虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

読書案内 : スノーデン 監視大国 日本を語る/集英社新書 エドワード・スノーデン 著

61SkvdaQ-7Lスノーデン・リークの衝撃

 スノーデン(CIA〈中央情報局〉、NSA〈米国家安全保障局〉、DIA〈米国防情報局〉元情報局員/「報道の自由財団」理事/ロシア・モスクワ在住)は、2013年6月、米政府が米同時多発テロ事件を契機に対テロ対策と称して違法な情報収集を行っていることを暴露した。情報は国内だけではなく世界中の人々のメール、通話を集め、テロ関連情報として分析していたことを明らかにした。いわゆるスノーデン・リークだ。本書は、『スノーデン 日本への警告』(2017年4月/集英社新書)に続くスノーデン・リークの第二弾である。

 本書を把握するための前提認識を土台とするために『日本への警告』を若干紹
介しておこう。スノーデンは、米政府がNSAの監視プログラムを通して光ファイバーに直接アクセスして膨大なインターネット通信を取得していただけではなく、グーグルやフェイスブックなどのネット会社に顧客の個人情報を提供させていたことや、裁判所の監督が実質的に骨抜きとなっていた現実を明らかにし、世界の民衆の人権とプライバシーが侵害され続けていることに自戒をこめて告発した。

 とりわけ自らが2009年にデルの従業員として横田基地で監視活動を行っていた経験、ハワイでNSAに勤務していた時はXキースコア(XKEYSCORE)という大量監視ツールを扱っていた経験から特定の調査対象の通信をすべて掌握していたという告発は説得力があったため、日本の社会に大きな衝撃を与えた。

 さらに日本は国際的な光ファイバーを米国と共有しており、米国の通信会社は米国を経由する通信を傍受しNSAに提供しているから、情報を共有しているのだと強調する。スノーデンは、「NSAが保管する通信の中には、日本のフラグがつけられたものが多数ありました」と述べ、「ただ横田基地という、アメリカと日本の情報機関の橋渡しをする施設で働いていた経験から申し上げると、アメリカの情報機関は、常時、日本の情報機関とアメリカにおける情報を交換していますし、日本もしばしばアメリカに対して日本に関する情報を交換しています」と浮き彫りにする。

 安倍政権は、日米安保体制下、グローバル派兵国家建設の一環として特定秘密
保護法の制定にみられるように対テロ治安弾圧態勢を日米の連携プレーでレベルを引き上げてきた。

Xキースコアとは

 スノーデン・リークの警告から五年。刑訴法改悪と共謀罪制定によって警察権力・公安政治警察による電話の盗聴やネットデータの強奪、市民運動に対する監視・不当弾圧が拡大している。なんとしてでも権力の暴走を阻止するためにあらためてスノーデン・リークの意義を再確認したい。

 本書の冒頭では、「日本への警告」で紹介したXキースコアを取り上げている。
NHKとインターセプトは、共同スクープとしてスノーデンがリークした機密文書の中に日本に関する文書があり、米政府が日本政府にXキースコアデータを提供していたことが明記されていたと報道した(2017年4月)。

 スノーデンは言う。Xキースコアとは、コードネームで「膨大なソフトで構成
された非常に複雑な技術システムであり、多様な方法で集められた電子的通信を集約することです」。「これまでは時間や予算の制約上、監視の対象は犯罪者だけでした。今では、技術によって誰でもどこでも監視することができます。これは際立って大きな違いです」と述べ、政府は日々、人知れず何千億ものプライバシーを侵害していると注意喚起する。

 さらに本書では、NHKが継続取材しその集約としてNHKスペシャル「日本の諜報 スクープ最高機密ファイル」(2018年5月)を放映した、スノーデン・リーク機密文書の新たな事実を明らかにしている。番組を観た方もいると思うが、日本政府が米政府と共謀して秘密裏に行っていたことに対する批判と警戒を強め共有化するために、以下に列挙しておこう。

 ①日本の組織とは、防衛省情報本部電波部のことであり、NSAの日本側パー
トナーとなっている。同様に内閣情報調査室もその役割を担い、日本のネット諜報導入を推進していると明記。

 ②米軍横田基地内通信機器製造工場が日本政府の思いやり予算によって年間
37万5000ドルを計上。

 ③1990年代から2000年代のはじめにかけて、クロスヘア作戦(内容不明)と呼
ばれる諜報作戦に日本も参加。

 ④防衛省情報本部電波部の傍受施設は全国に六カ所ある。

 ⑤2012年以降、コードネームがマラードと呼ばれる衛星傍受システムにより、
日本は、民間衛星を経由しているインターネットから大量の情報を収集している。

 これらで機密文書のすべてが明らかになっているわけではないが、例えば、安倍政権が掲げる成長戦略の中の宇宙開発が諜報活動とセットであること、5兆円を超える軍事予算が米軍と一体となって支え、諜報機関とそのための高額なコンピューターシステム・ネットワーク実態の一端が見える。

 ところが機密文書について安倍政権は、「証拠となる文書に信憑性がない」と
切り捨てた。スノーデンは、日本政府の姿勢を批判し、「(リーク元である)アメリカ政府ですら、この文書が偽ものであるとは述べていません。説明責任をまったく果たそうとしない日本政府の態度は、国民を侮辱するものであるばかりか、国民を欺くものです」と糾弾している。

 本書を通して、携帯電話・メールなどの個人情報が権力に筒抜け状態であることに対して、あらためて警戒を強め、闘う側の防衛システム、法的規制強化の実現なども含めて反撃していかなければならないと痛感せざるをえない。

(Y)


報告:「明治150年」天皇制と近代植民地主義を考える8・15行動

15反天 8月15日、「明治150年」天皇制と近代植民地主義を考える8・15行動実は、在日韓国YMCAで8・15反「靖国」行動の集会を行い、185人が参加した。

 安倍政権はグローバル派兵国家建設に向けた改憲攻撃、天皇代替わりと「明治150年」を一体化させた天皇制賛美キャンペーンを繰り広げている。連動して全国戦没者追悼式で天皇明仁は、最後の式典出席として「おことば」で「戦後の長き
にわたる平和な歳月に思いを致しつつ」の一節を加え、またしても欺瞞的な「平和主義」天皇像をデッチ上げた。日米安保体制下、戦争準備態勢を押し進めながら米軍の派兵を応援し、自衛隊が共同参戦してきた歴史を覆い隠すことに加担した。天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任からの逃亡について居直り続け、なんら反省することもなく、新たな戦争を射程にしながら戦争の死者を「尊い犠牲者」として賛美したのである。

 マスコミは一斉に「おことば」が「長き平和に思い」を現わしたなどと持ち上
げ、安倍首相の式辞が日本の戦争「加害触れず」などと対抗的に描き出す始末だ。

 安倍首相は、中国、韓国などの反靖国抗議を抑えるために靖国神社に玉串料の
奉納で右派対策し、閣僚には参拝を行わせなかった。だが自民党主要幹部、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」が参拝することによって靖国派としてのアピールを押し出した。また、日本会議と「英霊にこたえる会」は靖国神社で集会を行い、安倍首相の総裁選三選と改憲の加速化に向けて意志一致している。

あらためて天皇制賛美を許さず、「代替わり」を通した新天皇賛美状況に楔を打ち込んでいかなければならない。反「靖国」行動は、すでにスタートしている2019天皇「代替わり」と侵略・植民地主義の「明治150年」賛美に抗する闘いに向けたステップとして取り組まれた。

 パネルディスカッションに入り、四人のパネラーから問題提起が行われた。

 坂田弁護士は、「即位・大事要塞訴訟に関する問題提起メモ」を報告し、「30年前の即位・大嘗祭訴訟では『一切の儀式・行事に国費を支出してはならない』などを請求した。大阪地裁(1992年)・高裁(1995年)は、政教分離について疑義は一概に否定できないと認めた。さらに天皇の即位を祝うことについて、個人が祝意を表わすことを国家が事実上にしろ強制すれば、私人の思想、表現の自由の侵害になると認めた。

 しかし、控訴審判決では控訴人らの訴えを全面的に斥けた。今回は退位の礼も
あり、すでに過去の批判を踏まえた上で実施が検討されている。だから現時点における訴訟の論理構成として ①政教分離 ②主権在民 ③納税者訴訟 ④天皇代替わりの手続き の問題を取り上げ、批判していきたい」と述べた。

 黒岩さん(「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会〈ピリカ全国実〉)は、8月5日の「天皇出席の 『 明治・北海道150年式典 」反対、アイヌ民族連帯決起集会」とデモの取組みを報告し、「式典はアイヌモシリ(北海道)の侵略・植民地化、アイヌ民族同化・抹殺政策の歴史の隠ぺいだ。天皇制国家による他民族侵略・支配の『原型』としてのアイヌモシリ侵略である。私たちは、この開拓史観、民族排外主義が問われている。『明治150年』式典から天皇退位・即位式典とうち続く天皇制永続化攻撃と対決する統一戦線を構築しよう」と呼びかけた。

 井上森さん(元号いらない署名運動)は、「署名は5000筆を突破し、1万筆目指してさらなる行動をしていきたい。当初、2018年夏に『新元号発表』だったが、自民党保守派などの反発もあり代替わり1カ月前に延ばした。すてに大迷惑な状況が発生しているが、中央官庁、JR、警察らは書類、コンピューター、免許証などでは元号を使わず西暦で統一化している。元号をめぐって天皇明仁は沈黙し続けている。その一方で『平成のうちに』ということでオウム大量処刑を強行している。やはり日本において最高度の国家暴力を正当化する論理は天皇制しかないことを現わしている。この論理を打ち破る闘いが問われているだろう」と発言した。

 新孝一さん(反天連)は、「反天連第Ⅱ期」(1991・4)のスタートをふり返り、「『国際化』時代の『ソフト』で『クリーン』で環境問題にも理解あるというイメージをふりまくアキヒト(天皇制)との正面からの政治的対決をこそ、主要課題として私たちは結集する」と位置づけ、明仁天皇制を性格、役割、犯罪性などを暴露し、批判してきたことを浮き彫りにした。

 つまり、「結論を言えば、時に強い独自性や個性を発揮して明確なメッセージを発信することもあった、明仁天皇の言動は、歴史と政治によって大きく規定され、変化する。同時に、天皇の憲法の規定とは別の役割がある。この間の天皇主導の『退位』と天皇による天皇制の再定義したことに現れている。30年かけてここに収斂し、天皇像の到達点だとも言える」と集約した。

 連帯アピールが沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック、日韓民衆連帯全国ネット
ワーク、オリンピック災害おことわり連絡会、米軍・自衛隊参加の防災訓練に反対する実行委員会から行われた。

 最後に集会アピールを確認し、靖国神社に向けてデモに移った。

 権力・機動隊は、デモ隊列に対して不当な規制を行ってきた。天皇主義右翼や在特会などは、デモに対して挑発を繰り返してきた。だが仲間たちは毅然と対応し、「天皇制反対・靖国神社解体」などの横断幕、プラカード、のぼりを林立させ街頭の人々にアピールし、靖国神社に向けて抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。

(Y)


body 報告:8.11 「平和の灯を! ヤスクニの闇へ」キャンドル行動

配信ヤスクニ 8月11日、「平和の灯を! ヤスクニの闇へ」キャンドル行動実行委員会は、在日本韓国YMCAで「2018 『明治150年』とヤスクニ、そして改憲」をテーマに集会を行い三五〇人が参加した。

 実行委は、2006年、小泉純一郎首相の靖国参拝に抗し、靖国訴訟を取り組んできた東アジア四地域(日本、沖縄、台湾、韓国)の市民運動が靖国神社反対共同行動として開始した。その柱は、①靖国神社の歴史認識が、再び戦争のできる国へと右旋回する日本の現状と直結している、 ②韓国・台湾・沖縄・日本の遺族に断りもなく合祀していることは許さない、③ 首相の靖国参拝は憲法が定めた政教分離原則に違反する、―ことを確認しこれらの点を「ヤスクニの闇」として切り結ぶ共同行動として取り組んできた。毎年、8月に集会とデモを行い、今年で13回目だ。

 安倍政権は、憲法改悪をめざして2019年「天皇代替わり」と「明治150年」を結びつけ天皇制と植民地主義賛美キャンペーンを繰り広げている。この流れに日本会議など天皇主義右派勢力は、連動して侵略戦争と天皇制を賛美する靖国神
社を位置づけ、民衆動員をしながら靖国史観を広げようとしている。実行委は、安倍政権と右派が一体となった改憲攻撃を許さず、靖国神社の犯罪をあらためて社会的に暴き出していくために行われた。

 主催者あいさつが今村嗣夫さん(共同代表)から行われ、「安倍首相は、『長期政権の維持と権力の拡大強化』を図り、『平和憲法の改正』をもくろんでいる。靖国神社は、大日本帝国の下での植民地台湾・朝鮮出身の日本兵の戦没者やキリ
スト教徒の戦没者についても例外なく『合祀』している。『合祀』は『個』を『全体』に優先する民主主義社会の条理に背くものだ。今年も靖国神社に対して『アジアの遺族の人権を侵すな』、安倍政権に対し『平和的生存権を侵すな』と訴えていこう」と発言した。

 シンポジウムは、「『明治150年』とヤスクニ、そして改憲」をテーマに内海愛子さん(恵泉女学園大学名誉教授)の司会、3人のパネリストが問題提起した。

 高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「『日毒』の消去という課題」をテーマにして提起。「日毒」とは、石垣島の詩人の八重洋一郎の日帝侵略を糾弾した詩集のタイトル。

 高橋さんは、「日毒」を紹介し、「明治維新150年」を貫く日本の植民地主義の克服という課題を八重が言うように「必ず果たさなければならない」課題であることを強調した。

 また、「朝鮮半島情勢が激動した。さしあたり戦争の危機が遠のいたばかりか、朝鮮戦争終結と在韓米軍撤退の可能性まで話題に上るに至った。今後についてはなお予断を許さないとしても安倍政権は、帝国期の植民地支配の責任を否認し続け、戦後日本が加担し続けてきた朝鮮戦争の終結にも背を向けるに至っては、『断絶』の克服どころか、新たな極東アジアの国際地図のなかで孤立を深めるばかりとなるだろう」と指摘。

 さらに「明治維新以後150年経った今も、日本はその継続する植民地主義によって、近隣諸民族との信頼関係を構築することができないでいるということではないか」と批判した。

 吉田裕さん(一橋大学教授)は、「日本軍兵士』、靖国、そして明治憲法体制」をテーマに提起。

 吉田さんが執筆した『日本軍兵士』(中公新書)の問題意識について語った。 「『日本軍兵士』は、兵士の目線、兵士の立ち位置から戦場の凄惨な現実を再構成するために兵士の身体へと着目した。ミクロな視点とマクロな視点を組み合わせた。戦場のリアルな現実に対する想像力を鍛え上げることが重要だ」と述べた。

 そのうえで「アジア・太平洋戦争期における日本軍の現実」として「全戦没者310万人の約9割は1944年以降の死者だ。指導者の責任の問題があり、遺族のわだかまりへとつながっている。いかに殺されたか。具体的には戦病死者、餓死者の異常な多さ、海没死、特攻死の特異な死、自殺の多さ、傷病兵・投降兵の殺害、食料強奪のための日本軍兵士殺害などだ。兵士たちの死の無残さ、兵士たちのおかれた状況の苛酷さを事実をもって対置することが重要だ。『英霊』にまつりあげることへの拒否へとつながる。兵士たちの加害と被害の関係性をどう考えるかは残された課題だ」と強調した。

 権赫泰さん(韓国・聖公会大学教授)は、「韓日関係:『安保が歴史を殺す』」をテーマに問題提起した。

 「朴政権は日本と歴史的争点である『慰安婦合意』(2015・12)を内外の反対世論を押し切って合意した。この合意は、ラオスで開かれた朴・安倍会談(16・10)で日韓軍事情報保護協定締結(16・11)を確認し、そのために拙速で処理したのだ。つまり、『慰安婦』合意と軍事情報保護協定は、『安保のために歴史を殺した』のである」と指摘。

 さらに「文在寅政権の登場と南北会談を通じた南北対立の緩和の可能性の台頭は、『安保のために歴史を殺した』既存のシステムの廃棄を要求するものである。靖国問題、『慰安婦』問題などの歴史問題の解決の努力が平和秩序の構築の最も
重要な要素だ。『安保を殺し歴史をいかさねばならないという』理由がまさにここにある」と呼びかけた。

 遺族証言では李明九さん(ヤスクニ合祀取消訴訟原告)が父の思い出を語り、「私の父は日本の名前で今も靖国に利用されています。一日も早く父を靖国から解放させてあげ、私もこの苦痛から抜け出したいのです。私はその日まで皆さまとともに頑張って行きたいと思います」と訴えた。

 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動のアピール後、コンサート。閉会あいさつを李煕子(共同代表)が行った。

 集会終了後、靖国神社に向かうキャンドルデモに移り、「靖国反対!改憲やめろ!」のシュプレヒコールを九段下一帯にわたって響かせた。

(Y)

案内 : 「明治150年」天皇制と近代植民地主義を考える8.15行動

「明治150年」天皇制と近代植民地主義を考える8.15行動

【日時】 8月15日(水)
14時開場 集会後、デモに出発!
【会場】在日韓国YMCAアジア青少年センター
9階国際ホール
 ※JR水道橋駅、御茶ノ水駅、地下鉄神保町駅

■ 今年の8月15日の全国戦没者追悼式は、明仁にとっては、天皇として最後の式典出席となります。全国戦没者追悼式は、戦争の死者を、戦後日本の発展をもたらした「尊い犠牲者」と賛美することによって、その死を美化し顕彰する儀式にほかなりません。その意味において、軍人・軍属(戦闘協力者)の死者を「英霊」として祀る靖国神社と同質のものです。

■ 8・15反「靖国」行動は、国家による「慰霊・追悼」を撃ち、天皇制の植民地支配、戦争・戦後責任を批判し抜く行動として取り組まれてきました。日本が、戦争法や治安法を整備し、海外における米軍への協力活動など、実際の軍事行動に踏み込んでいる現在、国家にとって「新たな戦争の死者」をどう位置づけ、利用していくかという課題は、ますます現実的なものとなっています。


 国家による「慰霊・追悼」それ自体が、戦争準備の一環をなしているのです。「代替わり」に伴って新たに登場する新天皇が、そこでどのような役割を果し、また果すことが期待されているのかについても問うていかなければなりません。

■ 8・15反「靖国」行動をステップに、「明治150年」から「代替わり」諸儀式に具体的に反対していく運動を強化し、向こう側からの「平成の総括」を批判しぬき、天皇「代替わり」を契機として創り出される天皇制社会の時間と空間に抗していく、私たちの自由を取り戻す闘いを準備していきましょう。

主催 ●「明治150年」天皇制と近代植民地主義を考える8.15行動

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/市民の意見30の会・東京/スペース21/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/反安保実行委員会/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/ピープルズ・プラン研究所/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

読書案内『日本会議の野望』俵義文 著

日本会議の野望読書案内『日本会議の野望』
極右組織が目論む「この国のかたち」
日本会議の政治戦略を検証する

俵 義文 著/花伝社刊 1200円+税


 日本会議は、安倍政権を生み出し、支えぬく天皇主義反革命勢力の一つだ。与党政権の大臣は、「20人中15人(75%)が安倍と麻生が特別顧問の日本会議国会議員懇談会の政治家である。そして、安倍が会長の神道政治連盟国会議員懇談会の大臣は19人(95%)であり、安倍晋三を総理・総裁にすることを最大の目的にしている安倍が会長の議連・創生『日本』の大臣は10人(50%)」(本書)が所属している。この実態からでも、ほぼ日本会議によって制圧中であると言える。

 俵は、子どもと教科書全国ネット21代表委員であり、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会に参加し国会包囲などにいつも参加している活動家だ。長年の教育・教科書問題を取り組むなか、政権に対する日本会議の暗躍をチェックし、その調査から日本会議が目的意識的に全国展開し、とりわけ地方議員の送りだしなども含めた地方自治体への浸透工作の常習犯であり、その到達点として中央政治の制圧を狙っていることを早くから暴露してきた。

 森友学園の国有地格安払い下げ事件が日本会議絡みであることが発覚するや、マスコミ等ではあまり取り上げられてこなかった日本会議がクローズアップされ、しかも森友学園の理事長籠池 泰典が日本会議大阪府本部運営委員であり、天皇主義教育を実践していたこなどが次々と明らかとなる。

安倍政権支える実働部隊として

 すでに本屋の店頭には、2016年の『日本会議の研究』(菅野完)を皮切りに『日本会議の正体』(青木理)、『日本会議 戦前回帰への情念』(山﨑雅弘)など日本会議批判関連書が積み上げられていた。俵は、先行して日本会議批判を取り組み、その集約として『日本会議の全貌―知られざる巨大組織の実態』(花伝社)を発刊していた(2016年6月)。既刊書では日本会議の前身、結成、人脈、活動実態などを浮き彫りにしているので、本書の紹介では省くが、セットで学習すれば日本会議と安倍政権、自民党が一体であることがわかるだろう。

 ところが俵は、あえて本書を発刊しなければならなかった理由として、各地の講演会のたびに「(安倍政権が)これだけ悪政をつづけ、支持率が下がってもなぜ安倍政権はつぶれないのか」と参加者から質問されることを紹介している。

 俵は、「衆参で自公の与党が3分の2以上の議席をもち、数の力による政治を続けていることが一番大きな理由である。そのこととも関係して、安倍政権を支える右翼的な議員連盟(その所属議員)と日本会議の役割が大きい。日本会議は『安倍首相でなければ憲法改正はできない』と主張して、改憲という『悲願』を共有する安倍政権を民間において支えている」と答えている。つまり、安倍政権打倒の闘いは民間反革命=日本会議との攻防であることを再確認するために本書を発刊しなければならなかったのである。

 この闘いは、「安倍政権打倒」の気分やムードなども大事だが政治的武装ぬきに闘争力は持続しないことも再認識しなければならないということだ。先の質問のように、この間の安倍政権の支持率下げから上げ傾向などによって一喜一憂し、落胆したりなどの波があることも確かだ。そのことを自覚的に乗り越えていくための一つの糧として本書(第4章/日本会議9つの野望、第5章/日本会議の教育政策、第6章/日本会議と森友・加計学園問題)を土台にして日本会議批判を押し進めていこう。

国民投票での過半数射程に

 日本会議は、1997年5月に結成し、47都道府県に県本部・252支部、役員は約3500人、会員が約4万人。現在、憲法改正に向けた国民投票運動のイニシアチブ装置として構築している真最中だ。

 日本会議のフロント組織である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」
(2014年10月設立/共同代表・櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達)は、「憲法改正1000万賛同署名」を取り組み、18年2月に1000万人を達成し、「憲法に自衛隊明記と緊急事態条項新設を求める決議」を採択している。

 日本会議との攻防にとって、あえて「国民の会」の「平成30年度の国民運動方針」を示しておくのも無駄ではないだろう。

「方針」では成果として

①1000万賛同者
拡大運動(1001万8221名)、②地方議会決議(36都府県〈76%〉)、③国会議員署名(376名〈18年2月28日現在〉)を確認。そのうえで賛同署名達成を踏まえ全国で幅広い啓発運動を推進―①憲法改正行事②憲法改正研修会③自衛隊DVD上映・普及活動④インターネット「改憲チャンネル」、動画配信⑤女性や青年を対象とした啓発活動を柱にしながら、その推進者として全国289の小選挙区に「国民投票連絡会議」を設立し、来るべき国民投票における過半数の賛成投票を目指すことを確認している。

 国民投票法は、継続審議の扱いとなっているが、自民党は制限なしの膨大な資
金力で宣伝を繰り広げていけることをねらっている。これは日本会議と国民の会の意向を代弁し、すでに先取り的に国民の会が「草の根」で進めていることだ。民主主義を否定する与党の国民投票法制定を許してはならない。

その組織実態と政治的力は

 さらに組織実態を明確化するために俵資料にもとづいて、以下を列挙しておく。

 日本会議国会議員懇談会に所属する国会議員が290人(約九割が自民党)、自民党内「日本会議議連」メンバーが衆参議員417人(衆参議員717人の約4割、自民党衆参議員417人の約6割)、日本会議地方議員連盟に所属する議員が1800人。

 日本女性の会(2001年9月結成/39都道府県に四六支部)は、現在、憲法改悪国
民投票運動に向けて「女性による憲法おしゃべりカフェ」を開催し、各世代へのアプローチを切り開いている。

 日本会議経済人同志会(2004年4月結成)は、100社が加盟し、日本会議の政策を支持し、各種キャンペーンを担っている。

 自民党の憲法改正推進本部は、46人の役員がいるが、日本会議連に所属が33人(71・7%)、神道議連が40人(87・0%)、靖国議連が35人(76・1%)、「創生」日本が13人でダブッているとは明らかだ。なお自民党議員でどの議連にも所属していないのが2人(平将明〈衆/東京四区〉、福田達夫〈衆/群馬四区〉)しかいない。

 俵は言う。「こうした右翼組織と右翼議連が日常的・継続的に連携して政治や教育などの課題に取り組み、政策をつくり実現するという図式」を調査活動の到達点として立証し、このような日本会議と「日本会議連」は、今までの右翼運動を「大きく転換した」と結論づけている。要するに、「両者の連携によって、日本の政治や社会、教育に重大な影響を及ぼしてきた。『影響を及ぼす』というよりも、日本会議の政策・要求が『日本会議連』の活動によって、実現したり、政府の政策を断念させたりしてきた」と規定する。

 公明党は、安倍政権・自民党が日本会議に制圧されている政治構造を前提にしているのであり、その土俵の上で利権を餌にして支持層を維持し、反動的な役割を展開することによって防衛されているにすぎない。

 俵は明記していないが、あえて言えば安倍・日本会議政権とレッテルを貼っても言い過ぎではないのである。改憲阻止闘争は、このような政治構造の分析、日本会議の動向と支える人脈の言論、安倍政権応援団の産経新聞と読売新聞の主張と日本会議メンバーの登場分析などを明確化させ、運動として共有化していくことは重要だ。要するに、改憲突撃隊としての日本会議の組織と行動確認の追跡、その蓄積活動と連動して政治・政策の掌握と危険予想の提示が求められている。

その強さと弱点をえぐり出す

 なお日本会議の役割について過大・過小評価に陥ることのないように構える注意は必要だ。そのうえでの私見だが安倍首相と日本会議は、森友学園と籠池を立ち上がりの時点からバックアップし、天皇主義教育の先取りとして実現させようとしていた。だが、国有地格安事件の発覚を契機にして、森友学園問題がマスコミでクローズアップされ、天皇主義教育に対して批判が集中してしまった。同時に総がかり行動の国会包囲、全国的な反安倍政権の高まりに直面した安倍首相と日本会議は、速攻で籠池切り捨てへと進んだ。反発した籠池一家のパフォーマンスはワイドショーネタとしてさらに大きく広がる始末だった。

 このプロセス、つまり安倍政権と日本会議の共謀のうえで籠池切捨てへと乗り移った。この速攻性に脆弱性が現れている。日本会議は、以前から児童・小中生を天皇行事に動員してきた。ところが今回の事態ではあわてふためき動揺を深めた。御都合主義と防衛主義的な立ち振る舞いによって、いかにこの組織が瓦解へと向かうかのポイントを自己暴露したのである。 

(Y)


米中貿易戦争 人民はいかなる立場に立つべきか

20180809uschina

米中の貿易戦争が混迷を深めている。トランプ政権は76日に340億ドル規模の輸入品目に25%の追加関税を発動し、中国はすぐに同規模の対抗措置を実施。823日からは第二弾として160億ドル規模の輸入品目に25%の追加関税を実施し、中国も同規模の対抗措置をとる。トランプ政権はさらに年間2000億ドル相当の中国からの輸入品に課す追加関税を10%から25%に引き上げることの検討もはじめた。中国政府はトランプのアメリカファーストは自由貿易に逆行するとして、中国こそが自由貿易の万里の長城であるかのごとく振る舞い対抗姿勢を崩していない。日本のブルジョアメディアは日本経済への波及に怯えながら、TPPプラスやRCEP(東アジア地域包括的経済連携)を通じたアメリカと中国との橋渡しなどという幻想に望みをかけている。以下は香港の左派ウェブサイト「無国界社運BORDERLESS MOVEMENT」からの翻訳(
原文)。原注の参考記事はすべて割愛した。(H)

 

 

米中貿易戦争 人民はいかなる立場に立つべきか

 

錢本立

 

76日、トランプ政府は中国からの340億ドル規模の輸入品に25%の関税を課すと宣言した。中国はすぐに米国からの輸入品に同額の課税を課すという反撃にでた。数か月にわたる剣抜弩張(けんばつどちょう:一発触発)の状況はついに開戦に至った。

 

この半年におよぶ双方のやり取りは、激しいコメントであったり、政府代表を派遣しての直接の交渉であったり、中興通訊(ZTE)に対する制裁やアメリカ大豆の輸入制限であったりと、非常に注目されるとともに、事態が目まぐるしく展開した。だが普通選挙権のない中国人民にとって、この争いがどれだけ熾烈なものであったとしても、それは神仙の戦争であり、関与する余地は全くなかった。

 

だが、時の推移と戦火の拡大(アメリカはすでに2000億ドル規模の対中関税を準備している)につれて、貿易戦争は人民にとっても、物価上昇、株式市場の下落、輸出産業における人員整理、社会保険料の未納、外貨兌換の制限など、無視することのできない影響をもたらすことは必至である。これらすべては社会の不安定要素を増大させるが、社会的不満がどのような方向に向かうのかは、世論の動向によってある程度決まる。

 

筆者の観察によると、現在のところこのテーマに関する中国語圏の主張は、二つの陣営が対立している。一方は右翼によるもので、トランプの政策を称賛するものである。貿易戦争の理由(中国がWTOのルールを守っていない)を正当だと考えているだけでなく、暴政転覆の支援となると考えているのだ。もう一方は、中国共産党の宣伝機関に代表されるもので、アメリカの仕掛けた攻撃が自由貿易を破壊するものであり、中国はそれに対抗することができる、というものである(だが具体的な発言内容は変幻自在で予測困難)。

 

予測可能なことは、この両陣営は民心の支持を得るための争いを今後も続けるだろうということである。左翼の立場は、たとえその身を太平洋のいずれの側に置いていたとしても、両陣営のどちらかの側にたつのではなく、「北京もワシントンも支持しない」という立場を取るべきであり、この貿易戦争のどちらかが正しいということはない、という事実を指摘することである。

 

●非リベラル・ヘゲモニー

 

トランプは新自由主義の信徒ではないことは明らかであるが(彼のブレーンにはWTO脱退を主張するものもいる)、中国の右翼がそれを擁護するおもな理由は、女性や移民やマイノリティへの攻撃という、いわゆるリベラルとは明らかに180度逆の立場をトランプが持っているからである。

 

トランプは選挙期間中に六四天安門の虐殺を称賛する発言をしたことがあるし、米国指導者の訪中の際には恒例となっていた中国の人権に対する言及もなかったことなどから、今回の貿易戦争の発動も中共の暴政に反対するという意図から出発したものではない。

 

トランプ政府の国際政策全体は、それまでの政権からの転換という面が強いが、アメリカのヘゲモニーを維持するという趣旨には全く変更はない。マサチューセッツ工科大学のバリー・ポセン教授(政治学)は今年初めに書かれた論文「非リベラルヘゲモニーの台頭(The Rise of Illiberal Hegemony)」で次のように述べている。

 

「トランプは『自由主義ヘゲモニー』のなかから『自由主義』の大部分を抹消してしまった。彼はアメリカの経済と軍事力の優勢、また世界の大部分の地域における安全保障の決裁者としての役割を維持したいと考えている。しかし彼は民主主義の輸出の放棄と多国間貿易協定の破棄を選択した。つまり、トランプはまったく新しいアメリカの大戦略――「非リベラルヘゲモニー」illiberal hegemonyの道を開いたのである。」

 

最近の朝鮮問題におけるスタンスでもこの点は確認できる。朝鮮がアメリカに対する軍事的脅威(核兵器)を放棄し、北東アジアの地政学的力関係においてアメリカの権威を承認するのであれば、金ファミリーが独裁を継続することにも頓着しないが、そうでなければ武力と制裁に直面することになるというトランプのスタンスである。このディールは、金正恩に体制立て直しの猶予を与えるという中国共産党の方針と同類のものである。

 

その中国に対するアメリカの新戦略は、アメリカのヘゲモニーに挑戦するような力を抑え込むということにのみ関心があり、かつてのような民主化を通じてアメリカの盟友にするという方針はみられない。世界のトップツーのあいだは敵対関係にあるという帝国主義のロジックに従えば、このような事態は理解できないものではない。

 

必然的対立

 

マルクス主義の古典は今日の米中関係を分析するうえでも決して時代遅れにはなっていない。ブハーリンは帝国主義に関する論述のなかで、資本主義には二つの傾向があると指摘している。ひとつは国際化(internationalization)傾向であり、資本が投資、市場、資源、廉価な労働力をグローバルな範囲で探し求めることを推し進める傾向である。もうひとつは国家化(statification)傾向であり、多国籍企業をふくむ資本が拠点をおく国に対して支援を求めるという傾向であり、これは時には競争における保護と対立企業に対する抑制のために国家資本主義企業となることもある。こうして、資本主義においては国家間の対立が不可避となる。そして経済規模が大きくなった国ほど、他国との衝突に陥る可能性が大きくなり、それは自然と世界や地域のおけるヘゲモニーを築こうとする。歴史的に、世界の主導的地位を獲得するために、資本主義大国のあいだで戦争を含む各種の相互牽制がとられてきたが、第一次世界大戦と第二次世界大戦はそのもっとも知られたケースである。

 

中国にとっては「一帯一路」およびそれ以前の「走出去」[外に出る――対外経済進出]戦略は、前述の「国際化」の傾向に対応したものである。中国政府は中興通訊(ZTE)を「国際化」の典型的ケースにしようとしてきた。中国がすでに帝国主義であるかどうかには議論の余地はあるにしても、世界第二位の経済体となった資本主義強国として、対立への道に進むことは不可避である。

 

なぜなら中国が韜光養晦(とうこうようかい:才能を人に気付かれないように包み隠して養っていくこと)政策を継続し、中興通訊(ZTE)などの「赤い企業」がルールを順守したとしても、アメリカが中国の発展を座視するわけがないからである。

 

ブッシュ(子)政権はイラクとアフガンに戦争を仕掛けて中東という戦略の要衝とエネルギー資源の産地を掌握しようとして失敗したが、[この地域における]中国とロシアに対する牽制の意図は明確である。オバマ政権は右翼から宥和的なリベラルだと罵られてきたが、それはオバマが帝国主義的ヘゲモニーに対する情熱に欠けていたからではなく、経済危機への対応と中東における混乱が中国に対する牽制よりも切迫した任務であったからにすぎない。その証拠にオバマはその後「アジア太平洋リバランス」戦略を提起した(彼の任期内での完遂はできなかったが)。

 

その一方で、中国は支配階級の欲望と超大国への熱望を満足させるため、また経済成長を維持して支配の能力と正当性を保持するために、本国資本の対外拡張が唯一の選択肢となった。こうして、短期的にはアメリカの地位に挑戦することは無理だとわかってはいたが(愚か者だけが外交部と宣伝部門の稚拙な演技を信じる)、それにもかかわらず必死に軍備拡張にまい進し、資本の対外拡張の援護射撃を行おうとした。それはアメリカに一層の危機感を抱かせた。このような悪循環のなかで、中国が外交や経済政策においてさらなる出色の表現をしたとしても、状況の趨勢を変えることはできないだろう。

 

誤った立

 

海外の一部の左翼の中には、中国の軍備拡張はアメリカから迫られた結果であり、中国の台頭はアメリカのヘゲモニーに対する牽制になると考えている。トランプの様々な反動的政策も、トランプの敵[中国]=正義の味方という図式を成り立たせている。

 

しかし、中国の対外拡張が迫られたものであろうと支配者の主観的熱望であろうと、また中共の宣伝機関がいかに中国が覇権主義の被害者であり抵抗者であるかと描き出すかにかかわらず、世界各地における中国資本の悪評を覆い隠すことはできない。他の外国資本への抵抗という要素はあるにしても、このような拡張は他の列強と同じように投資先国の民衆に対する搾取が存在する。インドネシアでは、キャッシュローン・ビジネスに対する規制が未整備であることを利用した中国資本が地元青年を借金地獄に突き落としながら巨額の利益を上げた。パキスタンでは、[中国が融資した]グワダール港の建設によって現地住民が追い出された。南アフリカでは、中国資本の縫製工場が現地の最賃を無視した操業を続けている。ガンビアでは現地の役人を買収した中国資本の魚介工場が有毒廃水を海に垂れ流している。

 

かりに、この貿易戦争が中国の降参で終わりを告げたとしても、アメリカとの長期的な対抗関係においては、間違いなく本国民衆の利益を犠牲にすること、ひいては彼らを大砲の餌食にすることを厭わないだろう。もし貿易戦争がさらにヒートアップすれば、予想される結果として、中国は国内に対してさらに搾取や福祉の削減を強めたり、経済問題を民族感情に転化したり、異論派をスケープゴートしたり、専制をさらに強化したり、ひいては局地的な戦争発動による資本の拡張スペースの確保と社会矛盾の転嫁がなされるかもしれない。

 

これらの予想は根拠なきものではない。政治に関心を寄せる者は種々の予兆を注意深く観察しなければならない。この間の税制改革、不動産税、年金改革、ウェブ規制の強化などがそうである。左翼がトランプ反対を理由に中国批判を抑制すれば、[中国]民族主義に洗脳されなかった青年たちを、結果的に[親米]右翼の側に差し出すことになるだろう。

 

内部の抵

 

実際には、帝国主義に反対するために、必ずしも帝国主義の対抗相手やその目標を支持しなければならないというわけではない。むしろ内部の抵抗を支持することこそ重要である。たとえばアメリカでは、移民に対する「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策に抗議するデモが各地で起こり数十万人が立ち上がった。似たような闘争は多くあり、我々はそこから、すべてのアメリカ人がトランプのレイシズムや帝国主義の主張に賛同しているわけではないことを知ることができる。

 

アメリカの左翼組織もそのような状況の中で立ちあがりつつあり、小さくない成功を収めている。5月にはアメリカ民主的社会主義(Democratic Socialists of AmericaDSA)が支持する3人の社会運動活動家がペンシルバニア州議会ではじめて議席を獲得した。DSAは選挙だけにまい進しているわけではなく、コミュニティに深く分け入り、人々が関心をもつテーマを議論し、支援を提供して分断され孤立した人々をつないでいる。

 

アメリカにおける左翼の復活というには時期尚早だが、帝国主義内部における強大な左翼潮流の登場が帝国主義の対立と戦争を終わらせてきたことは、歴史が何度も証明してきた。

 

中国では組織的な左翼勢力はなおいっそう空白に近い状態である。しかしどうであれ、国内の抵抗に関心を寄せ、レイシズムを拒否し、本国支配階級こそが我々の最大の敵であり、海外において同じように支配者に抵抗する民衆こそが我々の盟友であることを示すことこそ、帝国主義の争いという暗闇のなかで進むべき道を見失わない方法なのである。

 

2018720日掲載)

報告:なぜ元号はいらないのか? 7・21集会

配信:元号反対 7月21日、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、天皇制いらないデモ実行委員会、靖国・天皇制問題情報センターの呼びかけで「なぜ元号はいらないのか? 7・21集会」が文京区民センターで行われた。参加者は97人。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設に向けて憲法改悪をめざし、2019「天皇代替わり」と「明治150年」を結びつけ天皇制賛美キャンペーンを行っている。その一環として来春に新元号を発表して天皇制民衆統合の強化へと加速化している。

 しかし、この実態は、安倍政権と右派勢力などによる手前勝手な妥協の産物で
しかない。「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」(議長=古谷一之・内閣官房副長官補/5・17)は、当初、生活の混乱を生じさせないため準備期間を長くとるために今夏あたりの公表としていた。だが右派などから「新元号の発表によって天皇陛下と新たに即位する皇太子さまという『二重権威』が生じる」などの圧力もあって首相官邸は「(新元号の)早すぎる発表は天皇陛下に失礼。ギリギリの時期でいい」と判断した。また、旧元号から新元号へのシステム改修が間に合わない場合は、一定期間は「平成」の利用も認めることになった。

 なお新元号システム改修特需によってIT大企業には巨額なカネが舞い込むことになった。例えば、佐賀県では新元号対応のシステム改修費約1億3200万円も計上している(佐賀新聞5・18)。一つの県でこれだけの費用を使うのだから、中央―全国でどれだけの費用がかかるのか。とんでもない無駄遣いだ。

 このように新元号への移行だけでも大迷惑な事態なのに、あくまでも天皇制強
化に向けた新元号の押し付けを貫徹しようとドタバタを繰り返している。すでにNHK世論調査(17年)では「西暦よりも元号をつかう」(28%)、「元号よりも西暦をつかう」(63%)という結果で明らかなように民衆生活にとっては元号使用は不便な存在でしかない。その一方で各所、学校で元号が慣例化し、公共機関と関係を持つケースでは元号使用を強制される。天皇制強化に向けた大迷惑な元号を廃止し、西暦で統一すればいいのだ。

 元号はいらない署名運動は、「新元号制定に反対する署名」運動で5000筆を越
える署名を集約している。運動の広がりを受け、1万筆をめざすことになった(最終集約18年11月15日)。各地区・現場で署名運動を押し進めていこう。

 集会は、井上森さんから主催者あいさつからはじまり、「2月から『新元号制定に反対する署名』運動を開始した。新元号の発表がどんどん遅れて19年4月となった。署名は5000筆を越え、1万筆をめざすことになった。11月に集約するが、継続して署名運動を広げていこう」と呼びかけた。

 坂元ひろ子さん(中国思想史・一橋大名誉教授)は、「中国の革命経験から考えるアジアの共和国」をテーマに講演した。

 冒頭、坂元さんは、「天皇制は、差別抑圧強制の根源であり、習慣化・身体化されている。『日の丸』強要、皇室への敬語・『お言葉』の強要、年号使用の強制〈政府機関・国立大学、民間企業、集合住宅管理組合等〉で明らかだ」と指摘した。また、最近の反右派を含む象徴天皇『翼賛』傾向(とりわけ退位問題以降)、批判忌避空気の現れとして、内田樹の『天皇主義者宣言』、柄谷行人の『憲法の無意識』、白井聡の『国体論 菊と星条旗』を取り上げ批判した。

 「アジアの共和国」に関して①対中国「起源」コンプレックス~漢字文化(漢
字ことば権威)②中国の「天」観念と共和「革命」について史実に基づいて検証し、「中国の君主専政政体はヨーロッパの場合に比して、中国は広大な地で独裁するだけに統治の網の目が粗らかった」と指摘。

 さらに中国同盟会(1905)の『民報』、人類館事件(1903)、亜洲和親会
(1907)から第一次世界大戦と中国、満州事変(1931)と国共内戦などの歴史的評価をしながら「中国の漢字文化そのものに革命思想はあったが地大人多による『共和』かつ『民主』の困難性もあった。日本は、中国の漢字文化にコンプレックスを持ち、真似をしながら天皇制を万世一系などとデッチ上げた。北朝鮮、韓国、中国、沖縄を直視できないことと繋がっている」と批判した。

 「反天皇市民1700ネットワーク」、「大分の島田雅美さん」からの連帯メッセージが紹介。

 中川信明さん(靖国・天皇制問題情報センター/練馬教育問題交流会)は、「今度こそ、元号とサヨウナラするために~元号反対運動の実践と展望」について次のように報告した。

 「元号反対運動の3つのピークがあった。1979年の元号法制化反対運動。1989~
1995年の〈昭和から平成〉やめよう!元号運動を行い、東日本と関西で署名運動を展開した。2017年、元号いらない署名運動の取組みだ。次の一手に向けてどうするか。年号に関して①広報物の年月日記載めぐって②国・自治体・民間企業などの手続き書類をめぐって③国・自治体などが個人に発行するものをめぐって―の3つのステージがある。これらの攻防を共有化し、次への可能性を探っていく必要がある。元号反対!改元拒否の世論形成のための署名運動を取組みながら具体化していこう」。

 大沢ゆたかさん(元立川市議)は、「元号改訂に関する2018年立川市予算委員会での質疑から」について報告し、「『元号、西暦の併記を考えている自治体』を調査した。23区26市のうち西暦のみが1市(町田市)、元号のみが2市(清瀬市、稲城市)、元号と西暦併記が5区市、併記検討中が10区市、検討していないが21区市、その他が10区市だった。東京都は必要に応じて元号・西暦併記だ。さらに『平成元号を使用しているシステム数 元号改定に伴う作業とシステム変更とその経費』についても調査し、巨額なカネが使われることがわかった。自治体に対して西暦を書かせろと要求していくことが必要だ。元号費用について決算時でどれだけ使ったのかをチェックし、公表していくことも必要だ。天皇のためにムダなカネを使うことはない」と訴えた。

 連帯アピールが茨城・戦時下の現在を考える講座、「オリンピック災害」おことわり連絡会、アジア資料センター、あいち代替わり・植樹祭を考える会(仮)から行われ、最後に主催者から今後の署名運動の提起があった。


(Y)

報告 : 報告:2020東京オリンピックいらない! まだ間に合う、返上しよう!7.22原宿 アピール&渋谷デモ

配信:オリンピック「金権五輪」の実態をあばく

 7月22日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、午後四時から東京・原宿駅前の神宮橋で「2020東京オリンピックいらない! まだ間に合う、返上しよう!原宿アピール&渋谷デモ」を行った。酷暑の中で100人のアピール集会とデモが行われ、多くの人々の注目を集めた。

 最初の発言者はスポーツジャーナリストの谷口源太郎さん。谷口さんはオリンピックが「マネーファースト」の拝金主義に貫かれていることを厳しく批判した。

「オリンピックでは一兆円を超す興行収入があり、NBC(米国の放送資本)な
どは放送権料として2000憶円も支払っている。放送権料や企業からの収入で多くの贈収賄逮捕者が生まれ、懲役年数を合わせると50年になる」と金権五輪の実態を暴露した。

 1925年生まれで、1932年のロスアンゼルス五輪をラジオで聴いた記憶があるという元教員の北村小夜さんは「オリンピックの弊害は道徳教育・愛国心教育の強化にも示されている」と語り「こんなオリンピックはいらない。返上しよう」と訴えた。「反五輪の会」メンバーで障がい者学校の教員である仲間は、「スポーツの本質は『排除』でもある。五輪教材には都合の悪いことは何も書かれていない。オリ・パラ教育に反対し転校を強要されたり、授業を外されたりする教員も出ている」と語った。

「人権」「復興」にだまされるな

 元大学教員の鵜飼哲さんは、オリンピックが国策教育と深い関係にあることを指摘し、1952年の「主権回復」とヘルシンキ五輪、1964年の東京五輪開会式での昭和天皇裕仁の開会宣言の例を挙げた。そして天皇代替わりと連動した2020年東京五輪が1963年のベルリン五輪=ナチス五輪との相似性を持つものとなる危険な構造を提起した。

 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司さんは、「オリンピック
が呼び込む軍事体制」をもテーマにした「川崎でイスラエル軍事エキスポを考えるシンポ」(8月3日)を紹介した。

反五輪の会の首藤久美子さんは「オリンピックが儲かるということで、皆さんの
生活が良くなるのか」と注意を喚起し、「明治公園、宮下公園からの野宿者の排除、都営住宅の解体と住民追い出し」を厳しく批判した。次に宮城県気仙沼市の木村さんは、福島原発事故災害が終わっていない現状の中で、「復興」を口実に東京五輪が使われていることを厳しく批判した。

 東京にオリンピックはいらないネットの渥美さんは「小池東京都知事は、オリ
ンピックで『人権尊重』と言っているがまやかしだ。引っ越し代を一銭も支払わず強行した都営霞ヶ丘住宅の取り壊しは地域コミュニティーの破壊だ。オリンピックこそ人権破壊のかたまりだ」と糾弾。さらにパレスチナ連帯運動に取り組んでいる八鍬さんは、イスラエルにとってはオリンピックこそ「サイバー攻撃」を口実にした「人権破壊のショーケース」となっていると批判し、大榎さんは福島原発事故の放射線被害を隠蔽したまま行われる「復興五輪」の内実を指摘した。

 集会後、原宿から渋谷へ多くの人びとでにぎわう街中を「オリンピックはいら
ない」と訴えた。  

(K)


報告 : 土砂で辺野古に運ぶな!本土からの特定外来生物 8月土砂投入ストップ!7.25首都圏集会

IMG_2565 七月二五日午後六時半から、東京・全水道会館で「土砂で辺野古に運ぶな!本土からの特定外来生物 8月土砂投入ストップ!首都圏集会」が主催:辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会/辺野古土砂搬出反対!首都圏グループ、共催:辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会、協賛:「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委で開催され、二〇〇人を超える人々が集まった。

 首都圏グループの岩槻武行さんが「土砂投入が決められ、翁長知事がこれを拒否するという緊迫した状況にある。二〇一二年土砂搬出問題について話し合い、防衛省や環境省に申し入れを行い、二〇一四年からは署名運動を始めて広がっている。首都圏でも埋めるな連ができた。何としても土砂投入を止めよう」と主催者あいさつをした。

県は最大の切り札を行使する

 次に、全国から参加した土砂連の仲間が報告した。

 沖縄から、北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会・土砂全協顧問)が緊迫する情勢について話した。

 「知事がいつ承認取り消しを発表するかにかかっている。防衛省は土砂・石材を大量に運び、工事の強行の構えを見せている。現状にしぼって報告する。八月一七日以降から土砂を投入する。辺野古側の②―1工区から始める。七月一九日に外周護岸がつなげられた。一週間県庁前座り込みと翁長知事になり初めて知事室前座り込みを行った。七月一九日、副知事と市民側一〇人が会った。副知事は『七月中の埋め立て承認撤回を表明し、防衛省への聴聞の手続きを始めること』を明言した。聴聞には一カ月かかる。県は最大の切り札行使へ向かう。①八月一七日に間に合うのか、②国の対抗策は? 国は効力の執行停止を求めて、国と県で新たな裁判が始まる。しかし工事は行われるだろう」。

 「最大の争点は軟弱地盤の問題だ。大規模な地盤埋め立てが必要となり、設計変更が必要だ。そうなれば知事の承認が必要となる。知事選が決定的な意味を持ってくる。大型のケーソンを置けない。この問題についてデーターが不存在であるとして非開示にしてきた。それに対して裁判を起こして闘っている」。

 「八月一一日、オール沖縄として県民大会、八月六日~一〇日、八月一六日~一八日を集中大行動としている。ゲート前は苦しい状況が続いている。一人でも多く人が結集して欲しい」。

有害外来生物を運び込むな

 報告②。大津幸夫さん(自然と文化を守る奄美会議・土砂全協共同代表)。

「辺野古に土砂を運ぶために、採石場で石を削り、岩ズリを山積みにして搬出の準備をしている。那覇第二滑走路の建設のための埋め立て工事で石材を搬入した。採石場や港湾などで特定外来生物ハイイロゴケグモが発見された。石材を洗浄して搬出した」。

 「辺野古埋め立ての土砂を水で洗ったらなくなってしまう。大量の土砂を高熱処理、塩水処理の方法は非常に困難だ。鹿児島県に対して、ハイイロゴケグモの侵入する奄美大島から土砂(岩ズリ)の沖縄県への搬出に対して、沖縄県や県議会から、協力要請があったら全面協力してほしい、と七月二〇日までに回答するように申し入れた。県は国がやることと逃げた。各県で反対集会をやろう」。

 報告③。八記久美子さん(北九州連絡協議会)。「門司地域には、五つの採石場に、全体の三五%に当たる七四〇万㎥の岩ズリのストックがある。辺野古土砂北九州は三年前に三二団体で結成し、故郷の土を戦争に使わせないために、様々な活動を行っている。門司では外来生物のオオキンケイギク・セアカゴケグモ・ヒアリが見つかっている。万が一土砂が搬出されるようになった場合、全量検査は絶対の条件だ」。

 「沖縄の基地を知ってもらうために、『辺野古シネマ』と銘打った映画上映会を行ってきた。そして八月五日には稲嶺進さんの講演会を開く。昨年の冬に、福岡県や北九州市と交渉を行った。『要請があれば知らん顔はできない』という言葉をもらった。『辺野古土砂北九州』と『山口のこえ』で合同の『福岡山口土砂会議』を開き、議員と市民が学習会や情報交換を行っている」。

 「福岡で進む米軍の基地化。自衛隊築城基地の緊急整備は普天間基地返還の条件の一つで、いま滑走路を三〇〇m沖合に延長する問題が起きている。芦屋基地でも滑走路の延長が言われている。福岡空港ではヘリ拠点機能を移設し二〇一九年度末完成予定。基地建設にも反対していく」。

全国から土砂を搬出させない!

 報告④。安陪悦子さん(辺野古土砂搬出反対全国協議会共同代表)が全国協の運動を紹介した。

 辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の歩み。二〇一五年奄美市で、七団体で全国協が発足。署名運動を開始。沖縄県で土砂条例可決。二〇一六年、加盟団体。

香川県:小豆島環境と健康を考える会、故郷の土で辺野古に基地をつくらせない
香川県連絡会、山口県:「辺野古に土砂を送らせない」山口の声、福岡県:「辺野古埋め立て土砂搬出反対」北九州連絡協議会、門司の環境を考える会、熊本県:辺野古土砂搬出反対熊本県連絡会、長崎県:五島列島自然と文化の会、鹿児島県:南大隅を愛する会、自然と文化を守る奄美会議、沖縄県:本部島ぐるみ会議・島ぐるみ会議名護、三重県:辺野古に土砂を送らせない三重県民の会(ケーソン)他六団体と二協力団体。二〇一八年三月防衛省交渉。署名提出計一一万七三一〇筆。

 各地の対県交渉。各県から前向きな答弁引き出す。


 鹿児島県:二〇一六年、一七年、一八年七月一一日、要望・要請活動。

 熊本県:県から書面回答で「沖縄県からの要請が出ていない段階では対応等を
お示しすることはできません。要請があれば国と協議し対応を検討することとし
たい」。
 長崎県:二〇一七年三月、県交渉で、一般論と断りつつ「沖縄の土砂条例に基づいて協力要請があった場合に、長崎県としては沖縄の条例の範囲内でこれに協力する体制をとる」「各県ごとに、生物多様性地域戦略を推進する立場から、これは自らの責務であることを確認する作業が必要」。

 福岡県:二〇一七年一二月、北九州市環境保全課長「沖縄県から(外来種対策
の協力)要請があれば検討します」。

 山口県:「二〇一七年一〇月、議会環境福祉委員会で県環境政策課長が「具体
的な要請がない」と断りながらも、議員の重ねての要請に「一般的に出来ることと出来ないことはあるが、出来ることには真摯に対応する」。

 香川県:「二〇一八年二月定例議会で、浜田知事答弁があり「沖縄県の条例に
基づく立ち入り調査は、基本的には同県が実施するものであるが具体的な協力要請があった場合には、その内容を確認した上で所管する法令等に基づき対応したい」。

 土砂全協は五月二九日、沖縄県副知事への要請、七月二日県議会与党会派へ

「土砂条例の改正―届け出制を許可改正に、罰則規定を設けるなどの申し入れをした。県外土砂搬出に反対する署名活動を展開する。国会での野党会派とりわけ立憲民主党への働きかけを強める。

 報告⑤。中村さん(辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会)が「首都圏で大成建設抗議、MXテレビ問題、警視庁機動隊の高江への派遣違法訴訟などを行ってきた。六月に二七団体で埋めるな連を結成した。八月一一日には県民集会に呼応して池袋デモ、知事承認撤回表明後に官邸前での抗議行動を予定している」と報告した。

全国自治体も前向きな対応

 全国港湾労働組合連合会・糸谷欽一郎委員長が「沖縄港湾が辺野古新基地反対の声を上げ、門司港湾が岩ズリ・土砂搬出・搬入を決めた。全体として沖縄に岩ズリを持っていくことはけしからんとなった。なぜ日本に米軍基地を存続させる必要があるのか。フィリピンではスービック、クラーク米軍基地を返還させた。フィリピンでできたことが日本でできないはずはない。米軍基地はいらない」とアピールした。「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委の木村辰彦さんが発言し、辺野古基金共同代表の菅原文子さん(メッセージ代読)がアピール。

 湯浅一郎さん(土砂全協顧問)がまとめと行動の提起を行った。当面の行動として、八月から新たな署名活動を展開する。そして、防衛省、環境省に対して、外来生物防除対策を示せと迫る。富田英司さん(首都圏グループ)が集会決議を読み上げ、松本宣崇さん(土砂全協事務局長)が閉会のあいさつを行い、熱気につつまれた集会を終えた。

          (M)



報告:7.8三里塚—東峰現地行動

8東峰1 7月8日、三里塚空港に反対する連絡会は、旧東峰共同出荷場跡に結集し、「飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港「第三滑走路」計画を撤回せよ! 反原発—再稼働やめろ! 沖縄・辺野古の新基地建設反対! TPP反対!」を掲げ、東峰現地行動を行い、55人が参加した。

 安倍政権の憲法改悪・グローバル派兵国家建設と連動して、国と成田国際空港会社は、3月13日、千葉県と空港周辺九市町で四者協議会を開き、2020年東京五輪・パラリンピックでの旅客の増大を口実にした飛行時間の延長(現行午前6時〜午後11時までを午前5時から翌日午前1時まで)、平行(B)滑走路の北側延伸、2030年度までの第三滑走路建設を強行することで合意した。

 自治体など推進派は、住民の反対を無視し、交付金の増額・地域振興策と引き換えに空港会社の見直し案を受け入れ「早急に地域振興策を」と、前のめりになってきた。住民の生活を破壊してでも一部の利害関係者の利益を追い求めるという姿勢で一貫している。

 しかし、各地区説明会では、移転対象となる住民、新たに騒音地域となる住民、騒音がさらに増大する騒音地域住民からは厳しい批判の声が上がり、断固反対が次々と表明された。

 横芝光町の騒音被害を受ける住民は「騒音だけが増えてメリットは何もない」と反対を表明。芝山町の南部の住民も「なし崩し的に合意した」と四者協議会の合意を批判し、飛行時間の延長を中止することを森田県知事に求めた。成田市の空港予定地内に住む東峰地区住民も、住民を無視した一方的な決定を批判し、生活を破壊する空港機能強化に反対する声明を出している。

 空港会社の夏目誠社長は、「機能強化に向けて手続きを着実に進める。地権者の同意を頂くことが早急に必要になっている」と称して用地業務推進室を設置し、土地の取得などを担当する用地部の職員を増員(80人)に増やした。すでに用地買収同意書をばらまき用地買収に着手した。つまり、空港会社の「親切、丁寧に」のスローガンとは真逆の態度で居直り続け、住民の人権・環境破壊、過密運航等
空港公害の拡大に突き進んでいる。このような推進派のねらいを許さず、闘う農民、住民と連帯し、木の根ペンションとプール、横堀大鉄塔と案山子亭、横堀研修センターなどの闘争拠点を打ち固め、スクラムを強化していこう。

 集会は、山崎宏さん(労闘—労活評議会/横堀地区)のアピールから始まり、「説明会で石井紀子さんが空港会社になにをもって合意がなされたのかと問いただしたら、空港会社の担当者は答えられなかった。ここに象徴されるように住民の話を聞く姿勢はない。形式的に説明会を行い、自治体首長が合意したというものだ。一方的な計画の押し付け、あらゆる権力を使って圧力かけ、大金をばらまきながら押し進めるというやり方は空港建設当初から今回の事態まで本質的には何ら変わるものではない。私たちは空港会社など推進派を許さず、第3滑走路建設反対!東京五輪を利用した飛行時間制限緩和に反対していこう」と訴えた。

 石井紀子さん(川上地区)は、強風続きの天候を語りながら、「オウム真理教の7人が死刑執行された。国家による大量虐殺だ。大量虐殺を行ったから同じようなことをするのか」と批判した。

 さらに、「今日は敬愛するじいちゃん(石井武さん)の命日だ。じいちゃんの思い出を語りたい。私が嫁に来たころ、もっぱら反対同盟の全国行脚をやっていた。援農や来客も多かった。じいちゃんは色々と喋っていた。内容もおもしろかった。ばあちゃんは飯がないのになと嘆いていたときもあった。小泉政権の時、公開討論をやって、絶対に負けないぞと言っていた。実現はしませんでしたが、本気だった。どこに出ても誰にも負けない正義と主張があると自信を持っていた。晩年は病気との闘いで苦労していたが、最後は苦しくむこともなく逝った。じいちゃんは東峰の墓地に分骨し眠っています。息子の恒司さんは墓地を売ってしまった。本当にショックだったが、今も墓地にじいちゃんがここにいてくれることが一番の支えだ。皆さん、時間があったらお墓参りしてください。喜ぶと思います」と発言した。

 平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「4月4日東峰火災についてのご報告とおわび」の文書を配布し、経過を報告し、「樋ケさんの家も、三里塚物産の冷蔵庫も同地での再建は果たせませんでした。東峰六三番地の一坪共有運動に力を与えていたに違いないと思うとき、これらを共に失火により消滅させてしまった不始末の責任の重さを感じずにいられません。一坪共有者の皆さんと、日々三里塚闘争を闘われている皆さん、また三里塚闘争に心を寄せている皆さんに心より深くおわび申し上げます」と発言。

 さらに「三月に四者協が行われ合意したとぶち上げた。4月5日に、もう四者協で合意しちゃっていたのに東峰地区の説明会を行った。東峰の人たちは、岩沢という空港会社の共生部長が第一回目の説明会の時、『空港機能強化のご説明は、期限はない。繰り返し双方向、対話型の性格です』と言っていた。四月の説明会では、どういうことなのかと問いただした。ところが岩沢部長は参加しなかった。住民がコケにされている。闘いはこれからだ」と糾弾した。

 集会後、開拓道路に向けてデモに移った。B滑走路に向けて「第三滑走路建設をやめろ!飛行制限緩和を許さない!」のシュプレヒコールを行った。

 デモ終了後、第三滑走路計画の現地調査に入った。山崎さんのガイドで参加者
は、成田空港周辺地図を見ながら各ポイントをチェックしていった。明らかに計画の杜撰であること、住民無視の環境破壊に満ちていること、ゼネコンなど空港利権を膨らませる建設であることを確認した。

(Y)





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