虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

【案内】フクシマ事故から一年、「もう原発はいらない!」 3.11 東電前【大】アクション!

≪拡散大歓迎≫
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フクシマ事故から一年、「もう原発はいらない!」

3.11 東 電 前 【大】 ア ク シ ョ ン !

呼びかけ:東電前アクション!
BLOG: http://toudenmaeaction.blogspot.com/
TWIT: http://twitter.com/toudenmaeaction
MAIL: toudenmae.action@gmail.com

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日時:2012年3月11日(日)
   11時~12時30分頃まで(途中参加歓迎)

場所:東京電力本店前
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
JR・東京メトロ・都営地下鉄浅草線新橋駅より徒歩5分
都営地下鉄三田線内幸町駅より徒歩3分

■鳴り物、自作プラカード、歌う人、叫ぶ人、静かに意思表示する人歓迎。

■このアクションはフライングダッチマンの「ヒューマンエラーパレード」に参加します。
詳細⇒ http://fryingdutchman.jp/parade/

■東電前アクション!は、このアクションの後の「3・11原発ゼロへ!国会囲もうヒューマンチェーン」への参加も呼びかけます。
詳細⇒ http://2011shinsai.info/node/1625

■このアクションを「非暴力」「反差別」の行動として呼びかけます。


★3.11にあらためて叫ぼう!「もう原発はいらない!」
☆さあ文句をつけに行こう!「東電解体!」

未曾有の大事故から一年。政府の「収束宣言」とは裏腹に福島第一原発は、

1号機は政府・東電も認める溶けた燃料の地下への進行、いわゆる「チャイナシンドローム」状態。

2号機は謎の温度上昇、しまいには温度計が壊れたことにしてしまう無茶苦茶ぶり。

3号機は使用済み燃料プールを吹き飛ばして、現在でも高線量を放出し続けて、

4号機は元旦の地震以降、使用済み燃料プールの配管から水が漏れ続けて、洗面器のような容器で汚染水を受け続けている状態。

「収束」どころか、次に地震が来たら東日本全域にまで人が住めなくなる可能性さえ指摘されています。

それでも原発に固執する東電は、柏崎刈羽の再稼働のためにすでに昨年11月に新たに核燃料棒を搬入しています。
「ストレステスト」なんて茶番だから気にしない、と言わんばかりに着々と再稼働の準備を進めているのです。
それどころか、フクシマ事故の風化を待ち、福島第二原発の再稼働さえ目論んでいるということが伝えられています。

想像以上の安い日給でロクに線量検査もしないままに収束作業員を使い捨てる東電。
一方では相変わらずの高報酬の役員に社長には億単位の退職金の東電。
そして、避難所暮らしの被害者や自主避難者への賠償からいかに逃げ切るかしか考えていない東電

こんなブラック企業が存続して、いままた原発を動かすなんて許されるわけがないっ!

少なくとも三つの活断層の上にある柏崎刈羽原発は、2007年の地震で三つの原子炉がダウンしたまま。
「フクシマ」はとっくに新潟で起きていたのかもしれない。

これ以上原発を動かして、新潟の子どもたち・農業・漁業・未来を見殺しにするわけにはいかない。
柏崎では住民投票でプルサーマル計画を断念させるなど、人々は「もう原発はいらない!」と意思表示してきました。
東電の原発を止めるのは、東電の電気を使ってきた東京・首都圏の人間の責任です。

さあ、3月11日の東電前【大】アクション!で文句をつけ、要求しよう!

「もう原発はいらない!」 「すべての放射性物質を回収しろ!」
「すべての被害者に真摯に賠償しろ!」 「東電役員は収束作業に行け!」
「真摯に賠償して解体しろ!」 「収束作業員の健康維持に万全の態勢で臨め!」
「避難したい人の避難する権利を認めろ!」
「原発再稼働をあきらめろ!」 「柏崎刈羽も福島第二も廃炉にしろ!」
「電気料金の値上げなんてフザケルナ!」

3.11のフクシマ事故によって、誰もが未来の描けない世の中にされてしまいました。
こんなことを、もう日本のどこでも、世界のどこでも繰り返させてはなりません。

私たちは、私たち自身の責任とケジメによって、原発の再稼働を絶対に阻止して「原発ゼロ」を実現させましょう。
そして、カネのために人を殺してかまわないという連中を政治・経済の表舞台から一掃しましょう!

だから3.11に東電前【大】アクション!でともに叫ぼう。

「もう原発はいらない!」「東電は解体しかない!」

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報告 2月25日、竪川デモ

tate2 二月二十五日、竪川河川敷公園の野宿者排除に反対する亀戸一周デモが行われた。


十一時から亀戸駅近くの文泉公園で行われた集会ではまず実行委の仲間が発言。一月二十一日に行政代執行をかけられていた五の橋のたもとから工事の終わったA工区多目的広場へと移動してから一ヶ月の動きを振り返る。二十七日には江東区による公園のフェンス封鎖が行われ、二月八日日には一人で五の橋のたもとに残っていたAさんの小屋に対して行政代執行による強制排除が行われ、翌日の抗議行動では一名に支援者が逮捕されている。


 代執行によって持っていったAさんの荷物だが、代執行前には「とりにくれば返す」と言っていた、水辺と緑の課・荒木課長は「代執行にかかった費用を払わないと返さない。」と言い出したが、弁護士が電話すると「返す」と言ったり「検討中」と言ってみたりと、はっきりしない。


 移動した仲間のテントにはすぐに警告書が貼られ、その後、指示書も3回貼られている。年末からの動きを見ると3回、警告書が貼られた後、最後の警告書の撤去期限の翌日に、弁明機会通知書が出されて、行政代執行の動きが始まっていったので、再度の代執行という事態も十分に考えられる。「行政代執行を許さず、闘おう。」と発言を結んだ。


 続いて竪川現地の仲間が小屋を守り抜いて闘っている現状と、再度の代執行を許さない決意を表明し、竪川とともに追い出しと闘う荒川の仲間、野宿者六名が参加した三多摩の仲間が発言。


 続いて各団体から連帯の発言、争議団連絡会議、経産省前テントの仲間、宮下公園のナイキ公園化に対して国賠を闘う仲間、2・9竪川弾圧救援会、竪川と連帯する関西有志の仲間が発言。


 最後に竪川の「長老」が発言してデモに出発。


 参加者約五十人は竪川周辺の亀戸を一周し、地域に「野宿者排除反対」を訴えた。


 この間仲間たちは区役所前の他、駅前など地域でもビラ撒きを行っているが、そのビラを受け取った地域住民も今回のデモに参加した。


 八日の代執行後には戻ってきたAさんのテント(仲間が再建した)に近所の主婦が訪れ「心配していたのよ!また合えて良かったわ。」と話していたのが印象的であった。 キャットフードを差し入れていたが、猫を飼っているAさんの所には猫好きの近所の人たちがよく訪れているとの事。


 区は区民からの苦情を野宿者排除の口実にしたり、野宿者がいると危険などとして公園の封鎖を正当化しているが、竪川に十五年も住むAさん初め、地域住民とは顔見知りであったり、散歩に来る人と立ち話をしたりするような関係性が作られていたのである。


 それが、区による野宿者排除が進むにつれ、少年たちの襲撃なども頻発するようになっていったのである。


 江東区に対して「再度の行政代執行を許さない!」という声を大きく広げていこう。


                                     (板)

報告:第23回 国賠ネット交流集会

DSCF6159 2月25日、国賠ネットワークは、スペースたんぽぽで「第23回 国賠ネット交流集会」を行い、54人が参加した。

 ネットは、1990年2月、国家権力の犯罪を許さず、尊厳をかがけて闘いを挑み、被害・損害の完全な補償と謝罪、そして権力犯罪の抑止と人権の確立をめざして第一回交流集会を開催した。すでに58団体、OB、原告と支援者たちの参加のもと、粘り強くネットを作り、各国賠裁判が取り組まれている。集会は、昨年の活動を集約し、各国賠の現状報告と交流が行われた。

 土屋翼さん(ネット代表世話人)からネット総括の提起で集会が始まり、「『やられたら、倍やり返す』ような『明るい国賠』には勿論、勝訴したいと、22年闘ってきた。いまだ国賠裁判の先のほうには灯りは残念ながら見えません。一方、再審事件は、証拠開示がすすみ、ゴビンタさん事件、福井女子中学生殺人事件、狭山事件、袴田事件、名張ぶどう酒事件、東住吉放火事件など、再審の扉は音を立てて開かれようとしています。この間蓄積した、知恵・知識・情報等を駆使して一つでも勝訴を獲得するよう活動を強化していこう」と強調した。



権力犯罪を糾弾し続ける



 各国賠からの報告。

 沖田痴漢えん罪事件(1999年、9月不当逮捕)は、「事件は、電車内で携帯電話を注意されたことによる女性の逆恨みから虚偽申告した女性と警察官による痴漢でっちあげ事件だ。不起訴となったが、02年4月に国賠の提訴をした。再上告して1月12日、棄却となり、敗訴が確定した。だが判決は、痴漢行為否定の二審判断を認めたが、賠償請求は認めなかった。結局、裁判所は警察・検察の違法性、責任追及を放棄した。今後は、国連人権委員会に対して提訴し、闘っていく」と報告した。

 大河原宗平・元群馬県警警部補の懲戒処分分取消訴訟とデッチ上げ逮捕によるえん罪国賠は、「大河原さんは群馬県警の裏金作りを批判したため、県警はもみ消しのために公務執行妨害罪をデッチ上げ不当逮捕し(04年2月)、懲戒免職となってしまった。果敢に闘ったが、一審敗訴。控訴審を闘っている。テレビ東京でこの事件が取り上げられ(12年1月21日)、片桐警察庁長官が『法廷の場で県警が適切に対応していく』などと異例の言及をしたほどだ。今後も支援を御願いします」と決意を表明した。

 護衛艦「たちかぜ」イジメ自殺国賠は、「判決(1月26日)は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との事実的因果関係を認める内容であった。しかし、隊員の自殺について、先輩隊員にも幹部自衛官らにも予見可能性はなかったとして、先輩隊員の加害行為により被った精神的苦痛の範囲でしか損害賠償を認めなかった。控訴審における争点は、先輩隊員の加害行為と隊員の自殺との間に相当因果関係が認められるかという一点に絞られている。加害者や国に、隊員の自殺について法的責任があることを判決で明確にさせなくてはならない」と訴えた。

 さらに報告は、富山(氷見)国賠、築地署公妨国賠、新宿署違法捜査国賠、渋谷事件(星野再審)国賠、入江憲彦・元長崎県警警部補国賠、よど号国賠、東電シイタケ損害賠償、麻生邸リアリティツアー国賠から行われた。



えん罪国賠裁判における証拠開示



 第二部は、富山・氷見冤罪国賠弁護団代表である前田裕司弁護士が「えん罪国賠裁判における証拠開示」をテーマに提起した。 

 富山・氷見冤罪国賠は、富山県氷見市でおきた強かん事件(02年)で柳原浩さんが不当逮捕され、服役に追い込まれ、満期服役後、真犯人の出現(06年)により発覚した冤罪事件。09年5月、国賠を提訴。富山県警察及び富山地方検察庁高岡支部による違法な捜査や公訴提起の全容の解明、冤罪の原因を究明、および違法な捜査や公訴提起を強行した中心人物である警察官の被告 N 、検察官の被告 M の
責任を追及していく闘いだ。

 裁判の過程で原告と弁護団は、事件の全貌を明らかにしていくために検察に証拠開示を求めたが、一部は開示されたものの、そのほとんどがマスキングされたものだった。被告が開示を頑なに拒否してきたため文書提出命令申立てを行った。

 前田さんは、証拠開示の攻防の取り組みなどを紹介しながら①刑事事件における弁護人の証拠開示請求権②民事訴訟における国の手持ち証拠の開示の方法③検察官に対する証拠開示請求以外の書類等の入手方法④捜査機関が捜査過程で作成する書類の存在―などについて説明した。

 そのうえで「国と県は、告訴状と被害者の供述調書の一部を任意に開示し、その余は不開示だ。この対応をどうするかが問われている」と今後の方向性を提起した。なお第13回口頭弁論(2月1日)で被告の国は二五通の証拠を新開示してきた。裁判所の原告の文書提出命令申立てに対する判断前の幕引きをねらっていることは明らかだ。「事件の真相」に迫る闘いが攻勢的に展開されている。



東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」を許さん!



 集会の最後に交流集会恒例の国賠ネットワーク大賞に布川事件の桜井昌司さんが受賞。


 最悪賞は、東電代理人の「長野・大野・常末法律事務所」。受賞理由は、福島の二本松ゴルフ倶楽部が東電に「除染せよ」と訴えた裁判で代理人は「放射線は原発から離れた無主物ともいう存在であり、もはや東電のものではない」と反論したことだ。ネットは、弁護士法第一条の「弁護士の社会正義追及義務規定違反だと断罪した。

(Y)

秘密保全法案━人権・表現・取材・報道の自由に敵対する反動法制を阻止しよう

bbcea243-s 野田政権は、グローバル派兵国家建設の一環として秘密保全法案を今国会に提出しようと策動している。法案は、公務員らが「国の存立に重要な情報」(特別秘密)を漏らした場合、厳罰化によって統制強化しつつ、同時に民衆の知る権利や報道の自由を規制強化することがねらいだ。日米安保軍事情報、沖縄基地問題情報隠しなど、とりわけ脱原発運動のうねりの中で政権は秘密保全法を使って原発事故・再稼働・放射性汚染などをめぐる情報隠し、敵対を強めてくることは必至だ。

 法案制定策動は、直接的には中国漁船拿捕事件ビデオの動画投稿サイト「ユーチューブ」流出事件(2010年9月)、公安政治警察外事三課の対テロ捜査書類のインターネット流出事件(10月)が発生し、当時の菅政権が統治能力の脆弱性を立て直すために「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(11年1月)をあわてて設置し、「秘密保全」法の制定を提言する報告書(8月8日)をまとめたことになっている。

 だが、すでに米軍情報防衛のための「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)(2007年)の徹底を求める米国の圧力によって治安担当官僚らは、米国の軍事戦略と連動した治安弾圧体制強化のために新防衛計画大綱で「情報収集能力・分析能力の向上」と「各府省間の緊密な情報共有と政府横断的な情報保全体制を強化する」ことを押し出し、「秘密保護法の制定」を確認していた。その結果として内閣官房長官、内閣官房、警察庁、公安調査庁、防衛省、外務省、海上保安庁、法務省の官僚によって「政府における情報保全に関する検討委員会」(2010年12月)を立ち上げていたのだ。

 自民党政権時の「スパイ防止法」案(1985年廃案)は、秘密保護の対象を防衛・外交秘密にまで広げ、最高刑は死刑とする内容だった。「国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」としたが「努力義務」のレベルであり、人権侵害、報道・取材の制約を狙っていた。この流れをも取り込みつつ、前段の蓄積を引き継ぐ形で有識者会議が法案の骨格となる報告書を提出し、野田政権が法案制定に着手することになったのである。



新たな治安弾圧を跳ね返そう



 法案の全文は、まだ未公表だが有識者会議報告書を土台にすることは間違いない。以下が報告書の主な内容だ。

 第1は、国の安全、外交、公共の安全・秩序の維持の三分野において当局の恣意的判断にもとづいて秘匿性が高い情報を「特別秘密」とした。この「特別秘密」を取り扱ったり、知り得たりした人が「故意」に情報を漏えいした場合、懲役五年、あるいは10年以下の懲役刑としている。現行の情報漏えいに対する罰則は、国家公務員法では「職務上知り得た秘密」を漏らした公務員を「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」、自衛隊法では「五年以下の懲役」だが、重罰主義で対応する方針なのである。

 また、「特別秘密」の漏えいをそそのかした場合(教唆)も処罰対象になる。「独立教唆」とし立件するとしている。

 第2の柱は、「適性評価制度」だ。各行政機関の長が実施権者となって「特別秘密」を取り扱う職員を制度にもとづいて人定事項調査、公安機関を動員したスパイやテロへの関与調査、犯罪歴、薬物・アルコール・精神問題での通院歴などを事前調査し、判定しておけというのだ。人権侵害の対象はこれだけではない。「配偶者のように対象者の身近にあって対象者の行動に影響を与え得る者についても」事前調査をやっておけというのだ。プライバシーの侵害を否定し、監視・調査対象の拡大である。

 警察白書(11年)は「情報保全の徹底・強化のための方策を推進し、情報保全に万全を期す」と述べ、法案制定を応援し、公安政治警察は大歓迎している。新たな治安弾圧の踏み込みを許してはならない。

 第3が取材の自由の制約である。報告書は「不当に制限するものではない」と言っているが、全くの嘘なのだ。「国民の知る権利等との関係」で「正当な取材活動は処罰対象とならないことが判例上確立している」、「特定取得罪は、取材の自由の下で保護されるべき取材活動を刑罰の対象とするものではない」などと言いながら、すぐに「刑罰法令に触れる」取材は処罰対象だと明言し、恫喝しているところに現れている。

 わざわざ「財物の窃取、不正アクセスまたは特別秘密の管理場所への侵入など、管理を害する行為を手段として特別秘密を直接取得する場合」、「欺罔により適法な伝達と誤信させ、あるいは暴行・脅迫によりその反抗を抑圧して、取扱業務者等から特別秘密を取得する場合」などをあげながら、「犯罪行為や犯罪に至らないまでも社会通念上是認できない行為を手段とするもの」も処罰対象とするとしている。これが本音なのだ。



法案反対のスクラムを



 結局のところ「社会通念上是認できない行為」が政府・治安担当官僚の手前勝手な秘密範囲の認定、弾圧対象を拡大し、取材制限することなのだ。強引な手法を駆使しながら内部告発を阻止し、民衆の知る権利への敵対に貫かれている。

 秘密保全法案に対しては日本弁護士連合会、日本新聞協会は知る権利や取材の自由の制約につながると懸念を表明している。

 なかでもムスリム違法捜査弁護団(旧:公安テロ情報流出被害弁護団)は、公安政治警察外事三課の対テロ捜査デッチあげ書類のインターネット流出事件の国家賠償請求訴訟を闘っている中で、「秘密保全に関する法制の整備に対する意見」を公表し厳しく批判している(2011年11月24日)。

 意見は、「本事件が『国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案』として『主要な情報漏えい事件等の概要』に掲げられ、秘密保全法制の必要性を裏付ける事案とされていることに抗議」し、「警察による情報収集活動の名のもと、イスラム教に関係する個人、団体等に関する個人情報が人権を侵害する態様で違法に収集・保管されていたものであり、秘密保全法制がこのような行政機関による人権侵害の秘匿を容易にする」危険性を明らかにしている。

 法案を通した国家権力の人権軽視と居直りを許さず糾弾していこう。表現・取材・報道の自由(憲法21条)に敵対する秘密保全法の制定を阻止していこう。

(Y)

報告:2.22江東区長はウソをつくな!小屋を返せ!仲間を返せ!集会・デモ

tate3 2月22日、江東区による二・八竪川河川敷公園の一軒の小屋に対する行政代執行の強行、Aさんに対する暴力排除に抗議する集会(東陽公園)と江東区役所包囲デモが行われ、61人が参加した。呼びかけたのは、竪川河川敷野宿者有志、山谷争議団、山谷労働者福祉会館活動委員会。

 江東区は、竪川河川敷公園で生活している野宿者たちの人権や居住権を破壊する暴挙を立て続けに強行した。行政代執行による小屋を破壊し、Aさんを排除しつくした。さらにテント村の周りにフェンスを張り立ち入り禁止処置にした。仲間たちは、区に対して繰り返し話し合いを求めてきたが拒否し、あげくのはてに暴力ガードマン、国家権力を使って弾圧してきた。なんとその理由が「住民の安全」だというのだ。

 区は、このような暴挙を行っていながら、「江東区報」(2・1)で「区では、一日も早く正常な公園利用を確保できるよう、今後とも警察関係機関とも連携しながら、不法占拠者に対し園内不法設置物の撤去と園内からの退去を強く求めていきます」などと居直ってきた。野宿者の生存権を否定する区を許してはならない。区長山崎孝明は謝罪しろ。国・行政の野宿者排除・排斥政策の強化を跳ね返していこう。



 集会は主催者アピールから始まり、「2・8竪川河川敷公園行政代執行から二週間。区は、Aさんの同意なしに小屋を破壊撤去し、病院に強制入院させ、フォローすることもしなかった。この強制排除を1日たりとも忘れることはできない。生活と生存権を奪われた仲間たちとともに江東区に抗議し、テント村を守る闘いを取り組んでいこう。仲間の生活と命は、仲間自身で守り抜く」と訴えた。

 竪川河川敷野宿者有志は、行政代執行時の様子を報告し、「ほんとに悔しい。暴力の賜物だ。両手両足を掴み、引きずられた。これ以上の暴力と差別をやめてくれ」と糾弾した。

 続いて竪川の仲間は、1月17日のフェンスを貼られた様子を報告し、「絶対に区には負けない」と発言。

 さらに渋谷の仲間、荒川河川敷で暮らす仲間たち、争議団連絡会、二・九竪川弾圧救援会(声明別掲)から発言が続いた。

 集会終了後、江東区役所に向けてデモに移った。すでに区役所前には機動隊バス四台が駐車中し、機動隊、公安政治警察が百人以上が弾圧シフトで対応してきた。デモ隊は、区役所前で「山崎区長は謝罪しろ!生存権をかちとるぞ!命の砦・竪川テント村を守りぬくぞ!」とシュプレヒコールを行った。(Y)

 

 

2.9 竪川弾圧救援会

http://solfeb9.wordpress.com/



 江東区・警視庁による竪川野宿支援者への弾圧にかんする救援会声明

 

 2月9日、江東区役所内で、前日の竪川で強行された行政代執行への抗議行動が闘われ、その渦中で、支援者のAさんが不当にも逮捕されました。

 新聞・テレビニュースなどでは、Aさんが区役所内のガラスを割り、器物損壊の現行犯で拘束され、逮捕されたと、単なる「暴力事件」のように報じられています。

 しかし、今回の事態の全責任は江東区にあります。

 当日の抗議行動は、前日の行政代執行の理不尽なやり方に抗議した正当な申し入れ行動でした。

 江東区土木部・水辺と緑の課は、2月9日に現地で団交を行うと約束しておきながら、抜き打ち的に代執行を強行、大勢の区職員と警備員が、当事者および支援者を暴力的に排除して、小屋を破壊するという暴挙に出たのです。さらに九日に予定されていた団交は直前になって拒否されました。

 9日の江東区役所への抗議行動は、こうした経緯の中で緊急に呼びかけられたもので、だまし討ち的な代執行と団交拒否の釈明を求めるために土木部に赴きました。ところが多数の職員が立ちはだかり、面会を拒否した上に、「退去警告」を繰り返し、まるで「不法侵入者」を追い払うかのように暴力的に排除したのです。

 さかのぼること1月27日には、竪川のテント村に、多数の区職員、警備員、警察官が押し寄せ、フェンスを張って通行禁止にするという暴挙にでました。この際も、抗議する当事者、支援者が引きずりだされるなど、暴行が加えられました。

話し合いを拒否し、恫喝と問答無用の暴力で、竪川の住人の生きる権利、生活拠点を一方的に奪う江東区こそが弾劾され処罰されるべきです。

 逮捕されたAさんは、深川署に留置されましたが、その夜中に突然、原宿分室に移送されました。人権を無視した警察の対応に抗議したことでAさんは、何と「保護室」(保護房)に叩き込まれました。

 保護房でのAさんの生活は、枕もふとんも与えられず、トイレはむき出し、食事も手づかみ、蛍光灯が24時間ついていて満足に眠れない、洗面、歯磨き、ペンの使用も認められない、本や新聞の差し入れもだめ、さらには、ひげ剃りや喫煙、体操さえもできないという、非人道的な状況を強制されています。

 「保護」どころか、拷問以外の何ものでもない、深川署および原宿分室の不当な処遇はただちにやめさせなければなりません。そして、Aさんを一日も早く取り戻すために、救援を呼びかけます。

 江東区土木部への抗議を! Aさんを保護房に閉じ込め不当な処遇を続ける原宿署、取り調べを担当する深川署への抗議を集中してください。

 救援カンパをお願いします。



 2012年2月14日





【カンパ振込先】

●ゆうちょ銀行

振替口座 00140‐2-750198 口座名称:ミンナノキュー

※ 通信欄に「2.9竪川」とご記入ください



●他銀行からの振込の場合: 019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198

※銀行振込の場合、振替用紙のように通信欄がないためメッセージが添付できません。メールアドレス:

 solfeb9@gmail.com の方へ入金次第を連絡していただければと思います。



【抗議先】



江東区・土木部 水辺と緑の課

電話: 03-3647-2538

FAX: 03-3647-9287



深川署

電話: 03-3641-0110(代表)



原宿署

電話:03-3408-0110(代表)
 

【4.7アジ連講座】生きたマルクス主義を次世代に-ベンサイド『21世紀マルクス主義の模索』を読む

4.7アジ連公開講座
生きたマルクス主義を次世代に
ベンサイド『21世紀マルクス主義の模索』を読む
 
日時:4月7日(土)午後6時30分

場所:文京シビックセンター障害者会館3A(地下鉄春日駅)

 
講師:湯川順夫さん(翻訳家)「ダニエル・ベンサイドのメッセージとわれわれの課題」  

コメント:中村富美子さん(ジャーナリスト) 「政治闘争家でもあった哲学者ベンサイドの遺産」(週刊金曜日2011.12.16掲載)
 
資料代:500円
 
 

db 二世紀におよぶ階級闘争の歴史的射程のもとでいかに「現在」をとらえ、世界変革を展望するのか。その方向性を探求していく取組みの一環としてフランスのマルクス主義思想家であるダニエル・ベンサイドの『21世紀マルクス主義の模索』をテキストとして取り上げます。

 提起されているテーマは多岐にわたります。例えば、、、

1989年のベルリンの壁の崩壊と1991年のソ連邦の自壊をどのように歴史的・政治的に規定するのか? 

そこからどのような政治的方向づけを持とうとするのか? 

プロレタリアートの独裁は、マルクスによってどのように提起されたのか? 

何のために国家権力を獲得しようとするのか? 

獲得した国家権力をもとに私有財産と国家の廃絶へと進んでいくために、何が現在的に求められているのか? 

そこでのヘゲモニー概念を、どのように実践的に再構築するのか? 

マルクスにおいて「政治」は、どのようにとらえられていたのか? 

「市場」に支配され、消滅しつつある被抑圧者の政治を、どのように再構築しようとするのか? 

エコロジーやフェミニズムなど、マルクス、エンゲルス、レーニン、トロツキーなどにおいて明確になっていなかった課題に、現在のマルクス主義者はどのように取り組むべきか? …

…これらはいくつかの論文にまたがって関連しあいながら論じられています。

 本講座は『21世紀マルクス主義の模索』の訳者である湯川順夫さん、ベンサイドのゼミに参加したことがある中村富美子さんから報告していただきます。



■ダニエル・ベンサイド略歴

1946年3月25日生まれ

1968年5月 大学・工場占拠の闘い。共産主義者同盟(LC)の結成に参加。

第四インターナショナル・フランス支部である、革命的共産主義者同盟(LCR)の創設に加わる。

政治哲学者としてパリ第八大学教授を務める。

2002年10月、東京恵比寿・日仏会館で行われたシンポジウム「グローバル化時代のフランス政治思想」に参加。

2008年1月 NPA(反資本主義新党)創設に参加。

2010年1月12日死去。63歳没。



■『21世紀マルクス主義の模索 』ダニエル・ベンサイド著/湯川順夫訳 3800円+税 柘植書房新社

序 章 複数のマルクス主義――その過去・現在・未来

第1章 過ぎ去った20世紀とロシア十月革命の輝き

第2章 21世紀の世界を変革するマルクス主義の理論と戦略

第3章 新自由主義グローバリゼーションと世界の再植民地化

第4章 フランス反資本主義新党への挑戦

終 章 共産主義の力

報告:2・11反「紀元節」行動

P2116169天皇制統合強化を許さない!
 
 
 「危機」の時代の天皇制を問う!2・11反「紀元節」行動実行委員会は、2月11日、日本キリスト教会館で集会を行い、80人が参加した。

 「建国記念の日」は、1967年、自民党政権が天皇制国民統合の強化にむけて戦前の「紀元節」を引きついでデッチあげた「祝日」だ。政府式典は2005年から政府・自民党は、「国民式典」開催について、「建国記念の日は定着し、式典の役割を終えた」「会員の高齢化により式典を運営するのが困難」などの理由から中止にした。だが神社本庁、日本会議などによる「日本の建国を祝う会」の主催で「建国記念の日 奉祝中央式典」(明治神宮会館)を行ってきた。

 今回参加した自民党の谷垣禎一総裁は、「自民党が政権を取り返したら、こういう式典は当然、政府主催で行う」と発言し、天皇制の政治利用を強めていくことを確認している。街宣右翼らも「紀元節奉祝式典」(日本青年館)を行い、天皇制と侵略戦争賛美と改憲を掲げた。

 さらに3.11東日本大震災以降、天皇・皇族らは被災地訪問を繰り返し、今年の3月11日には政府主催の東日本大震災一周年追悼式に出席する。このイベントは、「追悼」「復興」という名のもとに政府責任をあいまいにし、天皇制に統合していくための演出でしかない。また、天皇行事である「全国豊かな海づくり大会」(11月11日、沖縄・糸満市)、「第六七回国民体育大会」(岐阜県、9月29日)、「第六三回全国植樹祭」(山口県、5月27日)も行う。天皇制強化にむけた諸策動のねらいを暴きだし、反天皇制運動を強化していこう。



政府主催3.11東日本大震災一周年追悼式反対



 集会は、実行委による基調報告から始まり、①2・11をめぐる右派動向と「ハシズム」状況②戦後から続く「危機」③天皇Xデーと「女性宮家」構想問題などを分析。さらに3.11政府主催の東日本大震災一周年追悼式に対して「戦死者をその犠牲者と演出する8・15『全国戦没者追悼式』と同質の攻撃である」と断罪し、「3・11は、核・原発政策を推進する戦後の『平和と繁栄』の欺瞞を明らかにした。だから私たちは、象徴天皇制の戦争責任、そして今日の核・原発大国をつくりだした責任を追及しよう」とアピールした。

 問題提起が次の4人から行われた。

 京極紀子さん(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)は、橋下大阪市長問題を取り上げ、「ハシズムがめざすもの……ナショナリズムと超新自由主義」というテーマから「教育基本条例」とハシズムの手法を批判し、「『条例化』阻止のために大阪の闘いを支援していこう。私たちの民主主義を対置し、在特会などの排外主義、公共サービスの民営化などに反対する労働運動、市民運動を強化していこう」と呼びかけた。

 桜井大子さん(女性と天皇制研究会)は、「『女性宮家』? 政府はこんなことやっている場合か」と糾弾し、「女性宮家」構想の背景、伝統主義右翼の「伝統=男系」の危機について明らかにし、私たちの平和・平等・民主主義そのものが危機にあると掘り下げた。そのうえで「天皇も皇后も高齢で体調も芳しくない。天皇・皇后の仕事は、皇太子と皇太子妃雅子にということにしたいが、雅子は病気でそれがかなわずだから、成人した秋篠宮の上の娘に宮家を立てて格上げし、皇后の仕事を託そうという話らしい。男系主義と序列社会の天皇制の悪あがきだ。しかも生身の女性の身体を要求する政治システムを許容し、人権感覚の希薄化の助長だ。天皇制は滅びるべきだ」と強調した。

 なすびさん(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)は、「『紀元節』に考える格差・差別と脱原発・反原発」について提起し、「何をすべきなのか」について「単に格差・差別システムとしての原発の停止で済むのか?そのシステムで生きざるを得ず、生存条件を築いてきた人々の生存権をどうするのか?」などを問いかけ、「格差・差別構造を見据えた人の交流とつながり、そこからこの構造に閉じ込められない共生の方針を探りたい。被曝労働問題はその大きな橋にとなる」と結んだ。

 村上陽子さん(ゆんたく高江)は、冒頭、沖縄防衛局による高江工事の阻止の闘いの報告とともに支援を訴えた。さらに「沖縄と天皇制」について沖縄文学の一つである嶋津与志の「骨」を資料にし、「沖縄が『捨て石』とされたのは天皇制を残存させるための時間稼ぎにほかならず、その負債がいまもって沖縄に苦痛を与え続けている。いま求められているのは、私たちが聞き捨ててきた記憶や文脈を提起し、たどりなおすことではないだろうか」と語った。



権力と右翼一体の闘争破壊を跳ね返せ



 集会終了後、デモに移り、早稲田から新宿方面一帯にわたって「天皇制はいらない!『紀元節』反対!」のシュプレヒコールを響かせた。

 なお高田馬場交差点付近で日本侵略を許さない国民の会、在日特権を許さない市民の会の三〇人ほどが「反天連カウンター」と称して「天皇陛下、靖国神社、英霊を冒涜し続ける反日極左を全員東京湾に叩きこめ!」などと挑発してきた。また、天皇主義右翼も街宣車約二〇台が「反天連は日本から出ていけ!」と叫びながらデモ妨害をしてきた。いずれも警視庁警備課・右翼公安担当との事前打ち合わせのもとで行っていることは間違いない。国家権力、排外主義者、天皇主義右翼が一体となった反天皇制運動の破壊を許さない。

(Y)

【報告】 2.11 さようなら原発1000万人アクション全国一斉行動in東京

2・11代々木12・11
さようなら原発一〇〇〇万人アクション全国一斉行動in東京

ウソはもう沢山!再稼働策動を止め今すぐ原発を止めろ!

一万二〇〇〇人寒さ吹き飛ばし力強く行進

 三・一一から一一カ月を迎えた二月一一日「太陽と風、大地、自然の恵みをエネルギーに!再稼働を許すな!さようなら原発一〇〇〇万人アクション全国一斉行動」が各地で行われた。

野田政権、原発推進勢力によるなし崩し的原発再稼働のもくろみに民衆による痛打を浴びせその野望を打ち砕くと共に、原発のない社会への踏み出しを民衆の意志としてはっきりさせること、そのために広範に広がる「原発ノー」の声を、また嘘にまみれ無能かつ無責任なマスメディアを含むいわゆる「原発村」への不信と怒りを、巨大な形として止むことなく登場させる行動の一環だ。

そしてそこでは、さようなら原発一〇〇〇万人署名必達への行動をさらに加速すること、およびこの日は特に、三月一一日に福島県郡山市で開催予定の「原発いらない!福島県民集会」の成功をめざすことが呼びかけられた。東京ではその「in東京」が、午後一時三〇分からの代々木公園を会場とした集会、その後のパレードとして展開された。

 東京はこの日も最高気温が一〇℃に届かず真冬の寒さが続いていた。しかしその中でも、集会に向かう人並みは開会時刻が近づくにつれどんどん数を増し、開会のアナウンスが流れる頃には、会場は中を歩くことも困難なほど、人そして色とりどりの旗やデコレーションで埋め尽くされていた。集会の最後の方で、参加人数は一万二〇〇〇人と発表された。

 まだ続々と人波がつめかける中で進められた四五分の集会では、一〇〇〇万人アクションの呼びかけ人から、大江健三郎さん、澤地久枝さん、落合恵子さん、福島の当事者から、永山信義さん(福島県平和フォーラム)、増子理香さん(つながろう!放射能から避難したママネット@東京)、菅野正寿さん(NPO法人福島県有機農業ネットワーク理事長)、特別発言として、山本太郎さん(俳優)、藤波心さん(タレント)が、それぞれの個性がにじみ出る思いを、飾りのない率直な語り口で訴えた。

 大江さんは、すべてをあいまいにしたまま原発再開をめざす者たちの倫理性の崩壊を指摘し、そこへの抵抗が不可欠であること、そして希望は原発をまだ止めたままであることだとし、今ならこどもたちに原発を私たちは止めたと言えるチャンスがある、止める決意が決定的だ、と力説した。

 澤地さんは、もうすぐ原発ゼロの日が来る、それは確かに国の仕組みから来る日だとしてもそうさせているのは人々の「原発ノー」の声であり、集会に参加したりデモをする意味ははっきり示されていると、会場を行動に向け奮い立たせた。

 永山さんは、「ゴーストタウン」発言で元国交相の責任を追及する一方で、「ゴーストタウン」の原因をつくった者たちの責任に頬被りするマスメディアに率直に憤りを向けつつふるさとを返せと訴え、三月一一日の郡山集会への結集を呼びかけた。

 増子さんは、子どもと共に転々と避難する不安な思い、生業を捨てざるを得ない喪失感を、声をつまらせながら語った。

 菅野さんは、再生に向けて持続可能な社会へ変えなければならない、その中核に一次産業を据えよう、と訴えた。

 山本さんは、マスメディアを信じる人はまだまだ多い、原発ゼロへもっと声を、もっと怒りをと力を込め、この集会を取材していたアルジャジーラのカメラを通して世界へ声を届けようと、自ら音頭を取り会場全体を大シュプレヒコールへと導いた。

 藤原さんはまだ中学生だという。しかし、三・一一で価値観が変わった、原発がないと経済がおかしくなると言う人がいるが、原発があるから経済がダメになるのではないか、未来を守ってほしいとの彼女の訴えは、実に堂々と、しかも鋭く凛としていた。

 落合さんが最後に登壇した。そしてまず、常連である鎌田慧さんは上越市の行動に参加していること、東京と同時刻にパレードに出る手はずだと携帯電話で連絡を取り合ったと紹介し、収束宣言、原発輸出、人権を奪うもの、命を奪うものに真っ直ぐノーを突き付けよう、そして私たちの中にもある原発体質を変える一歩にしよう、と呼びかけた。

 短いながら一つ一つが胸に響くもののある発言だった。ただ、主催者の要請に従い多くののぼり旗が倒されたにもかかわらず、会場の後ろの方では発言が聞き取りにくかったことが惜しまれる。おそらく、会場の音響装置が集会の規模に追いついていなかったのだと思われる。

 集会はこの後直ちに、二コースに分かれたパレードに移った。気温が急速に下がる中会場を出るまで相当に待たされた部隊も多かった。しかし参加者は沿道の人々に、再稼働を止めさせよう、原発のない社会に舵を切らせよう、共に声を上げようと、さまざまなプラカードを振りつつ力強く呼びかけ行進を続けた。

 大阪、東京の住民投票条例請求署名運動の成功が示すように、「原発ノー」の声は確実に広がっている。再稼働阻止、そして原発の完全放棄へ、一〇〇〇万人署名の達成、七月一六日一〇万人集会の実現など、さらに多彩に行動を重ねよう。(谷)

中国:重慶モデルの破たん

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薄煕来(左)と王立軍

汚職・暴力団追放と共産党精神の高揚を掲げ、格差縮小にむけた経済成長を目指すといわれる「重慶モデル」の発祥地、重慶市の副市長兼公安局長の王立軍が、その職を解任され、数日後の2月8日、「療養」を理由に成都にあるアメリカ領事館に24時間「滞在」し、その後、身柄を国家安全局に拘束されるという事件が起こった。

「重慶モデル」は、今秋に予定されている18回党大会で、最高指導部である党中央政治局常務委員会入りを取り沙汰されていた重慶市共産党委員会書記の薄煕来が、前大会直後の2007年12月に商務部大臣から重慶市に転任して以来すすめられてきた政策で、新左派とよばれる民族左派の知識人らが「格差を広げてきたアメリカモデルに対抗する中国モデルの核心的政策」として絶賛してきたものだ。

今回拘束された王立軍は、08年6月に薄煕来がかつて省長を務めた遼寧省の錦州市公安局長から重慶市公安局副局長に抜てきされ、暴力団やそれとつながっていた警察内部の責任者などに大なたを振るった「打黒」(暴力団弾圧政策)の陣頭指揮者であった。「打黒」政策は「重慶モデル」の象徴的政策のひとつで、超法規的な弾圧をふくめて広く実施された。

王立軍によって2009年8月までに1500人の暴力団構成員と50人の汚職役人が逮捕された。逮捕者には重慶市の司法局長や高等裁判所副所長もふくまれる。司法局長の文強が処刑された2010年7月、薄煕来は勝利宣言を行い、王立軍はその最大の功労者と言われた。

その王立軍が今回アメリカ領事館に逃げ込んだ。2月9日、王立軍によるとされる2月3日付の「公開状」がインターネットを駆け巡った。

「薄煕来の『唱紅打黒』(革命を称え暴力団を取り締まる)政策は、政治局常務委員になるためのパフォーマンスである。……彼は私を含む部下にありとあらゆる事をやらせた。従わない者がいればすぐに卑劣な方法で処分した。……彼こそが最大の暴力団の親玉である。薄煕来は清廉潔白で売っているが、実際にはどん欲でいやらしく、親族に荒稼ぎさせ、それ驚くべき金額に上る……。」

薄煕来は中国東北部の遼寧省の省長在任中に国有企業のリストラという国策を強力に進めた。2002年3月、遼寧省の中堅都市の遼陽市にある遼陽鉄合金工場でリストラに抗議する労働者らが複数の工場と連帯してストライキを打った。だが「国家転覆罪」でスト指導者の姚福信が7年、肖雲良が4年の懲役という弾圧を受けた。

遼陽鉄合金労働者の闘争の敗北は、その後の国有企業の民営化をさらに促進した。グローバル資本主義の大国としてのし上がった中国は、労働者階級の犠牲の上に成立したといえる。遼陽鉄合金労働者に対する弾圧の最高責任者の一人であった薄煕来が進める「重慶モデル」が、格差縮小の経済成長や調和ある社会をめざすなど、冗談にもほどがある。

【参考】 ・2002年春の中国国有企業労働者のたたかい
      ・姚福信と肖雲良を釈放せよ

「重慶モデル」の冗談のなかでも極めつけは「唱紅歌」(共産党賛歌を歌う運動)である。「唱紅歌」運動を「文化大革命の復古主義」と評する論評もあるが、この運動が中国共産党90周年の2011年7月1日にむけた全国規模での愛党・愛国運動の牽引役となったことを考えると、グローバル資本主義化にともなう社会的動揺を、党への忠誠心と愛国心の発揚によって覆い隠そうとするきわめて現代的なものだといえるだろう。


建党90周年の前日に行われた重慶での「唱紅歌」大会

このような「重慶モデル」を高く評価したり、指導部の傾向の違いに希望を見出してきた民族左派知識人たちには、民主主義と労働者階級に対する徹底した自己批判が求められる。

今後、王立軍事件を巡るさまざまな報道や憶測が流されるだろう。2月中旬には習近平国家副主席の訪米が予定されている。習近平は今秋の党大会で引退予定の胡錦濤を継いで中国共産党中央委員会総書記という8000万党員のトップに就任すると言われている。指導部交代にともなう党内闘争についての報道や噂も絶えないだろう。

階級闘争は、どの時代でも支配体制内の権力闘争や外国からの干渉と無縁ではありえない。しかしそれは支配体制内の権力闘争の一方の側につくということではあり得ないし、外国からの干渉に無批判に便乗したり瞬間的に反発するということではない。

中国における民主主義の実現と労働者の解放をめざす勢力のたたかいは長く厳しい局面にある。資本のグローバル化と中国労働者階級の苦難に満ちたたたかいが、労働者の国境を超えた闘争をつなげるだろう。(H)

「重慶モデル」の実態については、こちらの現地ルポも参考になる

・日刊べリタ:中国経済開発・ある断面:高効率農業と農的生活のはざまで
 上 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201202021153174
 中 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201202051301010
 下 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201202081154413

報告 2.7 アイヌ文化から北方諸島の問題を考えるトンコリと語りの夕べ

ain 二月七日、東京・飯田橋の富士見区民館で「アイヌ文化から北方諸島問題を考えるトンコリと語りの夕べ」が開催された。

二月七日は「北方領土の日」とされている。一八五五年に当時の江戸幕府と帝政ロシアがこの日に結んだ日露通好条約によって千島列島のエトロフ島とウルップ島の間が両国の国境と定められたことを根拠に、現在ロシア領となっているエトロフ以南の「北方諸島」を「日本固有の領土」と主張し、「日本への返還」を求めるキャンペーンが展開されてきた。しかしこうした「北方領土返還」運動は、先住民族であるアイヌ民族の自決権を無視し、日ロ両国の先住民族に対する植民地主義的侵略、差別と同化の歴史を正当化するものだ。

二〇〇七年九月には国連で「先住民族の権利に関する宣言」が賛成一四四、反対四(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)、棄権一一という圧倒的多数で採択された。日本も条件付きで賛成票を投じた。さらにG8北海道・洞爺湖サミットを前にした二〇〇八年六月には「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択され、政府もそれを追認した。しかし日ロ間の「領土問題」交渉では、自決権・自治権を有する先住民族としてのアイヌ民族の意思はまったく無視されている。

こうしたあり方に抗してアイヌ民族の先住民族としての権利を回復する闘いを支持する立場からこの日の集会が準備された。



集会では、制作が進められているアニメーション映画「七五郎沢の狐」の冒頭部分が映し出され、制作者の杉原由美子さんがこの作品についての思いを語った。この映画は狐のカムイ(神)が住んだ土地に産業廃棄物の処分場ができたことで、そこから立ち去らざるをえなくなるという創作ユーカラ(神謡)のアニメ化で、全編アイヌ語で語られる。それは自然とともに暮らしてきたアイヌ民族の生き方の意義を思い起こさせるるものになっている。

司会の本多正也さん(グループ“シサムをめざして”)がカラフトアイヌの歴史について説明した後、「アイヌ・アート・プロジェクト」の版画家・結城幸二さんが「文字を持たず、国を作らず、『神』である自然の一部としてあったアイヌ民族の精神文化」と、それが日本に同化される中で奪われた過程を、静かに、時には激しい言葉で語り、その自らの文化を取り戻して自立していく展望を語った。

「アイヌ民族とはいったい何者であるのか。先住民族であるということが常識とはなっていない。アイヌはあいさつの際に、『イラムカラプチ』という言葉を使った。直訳すれば『あなたの心に触らせてください』という意味だ。『あなたの本音に触れたい』ということで翻って『私も本音で語ります』ということになる。一つの集落の中でウソや見栄があればその集落は成り立たなくなる。だから本当の気持ちをしゃべりあおう、という意味だ。ここにアイヌの精神文化の一つの現れがある」。

「いまカラフト・アイヌ(エンチゥ)は、天然ガス開発によるエネルギーマネーで、自分たちの精神文化を奪われ、解体の危機にある。経済が文化をこわした。自然とともにあるというところから物事を考える必要がある」。

「確かにアイヌは二〇〇八年の先住性を承認されたが、アイヌの中では次のビジョンを描き出せていない。多くの予算が北大に流れ、北大がアイヌ文化のステーションのようになっている。すべて北大の中で政策が決められようとしている。しかし旧土人保護法の際も北大が政策の発信基地になった。いま同じことが行われようとしている。しかしなぜ北大は自分たちがやってきたことを謝罪できないのか。私たちはアイヌが間違っていなかったこと、アイヌとして生きてきたことの証を求める。私たちが民族としてのあり方を奪われた百数十年前にさかのぼってメスを入れてほしいのだ」。

「アイヌ民族は、自分に対する自信を奪われてきた。そこから酒におぼれ。家庭内暴力をふるい、自殺者を多く生み出した。自分がアイヌであることを忌み嫌ってきたのがアイヌ民族にとっての近代だった。本当のことを語らないと人間は進歩しない。人間力を高める必要がある。原発事故は、人間が自然を壊すことによって自分たちを壊していったことを示した。人間が神になろうとしたのが原子力エネルギーだった。しかし人間は神にはなれない。『神』とは自然なのだ」。



結城さんへの質疑応答のあと、結城さんと同じ「アイヌ・アート・プロジェクト」に所属する福本昌二さんのトンコリ演奏に合わせて、結城さんが語りを行った。トンコリとはカラフトアイヌの民族楽器。二人は昨年一二月にフランスのノーベル文学賞作家ル・クレジオさんの招きでパリのルーブル美術館で、ミロのビーナス像などを背にトンコリの伴奏に合わせ「ホロケウカムイ(オオカミ)の語り」を披露した。

風に吹かれた森のざわめきのようなトンコリの響きと結城さんの語りに、参加者は静かに聞き入った。

(K)
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