタート

 サンフランシスコ講和条約は、朝鮮戦争下で講和を急ぐ米国主導のもと、最大の被害国である中国やソ連を排除した西側諸国とのみ結ばれたものであり、日本の侵略戦争・植民地支配に対する賠償を経済援助方式によって切り詰めるものであった。さらには沖縄を含む南西諸島を米軍支配のもとに切り捨てるものでもあった。

 これにより「主権回復」し国際舞台に復帰した日本であるが、それは同時に、天皇制国家による侵略戦争責任・植民地支配責任の追求とそれがもたらした被害に対する賠償をあいまいに糊塗してしまうものであった。

 そして同時に発行した日米安保条約は、占領軍であった米軍の、日本領土内自由行動を含むさまざまな特権的地位を有した状態のままでの駐留継続を認めるものであった。

 こうした米国による戦後の対日本政策は、占領政策を有効に進めようとする意図の下で戦犯としての追及をせず延命させた裕仁天皇との米国主導の下での共同作業でもあった。共産主義勢力による戦争責任追及や革命を恐れる裕仁は、米軍の駐留継続を強く望み、そのために沖縄の切り離し(占領の継続)の提案を、日本政府の頭越しに行ったのである。

■今こそ問う「安保・沖縄・天皇」

 今日の「従軍慰安婦(日本軍性奴隷制度)」問題や「徴用工」問題、辺野古新基地建設に象徴される米軍基地の沖縄への押し付け問題などは、こうした「誤った戦後日本のスタート」に起因するものである。

 侵略戦争・植民地支配による負の遺産は、私たちの手によって精算されなければならない。

 昨年、裕仁の子(明仁)から孫(徳仁)への代替わりが行われた。米国主導の下で、裕仁天皇が積極的に加担してつくりあげた戦後日本は、裕仁一代で完結するものではもちろんない。子、孫へと天皇の座は引き継がれ、それぞれ意匠を異にしながらも、侵略戦争・植民地支配責任を忘却の彼方におしやり、新たな戦争国家へ向けて国家統合体制を整えるという役割は継続・強化されている。

 今年の4.28-29の連続行動は、戦後の「国体」といわれる象徴天皇制・日米安保体制の総体を改めて問い直す取り組みにしたい。

 また、今年は、昨年の一連の代替わり儀式の締めくくりとしての「立皇嗣の礼」が行われる4月19日にもこれに反対する取り組みも行う。

 実行委員会への参加・賛同を呼びかけます。共に闘いましょう!


【パンフ紹介】『知らないうちにみられてる これ一冊でわかる監視社会』

watchingyouパンフ紹介
『知らないうちにみられてる これ一冊でわかる監視社会』

編集・発行 「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、共謀罪NO!実行委員会 

頒価 300円  


安倍政権は、日米安保下における米軍との共同作戦・実戦への踏み込みに向け たグローバル派兵国家建設の一環として特定秘密保護法(2013年12月6日成立)、 共謀罪(改正組織犯罪処罰法/2017年6月15日)を次々と成立させた。

この二法の 制定後、この二法の戦争法としての危険性と人権侵害に満ちた市民監視のねらい を社会的に告発してきた「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、共謀罪NO!実行 委員会は、すでに内閣情報室が政府機関の中枢として野党、官僚、市民の監視の 強化とともに治安対策と称して市民の個人情報を集積している実態を明らかにし、 あらためて監視社会の現在を共に共有化し、人権侵害を許さないスクラムを構築 していくためのバネとして本パンフを発刊した。

 小笠原みどり(ジャーナリスト、社会学者)は、巻頭論文で「ネット監視はこ うして日本で始まった―アメリカの世界スパイ網に協力して国民を見張る政府」 (パンフ)を暴いている。  2012年末、安倍政権は、インターネツトの大量無差別監視に着手した。大量無 差別監視とは、インターネットでのメール、チャット、ビデオ通話、ウェブサイ トの閲覧・書き込みなど政治に関係なく全てを集積することだ。この作戦の実施 は、2001年からの米国の対テロ戦争と連動して国家安全保障局(NSA)による 「すべて収集する」原則(海底ケーブルの上陸地点、グーグル、アップル、マイ クロソフト、フェイスブックのサーバーに介入し全て集積する)の追随であった。 政府が言う「サイバー・ネットワーク防衛」とは、ネットの大量無差別監視の強行のことだ。

 このことを暴露(2013年6月)したのがNSAの元契約社員エドワード・スノー デンだった。NSAが米空軍横田基地に国防省日本特別代表部を置き、日本の民 衆のコミュニケーションを収集していたことを明らかにした。しかも日本政府が そのためにNSA監視装置の建設のために莫大なカネをつぎ込んでいた。この詳 細は、「スノーデン・ファイル徹底検証 日本はアメリカの世界監視システムに どう加担してきたのか」小笠原みどり(毎日新聞出版刊)を参照していただきたい。

 小笠原は言う。「腐敗のオンパレードにもかかわらず、安倍首相が戦後最長記 録を達成できたのには、こうした監視活動を秘密裏に広げて、メディアを含む世 論操作に成功してきたことにも一因であることを見逃してはなりません」の指摘 は、さらに掘り下げて分析していく必要がある。

 なお筆者は、「かけはし 2018年9月24日号」で「『スノーデン 監視大国日本 を語る』(エドワード・スノーデン著/集英社新書 )の紹介で日米政府による秘 密の共謀によって「①防衛省情報本部電波部がNSAの日本側パートナーとなっ ている。同様に内閣情報調査室もその役割を担い、日本のネット諜報導入を推進 していると明記。②米軍横田基地内通信機器製造工場が日本政府の思いやり予算 によって年間37万5000ドルを計上。③1990年代から2000年代のはじめにかけて、 クロスヘア作戦(内容不明)と呼ばれる諜報作戦に日本も参加。④防衛省情報本 部電波部の傍受施設は全国に6カ所ある。⑤2012年以降、コードネームがマラード と呼ばれる衛星傍受システムにより、日本は、民間衛星を経由しているインター ネットから大量の情報を収集している」ことが明らかとなっており、継続した監 視と摘発が求められていることを強調してきた。

 政府による大量無差別監視の推進エンジンについて海渡雄一(弁護士)は、 「内調を核として政権に奉仕する情報監視体制が確立しつつある―プライバシー 権で監視社会に対抗しよう―」(パンフ)で分析している。とりわけ安倍首相が 官邸の重要ポストに警察出身者を重用し配置してきたことを指摘する。

 とりわけ北村滋(国家安全保障局長、内閣特別顧問)に焦点をあて、情報操作、 フレームアップなどを繰り返してきたことを浮き彫りにし、「公安警察が集めた 個人情報によって、政治家や官僚の弱みを握って黙らせるという、独裁的な政治 を進めているように思います」と総括している。海渡は、控えめに総括している が、まさに公安政治警察の非合法活動も含めて重厚に治安弾圧体制を構築してきたのである。

 その実例として、①北海道―安倍首相の演説に対するヤジを飛ばしただけで警 察に拘束された事件を契機にして、全国一斉に安倍演説の警備強化とヤジに対す る排除が進められた。②「これが本当なら『現代の特高』前川元次官が語る告発 ノベル「官邸ポリス」のリアル(毎日新聞・19・6・20)を取り上げ、国家安全保 障局の局長に北村滋が就任して以降、これまでの国家安全保障局のポストには外 務省、防衛両省のメンバーが中心だったが、組織のトップに警察官僚が「君臨」 していることを批判している。

 かつて青木理(ジャーナリスト)は、2010年時点で公安政治警察内の「I・S (インテリジェンス・サポート)/〇〇7」の存在をクローズアップさせ、警察 庁警備局の元幹部の「『幅広情報』の中で最も重視されているのは政治関連の情 報、そしてマスコミ関連の動向です。特に政治情報は与野党を問わず、地方議会 レベルの動きから中央政界における閣僚や有力議員のスキャンダルに至るまで、 ありとあらゆる情報を掻き集め」ていることの独白を紹介していた。つまり、奉仕する政権に公安政治警察のこのような存在意義を売りにして組織再編・拡大を ねらっていた。 公安政治警察の野望の到達点としてあるのが、安倍首相・官邸と北村滋をはじめ とする公安政治警察の連携プレーだ。

 最後に海渡は、闘う全国の力によってはね返していく陣形の中に「プライバシー の権利に基づく人権侵害抑圧メカニズム」の実現、秘密保護法・共謀罪廃止運動を広げていこうと訴える。

 さらにパンフに収録されている論文は、「オリンピックで一挙に進む監視社会」 (宮崎俊郎)、「国家を上回る個人情報法収集力をもつ巨大IT企業」(角田富 夫)、「監視カメラは目に見えない一種のパパラッチ」(原沢史郎)、「監視の 社会基盤としてのマイナンバー制度」(原田富弘)、「生活の道具が監視の道具 にもなる 『IoT機器』とは」(中森圭子)、「捜査照会」(鈴木猛)などを 取り上げている。グローバル派兵国家建設のための治安弾圧体制の現在を暴き出す、本パンフの一読を!

(Y)

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【グローバル・コロナ禍】ロックダウンの南アフリカから現地報告


ed9e0f98-refugees-1200x858【ケープタウンで教会が支援する難民キャンプの閉鎖と移動を求める市当局】

南アフリカ・ケープタウン在住の仲間から現地の様子を伝える報告が届きましたので、配信します。




ロックダウンの南アフリカから

福島康真

 ラマフォサ大統領はイースターが始まる前日の四月九日夜に行った演説で、全国ロックダウンを二週間延長して四月三〇日まで続けると発表した。

 南アフリカでは三月二七日から新型コロナウイルスの拡大を阻むためにロックダウンに入っており、国全体がほぼ止まった状態が続いている。

 この演説で大統領は、(1)感染を遅らせたり減らすために公的な保健体制を強め、(2)パンデミックで影響を受けているビジネスや個人を支援するための包括的な経済支援策をとり、(3)貧困層や影響を受けやすい世帯に対する社会的支援策を拡大するという、三つの政略に沿って政府は集中的組織的な対応を行うと述べた。

 政府はすでに検査体制を作ってきたが、これからの二週間、九つあるすべての州で特に脆弱な環境にある地区での集中的な検査を行うために戸別訪問検査を含めた体制を取るとしている。感染ホットスポットはすでに特定しており、そこからの拡大を防ぐためにそこにリソースを集中していくとした。

 経済対策としては、大企業から小規模ビジネスまで規模を問わない支援、労働者やフリーランサー、インフォーマル・ビジネスに対する支援を行うとし、UIF(失業保険基金)に四百億ランド(約二四〇〇億円)を投入し、すでに三億五六〇〇万ランド(約二一億円)が支払われていると述べた。また基礎医療品の供給のために資金を投入しているとしている。

中小企業に対してはローン返済の六カ月の繰延をすでに承認しており、救済のための政策の調整を行なっており、小規模農業に対しても最優先の資金投入を行うという。地域の工場などでマスク、手洗い用消毒液、薬用品などが生産できるようにし、医療労働者がこれらの製品を利用できる環境を作るとも述べた。

 またホームレスの人々に対して全国で一五四のシェルターを確保しており、すでに利用されているという。

 そして大統領は、これらの施策では現在のすべての要求に応えるのには不十分だが、これからの数週間で起きるであろう事態に対して迅速かつ素早い対応をとるためにこれらは必要で、今後さらに包括的な緊急経済政策を作っていくと述べた。

 演説の最後に、この政策を行うために大統領を含めた政府閣僚の報酬を今後三カ月の間三三%カットし、それを連帯基金に寄付すると発表した。

 政府の発表によると四月一〇日現在、検査総数六万八八七四のうち、これまでの感染者確認数は一九三四で、そのうちの一八人が死亡し、四五人が回復している。最初に感染者が確認されたのは三月五日で、三月一五日に政府は全国災害宣言を出したが、その段階での感染者総数は五一で死亡者はまだ出ていなかった。

 ヨーロッパで感染が急速に拡大し始めた直後の三月上旬に感染者が確認されたことを考えると、南アフリカでの感染は海外からの旅行者によってもたらされた可能性が高い。ヨーロッパから戻ってきた大都市の中間層、中産階級の人からウイルスが拡大していったと考えられる。

 現在も感染者の大多数はヨハネスブルグ、プレトリア、ダーバン、そしてケープタウンといった大都市に集中している。南アフリカでは、かつてのアパルトヘイト時代に作られた人種別居住区が現在も残っており、基本的な経済構造は変わっていない。都市周辺に住まわされている貧困層の人々が都市に仕事のために毎日通っている。

 ウイルスが拡大するとすれば、都市に住んでいる中間層、中産階級の感染者が、かつての人種別居住区から通っている人を感染させ、その人が住んでいる地域に広がっていく。そのような拡大を阻むために、政府はロックダウンの導入を決断したと考えられる。

 政府が全国災害宣言を出してから一二日後の三月二七日に、ロックダウンが始まった。

 それが始まるまで、政府は様々なメディアを使って手洗いの励行、社会的距離(ソシアル・ディスタンス)の確保、握手の代わりの腕での挨拶などを行うように宣伝してきた。

 ロックダウンが始まると、国境は全て閉鎖された。航空便は貨物便を除く国際・国内便が全て運休、陸の国境も閉鎖され、二つの貨物専用港を除いて海の国境も閉鎖された。国内の長距離バスも運行停止した。長距離移動に鉄道は使われておらず、ほとんどが航空便が長距離バスの利用のために、都市間の移動も禁止された。

 個人の外出も禁止され、一日中家にとどまること(ステイ・ホーム)が呼びかけられた。散歩、ジョギング、ペットの散歩も禁止され、友人の訪問や一緒に住んでいない家族の訪問も禁止された。大きな敷地を持つアパートなどでも、玄関や庭などは公共の場にあたるので敷地内とはいえそこに行くことも禁止された。

 レストランを含めた全ての店が営業停止になったために、ウーバーイーツなど
の出前サービスも営業停止になった。

 また人の接触を行わないようにするために酒類販売は禁止され、ウイルスを拡散する恐れのためにたばこの販売も禁止された。

 食料品を買うための外出と医療機関に行くための外出だけが許されており、そ
のためにスーバーマーケットなどの食料品店と薬局のみの営業が許可され、そこで働く労働者や医療機関で働く労働者の通勤のために午前中三時間、午後三時間だけ公共交通機関が運行している。

 オンラインショップも取り扱えるのは医療関連品や生活必需品だけで、その配送も許可を受けた業者しか行うことができない。

 こういった非常に厳しい環境の中で、南アフリカの人々は現在生活をしている
が、現在のところ大きな混乱は起きていない。

 中間層、中産階級、そして富裕層が住む地域で、この「規則」を破る人がほと
んど出ていないのは、これらの人々は比較的大きな敷地の家や大きな部屋のアパートなどに住んでいるためだと思われる。

 それに対して、かつての人種別居住区などに住んでいる貧困層の人にとっては非常に厳しいことになる。狭い家に大人数で住んでいたり、密集する掘立小屋に大人数で住んでいると、社会的距離そのものを確保することが難しい。常に密集している場所にいなければならないので、不満も高まっていく。

 現在のところ感染者の多くは中間層以上が多く住む都市中心部に集中しているので、そこから感染を周辺地域に広げていかないための交通手段の遮断、人の移動の遮断という方法は、ある意味で合理的な方法だと思える。

 しかし時が経つとフラストレーションが溜まっていく。毎日午後八時になると
人々はそれぞれの家で一斉に拍手をしたり叫んだり、鳴り物を鳴らしたりする。これは最前線に立っている医療に携わっている人々を激励するために始められたのだが、現在ではフラストレーションを発散するために行われているようだ。

 こういう状況の中で、労働組合や住民組織、NGOなどは、基本的に感染の拡大を阻むために社会的距離を確保することを呼びかけている。

 労働組合のナショナル連合の一つのSAFTU(南アフリカ労働組合連合)は、
この混乱に乗じて利益を上げようとする企業を厳しく非難すると同時に、社会的距離を確保することを労働者に呼びかけ、政府に対して様々な経済政策提案を行っている。そういう中で、SAFTU書記長が感染する事態が起きた。彼は隔離生活に入ったため当面の間書記長職を解任され、他の指導部全員に対しても検査を受けることを義務とした上で、全組合員に対して政府が推奨する社会的距離の確保に努めるように呼びかけている。

 現在の南アフリカは、ほぼすべての人々が感染を拡大しないために一つになっているようだ。

 大統領は演説で、政府閣僚の報酬を今後三カ月間カットすると述べた。ということは政府は少なくともこれから数カ月はこの事態は終息しないと考えているとも言える。

 現在まだ人類がコントロールできない感染とその拡大を阻むためには、自分が感染を広げる当事者にならないことから始めるしかない。その上で、世界の人々がどのように協力できるのか。手探りの状態はまだしばらく続きそうだ。


(四月一〇日、南アフリカ・ケープタウン)

【第四インターナショナル・ヨーロッパの声明】新型コロナウイルスのパンデミックに直面して:われわれの生命は奴らの利益よりも価値がある

20200318at29S_o【黄色いベストもストライカーも去り、警官隊に制圧されたパリの街頭】


ヨーロッパにおいて、とりわけ世界で二番目に巨大な経済ブロックであるヨーロ
ッパ連合(EU)において、過去二〇年間以上にわたって続けられてきた公共政策が、新型コロナウイルスのようなパンデミックに対応できたはずの公的医療体系を破壊してきたことが日々証明されている。


三月には、この地域はパンデミッ
クの中心地となった。いまではパンデミックの中心地はアメリカ合衆国へと移っているが、明日にはアフリカやラテンアメリカ、アジアへと移り、貧弱な医療体系しかない国々で何百万人もの人々をますます危険にさらすだろう。



この二〇年間、緊縮予算の原則や自由主義的資本主義の論理に合致させるために、つまりGDPに占める社会保障費の割合を減らすために、病院、医師や看護師、何万もの集中治療室や蘇生病室が削減されてきた。オーストリア、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグは別として、他の諸国では一〇万人につき四〜一一床の集中治療室しかない。ポルトガルやギリシャではもっと少ない。この二カ国では、スペイン、フランス、イギリスと同じように、過去一〇年間に病院の病床を廃止する計画が継続されてきた。こうした政策は近年つねに医療労働者によって非難されていたが、パンデミックに対応するためのリソースの破局的な不足を招いた。


イタリアとフランスでは、すでに集中治療ユニットの最大能力に達したか、あるいはそれを超えてしまっている。他の諸国も今後数週間以内に、同じ状況に直面するだろう。どこでも、政府は、防護用品(マスク、ジェルなど)や必要不可欠な設備(病床や人工呼吸器)の必要な供給、病院スタッフの緊急補充といったこの不足に対処するための対策を講じるのに時間をかけすぎている。ドイツにおいてさえ、何十万もの病床が過去二〇年間で削減され、患者に対する看護師の割合を見れば、少なくとも一一万人の看護師が不足している。


同時に、ヨーロッパの政府や雇用主がとらわれている最大の強迫観念は、不景気に対する不安であり、最大限の生産を維持することだった。人々を守るための緊急措置が課せられたとき、いくつかの政府は矛盾した命令を続けたし、今も続けている。いくつかの国においては、ウイルスの拡散を遅らせ、減少させるために全国民の隔離を決定せざるを得なかったが、それでもなお、自動車生産や建設業、軍事産業、造船所といった部門においてさえ、労働者の健康を危険にさらして最大限の経済活動を維持しようと求め続けた。さらに、必要不可欠な部門(食料生産、配送、道路、公共交通、医療・在宅介護スタッフ)の労働者は十分な個人的防護設備を持っておらず、EUの安全(健康)法のガイドラインさえ幅広く無視されている。


「不要不急な活動」を禁止する法令を出した国もあるが、つねに最大限の経済生産を維持しようという欲望を捨てたわけではない。フランスとイタリアは特定の労働者の解雇を禁止したが、こうした措置は対象範囲が限られている。スペインでは、すでに過去数週間で一五〇万人の解雇者(そのうち五〇万人はカタロニアにおいて)が出ているにもかかわらず、企業閉鎖によって影響を受けた労働者は、企業再開後に、働けなかった時間分を回復しなければならないだろう。


イタリア
では、雇用主の組織である「コンフィンダストリア」は、ほとんどの経済部門でいつも通りのビジネスを続けるよう強い圧力をかけたが、労働者と戦闘的労働組合が政府に操業続行を許可された部門の数を部分的に減らさせた。しかし、今のところ、もっとも打撃を被っている地域においてさえ、地方警察当局へのたった一つの布告によって、多くの工場が活動続行を認められている。労働者の抵抗も続けられている。フランスで生産が停止したのは、しばしば部品不足や当面の販路不足によるものである。プジョー・シトロエンやルノーはいまでも活動を最大限再開しようとしている。フランスの労働大臣自らが建設業や公共労働部門に対
して、活動を再開するように圧力をかけた。


何百万人もの労働者が直接に解雇されたり、無給の部分的失業状態に置かれたりした。不安定で一時的な契約は更新されなかった。被雇用者の資格を有していなかった何百万人ものフリーランスも、気がつくと仕事や収入がなくなっていた。しかし誰にとっても、請求書やローン支払いが届けば支払わなければならないのだ。すべての労働者は自らの立場(賃金労働者、フリーランス、失業、短期雇用、季節雇用など)にかかわらず、収入は一〇〇%保障されなければならない。その国で生活する費用にもとづく最低限の収入が全員に保障されなければならない。


利益や配当金はこの資金調達のために使わなければならない。


不安定な条件の中で生活している労働者、ホームレス、そして女性が真っ先に新型コロナウイルスの拡散とそれによる隔離によって影響を受けることになる。倒れそうな住宅や狭く不健康な住居によって、貧困層にとっての隔離は富裕層にとっての隔離とは違うものになる。イタリアやフランスでは、裕福な人々はより危険の少ない地域で自己隔離するために、もっとも危険にさらされている地域を離れてしまった。

ロシア当局は弾圧的な手段へと転換し、隔離違反には高額の罰金を課すとともにビデオ監視や警察による管理を強化してきた。同時に、ロシア当局は収入や仕事を失った何百万人の中小企業労働者に対するいかなる支援も事実上拒否してきた。しかし、故郷に帰国できないまま、その多くが仕事を失った中央アジア出身の三百万人の移民労働者はもっとも弱い立場に置かれている。感染の拡大は、ロシア政府がこれまで実行してきた新自由主義的で容赦ない病院「最適化」プログラムを主な要因として、多数の被害者をもたらす恐れがある。


同様に、この状況の中で、ドメスティック・バイオレンスとフェミサイドがあらゆるところで増加している。


多くの国の刑務所では、囚人や職員が防護設備もないまま過密状態におかれている。


移民(とりわけギリシャとトルコの間で立ち往生している人々や収容所内にすし詰めにされた人々)は、不安定な健康条件のゆえにさらに大きな危険にさらされている。ほとんどの国において、彼らは国の支援やNGOの支援さえなく、食料支援もなく取り残されてきた。そして、防護手段のないセンターの中にすし詰めにされてきた。ポルトガルは国内にいる難民にたいして一時的に居住許可を出すことを決定した。しかし、これはすでに居住申請が出されたことを当局が確認した人々についてだけのものである。

他の誰にも増して、移民は収入、仕事、住居、食料の面でかつてなかった危機に直面している。国籍があろうとなかろうと、移民や難民も含めて、巨大で多様な不利な立場にいる人々のための「社会支援」部門は破綻している。同時に、移民やもともと移民であった人々は、医療・介護、公共交通、食料生産、配送、清掃といった絶対不可欠(エッセンシャル)な部門の労働現場で多くが働いている。と同時にその多くが女性を中心とした職場でもある。


パンデミックは階級差別を悪化させている。そして民衆諸階級やもっとも不安定な人々はこのパンデミックの間、とりわけ死と向き合っているにもかかわらず、もっとも低い賃金しか支払われていないし、これからも支払われないだろう。同時に、いくつかの政府は、イタリアやフランスに先導されて、好戦的な姿勢や国家主義的な構造に頼ることによって自らの怠慢を覆い隠そうとしてきた。軍隊や国歌を目立たせ、「聖なる連合」を呼びかけてきたが、その一方でこのパンデミックが始まってからほど階級差別が強まったことはかつてなかった。同様に、いくつかの政府は、社会的・民主的権利を制限するためにこの状況を利用しようという誘惑に駆られて、非常事態宣言を出した(イタリア、フランス、ポルトガル、スペイン)。


そのようにして、ドイツでは、新型コロナウイルス危機は、労
働運動がかちとったさまざまな成果(たとえば、バイエルンにおける労働時間法やドイツ全域における介護部門の人員比率法)に異議を唱え、それを撤廃するために利用されている。フランスでは、政府布告によって、企業が労働時間や休日
の権利に関する規定から逸脱することが認められた。スペインやポルトガルでは、規定を逸脱して、医療部門や必要不可欠な生産部門におけるストライキ権を禁止し、雇用主にスト破りを認めた。ハンガリー議会は、すべての民主的規制を無視して、オルバン首相に全権を与えた。


このパンデミックの到来は、多くの科学者や他の者たちにとって驚きでもなんでもない。企業的農業の大規模な成長は、食肉産業や森林伐採、大都市におけるスラムの増大や世界的生産連鎖とともに、新たな未知のウイルスを培養し世界的に拡散するという時限爆弾を生み出した。


ヨーロッパ連合は、この危機に直面して哀れな様相を呈している。現在の状況は、長年にわたる緊縮政策の結果である。たとえば、過去一〇年間に少なくとも六三回にわたって、EUはさまざまな国における公的医療支出の削減を要求してきた。医療での協同のとりくみを準備したり、パンデミックと闘うためのリソースをプールしておいたりするどころか、政府は手始めに「感染国」との国境を閉鎖し、イタリアが求めた支援を拒絶し、混乱したやり方で矛盾した措置をとった。数週間にわたって、イタリアはヨーロッパ諸国からよりも多くの支援を、中国やロシアから、そしてキューバからでさえ受け取った。


マスク、検査キット、集中治療室
の不足が、ほとんどの国において深刻なロックダウンを不可避としたが、今日においてさえヨーロッパレベルでの協力は(感染拡大に)追いついていないままである。最近数週間以内に開かれたヨーロッパ・サミットで関心を集めたのは、株式市場の危機や金融危機から自らを救い出すために、予算規定を一時中断し、ヨーロッパ中央銀行(ECB)が量的緩和をおこなうことだけだった。


その一方で、
この要求に直面して、EUはたとえばイタリアに対する低利の借款を供与しないために、ヨーロッパレベルで直接に保障されたコロナ債を発行することを拒否した。皮肉なことに、唯一の提案はESM(欧州安定メカニズム)を利用することだった。しかし、ESMによる支援は、現在の破局的な状況を生み出した緊縮策を条件としたものなのである。医療、産業資源、予想される医療人員という観点からの協力はまったくなかった。各国はみずからの自衛策を追求している。


緊急措置

ヨーロッパにおける第四インターナショナルの諸組織と活動家は、それぞれの組織とともに以下の緊急措置プログラムを支持する。


-スクリーニング検査キットを大規模に使えるように有効な手段を投入すること。

蘇生病室と人工呼吸器を増やすこと。すべての人々に適切な防護マスクを配布し、生物学的検査を受けさせることが、隔離解禁の条件である。こうした手段を民主的に管理されたもとで生産すること、新型コロナウイルスに対する薬品やワクチンの非商業ベースの研究に直接的な支援をおこなうこと。


-人々の日常生活や医療保護にとって必要不可欠ではないすべての経済活動を停止すること。


-不安定雇用労働者、臨時雇いの労働者、家事労働者、フリーランス労働者、季節労働者を含む、活動を停止した労働者の賃金について、休暇を取ったり、あとで働かなかった時間を回復したりする義務なしに、企業・国が一〇〇%の責任を負うこと。雇用主が賃金を支払うことを拒否した被雇用者の賃金を国が支払う義務をもつこと。インフォーマルな部門で働く労働者、失業手当が支給されない失業者、学生、それを必要とするあらゆる人に対して、国は保障された最低限の収入を支給しなければならない。それはまともな生活を送るのに十分でなければならない。


-あらゆる解雇を禁止すること。パンデミックが始まって以降に解雇された被雇用者を復職させること。


-ストライキ権を含む社会的権利を一時的に停止する強権的・例外的措置を拒否すること。


-活動を続けているすべての被雇用者に対して防護手段(マスク、ジェル、ゴーグル、手袋)を供給すること。安全条件が尊重されないのであれば、彼らの保護と職場から離れる権利の即時行使を認めること。


-テナントからのあらゆる立ち退きを停止すること。家賃、個人ローン、水道料金・エネルギー料金の支払いを猶予すること。倒れそうな住居に住む人々や住居のない人々に対して適切な住居を提供すること。空き家を徴発すること。


-障がいを持つ人々、高齢者、ロックダウンによって社会的に孤立したすべての
人々に対して適切な公的介護を提供すること。


-とりわけ隔離が決定された国々において、暴力の犠牲者となっている女性や子どもに対してただちに緊急保護の手段を確立すること。


-証明書を持たない移民や難民全員にただちに居住許可を与えること。あらゆる社会的保護システムへのアクセスを即時保障すること。すべての追放措置を停止すること。すでにコロナウイルスが移民キャンプに入り込んでいるため、きわめて過密となっている移民・難民キャンプ(とりわけレスボス島のモリア・キャンプ)をただちに閉鎖することは絶対に必要である。それとならんで、基本的で健康的な隔離条件を持っている必要なホテルやアパートの徴発も絶対に必要である。

難民の安全な入国手続きのために、ヨーロッパの各国国境を開放しなければなら
ない。

情勢の求めに応じて、一連の緊急決定においては、民衆諸階級の利益が中心に置かれるべきである。


-民間医療部門全体を統合して、医療部門を公的に再組織すること。近年閉鎖された病室、サービス、病院を再開して、そのサービスを運営するために必要なすべての医療労働者をただちに雇用すること。必要なすべての医療組織をオープンすること。医療労働者の賃金を引き上げること。


-製薬業を公的管理へと移行させること。必要な薬品を特許権とは無関係に生産すること。


-主要なソーシャルメディアを公的所有へと移行させること。フェイスブック、ワッツアップ、アマゾン、ズームはロックダウンから多大な利益を得ており、未来の巨大な利益を生み出すデータを収集しているからである。それらは(すでに利益を集めすぎているのだから、補償なしで)支配権を移され、利益を追求しない透明な公的サービスとして運営されるべきである。


-あらゆる国で葬祭業を公的所有に移行すること。民間企業が死から利益を得て、売り上げを最大化しようとして人々の悲しみを操作することは認められるべきではない。


-持続可能な農業と世界的な食料正義(フード・ジャスティス)を目指すこと。


-適切な産業(自動車、航空機、武器など)を社会が医療危機を乗り越えるのに役立つ生産、たとえば換気装置、モニター装置、集中治療室、防護設備などの生産へと転換すること。労働者は自らの労働現場を調査して、医療当局と協力して転換のための手段を講じることができるだろう。


-主要株主への補償なしで民間銀行を接収すること。市民管理のもとで金融システムを社会化すること。個人口座への銀行からの請求をすべて一時停止すること。


当面のニーズを満たすために勤労諸階級にゼロ金利の融資を提供すること。

-ただちに公的債務の支払いを一時停止すること。それによってパンデミック期間中の人々のニーズを満たすために十分な資金を動員するのを可能にしなければならない。債務支払いの一時停止は、不当な債務を確定させそれを帳消しにするために、市民による監査と結びつけなければならない。

残念ながら、このパンデミックとそれに続いて起こる世界的危機は、グローバリゼーションと気候変動によって繰り返し生み出される危機の始まりなのである。資本主義は、人間社会を不安定化させ破壊する世界、気候災厄や医療惨事のリスクを増大させる世界を作り出した。われわれは、利益、パンデミック、気候変動という古い世界に終止符を打ち、地球の破壊を止めなければならない。


これまで以上に、われわれの生命は奴らの利益よりも価値があるのだ。

二〇二〇年四月八日

オーストリア:ソーシャリスト・オルタナティブ(SOAL)

ベルギー:社会主義労働者党(SAP)-反資本主義左翼

イギリス;ソーシャリスト・レジスタンス

デンマーク;社会主義労働者党(SAP)

フランス:SFQI-フランス・第四インターナショナリスト

ドイツ:国際主義社会主義組織(ISO)

ギリシャ:OKDE-スパルタクス

ギリシャ;TPT(第四インターナショナル綱領的傾向)

アイルランド:ソーシャリスト・デモクラシー

イタリア:コムニア・ネットワーク

イタリア:反資本主義左翼

オランダ:SAP-グレンゼロス

ポーランド:ズビグニエフ・マルチン・コワレフスキー

ポルトガル:SPQI-第四インターナショナル活動家集団

ロシア:ロシア社会主義運動(RSD)

スペイン:アンティキャピタリスタ

スウェーデン:ソーシャリスティスク・ポリティク

スイス:社会主義のための運動(BFS/MPS)

スイス:ソリダリテ(連帯)

トルコ:ソシアリスト・デモクラシ・イジン・イエニヨル(社会主義民主主義への新たな道)

(『インターナショナル・ビューポイント』四月九日)

原文 
Faced with the Covid-19 pandemic, our lives are worth more than their profits

【アメリカ】進行中の「コロナウィルス・ストライキ」中間報告

5919(画像はAMAZONの労働現場でコロナ患者が発生したことにより、ストライキで全倉庫の洗浄を求めた労働者たち。かれらは現在、解雇攻撃にさらされている)



下部から湧き上がり広がる闘い
継続し成長すれば新時代視界に


ダン・ラボッツ

 

 われわれは今、雇用主が職場を安全にすること、あるいはその操業停止に踏み込めないでいることへの対応として、米国中で労働者が仕事の放棄や山猫ストを行っていることを見続けている。このストライキは、それらをある種のストライキの波と呼ぶには小さすぎるものだが、しかしわれわれは、自分自身の主導性で実際に彼らができるもっとも強力な行動であるもの、つまり仕事の放棄、に労働者がとりかかっている、ということに注目しなければならない。このストライキは、民間部門と公共部門の双方で、大小の労組のある職場と労組がまったくない職場双方で起きている。

広範な職場に山猫ストが伝染中


 労働者は一五〇年間、無数の産業で安全と健康をめぐるストライキに立ち上がってきた。二〇世紀の記憶に残るものは、炭塵じん肺をめぐる鉱山労働者のストライキだ。しかしわれわれは、雇用主に対し強力な要求を行う労働者による、また時に勝利を得ている、一つの感染症への対応としての健康と安全をめぐる山猫ストという、こうしたことに似たものを以前は経験したことがなかった。そしてこれらのストライキは、政治家の無知を露わにした言明、また時には偽りの言明、そしてあらゆるレベルにおける政府の失策のど真ん中で起きている。したがってこれらのストライキは、一人の特定の雇用主にだけ向けられている時であってさえ、経済的性格だけではなく政治的性格をも帯びている。

 われわれは今、さまざまな産業といくつかの州でそうしたストライキを見ている最中だ。

▼フィアット・クライスラーの労働者は、彼らの職場は安全でないと宣言し、三月半ば「ミシガン州の同企業スターリング・ハイツ組み立て工場(SHAP)で山猫的な労働放棄をやってのけた」。その中で労働者たちは、オンタリオの同企業ウィンドソー組み立て工場でも仕事を放棄し、工場閉鎖に向け三大自動車企業(フォード、GM、フィアット・クライスラー)に圧力をかけている(注一)。

▼仲間の労働者の妻が検査で陽性となりその労働者が隔離されたことを受け、ピッツバーグの下水部門労働者が三月二五日に作業を止め、トラックを駐車させ彼らの職場への入り口を封鎖した。要求は、マスク、もっと良質な手袋、そしてもう一組の作業靴の確保だった。労組は、ストライキが起きたことを否定し、労働者の職場放棄を誤解のせいにした(注二)。

▼ジョージア、カスリーンにあるプルデュー鶏肉処理工場の労働者は、工場の消毒を要求して三月二三日に労働を放棄した。「われわれは今何も得ていない。どんな形の補償もまったくなく、清潔さもまったくなく、特別手当も全然ない。われわれはここで完全に、鶏肉のためにわれわれの命を危険にさらしている」、ケンダリン・グランヴィルはこう語った。

▼ジェネラル・ダイナミックスのメーン、バースにあるケネベック川沿いのバース鉄工造船所では、労働者の一人が検査で陽性になったと会社が明らかにした後、六八〇〇人にのぼる同工場労働者の半数が三月二四日、仕事に出てくることを拒否した。労組が家に留まることを組織したのかははっきりしていないが、組合役員は、造船所の操業停止と従業員が家に留まることの容認を求めた(注三)。

▼チムスター667支部メンバーの、ほとんどがアフリカ系米国人からなる労働者の一団が三月二七日、仲間の労働者一人が検査で陽性になった後、メンフィスにあるクロガー食料雑貨倉庫で山猫スト

に入った。「われわれは本当に危険な状況にあり、怯えている」「労働者の半数は家に戻っている。彼らは自分の安全に怖れをもっている。それがここにあるものであり、彼らは設備に触れることを恐れるほど緊張している」、フォークリフト運転手であるモーリス・ウィギンズは新聞にこう語った(注四)。

 スターテン島のアマゾンの倉庫では、仲間の労働者が検査で陽性になった後に、労働者総数二五〇〇人のうち約一〇〇人の労働者が三月三〇日に仕事を放棄した。彼らは、会社が施設を清潔にし職場を安全にするよう要求した(注五)。

GEでは人工呼吸器製作要求し


 明らかに、ストライキや座り込みにとってつまらなすぎるというような職場はまったくない。三月二一日、オレゴン、ポートランドにあるクラッシュ・バーと関連のウッディーカフェおよびタヴァーンで、全スタッフ二七人のレイオフに抗議しようと、一二人の労働者が店内を占拠した。その一人であるハンナ・ジオイアは、法的回路を通じて賃金支払要求を追求するよりも座り込みを行った理由を問われて、「われわれは、この請求を処理する政府出先機関の能力を事態好転まで待つことはできないと見ている。われわれには今資金が必要なのだ」「レイオフされるのはそれだけで破滅的だが、公的な医療危機の中ではそれは破局的だ。われわれには選択肢がない。われわれは、法的に必要とされていることを、われわれの権利であるものをオーナーがやることを期待している」と語った(注六)。

▼おそらくもっとも注目に値することとして、マサチューセッツ、リンにあるGEエンジン工場の労働者が、「コロナウィルス・パンデミックの最中での人工呼吸器不足を国が埋めることを助けるためにその工場を活用するよう会社に訴えて」三月三〇日に仕事を放棄し、その後工場にピケを張り、社会的距離を確保し六フィート離れた行進を行った。これは、工場を人工呼吸器生産に転換するよう会社に訴えることにより労働者の職を救うことを意図したストライキだ。「GEの医療部門はすでに、人工呼吸器製造では国で最大の生産者の一つだ。したがって組合員たちは、他の工場も救命装置生産向けに転換され得る、と確信している」。こう伝えた「ヴァイス(万力)」紙記事は以下のように説明する。

―これらの抗議は、ジェネラル・エレクトリックによる、二六〇〇人近くの労働者の解雇として、国内航空関係要員の一〇%をレイオフすることになろうとの公表直後に現れている。そのレイオフは五億ドルから一〇億ドルを企業のために取っておく努力としてあり、整備労働者の五〇%の「一時的」レイオフと一体的になっている。このニュースは、下院が数兆ドルを投じた公的資金による企業救済案を通す準備を整える中で到来した。ちなみにこの救済策には、航空産業に対する少なくとも連邦援助としての五〇〇億ドル、貸し付けとしての二五〇億ドル、さらに税の一時的軽減が、また「国家安全保障に決定的」と思われている諸企業(すなわち、ボーイングやジェネラル・エレクトリックのような国防省契約企業)に対するさらなる一七〇億ドルの連邦援助が含まれるだろう(注七)。

官・民、組織・非組織問わず


 確実だが、報道が取り上げてこなかったこうした他のストライキや座り込みがあるに違いない。そしてわれわれは、あらゆる種類の労働者による、特にそれらの中でも重要なものとして教員や看護師による、多くの他の抗議行動があることを知っている。とはいえわれわれはそれらを、それ自体重要だが今回の議論に含めていない。山猫ストは労働者運動の歴史と理論では、またコロナウィルス・パンデミックの中における経営者と政府に対する今日の対応では、特別な位置を占めているのだ。

 われわれが注目することは、これらのストライキ参加者が高度に熟練し同時に高給取りの労働者である――ジェネラル・ダイナミックスのバース造船所の労働者のような――こととまた、またポートランドやオレゴンのバーやレストランの労働者、そしてジョージアのプルデュー鶏肉処理工場の労働者のような低賃金労働者でもあるという同時併存だ。

 人は、黒人労働者――ピッツバーグの下水、カスリーンのプルデュー鶏肉、さらにメンフィス、チムスター――がこのストライキで指導的役割を果たした、ということを典型にすることができる。しかしそれでもバース造船所の労働者は圧倒的に白人であり、他方自動車労働者は、黒人、アラブ人、白人、ラティーノであり、またGEのリン・ジェットエンジン工場もまた、民族的に混在した要員を抱えているのだ。

 そしてこれらの抗議行動では、疑いなくあらゆるジェンダーの労働者を見出すことができ、われわれは、労働者の心配に声を与えている男と女両者の叫びを聞いている。中心の要求が労働者の健康をめぐるものである一方、われわれは、彼らが早くも、賃金、手当、労働条件、さらに職の保障に関する要求を上げ始めているということを見ることができる。

 これらの行動に関しもっとも常と異なっていることは、組合の役員がそれらを呼びかけたのではなかったということだ。いくつかの例ではそもそも組合がまったくなく、自動車のような他の例では、労組はあるものの、労働者は労組と会社に反する形でストライキを行うことを強いられている。バース造船所のような一定の職場の場合、組合役員が戦術的に労働者の労働放棄を支持した可能性があるように見えるが、下水の場合ははっきりしない。

 これらの非公式ストライキは時として労組のノンストライキ協定条項に抵触し、あるいは公務被雇用者の場合、そうした業務放棄は法に抵触しているかもしれない。それでも労働者は、彼らの健康を

防護し、彼らの職を救う目的で、ソーシャルメディアや伝統的な口頭以外ほとんど頼るものが僅かなまま、それらの行動をやり切ることを自ら組織したのだ。

山猫ストの二面性と可能性


 山猫ストは、二つの面から考えることができる。通常山猫ストが勃発する理由は、労組がまったくないか、それとも組合指導部が経営者と闘う指導性を発揮できなかったか、のどちらかだ。左翼は時として山猫ストを、労働者の意志の本物の表現として、経営者に対する労働者の抵抗から自然発生的に発展した行動として、ロマン化して考えてきた。ある者たちはそれを、資本主義を打倒し、労働者を権力へと運ぶことになる、そのようなゼネストの前触れと見ている。

 だが同時に、労働者がそれまで組合を統制できてこなかったがゆえに、また組合を彼らの力の表現として使うことができなかったがゆえに、山猫ストに訴えざるを得なかった、ということも認められなければならない。山猫ストには、生産点における労働者の直接的な力の表現という側面と、しかしそれだけではなく、彼らの意志を表現できる民主的に統制された組合の建設という点での彼らの敗北――経営者と労組官僚の力を理由とした――の表現でもあるという、二面があるのだ。

 労働者がこれを認識する時、少なくとも社会的高揚の時期には、時に過去において彼らは、彼らの労組内で権力を行使し、それらを戦闘組織に変えようと挑んできた。こうして山猫ストは、基層の運動に燃料を注ぐエネルギーの源になる可能性をもつ。たとえばその一例が、重工業における一世紀を超える例、また公務部門における七五年の例だった。つまり、産業別労働組合会議(CIO)創立に導いた一九三〇年代の米労働者の偉大な前進、およびゴム工場、自動車産業、電気労働者、また他の多くにおけるまさにそのような山猫ストから派生した米職種別労組連合(AFL)の広大な拡張だ。

 労働者は何千人という単位で労働放棄を行い、ある者たちは彼らの工場を占拠した。他方他の者たちは大衆的ピケットラインをつくり出し、スト破りや警察と戦った。山猫ストは、大不況の一〇年の間、米国中でいわばウィルスのように広がり、工業の小規模な作業場や小売り労働者にまでたどり着いた。同様なことが、教員や公務部門被雇用者でも一九六〇年代と一九七〇年代に起きた。彼らは非合法なストライキに立ち上がり、彼らの労組を設立した。基層の高潮はまた、一九七〇年代に統一鉱山労働者をも転換させ、同じく他の労組指導部をも狼狽させた。

闘いへの注視と連帯強化を

 現在の経済減速を早めた(二度目の大恐慌になりそうに見える)コロナウィルスは、彼らの事業と利潤を保全しようと闘う雇用主、そして彼らの健康と命のために、彼らの職と生活水準のために闘う労働者、この間の対立の原因となった。われわれは、そう呼ばれるがままの「欠くことのできない労働者」が彼らの力を感じている中で、これらのストライキが継続すると期待できる。パンデミック――われわれは、それが米国でまさに今跳ね上がり始めつつあるに過ぎない、ということを思い起こさなければならない――が広がるにつれ、また経済危機の深さとその長期的影響が鮮明になるにつれ、ストライキはわれわれが予想できない他の形態をとるだろう。

 しかしわれわれは、何人かが労働力の二〇%から二五%に達すると見ている失業が、そうした行動の勢いを削ぐものにもなり得る、ということを思い起こさなければならない。歴史的に失業の高まりは、一九七五年から一九八〇年におけると同じく、われわれがここで論じている底辺からの闘争を減速させるように、あるいは停止させるまでに作用した。

 それでも山猫ストが続き、成長するならば、それらは、労組の指導権をつかみ取るために、またそれらを労働者階級の戦闘組織に変えるために立ち上がる、そうした新たな基層運動を推進する可能性があると思われる。もしそれが大規模に起こるならば、われわれは、多くの他の可能性が、もっとも重要なものとして、自立的な政治行動や労働者階級の政党の可能性が、視界に現れ得る新しい時代に入る。

 われわれは、これらの山猫スト運動から視線を外してはならず、それらを支え、それらが広がり成長することを願い、われわれの連帯を差し出し、それらが労組を民主化し、経済と政治の権力両者と闘う階級闘争の組織にそれらを転換する運動になることを願わなければならない。



(二〇二〇年三月三一日、「ニュー・ポリティクス」より)

(注一)「レイバー・ノーツ」二〇二〇年三月一八日。
(注二)「ピッツバーグ・ガゼット」二〇二〇年三月二五日。
(注三)WGME、二〇二〇年三月二四日。
(注四)「ペイ・デイ・レポート」二〇二〇年三月二七日。
(注五)「ニューヨーク・ポスト」二〇二〇年三月三〇日。
(注六)「イーター・ポートランドOR」二〇二〇年三月二二日。
(注七)「ヴァイス」二〇二〇年三月三〇日。

(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年四月号)  



報告:4.7「緊急事態宣言発令弾劾!#自粛と給付はセットだろ!」 都教委包囲 ・首都圏ネット行動

配信:4.7都教委 4月7日、都教委包囲・首都圏ネットは、新宿東口アルタ前で「緊急事態宣言発令弾劾!#自粛と給付はセットだろ!」情宣行動を行い、100人以上の仲間たちが参加した。

 情宣行動の開始にあたって参加者全体で「緊急事態宣言発令糾弾! 自粛と給
付はセットだろ! すべての人に給付金を! 中途半端はやめろ! 感染前に死んじまう! 生活保障をしろ! 希望者全員に検査をしろ! 早急に医療体制を整えろ! 都立病院の独法化を撤回しろ!」などのシュプレヒコールを行った。
 
 ネットの仲間は、「安倍首相は、オリンピック延期の前にはコロナ感染は大丈夫だと言っていたが、延期が決まったとたんに『三密』(密閉・密集・密接)を避けてくれと言い出した。そもそも政府のコロナ対策の初動が非常に遅れていた。

人命よりもオリンピックが優先されていた。この間は、外出の『自粛』、30万円の給付金を言い出した。この30万円も全ての人に対する給付ではない。貸付金もやると言っているが、早くても五月中旬の支給だ。その前に困って死んでしまう」と厳しく批判した。

 さらに「安倍の緊急事態宣言を弾劾します!」(別掲)の声明を読み上げ、「この緊急事態宣言の狙いは、国民の間に緊急事態という言葉になれさせることだ。その次のステップが緊急事態を憲法に明記することにある。小池都知事が『都市封鎖・ロックダウン』を使って活気づいている。こんな人に緊急事態などを言わせてはならない」と強調した。
 
 石橋新一さん(破防法・組対法に反対する共同行動)は、「最近、政府関係者が新型コロナウイルス感染拡大に関し『国のせいにしないでくださいね』とツイッターに書き込んでいた。とんでもないことだ。韓国のコロナ対策と比較してみれば安倍政権の初動は遅れている。学校の一斉休校をトップダウンでくだした。韓国は、今でも休校にしていない。青少年の行き場がなくなれば感染は、さらに拡大してしまう。安倍は、当初から改憲の予行演習をするために緊急事態宣言をねらっていた」と暴いた。
 
 見城赳樹さん(ネット)は、「安倍は、閣僚にも相談せず学校の一斉休校要請を言い出していた。法的根拠がないのに安倍が言うと、みんな従ってしまう事態になっている。こういうファッショ的なやり方を繰り返し批判してきた。国会でもコロナ特措法改定案に反対したのは共産党だけだ。危機的な事態に対して国会、都庁前連続行動を闘ってきた。生命が脅かされている状況下、政府、都の無策を許さず闘っていこう」と訴えた。
 
 池田 五律さん(戦争に協力 しない!させない!練馬アクション)は、「自衛隊は、コロナ対策の一環として災害救援として出動している。感染症法第33条に基づいて政令を変えるだけで都市封鎖ができるようになっている。国会を通さなくてもいい。コロナ特措法と制令の変更によって、違憲行為などを拡大していこうとする狙いがある。恐怖を煽り、情報操作をやりながらの強行に対して警戒し、はね返していこう」と発言した。
 
 リレートークが続き、医療労働者は、「医療現場の医師や看護師たちの死にそうな労働はコロナになったから起きていることではない。一貫して人員を削減し、医療費削減のために病床を削り続けてきたからだ。すでに日本の医療は破綻していた。私たち医療労働者は、そのことを必死に訴え続けてきた。今回、あらためて医療の実態が暴露された。現場にはマスクなどがまとに届いていない。命を守るために大幅な人員増を実現する必要がある。そのためにも団結して闘っていこう」とアピールした。

 最後にシュプレヒコールを行い、継続して緊急事態宣言反対の取り組みをしていくことを確認した。

(Y)




声明「安倍の緊急事態宣言を弾劾します!」 
2020・4・7 都教委包囲
・首都圏ネット

 本日、安倍内閣によって、新型コロナウィルス対策の下に「緊急事態」が宣言されました。

 私たちは、この寓挙かつ暴挙を断固として糾弾するとともに、宣言の撤回を要求します。

 理由の第1は、緊急事態宣言は労働者・民衆の諸権利=集会の自由・移動の自由などを大きく制限するもので、主権者たる私たちの権利を国家が侵すことは民主主義を否定するものて゛あり、認めることは絶対に出来ません。

 民主主義の否定は、安倍政治の本質です。この間いくつもの事例を知っていま
す。それは、ファッショ的政治であり、断固否定します。

 第2は、緊急事態宣言は、安倍・自民党が目指す改憲の柱の一つ、「緊急事態条項」実現に道を開こうとするものです。自民党の緊急条項は、ナチス・ファシズムが権力を握った手法です。危険きわまりないものです。コロナウィルスの感染拡大が創り出す人々の不安を政治的に利用し、自己の政治的野心を実現させることは、私たちは許しません。

 第3は、緊急事態宣言の本当の目的は安倍内閣の無策の責任転嫁です。

 安倍政権は新型コロナウィルス発生初期において、水際対策に失敗しました。それは習金平の国賓として来日(安倍のポイントかせぎ)が四月初旬で、その実現を優先させたため中国からの訪日を封鎖できなかったのと、オリンピック・パラリンピックを日程通り実現させることを最優先させたため、意識的に検査対象者を限定し感染者数の操作を行いました。

 現在の感染拡大の責任は明らかに安倍内閣にあります。それは、人々の生命・健康・生活よりも習金平訪日・オリンピック・パラリンピック開催を最優先させたからです。

 その結果、人々の生命・健康・生活は危機的状況に長く置かれています。

 安倍は、対策としていくつか出していますが、企業の救済が最優先で、真に困っている経済的弱者の救済は後回しです。

 肝心の医療対策もおざなりで、医療の現場は悲鳴を上げています。また、感染の疑いのある人に対するケアも全く不十分な状況です。

 このような状況は、緊急事態宣言を出しても何ら改善されません。

 民衆の犠牲を作り出す安倍のコロナウィルス対策=緊急事態宣言を私たちは糾弾します。

 民衆の権利制限をはねのけて、命と人権、生活を守るために断固闘い続けましょう!

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【コロナ禍問題】労働者が感染爆発を生き残るには

sinagawa緊急事態宣言はいらない!

今すぐの生活保障が先だ!


 東京都での感染拡大を受けて政府は緊急事態宣言を発令した。我々は政府の緊急事態宣言発令に反対する。補償がないままの緊急事態宣言は、派遣やパート労働者を中心に多くの失業者が生み出され、ネットカフェで暮らす人々などが行き場をなくし、感染ではなく経済的苦境により命を落とすことになる。

しかも緊急事態宣言が発令されれば、企業は、現状では義務となっている労働者に対して休業補償を企業は免れることができる。このように一方的に労働者・地域住民のみにリスクを押し付けるやり方では感染封じ込めはできない。今求められているのは、労働者・住民の自主的「籠城」を政府・自治体が全面的に支援することである。

ロックダウンではなく自主的「籠城」の支援を

今回の緊急事態宣言の背景には、無策を糊塗したい政府や都が、感染拡大を前に日本医師会や一部専門家を中心に、緊急事態宣言に続きロックダウンという強力な措置を行い、感染を封じこめて医療崩壊を防ぐべきだという一定の世論の広がりを受けて判断したものだ。

例えばクルーズ船での杜撰な体制を実名で批判した岩田健太郎神戸大学教授・医師は自身のツイッターで「東京都は「ロックダウン」を決断すべきです。今日です。現状の患者の増え方は一意的でこれまでの患者選択、検査、コンタクトトレーシングでは抑え込めません。 つまり現状維持では状況は悪くなる一方で、別の方針に転換する、プランBに移行する必要があります。」とツイートしていた。

しかし特措法にはロックダウンは定義されていない。特措法で可能なのはあくまでも「外出の自粛」だけであり現行と変わりはない。つまり切り札的イメージと裏腹にロックダウンは実施不可能である。しかし感染拡大を封じ込めるためには岩田教授が言うように現在は外出制限が必要である。

であるから政府・自治体はロックダウンのような勇ましい言葉をもてあそぶのではなく、労働者・住民が自主的に「自宅」に「籠城」できるように支援を行う必要がある。そして自宅を持たない人、自宅に居場所がない人には新たに安全な「籠城」場所を提供する必要がある。

したがって政府・自治体がまず行うべきことは、住民にのみリスクを押し付ける現行の対策からの転換である。経済活動の縮小により困窮に陥った人々を救済することが待ったなしに求められている。一律平等な現金の支給が必要だ。

年度末をまたいだ現在、様々な支払いに苦慮する人々、とりわけ収入が減り家賃の支払ができなくなった人を早急に救済する必要がある。「5月目途に所得減少世帯に30万」が検討されているが遅すぎる。このままでは「籠城」どころか多くの人が路上に放り出されてしまい、感染の封じこめは不可能だ。

災害に無力な小さな政府

直接・早急に住民に援助を届けようとすると時に障害となるのが、国・地方を含めた公務員の少なさである。20年以上にわたって公務員定数を削り、民間委託を広げてきた小さな政府・自治体は、このような非常時には何もできない。どこに生活困窮者がいるのか等、現在の自治体では、住民のニーズをほとんどつかみ切れていない。そのため、このままでは多くの孤独死が発生する可能性がある。これがこの間、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかにした事実である。

迅速一律平等な所得補償を

政府が強権で感染を封じ込めることはできない。そして感染のリスクは平等ではなく階級差が歴然と存在する。私たちが生き残るためには自主「籠城」と、矛盾するようだが連帯が必要である。必要なのは自主「籠城」とそれを支える様々なネットワークである。住民による自主的な地域ネットワーク(それは個人加盟労組、地域労組の取り組みや貧困対策に取り組んできたNPOだったりするだろう)が求められている。

必要なのは政府の強権ではなく、自主「籠城」を支えるネットワークとそれを支える迅速一律平等な所得補償である。様々なネットワークがつながりながら、共に政府に向けて運動を展開しよう。このままでは、医療崩壊と失業・困窮による大量の病死、自殺・孤独死が発生してしまう。


感染症医療体制の今すぐの確保を!

感染拡大のさなかに都立病院を半民営化の愚

オリンピックの延期が決定されて以降、緊急事態宣言まで国や東京都の対応は手のひら返しとなった。明らかに都知事選を意識している小池都知事は「ロックダウン(都市封鎖)」という強い印象を持つ言葉を使用し、強力なリーダーシップを発揮する指導者として自分を都民に売り込んだ。しかし小池都知事の「強力なリーダーシップ」は決して都民のためには発揮されない。

その力はどこまでも大資本の利益のために奉仕される。今現在、都知事が真っ先に行わなければいけないことは医療の確保、中でも集中治療体制の確保である。しかし小池都知事は、感染が拡大する中で、都内の指定感染症病床の約70%(80/118)を占める都立・公社病院を22年度中に地方独立行政法人化する方針を3月31日付で公表した。感染との闘いが長期戦になることは明らかにもかかわらず安倍政権に倣った真逆の方針である。

感染との闘いのただ中で都立・公社病院の地方独法人化を強行すれば、労働条件の切り下げによる看護職員の大量退職などで医療提供に支障をきたす可能性が高い。都は都立・公社病院の地方独法化を今すぐ撤回し、都立・公社病院へ人工呼吸器などの医療資源と人材を集中させるべきである。とりわけ感染症病床の確保は、軽症・無症状者の入院を制限したとしても深刻さを増している。

都は現在においても都立・公社病院を自己収支比率といった経営指標で評価することをやめようとしていない。経営指標で病院運営を縛ることを直ちにやめ、採算性を度外視しても住民の命を守るために都立・公社病院を最大限活用すべきである。民間病院との間で役割分担を行い、都立・公社病院を中心に感染症対応可能病床を確保するべきである。


地域医療を疲弊させた医療費抑制

都は感染症指定病床に加えて都内の拠点病院に協力を要請して感染症対応可能病床を1000床まで確保したとしている。今後、4000床まで拡大するとしている。しかし財政措置のないお願いにとどまっているため、対応可能病床の増床は感染者の拡大に追いつておらず、自覚症状がありながら病床が空くまで自宅待機や一般病院での入院せざるを得ない患者が多数いる。

病床確保が進まない理由は財政措置ばかりではない。この間政府が進めてきた医療費抑制政策と病床削減を義務付けた地域医療構想により、地域医療を支えてきた病院が感染症医療に対応する体力をなくしている。医療費削減のために診療報酬が改悪される度、地域の中規模病院では急性期医療を断念し人員配置の少ない慢性期病床へと病床が変更されてきた。

急性期病床に比べ少ない人員配置の慢性期病床では人手のかかる感染症医療を行うことはできない。したがって国は医療従事者を確保し感染症対応病床を確保しようとする病院に対して財政措置を行い全面的に支援するべきである。しかし国は、真逆な対応を取っている。地域医療構想実現のために病床を削減する病院を支援する84億円を計上した20年度予算をそのまま成立させた。このように小池都政の都立・公社病院の地独法化は、安倍政権の医療費削減と一体のものである。


脆弱な日本の医療体制

日本は病床数こそ多いが、そこに働く医師・看護師数は少なく、多くの医療従事者を必要とする集中治療室の数も少ない。人口1000人当たりの診療医師数はドイツ4.3、イタリア4.0人に対し日本は2.4人でOECD加盟35か国中30番目である。看護師数はドイツ12.9、イタリア5.8人に対し日本は11.3人、OECD加盟国中11番目である。集中治療室の病床数は10万人当たりドイツ29~30床、イタリア12床、日本は5床程度である。しかも看護師の配置数は他のOECD加盟国の半分である。

この人員配置数では感染予防を徹底させた場合4分の一程度しか運用できないと指摘されている。つまり新型コロナウイルス感染症の前では人口10万人あたり実際に稼働できるICU2床弱であり、イタリアの6分の1である。

日本では体制不備のため検査数が極端に少ない。そのため国内感染者数が5000人を超える前にあっけなく医療崩壊に至る可能性がある。


感染爆発を生き延びるために

1.財政措置による感染症病床の増床と軽症・無症状者の入所施設の早急な開設。

2.迅速一律平等な所得補償。

3.自主「籠城」を支える「自宅」の確保。

4.封鎖ではなく住民・労組などのネットワークを活用したすべての住民の自主「籠城」への相互援助、とりわけ自主「籠城」中の職の確保を企業に義務付けること、派遣切り、雇止め、解雇、内定取り消し等を許さない闘い。

5.自主「籠城」を支える公共サービスの維持。

6.公共サービスを支える労働者への支援、とりわけ長時間労働の禁止。この感染爆発を労働者階級が生き延びるための戦略・戦術を確立するために経験を交流させよう。


(矢野薫)

報告:3.26オリンピック災害おことわり新宿デモ

配信:3.26新宿反五輪デモ 東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナVのパンデミックによって、3月24日にIOCが1年間の延期を決定した。それにともなって26日に予定されていた福島県のJビレッジからスタートする聖火リレーも中止になった。そうした状況のなかで、東京オリ・パラの延期でなくて中止を訴える行動が、3月26日に新宿アルタ前での集会と都庁までのデモとしてかちとられた。

 聖火リレーも東京オリ・パラも中止だ中止! のこの日の行動には、80人が参
加した。多彩な横断幕も三枚広げられて、道行く人々に大きくアピールすることになった。集会ではまず、実行委員会から新型コロナV影響の現状と開催するにあたっての経過報告が行われた。福島で予定されていた聖火リレーに対する抗議行動は、聖火リレーそのものが中止になったために抗議行動も中止になっている。いくつかのアピールの前に力強くコールがあげられた。

 五輪災害おことわり! JOCは恥を知れ! 延期じゃなくて中止だ中止! 
五輪じゃなくて生活保障! インフラ盗む五輪はいらない! 情報隠蔽許さない! 原発復興終わってないぞ!……怒りの声をあげていこう!

 アピールのなかで、「オリンピック災害」おことわり連絡会からは「JOCもIOCもマネーファーストで悪どいことをやってきた」として、インフラ建設にともなった住民の追い出し、過酷な突貫工事にともなった労働者の過労死、広大な熱帯林の破壊と先住民の被害などを明らかにし、オリンピックの中止と廃止を訴えた。

 福島県の南相馬から神奈川県に避難し現在、被団連の活動をしている村田さんは、「東京オリンピックは原発被害者にとっては恨みそのものだ。安倍首相は原発はアンダーコントロールされていて健康の心配はないとウソを言って引っ張ってきた。そして20年までに被害をゼロにすると無理強いさせて、県も政府の手下となって住宅支援の打ち切りと帰還の強制を行い、被害者を提訴までしている」と訴え、最後に「オリンピックは安倍自身のために延期されたのだ」と東京五輪延期の欺瞞性を明らかにした。

 新宿駅西口の繁華街をコールをあげながら元気よく進むデモは、道行く人々の注目を集めた。「中止! 東京オリンピック」「STOP! Tokyo Olympic」と書かれたプラカードに次々とカメラが向けられる。一方、高層ビルが林立するオフィス街は新型コロナVの影響なのか、ほとんど人通りがない。

「TOKYO 2020」の大看板を張り出している都庁ビルも、わずかばかりの窓明かりを残して力なくそびえ立っているようだ。

 警察の規制を跳ね返して、都庁に向けて怒りのコールをあげる。その後デモは
新宿中央公園での解散となった。一九三六年のベルリン五輪がヒトラーとナチスの五輪だったのと同様に、延期された東京五輪は腐敗しきった安倍政権延命のための五輪に他ならない。そんなオリンピックはまっぴらごめんだ。オリンピックマフィアとゼネコンのための五輪はどこにもいらない。東京オリンピックを中止に追い込もう。

(R)

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