虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

INFORMATION

【ヨーロッパ】高校生を中心に気候ストライキ運動が広がる

dp83brlwsaampsv

子どもたちが気候のためにストライキ!

ダニエル・タヌロ

若者の危機感は大げさではない

 今年に入り特に欧州各国で、気候変動への真剣な行動を求める高校生のデモが続いている。気候変動がもたらす破壊的結果に対する危機感が若者の間に高まっていることが示されている。この状況を前に、ベルギーのタヌロ同志が、環境の課題と社会的課題を一体として闘うことの不可欠さと緊急性を、あらためて呼びかけている。内容からは、特に立ち上がった若者への訴えを意識していることがうかがえる。(「かけはし」編集部)

 世界中で、多くの若者たちが自然発生的に、気候のための出発を始めようとしている。一月一七日ブリュッセルでは、一五歳のスウェーデンの高校生、グレタ・トゥンベリによりCOP24に合わせて行われた格調高いアピールに応えて、一万二〇〇〇人以上の人々がストライキとデモを行った。彼らは一週間後三万五〇〇〇人以上になり、運動は継続している。 「わたしたちの世界が明日破壊されるのであれば、学校に行く利点とは何なのか?」、先の若者たちはこう問いかけている。それは常識そのものだ! これらの若者たちは誇張しているわけではない。情勢は実際深刻だ。平均気温は一八〇〇年以後で一度Cしか上昇していない。しかし結果はすでに懸念を呼んでいる。つまり、熱波、寒波、より厳しい干ばつ、溶けつつある氷河と氷冠、より暴力的になったサイクロン、巨大な山火事……と。

 上昇が二度Cで、影響は破局的になるだろう。われわれはその点から、地球温暖化の雪だるま効果(坂を転がる雪玉が自動的にひたすら大きくなることにたとえられた加速的昂進の作用:訳者)を経験する危険を犯す。地球は、「乾燥した衛星」になるだろう、そして気温は、極めて急速に四度Cも上昇する可能性があるだろう。全地域が居住不可能になると思われ、何億人もの人びとが気候難民になるだろう。そして生物多様性は崩壊し、海面はやがては三メートルから四メートル上昇するだろう。それはもはや惨害というようなものではなく、激変となるだろう!

 パリのCOP21で決定された地球温暖化の閾値、一・五度Cを確実に超えないようにするために、あらゆることが行われなければならない。それが不可避の結論だ。しかし諸政府は、これを行おうとはしていない。諸政府の「気候計画」を基礎とした場合として、専門家たちは、二・七度Cから三・七度Cの温暖化を予想している……。それは最低の場合だ。ドナルド・トランプやブラジルのファシスト、ボルソナロのように、ますます多くの指導者が真実否認に引きつけられているからだ!

 欧州では、ベルギー政府がもっとも偽善的な政府の一つだ。実際この政府は昨年一二月二日、気候に関する七万五〇〇〇人のデモ行進に祝意を表したが、翌日になると、EUの気候に関する二つの指令を支持することを拒絶したのだ。これらの偽善者はまさに恥知らずだ! しかし人々は、まがいものの約束と開き直りにうんざりしている。一月二七日のブリュッセルには、もっと多くのデモ参加者がいた。

暮らしと地球を資本が破壊


 科学者たちは二五年以上警報を鳴らし続けてきた。排出はなぜ増え続けているのか? 諸政府はなぜ(ほとんど)何もしないのか? 彼らが資本主義に奉仕しているからであり、資本主義のただ一つの目的が利潤であるからであり、利潤は成長を必要とし、この成長は歴史的に化石燃料エネルギー(石油、石炭、天然ガス)に基づいているからだ。

 再生可能エネルギーはどうか? それらも環境のためではなく、利潤のために生産されている。われわれがより少なく生産し、より多くを分かち合うならば、人間の真の必要を満たす上では、それで十分となるだろう。

 しかし多国籍企業は彼らが確保している埋蔵化石燃料と設備の放棄を拒否し、銀行はそれらの埋蔵と設備に投資された彼らの資本の放棄を拒絶している。そしてあらゆる部門の経営者が心中に抱える考えは一つしかない。つまり、むしろもっと多くを生産し、彼らの競争相手よりも多くの利潤を上げる目的で、さらに多くの労働者と自然を搾取する、ということだ。

 われわれは、あらゆること、われわれの仕事、賃金、社会保障、公共サービス、生活水準にとっては成長が条件だ、と告げられている。こうしてわれわれの暮らしは、われわれの搾取と自然の搾取次第になっている。現実には、この生産力主義のシステムがわれわれの暮らしと自然両者を破壊しているのだ。

われわれは今、奈落の縁にいる


 今日われわれは、崩壊の瀬戸際にある。地球温暖化一・五度Cを超えない可能性が半々になるためには、世界全体のCO2純排出が、二〇二〇年から二〇三〇年の間で五八%減らなければならない。それらはその後、二〇五〇年までにゼロにならなければならない。そしてその後、地球がCO2を排出以上に確実に吸収するようにすることが必要になるだろう。

 そうでなければ、用済みに成り果てた地球に自らを任せるか、大気中から炭素を人工的に取り除く技術(「マイナス排出テクノロジー」)の利用、あるいは太陽放射の一部を宇宙空間へ戻す技術(「ジオエンジニアリング」)の利用か、が必要になるだろう。

 しかし警告がある。つまり、こうした魔法使いの弟子的技術が機能する保証はまったくないのだ。それは、地球の上での、そこに住む生き物を使った、直接の実物大規模の実験を経ることが必須となるだろう……。

 いわば死を招く危険を前に、自己保存本能は一〇〇〇倍も正統化される。高校生にはそれゆえに、ストライキに打って出る権利が一〇〇〇倍もあるのだ。ぼうっと傍観しないようにしよう。それがどこから来ようが、親トランプ右翼や権益回復のもくろみからの攻撃に立ち向かい彼らを支援しよう。そして彼らの模範に続こう!

社会と環境の闘争一体化を


 地球温暖化の主な犠牲者は、諸政権や雇用主から変わることなく攻撃を受けている者たち、つまり労働者、小農民、子どもたち、女性、年金生活者、病人……そして移民だ!

 金持ち連中は自らに、それが億万長者のために用意された人工島上での暮らしを意味しているとしても、自分たちはいつであれ何とかやっていけるだろう、と言い聞かせている。彼らの特権を救い出し、われわれの社会と民主的達成成果を破壊するために、彼らはますます、レイシストであり、性差別主義者であり、気候変動否定派である極右に引きつけられている。したがって、社会的課題と環境の課題が同じ民主的な大闘争の両面だということは明確だ。

 この戦闘は始まったばかりにすぎない。そこには労働の世界が現れなければならない。黄色のベストから若者まで、今こそ闘争と要求を結集する時だ。今日われわれの子どもたちは、この地球上に彼らが存在する権利を、また彼らの子どもたちが存在する権利を守るために、ストライキを行い、そして街頭にいる。われわれ大人はどうなのか? われわれは何をするのか? われわれは彼らを支援しなければならない。それはわれわれの義務であり責任だ。

 あらゆる手段で決起しよう。われわれもストライキに決起しよう。自宅にとどまるストライキではなく、能動的なストライキに、それこそ、あらゆる不公正、あらゆる破壊、社会的なまた環境上双方の現在の窮状に終止符を打つ方法、それらを徹底的に討論するためのストライキに、だ。

エコ社会主義の緊急計画を


気候の惨害を回避することはまだ可能だろうか? 必要な努力は巨大だ。それは、民主主義と公正の中で社会的課題と環境上の課題を組み合わせることで、はじめて成功できる。一つのエコ社会主義的移行が基本だ。これは緊急計画を必要とする。以下に一〇項目の提案を示したい。

1.不必要かつ危険な製造品(武器を始めに)、および不必要な商品輸送の廃止、製品品質を最高度に高め、計画的な陳腐化と闘うこと。

2.あらゆる建物を断熱化し刷新する(住民の超過費用負担ゼロで)公的企業の創出。

3.自家用車の使用を思いとどまらせる公共交通に対する大規模な投資。航空移動を合理的に見直すこと。

4.化石燃料を地中にとどめること。再生可能エネルギーを一〇〇%基礎にする(核エネルギーのない!)経済への急速な移行を組織するために、エネルギーと金融部門を収用し社会化すること。

5.富の再配分、課税における平等性、および世界化された所得に関する課税の累進性の回復。公的部門、教育、医療・介護への資金再充当。

6.クライメートジャスティスの尊重。全員のための持続可能な発展に必要な技術と財源の、南への移転。

7.アグリビジネスの放棄。可能な限り多くの炭素を土中に隔離するために必要なことを行う、環境調和的な農業の推進。

8.賃金を下げることなく、全員の間で必要な仕事を分かち合うこと。廃止されるべき部門の労働者を、新たな活動に転換すること(所得の維持と社会的成果と一体的に)。

9.市場からの取り出し。つまり、無料の教育、交通、医療だ。基本的必要に対応する水と電力の無料消費。この水準を超える消費に対しては急激な累進的価格設定。

10.「思いやり」、透明性かつ説明責任の文化の発展。民衆とエコシステムに対するケア活動の強化と社会化。全員に対する投票権容認。被選出代表に対するリコールを含む、市民と民衆の統制と主導性に関わる諸権利の容認。


 これはユートピアだろうか? 一九四〇年から同四四年まで、米政府は緊急計画を実施した。軍事生産はGDPの四%から四〇%まで上昇するにいたった。そしてあらゆる種類の制約が課された。ナチスを打ち破り、米国の多国籍企業の世界的優位性を確保するために行われたことは、社会的公正に基づき気候を救い出すためにも行うことが可能だ。それは政治的意志の問題だ。それを迫ることはわれわれにかかっている。

▼筆者は実績を積んだ農学者かつエコ社会主義の活動家であり、「ラ・ゴーシュ」(第四インターナショナルベルギー支部、LCR/SAPの月刊機関誌)記者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年二月号)  


報告:天皇『代替わり』に反対する 2.11反「紀元節」行動

配信:紀元節 2月11日、「天皇『代替わり』に反対する 2.11反「紀元節」行動」(実行委)の集会が在日本韓国YMCAで行われ、130人が参加した。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として改憲攻撃と天皇制国民統合の強化をねらっている。すでに開始している天皇「代替わり」キャンペーンに抗して、全国の反天皇制運動を取り組む仲間たちによって「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)」を昨年11月に起ち上げた。

 ネットは、「2019年11月に予定されている大嘗祭まで、1年間の期間限定の活動を通じて、明仁退位・徳仁即位の全過程に抗議し、マスコミや行政などを通じて拡散される奉祝賛美キャンペーンや、巨額の税金を投入して行われる種々の代替わり儀式に反対していきます」とアピールし、様々な対抗アクションを果敢に取り組んでいる。2月24日〈日〉に「『天皇在位三〇年記念式典』反対銀座デモ」(13時/ニュー新橋ビル地下2F・ニュー新ホール集合)を行う。

 集会は、実行委から「集会基調」(①「紀元節」と右派をめぐる状況②天皇
「代替わり」儀式との闘い③戦争する国と「平和」天皇④「代替わり」諸儀式と天皇行事反対の行動へ!)が提起された。

 とりわけ「新たに一つ増えた、今年の天皇『四大行事』」(①6月2日、「第70回全国植樹祭あいち2019」②9月7日~8日、「第39回豊かな海づくり大会あきた大会」③9月15日~11月30日、「第三四回国民文化祭にいがた2019」「第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」④9月28日~10月8日、「第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体2019」、10月12日、「第一九回全国障害者スポーツ大会 いきいき茨城ゆめ大会2019)に対して「現地における反対運動への協力・連帯を!」と呼びかけた。

 菱木政晴さん(靖国合祀イヤですアジアネットワーク、即位・大嘗祭訴訟呼びかけ人)は、「近現代の親鸞理解と宗教としての天皇制 ―『紀元節』に想う真宗門徒のつぶやき―」をテーマに講演した。

 菱木さんは、「中曽根(1985年)・小泉(2001~2005年)・安倍(2013年)首相靖国参拝違憲国賠訴訟」について報告し、「国の機関の行為に対しては住民訴訟ができないため、国家賠償(損害賠償)請求訴訟として闘われた。このことが、『侵略戦争の加害行為を担わされた兵士と遺族はどのような被害を被ったか』という問いを生んだ。一人の人間としては、殺し殺されることに利用されたこと(人を単に手段として扱うこと=平和的生存権侵害)だが、信教の自由の人権に即して(限定して)考えるならば、『(古来の自然崇拝を基盤とする神道ではない新宗教としての『国家神道』、すなわち)天壌無窮の神勅と八紘一宇の詔勅を柱とするカルト宗教の宣伝の材料として利用された』」と批判した。

 さらに「国家神道、すなわち、宗教としての天皇制の拒否」、「真宗門戸にとっての反靖国・反国家神道」「極楽の人数と護国の英霊」などのテーマをクローズアップし掘り下げながら検証した。

 連帯発言が「2019・3・1独立運動100周年キャンペーン」、「3・2神奈川集会とデモ」、「辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会」などから行われた。

 デモに移り、神田町一帯にわたって「建国記念の日反対!」「紀元節を認めな
いぞ!」「天皇制はいらない!」のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

 

読書案内: 「自衛隊の南西シフト━戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」 小西誠 著

自衛隊の南西シフト_「自衛隊の南西シフト━戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」
 
小西誠著 社会批評社 1800円+税


 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」(中期防)〈2018・12〉を決定した。防衛大綱は、「前大綱に基づく統合機動防衛力の方向性を深化させつつ、宇宙・サイバー・電磁波を含むすべての領域における能力を有機的に融合し、平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施」にむけて「多次元統合防衛力」を構築していくことを強調している。つまり、米国から「F35B」戦闘機の購入、護衛艦「いずも」型2隻を「空母」に改装、対電子戦などを明記した軍拡宣言である。

 とりわけ対中国シフトについて「弾道ミサイル等の飛来」攻撃を煽りながら、南西諸島の常時持続的な防護の一環として「島嶼部を含む我が国への攻撃に対しては、必要な部隊を迅速に機動・展開させ、海上優勢・航空優勢を確保しつつ、
侵攻部隊の接近・上陸を阻止する。海上優勢・航空優勢の確保が困難な状況になった場合でも、侵攻部隊の脅威圏の外から、その接近・上陸を阻止する。万が一占拠された場合には、あらゆる措置を講じて奪回する」(防衛大綱)などと米軍の下請けで実戦能力が不十分にもかわらず、あいかわらずの決意主義だ。もちろん自民党国防族、軍事産業の利権拡大とセットのコマーシャルであることは言うまでもない。

 こんな軍事のもてあそび姿勢を前面に出しながら、すでに戦略的な南西諸島の島嶼防衛段階から出撃基地および要塞化を着手してきた。宮古島レーダーサイト配備(2009年)、奄美大島駐屯地造成工事開始(2016年6月)、与那国島に与那国沿岸監視隊開設(2016年3月)などを突破口に、ついに宮古島駐屯地建設強行(2017年10月)、石垣島に陸上自衛隊の駐屯地を建設し、地対空、地対艦両ミサイル部隊、警備部隊などを配備(500~600人)する。沖縄本島にも陸自の地対艦ミサイル配備する方針だ。

 本書は、南西諸島の要塞化―島嶼防衛戦=東シナ海戦争の全貌と安倍政権の野望を徹底批判している。著者である小西は、元反戦自衛官(航空自衛隊生徒隊第10期生)と長年の軍事ジャーナリストの経験を土台にして与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、沖縄本島で急ピッチで進む自衛隊強化の現地取材(2016夏~2017)や基地建設反対派住民との交流、防衛省諸文書の狙いの解明など多岐にわたるアプローチを試みながらまとめあげた。

 小西は、自衛隊の「島嶼防衛戦」について、米の軍事戦略の転換に注目する。

小西分析はこうだ。

 「米トランプ政権は、「国家安全保障戦略」(2017年12月)、「国家防衛戦略」(2017年1月)を明らかにし、「『対テロ戦の終了』を宣言するとともに、中国を米国の覇権に挑戦する最大の脅威とみなし、そして、中国とロシアとの『長期的な戦略的競争』に備える体制に転換するという方針を打ち出した」。つまり、「新しい中国・ロシア脅威論、対中抑止戦略が発動され、『新冷戦』の始まりと言っていいだろう」と浮き彫りにした。この米新軍事戦略下のうえで安倍政権の「インド太平洋戦略」が設計され、対中抑止戦略を米と共同して、その先兵を担うことなのである。

 そもそも「島嶼防衛戦」について自衛隊が初めて策定したのは、陸自教範「野外令」の改定(2000年1月)であり、「上陸作戦」も定められた。小西はこの時期の情勢に着目しながら、「1989~91年のソ連・東欧の崩壊」によって「ソ連脅威論」による日米の対ソ抑止戦略は終わったにもかかわらず、米国は米ソ冷戦体制に代わる軍事力の維持のために「地域紛争対処論」(1991年湾岸戦争)、朝鮮危機(1993年~94年)、台湾海峡危機(1996年)に踏み込んでいった。この延長に日米安保共同宣言(1996年)、日米防衛協力のための指針改定(1997年)から新ガイドライン、中国封じ込め政策を軸にした日米安保再編に向かう。このプロセスの中で米軍が中東作戦に比重を置き、その東アジア手薄状態を自衛隊を動員しながら「島嶼防衛戦」の位置づけが重視されていくことになった。

 連動して防衛省・自衛隊は、は、「統合幕僚監部『日米の[動的防衛協力]』について」(2012年)を策定した。「対中防衛」を軸にした南西シフト態勢を初めて明記する。小西は 「第8章 沖縄本島への水陸機動団一個連隊の配備 在沖米軍基地の全てが自衛隊基地に」という衝撃的なタイトルだが、この統合幕僚監部文書の重要性を強調して言う。

 「『島嶼奪還』の日本型海兵隊という新たな沖縄本島に配備するという、とんでもない計画が、この統合幕僚監部文書には明記されているのだ」「在沖海兵隊の司令部、戦闘部隊のほとんどは、グアムなどへの移駐が決定しているが、この米海兵隊の穴埋めを狙っているのが、水陸機動団なのだ」。

 「したがって、現在、埋め立て工事が進む辺野古新基地もまた、この自衛隊部隊の拠点基地となることは明らかだ。政府が南西シフト態勢作りと合わせて、辺野古新基地造りを急ぐのも、このような自衛隊基地の確保が最大の目的である」。

 さらに小西は、読者に問いかけながら、「自衛隊制服組は『島嶼防衛戦』を海
洋限定戦として位置づけているが、いずれ『西太平洋戦争』への拡大は不可避だ。……日米中の衝突は、金融危機を含む世界経済への深刻な打撃を与えることは不可避である」と指摘し、過小評価する防衛省・自衛隊の軍事戦略の根本欠陥を突きつけている。
 
 南西諸島への自衛隊基地配備は自動的に進行しなかった。米の軍事戦略の転換に基づく南西諸島への自衛隊配備からミサイル配備決定の遅れに現れたように「悲惨な戦を体験した沖縄━先島諸島」などの抵抗は当然であった。このことを「防衛省・自衛隊」自身が、厳しく認識していた。(小西)。

 そこで防衛省・自衛隊は基地建設推進のための手法として、「地元の基地建設の誘致・要望」を「推進根拠」にしたのだ。与那国島、奄美大島、石垣島では「賛成派づくりと誘致」工作を強化していった。

 本書では「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」、「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット」などの住民の反対運動を紹介している。小西は、現地での交流も深め、基地建設レポートを全国配信している。さらに奄美で講演会(2017年11月)を行い、「自衛隊の島しょ防衛戦は戦闘が最優先。全島防衛は事実上不可能と考えているからこそ、離島の奪還作戦を行っている。中国を仮想敵国とする冷戦時代の焼き直しだ」(奄美新聞)と批判した。

 さらに「軍拡競争の抑止を目的に①あらゆる武装・軍備の撤去②敵対行為の排除③軍事支援の禁止などを推し進め、アジア太平洋地域の諸国で実施した『無防備地帯』の実現を呼びかけた」(同紙)。

 なお小西は、本書の冒頭から繰り返し、自衛隊の「島嶼防衛戦」の実態と危険性、住民無視のあり方を取り上げないマスメディアを批判している。それだけではない。「従来、このような日本の軍拡や平和問題で発言してきた知識人らも、驚くべきほどの沈黙を守っている」状況に怒っている。最後にあらためて「反対している住民たちを孤立させてはならない。戦慄する実態を全国に知らせ、反対運動をともに取り組もう」と訴えている。

(Y)


■3.22アジア連帯講座:反自衛隊連続講座②
「自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」
報告:小西 誠さん
(軍事ジャーナリスト)

日時:3月22日(金)/午後6時30分
会場:文京区民センター3C会議室(地下鉄春日駅)
        資料代:500円
主催:アジア連帯講座




案内 : 天皇「代替わり」に反対する 2.11反「紀元節」行動(集会&デモ)

天皇「代替わり」に反対する 2.11反「紀元節」行動(集会&デモ)
案内→http://www.ten-no.net/?p=1097

日時:2月11日(月・休)13:15 開場(13:30 開始)

※集会後デモ

会場:在日本韓国YMCA 9F 国際ホール
    〒101-0064 東京都千代田区猿楽町(さるがくちょう)2−5−5
    JR「水道橋駅」徒歩6分、「御茶ノ水駅」徒歩9分
    地下鉄「神保町駅」徒歩7分
    地図→http://www.ayc0208.org/jp/map1.htm
    
講師:菱木政晴さん
   (靖国合祀イヤですアジアネットワーク、即位・大嘗祭訴訟呼びかけ人)
   
資料代:500円

主 催:天皇「代替わり」に反対する 2.11反「紀元節」行動

 今年、1年をかけて行われる天皇「代替わり」儀式。

 それは、象徴天皇制の下で、隠されている皇室祭祀が、天皇制を支えるもう一つの柱にほかならないという事実をさらけだす。

 それらは 紛れもなく国家神道の儀式であることを無視してはならない。

 私たちは、この「代替わり」総体との対決という課題を掲げた、今年の反天皇制運動を、天皇制国家の起源として虚構された「紀元節」に反対する行動から開始する。

 今年は、さまざまな天皇儀式が繰り出され、天皇制が神聖かつ大切なものであるという意識が、人びとの日常意識にすり込まれる。

 それは、天皇の神聖性を通して日本国家の神聖性を自明のものとする、国家主義の攻撃でもある。

 こうした攻撃にひとつひとつ反撃し、さまざまな視点から天皇制を問い続けていこう。

 まずは、2.11反「紀元節」行動へぜひご参加下さい。


呼びかけ団体:
 アジア連帯講座
 研究所テオリア
 戦時下の現在を考える講座
 立川自衛隊監視テント村
 反安保実行委員会
 反天皇制運動連絡会
 「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会
 靖国・天皇制問題情報センター
 連帯社
 労働運動活動者評議会

【フランス 「黄色いベスト」デモ】極右がNPAの隊列を襲撃



われわれは怖じ気づかない

フランス反資本主義新党(NPA)


 以下の声明は、黄色のベストパリデモでNPAの隊列が、「ル・ズアーヴェス(アルジェリア歩兵隊兵士)」を自称する極右集団から襲撃されたことを受けて、1月26日NPAから出された。このデモは、連続的な11回目の週末デモであり、したがって「アクト11」と呼ばれた。

 1月26日、パリでの黄色のベスト「アクト11」の中で、NPAの隊列が約50人の極右集団から2回襲撃を受けた。組織された超暴力的なファシストグループの「ル・ズアーヴェス」(この襲撃への責任を誇って認めた)は、意識的にわが隊列を標的にし、同志数人に傷を負わせた。

 この集団は黄色のベスト運動とは何の関係もない。われわれは、この数週間いかなる問題も引き起こすことなく、黄色のベストの人々と並んで行進を続けてきた。この土曜日の襲撃の間そこにいた黄色のベスト諸グループはこの襲撃に衝撃を受けた。そして何人かのデモ参加者は、このファッショを撃退しようとわれわれと肩を並べて介入した。

 われわれは怖じ気づかない! NPAは、決意をもって、マクロン反対の、またその反社会的諸政策反対の運動を建設し続ける。そして、次の土曜日の「黄色のベスト第12回行動」に当たる次回デモにも登場するだろう。

 黄色のベストデモにおける極右の存在は、この運動にとっては毒である。われわれに向けられた攻撃は、デモの破壊を、その弱体化を、そしてもちろん権力の利益となることを狙いとしていた。

 われわれは早々に、これらの小グループによる行為への対応を共に考えるために、その結果としてそれらが社会的諸決起への襲撃を思いとどまるように、社会的左翼と政治的左翼の諸組織と、さらに黄色のベスト諸グループと接触するつもりだ。

2019年1月26日、モンルー

(「インターナショナルビューポイント」2019年1月号)


【第四インターナショナル声明】ベネズエラ情勢 帝国主義者のクーデター策動反対!

zW4qmyamH6.jpgベネズエラ


帝国主義者のクーデター策動反対!

主権に基づく民主的危機解決を!

2019年1月24日

第四インターナショナルビューロー


 第四インターナショナルは、米国副大統領のマイク・ペンスにより(ラテンアメリカで信用を失っているトランプに代わって)冷笑的に組織化され、求められた、ベネズエラでの最新版クーデター策動、および帝国主義的介入に反対する自らの立場をはっきり宣言する。この策動に対する号砲は、簒奪者になると見られるフアン・グアイドが、彼には誰も票を投じていないにもかかわらず自ら「大統領」と宣言することを始まりとする一つの戦略の展開に向けて、一月二二日夜に流されたビデオ映像の中で鳴らされた。

そしてこれには、自称新政権を「認め」ようと殺到する、ラテンアメリカと世界中の一連のネオコン、右翼、そしてネオファシスト大統領と政府が続いた。米州機構と「リマ宣言」(マドゥロを選出した昨年の大統領選挙を正統性がないと断定:訳者)署名国もまた、グアイドの正統性のない大統領職を認め、ベネズエラに封鎖を課し、それによって軍事介入の口実として機能すると思われる対応を挑発する試みに力を貸すことによって、すぐさまこの帝国主義的諸計画に同調した。

われわれは、民族的主権の基本的諸規範を侵犯する、このクーデター策動と帝国主義的介入を糾弾するキャンペーンを全力を挙げて支持する。われわれは、このクーデターに反対するもっとも幅広く、民衆的で統一された国際主義的かつ民主的な決起を呼びかける。それが意味することは、われわれにはマドゥロ政権とそれが実施した制度との間にさまざまな意見の違いがあり、またそれらには批判が多々あるとしても、帝国主義者によるクーデターを介した解決などわれわれは考えない、ということだ。自らの未来の選択は、ベネズエラ民衆の自由で、独立した、民主的な決定に委ねるべきだ。

ベネズエラの否定できない政治的、社会的、経済的諸問題の解決は、「民主主義と人権」を守るという彼らの主張では完全に信用を失っている帝国主義者によるあらゆる介入のない形で、民主的な方法ではじめて可能になる。

確かに、民衆の重要な諸層は、この国の非常に深刻な経済情勢に、また政府が抱える諸困難や諸矛盾、また誤った諸決定に憤激を覚え、クーデターを支持して街頭に繰り出している。しかし悲劇だが、民族の寡頭支配層、また国際的な反動的でネオファシストですらある帝国主義諸勢力の指揮下に自らを置くことによっては、彼らは、ベネズエラにおける経済的、社会的情勢、また人権状況をいかなる意味でもよくする道には向かえない……、ということだ。

現時点であらゆることは、このクーデターを遂行中の者たちが内戦の押しつけ、あるいは外国の諸大国による直接介入を試みつつある、ということを示している。そしてそれらのことは、この国の問題を悪化させるにすぎず、アメリカ大陸と世界中での右翼と極右による政治的攻勢の深刻化に導くだけだろう。

軍事紛争は、この地域にとって破局的となり、この国の原油資源に対する大手国際寡占資本による支配を求める新たな聖地奪回に扉を開くだろう。米国によるイラク占領が引き起こした破局は、クーデターに参加する者たちがその方向を変えることができない場合、ベネズエラおよびこの地域全体で起こり得ることに関し一定の予感を与えるのだ。

われわれはあらゆる革命的、進歩的、民主的諸勢力に、この帝国主義者の最新版介入に対決して決起するよう訴える。そして、投票箱を通して表現された多数派の意思を尊重しつつ、軍事介入の脅威なしに、また経済的サボタージュから解放されて、自らの政治的、社会的、経済的諸問題を民主的かつ平和的に解決する点で、ベネズエラ民衆の主権を擁護するよう訴える。

ベネズエラのクーデター反対!

ベネズエラの危機に対する反帝国主義的で、独立した解決を!

(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一月号) 


報告 1.18アジア連帯講座 「反基地運動から見えてきた自衛隊の今」

配信:池田さん講座アジア連帯講座
反自衛隊連続講座①
「反基地運動から見えてきた自衛隊の今」

報告:池田五律さん(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)


 アジア連帯講座は、1月18日、文京区民センターで反自衛隊連続講座①「反基地運動から見えてきた自衛隊の今」をテーマに池田五律さん(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)を講師に公開講座を行った。

 日米安保体制下、グローバル派兵に向けて自衛隊と基地が大きく変貌しつつある。安倍政権は、2013年に決定した防衛計画の大綱(防衛大綱)を2018年12月に改定した。大綱は、対中国シフトを強め、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」やステルス戦闘機F35など高額な武器を米国から購入、さらに宇宙やインターネット空間での能力の強化、離島防衛として長射程の巡航ミサイルの導入などを明記し、自衛隊の敵基地攻撃能力を持つことを軸に再編しようとしている。

 池田五律さんは、自衛隊再編について①朝霞駐屯地と練馬駐屯地について②自
衛隊観閲式から見えてくるもの③東京都防災訓練と自衛隊④地域に溶け込む自衛隊を柱に報告した(発言要旨別掲)。

 さらに新防衛大綱分析、安倍政権の憲法九条改悪の性格と批判を行い、ともに反基地運動の取り組みの強化を呼びかけた。(Y)

 池田五律さん報告(要旨)

 東京北部の反基地運動から見えてきた自衛隊をお話したいと思います。

 朝霞駐屯地は、埼玉県朝霞市、和光市、志木市、東京都練馬、西東京市にまたがる九九七〇〇平方㍍の広大な敷地を持っている。

 朝霞駐屯地では日米合同指揮所演習「ヤマサクラ」が、各方面隊の持ち回りなので五年に一回行われている。日米地位協定の第2条第4項Bで自衛隊施設は、自動的に米軍が使いたい時は、使えるようになっている。朝霞駐屯地の機能が本格的に強化されたのは、東部方面総監部が市ヶ谷から朝霞に移転した1993年以降になる。

 大きな変化としては、去年3月末に陸自総隊司令部が朝霞駐屯地に発足した。自衛隊には、北部(北海道、東北)、東部(関東、甲信越、静岡)、中部(東海三県、北陸、近畿、中四国)、西部(九州・沖縄)方面隊がある。陸上自衛隊の場合は、各方面隊を越えた統一司令部はなかった。それは戦前の陸軍参謀本部の暴走の教訓から陸上自衛隊全体を一元的に動かせるような司令部をつくるのはまずいという判断があった。ところがそれが作られ、一元的に陸上自衛隊を動かせることになった。さらに総隊司令部の下に各方面隊があるだけではなく、総隊直轄部隊がある。宇都宮駐屯地にある中央即応連隊(海外派兵専門部隊)、習志野駐屯地の空挺団、覆面部隊の特殊作戦軍がある。

 木更津駐屯地には、水陸機動団、自衛隊版の海兵隊がある。朝霞駐屯地は、こういう部隊の要の司令部機能を持っている。

 もう一つの朝霞駐屯地の役割は、広報機能。陸上自衛隊広報センターがあり、
「りっくんランド」という無料で遊べる「戦争」ゲームセンターがある。体感できる3Dシアター、ヘリコプターの模型に乗れたりするので子ども連れの人たちがたくん来ている。修学旅行のコース、はとバスのコースにもなっている。

 さらに自衛隊体育学校があり、メダリストをはじめとするアスリートがたくさ
んいる。「アスリートと交流しませんか」とかで、大きな広報の役割をしている。一番すごいのが、戦争賛美の振武館といって付属記念館があります。敗戦を認めないという陸軍予科士官の「血判状」とかの資料が展示されている。

 練馬駐屯地は、2万2419平方メートルの敷地があり、川越街道で朝霞駐屯地と繋がっている。東部方面隊は、南関東を管轄している第1師団で練馬駐屯地に司令部がある。第一師団は、政経中枢を守る役割をになっている。第12旅団は、群馬に拠点を置き、空中機動展開旅団と呼ぶ。ヘリコプター部隊とかと連携しながら首都圏でなにかあった場合、緊急展開する。

●観閲式から見えてくるもの

 観閲式とは、自衛隊の戦力を誇示する大々的な軍事パレードだ。

 米軍などの駐在武官とかが見にくる。同時に米軍が友情参加しており、日米安保の威力を見せつける役割を果たしている。

 観閲式の一週間前、予行演習が行われるが、目撃情報では夜中にゴミ出しに行
ったら、自衛隊の制服部隊がウロウロしていたと報告されている。イラク派兵の時は、東武練馬と平和台の間に練馬駐屯地があるが、駅周辺はもちろんのこと、春日町あたりまで自衛隊員がうろついていたり、学校の屋上にも来たという情報もある。

 練馬駐屯地に対し、4月の第2土曜日に駐屯地祭があって、毎年ビラを撒いている。6月の第1か、第2日曜日にデモをしているが、警察・公安だけではなく、駐屯地の中から自衛隊警務隊が写真を撮りまくっている。

 ビックレスキュー東京2000では石原慎太郎が「三国人の騒擾が予想されるから頑張れ」という差別排外主義発言があり、銀座では自衛隊装甲車を出した。まだ開通していなかった大江戸線の都庁から北回りで自衛隊の部隊進出も行った。ビッグレスキューのスローガンは、「首都を守れ」であり、「都民を守れ」ではなかった。

 自衛隊員とか、その家族にとっては、観閲式は「晴れ」の舞台だ。以前、大泉学園で観閲式反対のビラを撒いていたら、若い女の子がビラを受け取ってくれたが「兄が出るンです」と言っていた。大泉学園は、高級住宅地であり、そこは自衛隊幹部の高級住宅地になる。

 観閲式の前日に、防衛省本庁舎のメモリアルパークで、1年間に亡くなった自衛官の追悼「慰霊」式典が行われる。自衛隊版靖国が市ヶ谷にある。

 警察にとっても観閲式は、テロ対処訓練だ。埼玉県の予算要求書には、観閲式
は東京オリンピックテロ対処訓練という位置づけで要求されている。テロ対処で自衛隊と警察は連携している。

●防災訓練から見えてくるもの

 9月の第1日曜日に東京都総合防災訓練が行われ、環状7号線封鎖訓練をやっている。環7は、政経中枢を維持するうえでの一つの柱だ。防災車輌を優先的に動かす。だから道路を一般車両に使用させない。

 大規模震災、緊急事態が起きたら内側から出てくる人たちを誘導して、検問する。それに紛れてテロリストが逃げたり、攪乱するようなやつは中に入れない。

 防災訓練の時も自衛隊が航空管制を握る。2002年、練馬区の東京都総合防災訓
練ではじめて自衛隊が航空管制を行った。

 ビックレスキューの時は、警察は自衛隊アレルギーを持っていたが、その後、国家安全保障局が設立され、自衛隊、警察が出向し、防災訓練、テロ対処訓練を通して警察と自衛隊の連携が深まっていった。治安出動の時も、自衛隊と警察の協定というものが、2002年ぐらいに新協定が結ばれている。洞爺湖サミットで警察と自衛隊の連携が完成化された。北海道自衛隊駐屯地で機動隊が訓練していた。

 最近の防災訓練では自衛隊は前面に出てこない。2~3年前、上野音楽堂でやったテロ対処訓練でも、化学物質が撒かれたという想定だが、消防とかが中心だった。実践の場で自衛隊は来ないよということを想定した訓練になっている。防災訓練は自衛隊をデモンストレーションする役割がなくなってきている。

 私たちは、去年の東京都防災訓練の前、8月に都に対して質問書を出し、交渉した。それでわかったことだが、都が自衛隊に対してこういう施設で、こういう時間帯で訓練をやりますけど、やりたいことがあったら企画をたててくださいということだった。だから自衛隊は、どこどこの会場だったらこんな訓練ができそうだ、自分たちの都合がいい訓練を企画していたことがわかった。

 この間の防災訓練は、参加している高校生に対する自衛隊へのリクルート活動が中心だ。東京都防災訓練では、とくに中高一貫校が狙われ、動員を要請している。総合学習、ボランティア授業の一環として防災訓練に参加させている。

 ほとんどが見学だが、何人かは自衛隊と一緒に、自衛隊が作った給食を配布したり、その間に「自衛隊に入らない」とかのリクルート、声かけをやりまくっている。

 高校の中には、生徒会活動の一環として防災支援隊が作られたり、大学でも防災ボランティアクラブというサークルができている。田無工業高校では、防災訓練だとして朝霞駐屯地で訓練させている。自衛隊には、防災訓練のプログラムはない。送り込む学校が勝手に位置づけている。防災教育指定校もあり、自衛隊が呼ばれて講演をしたりしている。

 訓練場では、防災と関係ない「PKOで活躍しています」とかの展示をやっている。子どもに自衛隊制服を着せて記念写真とかもやる。抗議したら一時期、後景にしりぞいたが、ほっとくとまたやりだした。

 最近は、自衛隊独自の防災訓練をやっている。2012年に夜間徒歩訓練があった。練馬駐屯地から夜中二人~三人一組で徒歩で偵察で動き、区庁の危機管理室に宿泊したりしながら、進出拠点に行く。次に来るのが通信部隊で通信網を作る。

 板橋区は、危機管理室は自衛隊出身者だ。阪神大震災以降、自衛隊は「危機管
理のエキスパートを自治体に入れませんか」とセールスし、民間企業に対しても同様の手法で自衛隊を送りこんでいる。

 自衛隊が大きな訓練を実施するときは、かつては自治体に事前連絡がきていたが、最近は連絡もない。「騒音がすごい」という苦情が練馬区に入り、あわてて自衛隊に問い合わせて、初めて知るという事態になっている。この自衛隊の姿勢は、小学校、高校などに「基地見学にきませんか」とダイレクトにアプローチしたりもしている。

 少子高齢化で小学校は、自衛隊員の子どもが多い。練馬駐屯地内に居酒屋「はなの舞」がある。隊員を町の飲み屋に行かせないためだ。自衛隊で町起こしはありえない。

 自衛隊友の会などが網の目で作られ、自衛隊出身の議員が増えている。地域一体になっている。選挙では、自衛隊とOBは自民党の集票マシーンにもなっている。

 こういった地域一体構造は、自衛隊イベントとしてのオリンピックを通して強まっていかざるをえない。これら全体構造とどのように構えていくのか、沖縄連帯とともに粘り強く反戦反基地運動を強化していこう。

報告:三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)旗開き&東峰現地行動

配信:19三里塚旗開き 1月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2019反対同盟旗開き」を行い、40人が参加した。

 政府・国土交通省—成田国際空港会社は、2030年度までに第三滑走路の建設と飛行時間の延長など空港公害と環境破壊を拡大する空港機能拡大計画を明らかにした。とりわけ2020年東京五輪・パラリンピックによる旅客の増大を口実に飛行時間を午前5時から翌日午前1時までに延長するという睡眠破壊を拡大する人権侵害そのものだ。

 成田国際空港会社の夏目誠社長は、1月4日の社内訓示で国・千葉県・関係9自治体・空港会社からなる四者協議会などの推進派を自作自演で動員しながら「第3滑走路建設など成田空港のさらなる機能強化について地域の思いをしっかりと胸に刻み、全力で取り組みたい。A滑走路の夜間飛行制限緩和もできるだけ早く実施したい」と居直った。飛行時間の延長に反対する空港周辺住民は、「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板(横芝町)を掲げているように、抗議や不安などを強く表明している。旗開きは、第3滑走路建設反対と飛行時間延長を許さない闘いに向けた意志一致の場となった。

 開催にあたって司会の山崎宏さん(横堀地区/労活評現闘)は、「現地は国と空港会社による第三滑走路建設に向けて様々な策動がある。夜間飛行時間の延長によって飛行ルート下の住民は強い反対を示している。推進派は、強引に合意がなされたなどと言い、既定事実としてあるかのように宣伝している。芝山、横芝光町では根強い反対の動きがある。こうした反対派と連帯し、拡張反対を貫いていきたい」と発言した。

 柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、「去年は、共有地の法人化ということで一般社団法人三里塚大地共有運動の会を立ち上げた。1966年から一坪共有地運動が始まり、空港建設を阻む実力闘争の一環として取り組んできた。空港の巨大化は、地球の温暖化と深く関わっている。最近の天候の変化が激しい。かなり毎年、危機的状況を繰り返している。発展というのが物を消費し、増やしていくという考え方だ。格安飛行機が飛び、外国から人々がたくさん来るというのが本当の発展なのか。金儲けのことしか考えていない。三里塚闘争を通して次の新しい世界を創り出していこう」と訴えた。

 石井紀子さん(川上地区)は、「安倍首相がテレビに出てくるたびに消したくなる。ほんとにあの人の暴走をとめないとだめだ。今日は食べることについて話したい。何を食べるかということは、自分がどのように生きていくのかの選択だ。生命と活動を維持するために食べる。野菜たちのたくましい生命力を見るたびにこの命をもらっていかなければならないと思う。ワンパック野菜が去年から子ども食堂のお手伝いをするようになった。家族が集まって食べることがなくなり、子どもたちがスナック菓子で食事をすませてしまうという話を聞いて驚いた。孤食が話題となり、子どもへと広がっている。子どもたちが育ち、礎となる。野菜が皆さんの力になるように日々働いています。真剣にいいものを食べてください。今年も頑張りましょう」と述べた。

 平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「去年4月4日、東峰地区の樋ケ守男さん宅、三里塚物産の冷蔵倉庫を焼失してしまい大変申し訳なかった。去年はいいこともありました。三里塚物産の代表を退いて大森武徳君が代表になった。これまでの闘いを引き継いでくれる人だ。大量生産・大量消費を見直していこうという地球的課題の実験村を取りくんでおり、木の根ペンションも使っている。一坪共有地の法人化によって態勢が強化され、長く闘っていくための戦略的対峙の状況にある。今年もよろしくお願いします」と発言。

配信:東峰現地行動 加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会代表)は、昨年末、市東孝雄さん(北原派反対同盟/天神峰)裁判の千葉地裁不当判決に触れ、「市東さんの土地の地主は空港会社に黙って売り渡していた。市東さんはちゃんと地代は払っていたにもかかわらず、裁判所はこれらの経過を無視して明け渡すのは当然だと判断した。さらに補償してるから生存権を脅かすものではなく、職権の乱用でもないとしている。シンポジウムの合意は、強制権の問題まで合意したわけではない。強制権は存在している。裁判所は、ことごとく空港会社の主張を追認し、市東さんの土地を収用することは当然だという主張だ」と糾弾した。

 さらに「国がシンポジウムで謝罪し、強制収用はしない、話し合いをするとい
う評価がある。市東裁判判決は、政府が一貫して強制収用の姿勢を崩していないことを示している。謝ることと、強制収用はまったく別の次元の話だ。混同してきたのが、われわれの反省点だ。三里塚の弾圧手法を今、沖縄で使っている。三里塚闘争と沖縄基地反対闘争は、運命共同体だ。革命的警戒心を持って緊張感を持って闘っていこう」と決意を表明した。

 発言は、清井礼司弁護士、高見圭司さん(スペース21)、日米安保終了を通告する会、、渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会 、関西三里塚相談会)一般社団法人三里塚大地共有運動の会、田んぼくらぶなどから行われた。最後に「団結ガンバロー」を行い、二〇一九年の闘いの団結を打ち固めた。

 旗開き終了後、三里塚空港に反対する連絡会の呼びかけで旧東峰共同出荷場跡に移動し、開拓道路に向けてデモが行われた。成田空港滑走路に向けて、「飛行制限時間緩和を許さない!成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ!」のシュプレヒコールを行った。

(Y)



青年戦線 第194号(2019.1.1)ができました。

Screenshot_20190102-151544~2青年戦線 第194号(2019.1.1)ができました。


■購読申し込み先
400円
編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402






青年戦線第194号(2019.1.1) 誌面案内

◆特集 「天皇代替わり」とどう闘うか

   天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)に聞く

◆なぜ元号はいらないのか?7.21集会

◆10.22 「明治150年」記念式典反対デモ

◆終わりにしよう天皇制 11.25大集会&デモ

◆「教育勅語」礼賛の文科相は辞任せよ

◆読書案内 「日本会議の野望」

◆安田純平さん人質事件をどう見るか

◆12.2「三里塚大地共有運動の会」設立報告集会

◆アジア連帯講座・10.19公開講座
「反資本主義の共同から21世紀の社会主義へ」


記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ