虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

報告:強行採決から1年!戦争法廃止!9・19国会正門前行動

9.19総がかり 9月19日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、国会正門前で「強行採決から1年!戦争法廃止!9・19国会正門前行動」を行い、2万3000人が参加した。450カ所でも連動した戦争法廃止集会が取り組まれている(主催者発表)。

 憲法違反の戦争法強行制定から1年。安倍政権は、自衛隊のグローバル派兵拡大にむけて11月に南スーダンへ国連平和維持活動(PKO)として派兵する。

 安倍首相は、9月12日、官邸で「自衛隊高級幹部会同に伴う総理主催懇親会」で、①戦争法とセットで新たな日米ガイドラインを策定、②統合幕僚監部に部隊運用に関する業務を一元化した統合運用体制へと踏み出したことを確認し、「必要なことは、新しい防衛省・自衛隊による『実行』です。国民の命と平和な暮らしを守り抜く。『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と安定、繁栄に、これまで以上に貢献していく。今こそ、『実行の時』であります」と統合幕僚長、陸海空の幕僚長、部隊の長ら幹部に向かって訓示し、戦争ができる自衛隊作りにむけて気勢を挙げた。

 その第1ハードルとして内戦状態にある南スーダンに自衛隊を派兵し、帝国主義軍隊としてレベルアップさせようとしている。南スーダンは、2013年末からキール大統領派とマシャール前第1副大統領派と武力衝突を繰り返している。首都ジュバでは、7月10日~11日、反政府勢力が七階建てビルに立てこもり、政府軍と大規模な戦闘が発生し、二七〇人以上の死傷者が出ている。ビルの隣に陸上自衛隊の宿営地が設営され、戦闘を逃れたジュバ市民を受け入れていた(共同通信/9・17)。

 ところが安倍政権は、PKO協力法の「参加5原則」の「停戦合意の要件」を逸脱しているにもかかわらず、グローバル派兵の既成事実にしがみつき、7月の戦闘に対しても菅義偉官房長官は「武力紛争が発生したとは考えていない」などと居直り、陸自隊員の撤収を否定した。つまり、戦争法によって「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」の任務を加え、武器使用基準を緩和し「人を殺し、殺される」軍隊として内戦介入へと追い込もうとしているのだ。

 すでに南スーダンに派兵予定の陸自第9師団第5普通科連隊(青森市)は、敵対武装集団との戦闘を想定した「駆けつけ警護」「宿営地の共同警護」訓練、警告射撃と射殺訓練を開始している。同時に安倍政権は、戦闘による自衛官が戦死した場合、賞恤金(弔慰金)の支給上限を6000万円から9000万円に引き上げることまで検討に入っている。自衛隊員の命と引き替えにしたグローバル派兵国家建設へと突進しようとしている。自衛隊の11月スーダン派兵を許してはならない。

 集会は、「戦争する国絶対反対! 戦争法は憲法違反! 憲法守ろう命が大事! 憲法改悪絶対反対!」のシュプレヒコールで始まった。

 岡田克也衆議院議員( 民進党前代表 ) は、「憲法違反の法律は何年たっても憲法違反だ。廃止していくのが国会の仕事だ。市民と野党が協力して総選挙を戦っていく。民進党は、新しいリーダーが誕生した。考え方は全く変わっていない。共に闘っていきたい」と発言。

 さらに志位和夫衆議院議員(共産党委員長)、福島みずほ参議院議員(社民党副党首) 、木戸口英司参議院議員(生活の党)から戦争法廃止と野党共闘に向けた決意表明が行われた。

 高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)は、「11月、青森市の陸自第九師団第五普通科連隊は、重武装して内戦状態にある南スーダンに派兵される。政府は自衛隊員が死ぬことを前提にしている。自衛隊員が死ぬことはよくない、自衛隊員が人を殺すことは絶対によくない。総がかり行動実行委員会は、10月30日に青森現地で抗議行動を行いたい。沖縄辺野古新基地反対・高江ヘリパッド反対と連帯しながら、あらゆるところで自衛隊派兵反対を訴えていこう」と呼びかけた。

 続いて清水雅彦さん(戦争をさせない1000人委員会事務局長代行)、小田川義和さん(戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター)のアピール。

 連帯あいさつが安全保障関連法に反対する学者の会、立憲デモクラシーの会、林田光弘さん(元シールズ)、安保関連法に反対するママの会、山岸良太さん(日弁連憲法問題対策本部)、沖縄・高江ヘリパッド建設阻止闘争に参加した沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロックから行われた。

 井筒高雄さん(元自衛官)は、「南スーダン派兵によって自衛隊員の命が奪われる危険性がある。隊員が負傷しても不十分な戦傷医療態勢しかない。内戦状態にあり、難民が自衛隊宿営地に避難するほどだ。現地邦人、日本大使館は、ほとんど脱出している。海外派兵の目的は、実戦するだけだ。武力だけで平和がつくれるわけはない。安倍さんたちの命令によって自衛隊員が死ぬかもしれない、人を殺すかもしれない。この恐ろしさをわかっているのか。自衛隊員が死んだら、情報操作されながら国葬をやって、その先は憲法改悪だ。南スーダンの戦争実績にもとづいて中東・アフリカに武器輸出をねらっている」と糾弾した。

 最後に、実行委員会から行動提起。参加者全体でシュプレヒコールを国会に向けて行った。

(Y)

【香港】変化を求める――2016年の立法会選挙についての初見


変化を求める――2016年の立法会選挙についての初見


區龍宇

 

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【解説】9月4日に行われた第六回立法会選挙(定数70)は、建制派(政府与党)が40議席、非建制派が30議席を獲得した。直接選挙区での得票率が40%余りの建制派が議席の多数を獲得できるのは、定数35の職能選挙区が存在するからである。
 2014年8月末、中国全人代は職能性選挙区を含む選挙制度を従来通り実施することを決定。それに反発したのが同年秋からの雨傘運動であった。雨傘運動は英植民地時代からつづく支配層に有利な職能制選挙区を廃止し、全議席を普通選挙で選出することを訴えたが実現しなかった(もう一つの要求は行政長官の直接選挙)。当初、非建制派は、雨傘運動以降の混迷から苦戦が予想された。
 しかし中国政府に批判的な書籍を発行・販売する香港の書店主ら5人が中国国内で失踪し、今年6月におよそ8カ月ぶりにそのうちの一人が香港に戻って記者会見を開き、共産党中央の特別捜査チームに秘密裏に拘束・監禁され、国内顧客のリスト提供など捜査に協力することを条件に、一時的に香港帰還を許されたことを明らかにしたことで、中国政府およびその意向を組む建制派への批判が高まり、非建制派が重要議案の否決に必要な三分の一の議席を確保した。
 この非建制派には従来の民主派だけでなく、2014年秋の雨傘運動以降、若年層をふくめた広がりを見せた本土派なども含まれる。
 本土派とは「香港こそが本土だ」というナショナリストで、中国からの移民を排斥する排外主義や反共主義などが特徴で、香港独立を主張するグループもいる。この本土派の候補者6名が、香港独立の主張などを理由に立候補資格を取り消されるなど、これまでにない当局の警戒ぶりが報じられた。本土派の著名候補者などは落選したが新人3名が当選した。
 一方、それら排外的本土派とはことなる「民主自決派」として、
劉小麗(雨傘運動のときから街頭で小麗民主教室を開いてきた香港専上学院講師)、朱凱迪(高速鉄道建設による立ち退きに反対した菜園村運動のアクティビスト)、羅冠聡(雨傘運動をけん引した大学生連合会の中心的メンバーの一人。同じく雨傘運動をけん引した学民思潮の黄之鋒や周庭らと結成した政治団体「香港衆志」から立候補した)の三人が、既成の民主派政党(汎民主派)が突破することのできなかった基本法の枠組みを乗り越える香港の将来を主張し、初当選を果たした。中国政府が香港に介入する余地を保障した香港基本法の枠組みでの改革に拘泥した汎民主派の多くは得票数を減らした。
 この區龍宇氏の論考は投票日翌日に書かれ、ウェブメディア「立場新聞STAND NEWS」に掲載された。[ ]は訳注。(H)

 



2016年立法会選挙の結果は、変化を求める声を示している。それは、さらなる政治化、二極化、世代交代という三つの状況から見てとれる。三つの傾向は、逆に選挙結果を説明するものでもあり、今後の発展にも影響するものである。


 

さらなる政治化、さらなる嫌中

 

長年にわたって香港人は「政治に冷めている」と言われ、香港返還[1997年7月1日]までの投票率はずっと低いままであった。1995年の立法会選挙[返還前における最後の選挙]では直接投票の選挙区での投票率は35.79にとどまっていたが、返還後は急上昇した。しかし返還後の選挙の投票率は興味深い数字を示している。第一回、第三回、第五回の選挙の投票率は相対的に高く、第二回、第四回の投票率は低く、まるでバネの反動のようである。

 

1998年 投票率53.29% 投票人数1,489,707

2000年 投票率43.57% 投票人数1,331,080

2004年 投票率55.64% 投票人数1,784,406

2008年 投票率45.20% 投票人数1,524,249

2012年 投票率53.05% 投票人数1,838,722

2016年 投票率58.28% 投票人数2,202,283

 

1998年の投票率が高いのは、返還直後だからである。2004年は23条立法化問題があった[基本法23条の治安維持条項の立法化問題が社会不安を高めた]。2012年は愛国教育反対運動の高まりが影響した。逆にいえば、もし中国政府と香港政府が香港人の逆鱗に触れるようなことをしなければ、第二回、第四回の選挙と同じように投票率は4割台に落ち込んでいただろう。しかし愛国教育反対運動の後、中国政府は、香港人を懲らしめるという政策に変更したため、香港人の危機感は高まった。

それゆえ今回の選挙では、従来見られたような反動が見られず、逆に投票率はさらに高まる結果となった。情勢が人々をそのように追いやったのであり、香港人はいやおうなく政治化し、今回の選挙の投票率は史上最高を記録した。直接選挙区において建制派の得票率が40.6%にとどまったことは、2012年の42.7%をさらに下回る結果となった。これは、民衆が中国政府によるさらなる強硬策に対して首を垂れるのではなく、逆に民衆の抵抗と変化を求める心理を刺激したことを物語っている。


 

変化を求める心理が新しい勢力を誕生させた

 

この種の政治化は同時に二極化でもある。ひとつの極は建制派[政府与党]である。そしてもう一方の極は急浮上した自決派および本物と偽物の香港独立派であり、この勢力は22.2%の得票率を獲得した。この新興勢力のせいで、選挙制度改革のやり直しを主張してきた汎民主派[既成の民主派政党]は、まともにこの影響を受けることになった。これまでは汎民主派が一方の極であったが、現在は中道に押しやられた。図を参照してほしい。

 

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だが、この新しい勢力をどのように位置づけるのかをハッキリとさせておく必要があるだろう。ある汎民主派の学者は、これらを「本土自決派」とひとまとめにくくっている。つまり劉小麗、朱凱迪、香港衆志と、実際には全く異なる質の熱血公民および青年新政を同じ一つの鍋に入れてしまっている。そしてそれとは別に人民力量・社会民主連線連合を「急進民主派」として位置付けているのである。このような分類は極めて奇妙というほかない。

 

これはたんなる名称だけの問題ではなく、重大な分析的価値を持つ議論である。中国と香港という立場を基準に区別することは、二極化の一つのレベルにすぎない。しかしさらに第二のレベルの二極化があることを無視することはできない。つまり社会的、経済的立場における二極化である。つまり国際的に言われるところの左右の二極化である。この区別に従えば、建制派は右翼あるいは極右に位置する。汎民主派はといえば、それぞれ中道左派から中道右派のあいだに位置づけられるだろう。そして今回の選挙の注目点としては、はじめて右派・極右の排外的本土派の政治団体が選挙に立候補し当選を果たしたことである。

 

 

移民排斥の感情

 

熱血公民および青年新政は、その排外主義、反移民、反労働人権の主張から、一般的な政治常識からいえば、右翼ひいては極右(もしも移民に対して暴力を用いたり、「わが民族ではない」など主張すれば)であり、右翼本土派あるいは排外主義本土派と呼ばなければならない。「選民起義」[今回の選挙に向けて結成された選挙・政党情報を発信する団体で區氏も参加している]ではこれらの政治団体の労働、環境、地域、女性などの政策を比較した。その結果、これら右翼本土派は表面的には中国政府と対抗する主張をしているが、社会経済問題においては、建制派とおなじく、ときにはそれ以上に保守であった。そもそも極右とは、一種の急進的保守主義でもある。つまり急進的かどうかだけを判断基準として、その社会経済的政策におけるウルトラ保守の立場を無視する、社民連と熱血公民の違いさえもわからず、敵同士を同じ分類にしてしまうという判断に陥ってしまったのである。

 

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   が議会の新興勢力


この図の分類については、細かい個所については異なる評価があるだろう。しかし大まかに言って、新興勢力はひとつではなく二つ、左の一つと右の一つであることは疑いをもたない。前出の汎民主派の学者は「専制VS民主」「政府VS民間」という香港ではおなじみの二分法に拘泥しており、情勢を正しくとらえきれていない。左右の立場を組み込んだ分析によって、自決派の香港独立右翼あるいは極右の登場が、現代香港政治情勢の急激な変化を代表することを理解することができるのである。この新右翼の登場のすべての背後に中国共産党の影をみることができることは否定しがたい事実である。

しかるに、もしそれによって、香港人の中に確実に反共主義と反移民思想という一種の右翼的主張が存在することを理解しなければ、それはさらに危険なことである。危険という意味は、[右翼的主張の]攻撃対象は中国からの移民にむけられたものであり、民主主義にとっての真の人民の敵である中国共産党を見逃してしまっているからである。しかも客観的には、[右翼/極右の主張が]この人民の敵に香港の自治権を粉砕するための最高の口実を与えてしまっている。

 

今回の選挙では、移民排斥を主張せず、多少なりとも中道左派といえる三つの若い民主自決派が登場した。また社民連・人民力量連合はなんとか間に合って装いを改めることができた[社民連には反共右翼排外主義者がいたが分裂した]。この四つの勢力の社会経済政策は主流の汎民主派[公民党、民主党]とそれほどの違いはない。しかし、中国と香港の関係について新たな展望を提起しているがゆえに、新たなオルタナティブを模索しながら、移民排斥にも反対する旧来の民主派支持の有権者からの票を集めたことで、客観的には右翼候補者やそれを支持する有権者によるさらなる世論のさらなる右傾化を押しとどめることができた。

 

排外的本土派はあわせても7%の得票率(15万2180票)であったが、民主自決派は15.2%(32万9141票)を獲得した(どちらも落選候補の票を含む)。朱凱迪は8万票以上の高得票で当選し、香港の民主化運動がまだまだ健在であることを改めて示した。

 

両極の新興勢力が22.2%の得票率を獲得したことは、当然にも主流の汎民主派を圧迫した。しかしなぜ中道右派の民主党が比較的影響を受けず、逆に中道左派の労働者民主派(とくに工党)が比較的影響を受けたのだろうか[工党=労働党は、労働運動出身のベテラン議員、李卓人らが2011年に結党。今回の選挙では新人一人を含む4人が立候補したが李氏をはじめ3人が落選し、議席を1に減らした]。

考えられるひとつの理由は、安定を求める上層の中産階級の有権者は、これまでもずっと民主党の票田であったが、工党、街坊工友服務処[80年代から労働者街で地域運動や労働運動などを行い、90年代からは立法議員選挙にも参加。今回の選挙ではベテラン議員の梁耀忠は議席を守ったが、区議から転戦した新人は落選した]は、おもに中下層の中道派、あるいは中道左派を支持する有権者が支持基盤である。しかし今回、これらの有権者のなかにも変革を求める心理が起こったことで、労働者民主派の保守的な政治主張[選挙制度改革のやり直し]には関心を持たなくなり、加えて若い有権者を引き付けることができなかったことから、支持率が下がったのは自然の成り行きであった。

 

しかし指摘しておかなければならないことは、前述の政治分岐は始まったばかりであるということだ。今後それがどのように発展するのかという変数は極めて大きいし、直線的に発展するかどうかはもっとわからない。とりわけ民主自決派の多くは、スタートしたばかりであり、政治主張および経験は極めて不足している。極右本土派の攻撃の中で、基盤を確立し、流れに抗して、新しい民主勢力を鍛え上げることができるかどうかは、いまだ未知数である。だが真の民主派は、手をこまねいて傍観しているだけであってはならない。闘争に身を投じ、民主勢力の世代交代を促さなければならない。

 

 

世代交代を拒むことはできない

 

左右の政治化というほかに、第三の要素がある。それは世代交代という作用である。多くの有権者、とくに青年の有権者らが、既成の顔触れに嫌気をさしていたことは想像に難くない。道理で、ベテランの民主派候補者の結果が芳しくなかったわけである(芳しくないのは、当選しなかったことではなく、その主張があまりにひどかったことである)。他方、雨傘運動を押し出した新しい世代は、たとえ雨傘運動後の困惑があったとしても、かれらは戦後の香港において初めて真に大衆的で抵抗の意思を持った大運動の誕生を促したのであり、それは嫌気がさしていた有権者に新しい希望をもたらしたのである。

 

もちろん、さらに第四の要素がある。それは中国共産党が巨大なリソース資源を持ち出して、舞台の下でさまざまな卑怯な手段で介入者がその代理人を育成し、火に油を注いで扇動するなどの陰謀を企てたことであるが、それについては後日あらためて述べる。

 

2016年9月5日

報告:高江へのヘリパッド建設強行を許さない!安倍政権は辺野古新基地建設を断念せよ 9.11新宿デモ

9.11新宿デモ 9月11日、辺野古への基地建設を許さない実行委は、「高江へのヘリパッド建設強行を許さない!安倍政権は辺野古新基地建設を断念せよ 9・11新宿デモ」を行った。


 前段集会が新宿アルタ前で行われ、次々とアピールが続いた。


 主催者あいさつが実行委から行われ、「高江現地は緊迫した状態が続いている。メディアはまともに高江の事態を取り上げないなかで毎月の新宿デモによって少しでも連帯の意志を広げていきたい。7月22日、政府は翁長知事の辺野古『埋立て承認取り消し』に対して出した「是正指示」に従わないのは違法だと福岡高裁那覇支部に訴えた。9月16日に高裁判決が出る。この日に『9・16辺野古・違法確認訴訟判決 工事再開許さない行動』(18時30分/衆議院第二議員会館前)を行う。


さらに9月28日に『止めよう!辺野古埋め立て』国会包囲実行委員会主催の『日本政府による沖縄への弾圧を許さない集会』(18時30分/日比谷野外音楽堂)が呼びかけられている。ぜひ参加していこう」と呼びかけた。


 9月5日から9日まで高江ヘリパッド工事建設阻止闘争に参加した仲間(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック)から現地闘争の報告が行われ、「現地は多くの機動隊と警察、車両で埋め尽されている。指揮しているのは警視庁などだ。しかし、私たちは阻止のための車を並べたが、機動隊に四時間も囲まれた。民間ヘリコプターで資材を運んでいた。7日の集中行動には、200人が集まり阻止行動を行った」と報告した。


 沖縄パンフレット作成委員会(辺野古ゲート前テント村、海上行動/高江連絡会/伊江島「わぴあいの里」/普天間ゲート前抗議行動/嘉手納ゲート前抗議行動)からパンフレット「あなたの行動が“沖縄の民意”を支える」を紹介し、多くの人々に頒布を広げていこうと訴えた。


 日本音楽協議会の「ふるさと」 「座りこめ ここへ」 の歌のアピール。


 国際自然保護連盟(IUCN)に関わる仲間から「国際自然保護連合は、8月31日、日米両政府に対し、名護市辺野古を含む沖縄本島の外来種侵入防止対策の強化を求める勧告案を決議した。日米政府に対して勧告を守ることを強く迫っていこう」と報告した。


 大城悟さん(沖縄平和運動センター事務局長)は、「ウチナンチューは決して権力に負けない。辺野古の工事は、いまだにボーリング調査さえ終えることができていない。沖縄と全国の仲間の闘いの成果だ。3月の和解で工事は止まっているが、9月16日に高裁判決を迎える。政府の弾圧は繰り返されているが、新たな動きが始まるかもしれない。最高裁の闘いも含めて辺野古の闘いは続く。高江の厳しい闘いが続いている。警視庁含めて多数の機動隊が襲いかかってきている。オスプレイの着陸帯が作られようとしている。これ以上の基地機能強化を許さない」と糾弾した。


 最後に行動提起が行われ、デモに移った。新宿一帯にわたって「辺野古新基地建設をやめろ!高江ヘリパッド建設反対!」のシュプレヒコールを響かせた。


(Y)

【香港】日曜には二つの民主派に投票しよう そして投票後は闘いを継続しよう

日曜には二つの民主派に投票しよう
そして投票後は闘いを継続しよう

區龍宇


原文

まず問わなければならないのは次のことである。民主派にとって、今回の選挙における最大の目標は何か。議席の三分の一を確保して拒否権を維持することだろうか。この目標は、すでに汎民主派自身によって破棄されている。汎民主派の政党間では同じような立場であるにもかかわらず、いくつにも分裂して互いに票を奪い合っているからだ。よりひどいことに、この5-6年のあいだに、政治情勢は悪化しているにもかかわらず、全くなすすべがなく、勢力再編のチャンスをみすみす極右排外主義に奪われていることだ。雨傘運動ののちも、依然として「選挙改革のやり直し」という主張にとどまり続けることで、有権者の極右排外主義政党への支持を逆側から後押ししている。候補者乱立のなかでは票割などできるはずもない。三分の一の議席を確保できるかどうかは誰にもわからない。それは依然として目標とすべきだが、すでに現実的な目標ではなくなっている。


◎ 民主自決派に票を投じよう

まして、香港の自治を守る防衛戦の戦場は、すでに議会だけに限定されてはない。中国共産党はこれまでの過渡期のあいだに、「暗(ひそ)かに陳倉に渡り」[三六計の第八計で、囮で敵を正面に引き付けておき背後から急襲する計略]、背後で闇勢力を組織してきたが、それがいま「収穫期」を迎えているのである。汎民主派が拒否権を確保して基本法二三条の立法化[治安維持法]を阻止できたとしても、中国政府が闇の勢力をつかって香港自治を亡きものにすることを阻止することは出来ないだろう。政治的に極右排外主義を圧倒することもできないだろう。周永勤の選挙からの撤退[政府与党の自由党の候補者だが、同じ選挙区から立候補している中国派の有力候補と競合することなどから、立候補を取り下げるように脅迫を受けた。テレビ討論会で立候補取り下げを突如表明した]および極右排外主義への支持の高まりはそれらの格好の証拠である。

強敵に対峙する民主派の支持者は、新しい力に票を投じることで、主流の汎民主派に比べて相対的に事態の急変にも対応しようとする新しい勢力を社会的に押し上げることが必要である。雨傘運動後から今回の選挙までの期間に、汎民主派の抱える問題が暴露されたことで、民主自決派の登場が促進された。facebook「選民起義」が昨日発表した政党採点(※)は、各政党のマニフェストおよび実践についての評価を行っている。読者はそこから、四つの政党・候補者の主張が極めて似通っていることを理解できるだろう。人民力量・社民連連合、朱凱迪、小麗民主教室、そして香港衆志の四つが、程度の濃淡はあれ、すべて民主自決を主張している。

この四つの候補者のマニフェストを詳細に検討すると、それぞれの政治主張には弱点がないわけではない。だが少なくともこれらの候補者は大局の変化には比較的敏感であり、民主化運動にも新しい思考が必要であることを理解している。また労働、環境、文化、コミュニティなどの主張において、労働者民衆の利益に寄り添っており、支持することができる。人民力量・社民連連合以外の三つの候補者には経験不足という批判もある。しかしそれは今後の学習と発展の中で克服可能である。議会内にこのような新しい勢力が登場することで、事態の推移に鈍くなった主流の汎民主派を刺激することもできるだろう。

人民力量・社民連連合については若干のコメントつけておくことが有益である。人民力量の陳偉業[民主党を離党して2006年に社民連結成に参加。2011年に離党して人民力量を結成]は、連合結成の際に、人民力量は中道左派であり、社民連の立場とほとんど同じであると表明した。2008年に(当時のメンバーの)蕭若元は「真の民主主義右派を建設しよう」という文章を公開し、労働組合を批判していた。労働組合が「自由な交渉を破壊する」からだという。そのころこの勢力は中道右派であった。さらに遡れば、社民連結党の3人の立役者[陳偉業、梁国雄、黄毓民]は、主張もバラバラで政治的分類が困難であった。だが数年が経過して、社民連は三つに分裂して、その一つである人民力量は、極右からの批判にさらされる一方で、自身も分裂を重ね、陳偉業はフェードアウトして勢いがそがれた。こういう事情から立場の変更を迫られたのではないだろうか。

人民力量・社民連連合は社民連の勢力が強いので、人民力量が再度右転換することをけん制することができるかもしれない。もちろん将来その立場を変化させないとは言えないが、それら一切は相対的なものである。いずれにしても、なすすべもなく事態のなすがままの主流の汎民主派に比べると、人民力量・社民連連合は、少なくとも、その気概を有権者に示すことができている。

かりに人民力量・社民連連合が、選挙において競合するのではなく、もっと前から他の三つの民主自決派と協力関係を構築していれば、影響力はさらに拡大したであろう。これについては選挙後に期待するしかない。

以上が、まずは一票を投じることができる勢力である。


◎ 労働者に根ざした汎民主派

次に一票を投じることができるのは、労働者を組織している汎民主派政党(organised labor pan-democrats)だろう。

民主派の分散化は、香港人が一般的にもっている弱点の反映に過ぎない。社会に蔓延する強固な個人競争主義が組織化を困難にさせている。偉大な運動であった雨傘運動の傘でさえも、重大な弱点を覆い隠すことはできなかった。つまり高度の非組織化である。それゆえ運動内部の右翼挑発分子から指導部が攻撃を受けてもそれに対処することができなかった。民主化運動は、労働者民衆の参加なくしては成功しない。そして組織がなくてはもっと成功しない。工党(HKCTUが支持母体)と街坊工友服務処(略称「街工」)は、指導者の政治水準は合格とは言えず、その思考方法は20年前そのままというのが深刻な問題である。

しかし民主派はその組織と指導者とを分けて考えることを理解しなければならない。この二つの労働者組織のメンバーと幹部は、長年にわたって労働組合の組織化に従事してきたのであり、最も報われない活動のための力を注いできたのであり、しかし長期的な展望にたてば極めて重要な活動でもある。このことは知られるべきである。Facebook「選民起義」でもこの点を評価に加えている。民主自決派の政治評価は労働者民主派よりも高くなっている。しかし労働者民主派の労働に関するマニフェストと実践のポイントは、民主自決派よりも高い得点を獲得している。

現在でも「必要な時にはストライキ、罷市、同盟休校が必要だ」と主張し、ストライキの威力を理解している汎民主派もいるが、平時において労働組合の組織化に力を注ぐことなく、危機の時にだけ労働組合に対してストライキを呼びかけるだけでは、労働者大衆をまるで命令すれば動くかのような奴隷と同じように考えていることにはならないだろうか。しかも蕭若元のような政治家は労働組合を敵視さえしているのだ。

だから投票するのであれば、はなから労働者を見下しているような上流プチブル階層の汎民主派ではなく、労働者の組織化に力を注いでいる労働者に根ざした汎民主派に投票すべきである。

これが次に投票すべき候補者である。

この二つの勢力[民主自決派と労働者民主派]にはそれぞれ長所がある。民主自決派は政治的水準では賞賛すべきものがあるが、労働組合の基盤がない。労働者民主派は労働組合の基盤はあるが(強弱の違いはあるが)、政治的水準はそれほどでもない。もしこの両者が相互に学び合うことができれば、かなりの水準でお互いを補う会うこともできるだろう。しかしそのためには、主流の気風である個人競争主義を克服する必要があるだろう。

Facebook「選民起義」の評価のなかで、もう一点注目するとすれば、高得点のトップ3(人民力量・社民連連合、街工、工党)も満点の過半数にしか達しなかったことである。比較的支持に値するような候補者でさえも獲得点数はそう高くはない。古い民主化運動は死んだが、新しい民主化運動はいまだ生まれていない。しかも強敵の進行は増すばかりである。民主派を支持する有権者は闘いつつ進むしかない。新しい政治勢力へ投票を終えた後は、さらに大きな闘争の準備を進めるべきである。闘争を通じてのみ、健全な力をもつ勢力が生み出されるのである。

2016年9月1日

【香港】9月の選挙では三つの勢力に投票するな

9月の選挙では三つの勢力に投票するな

區龍宇


原文

9月の選挙は候補者乱立の混戦模様である。民主派を支援する有権者は誰もが戸惑っている。だが少し分析すれば、すくなくともどの候補者への投票を除外すればいいのかがわかり、選択肢の幅は大きく狭めることができる。

1、建制派(親中派)には投票するな。

これに説明は不要だろう。


次に、汎民主派の研究者の中には、今回の選挙では戦術的な投票をすべきだと主張しながら、政党については、たんに建制派といわゆる非建制派の二つにしか区別していないという問題がある。もし仮にそのようなあいまいな区分しかしないのであれば、民主派を支持する有権者は王維基への投票を検討すべきだということになるではないか。この候補者は、労働者の権利に敵対し、真の民主主義に反対する大金持ちの候補者である。あるいは排外主義的暴力を扇動する偽の本土派もおなじく民主派としてひとくくりにしている。このような区別は、民主派を支持する有権者にとって全く望ましいものではない。それゆえ建制派には投票しないだけでなく、次の二つの勢力にも投票してはならない。


2、極右排外主義には投票するな。

民主派を支持する有権者は、熱普城[熱血公民、普羅政治学苑=黄毓民、城邦派=陳雲の三つの排外主義右派勢力の総称]あるいは本土民主前線に投じてはならない。「本土派」を名乗る勢力もあるが、もしそうであるなら、地元文化の保護運動に真剣にとりくんだ朱凱迪やコミュニティでの民主化運動を推進した小麗民主教室[どちらも民主自決派の候補者]と、「本土派」を自称する右翼排外主義とをどのように区別すればいいのだろうか。

「急進民主派」を名乗る勢力もあるが、いい加減にしてほしい。「急進」的「民主派」とは、その語のもつ元来の意味でいうなら、それは熱普城が憎むべき左翼のことを指す(原注1)。かりに香港で一般的に行われている分類にしたがったとしても、「急進」、「民主」という分類では、社民連と熱普城を区別することはできない。そのような分類方法は百害あって一利なしである。

熱普城と本土民主前線のもつ排外主義、個人崇拝、政治の宗教化、権威主義、多元的民主主義への敵対、ころころ変わる主張、若者を暴動に扇動しながら自らは傍観する等々の特徴は、いずれも明確に極右主義の性質であるが、アメリカのトランプですらこれほどひどくはないだろう。極右の特徴は、民主主義に対する殲滅という理念である。それにも関わらず「民主派」を名乗る?そのような行為は、客観的に中国政府や香港政府による民主化運動に対する破壊を手助けするものである。それは実際には歪曲化された建制派である。そんな勢力に投票してはならない!

名正しからざれば則ち言順(したが)わず、言順わざれば則ち事成らず[論語]。名称を明確にしなければ、有権者はあいまいなまま間違った投票を行い、それによって不要な打撃を招くことになるだろう。つまり最初に戻って考えると、これら極右排外主義の存在が意味するところは、「建制VS非建制」という汎民主派の研究者による区分が百害あって一利なしであることを改めて明らかにしているのである。

もうひとつの本土派といわれる政治勢力に「青年新政」がある。しかし実際にはその主張に何ら新しいものがあるわけではなく、旧態依然の保守的な排外主義と右翼ポピュリズムである。かれらのいう「香港民族主義」は、「新移民[返還以降の中国大陸からの移民]は、広東語と繁体字、または英語を理解していることを証明する試験に合格しなければ市民権を得ることはできない」と主張している! 青年新政の指導者の祖母は80歳の客家だが、青年新政が目指す香港国家が樹立された暁には、その祖母は香港の市民権を失うことになるだろうという冗談もあるほどだ。


3、「軟弱な汎民主派」には投票するな。

いわゆる「軟弱な汎民主派」とは以下のような特徴を持っている。

1)かつての最大の汎民主派の政党であり、長い歴史を持っているがゆえに、とっくに成仏して役立たずの専門業種[弁護士など]の政治家集団となってしまい、選挙のことしか考えられない。民衆や民主化運動などは選挙の手段にすぎない。

2)妥協主義が骨髄にまで浸透している。朝廷[中国政府]による帰順の呼びかけに心中うれしくてたまらなく、それになびいてしまう。いまはなびかなくても次はなびく。臨時立法会への参加や密室協議など、これまでの事件は偶然の産物ではない。

3)妥協主義がマニフェストに表現されている。つまり基本法という鳥かごの枠内での普通選挙にのみ参加し、あえて冒険を冒そうとしない。妥協主義が階級属性にも表現されている。つまり上層プチブルの立場で、支配者と民衆のあいだでバランスをとり、そこから利益を得ようとするが、実際には一方に偏っている。このようなプチブル政党は、一貫して労働者の権利を蔑んでおり、一貫して民営化には積極的で、一貫して大企業に傾斜した主張をしてきた。このような政党が口では「庶民のため」といったところで、それを信じることができるだろうか。

4)香港は8・31通達[香港ではすぐに普通選挙は実施しないという中国政府が2014年8月31日に出した通達]を経過し、雨傘運動を経過し、5人の書店主の違法な拘束[中国政府に不利な書籍を出版・販売していた香港の書店主が中国当局に拘束された事件]を経過したというのに、いまだ「普通選挙実施のための手続きを再度やりなおす」というのんきな主張をしているのだ! 

有権者諸君は「自決権」「香港独立」「国内自決権」「基本法の永続」などの新しい政治主張に同意する必要はない。だが8・31通達が出されたことで、従来のやり方[手続きのやり直し]では先が見えてしまっている。専制主義者[中国政府]はとっくに香港人の自治権を絞め殺す決意を固めているのに、まだ跪いて普通選挙を賜ろうとし、中国共産党が設定した鳥かごの手続き[基本法にのっとった普通選挙実施のための手続き]に沿ってものごとを進めようとしている。ふたたび中国共産党にもてあそばれる[手続きに沿って普通選挙実施が拒否される]のが関の山である。このような「民主派」を「建制民主派」と呼ばずして何と呼べばよいのか。


多くの汎民主派政党には、上記のような特徴を少なくとも一つか二つは持っている。だが、これらすべての特徴を備えているのはそう多くないはずである[民主党だけ]。汎民主派候補の乱立局面において、つぶし合いを避け、最もふがいない汎民主派政党に懲罰を与え、民主化運動のブラッシュアップを促進させるために、「軟弱な民主派」には投票すべきではない。そのような政党に投票しないことが、大局にとって最も望ましいことである。

9月には以上の三つの勢力に投票しないことこそ、民主派を支持する有権者の第一の戒律となる。

2016年8月18日


原注1:香港の主流メディアで使われている分類方法ではなく、歴史的および国際的基準に照らし合わせた分類。歴史的および国際的基準でいえば、香港で「左派」と呼ばれる中国派勢力(香港共産党)は、実際には極右派であり、どのような意義においても「左」の要素を持ち合わせていない。

「テロ等組織犯罪準備罪」反対! 対テロ治安弾圧体制強化を許さない!

436b63fa 安倍政権は、8月26日、グローバル派兵国家建設の一環である対テロ治安弾圧体制にむけ、2020年東京五輪に向けたテロ対策と称して組織犯罪処罰法の中にあった共謀罪の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に変えた法案を9月26日に召集される臨時国会に提出することを検討していると明らかにした。刑訴法改悪の制定のうえで共謀罪の制定の政治的タイミングをねらっていたが、本格的な着手に入った。

 「共謀罪」は、これまで4回にわたって国会に提出してきたが、言論の自由、結社の自由、通信の秘密、基本的人権の破壊、サイバー弾圧など日常生活まで処罰対象(刑事法、商法、消費税法、道路交通法など六一五種類)を広げようとする現代版・治安維持法としての超反動法案であるがゆえに民衆の反対によって廃案に追い込まれてきた。

 たとえ法案の名称を変えたとしても近代法の既遂処罰が原則という法体系を国家権力の恣意的判断を前提とし、未遂でも罰することをねらっているのであり、従来の「共謀罪」の基本性格を踏襲している。犯罪の「構成要件を厳しくした」などと言っているが、まったくのウソだ。

 法務省は、これまでの「共謀罪」では適用対象を「団体」としていたが、法案では「組織的犯罪集団」に変えると言っている。だが「組織的犯罪集団」の定義はあいまいであり、具体的にどんな「集団」なのかを明記していないところにとんでもないトリックが隠されている。つまり、権力のデッチ上げストーリーに基づいて二人以上のグループを、例えば、市民団体、労働組合、サークルなどに適用すれば弾圧対象となってしまうのだ。

 極論ではない! 労働組合を「組織的犯罪集団」と規定したうえで団体交渉を逮捕監禁罪、金融機関への要請行動が強要罪、ビラ撒き・街頭宣伝が信用毀損や業務妨害罪として適用する危険性もありうる。現実として公安政治警察は、過去・現在において強引に「構成要件が成立」しているとして「犯罪」をデッチ上げ、不当な家宅捜索、逮捕を行ってきた。法案には、権力の恣意的判断を制限する規定もないから、従来通りやりたい放題の弾圧が可能なのである。

 「共謀」の定義も明らかにしていない。自民党は、2006年、「共謀罪」修正試案において「『共謀』の定義をさらに明確にするために『具体的な謀議を行い共謀した者』と改める。『目配せ』だけでは、条文上も共謀にあたらないことを明確にする」などと言っていた。だが法案は、さらに悪質化させ、「犯罪実行のための『資金や物品の取得、その他』を『準備行為』として構成要件に加える」としている。公安政治警察は、不当な家宅捜索によって押収した現金・貯金通帳、日曜大工道具を「組織犯罪準備」のための証拠として構成要件の成立として作り上げる。冗談ではなく「日曜大工」のための電動工具、大工道具、修繕のための工具類のたぐいも「爆弾製造」関連機材としてこじつけようとすることも可能となってしまう。

 この「謀議」の中身を立証するために「活躍」するのが、盗聴法(通信傍受法)だ。盗聴の対象犯罪が①銃器犯罪②薬物犯罪③集団密航④組織的殺人の四類型から傷害、詐欺、恐喝、窃盗などを含む一般犯罪にまで大幅に拡大してしまった。さらに通信事業者の常時立会制度を撤廃し、傍受対象通信を通信事業者等の施設において暗号化したデータを警察施設に送信し自動記録ができることになっている。

 盗聴の全データを記録するからプライバシー侵害が成立しているにもかかわらず、しかも権力の犯罪内容は全て秘密だ。盗聴法の改悪として住居不法侵入を合法化させる室内会話盗聴法の制定もねらっている。やりたい放題の盗聴の犯罪を暴き出し、セットである「テロ等組織犯罪準備罪」制定を許してはならない。

 菅義偉官房長官は、テロ等組織犯罪準備罪」法案の提出について「国民の安全、安心を確保することは政府の重要な責務だ。国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備についてはこれを進めていく必要がある」と強調した(8月26日)。金田勝年法相も「国際社会と協調し組織犯罪と戦うことは重要な問題。必要な法整備を進めていきたい。国会審議の場などで示された不安や懸念があり、慎重に検討していく必要がある」と成立を押し進めていくことを宣言した(8月31日)。推進派(産経新聞など)は、「4年後に迫った東京五輪に向けたテロ対策の要の法案となる」、「犯罪防止条約は、昨年11月現在で約180カ国・地域が締結。主要7カ国(G7)で未締結は日本だけだが、これの締結には共謀罪の整備が不可欠だ」と煽っている。

 「共謀罪」は、2000年の国際総会で採択された「国連国際組織犯罪防止条約」に日本政府が12月に署名し、03年5月、国会で批准を承認したことにより、国内法整備のためとして組織犯罪処罰法の中に共謀罪新設を打ち出した。しかし共謀罪法案は03年、04年、05年、06年に国会提出したが、いずれも廃案に追い込まれてきた。今回は、従来の「共謀罪」の性格を引き継ぎながら「テロ等組織犯罪準備罪」として提出する。政府の法案制定の根拠も従来通り薄弱であり、詭弁の繰り返しだ。

 政府は、「必要な法整備が必要」などと言うが、ならばなぜ自由権規約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、社会権規約を批准しているにもかかわらず国内法制定をサボタージュし続けているのか。「共謀罪」制定は国際条約で承認しているから急ぐというのは、典型的なダブルスタンダードだ。そもそも法律の解釈・運用の指針となる国連立法ガイドや条約の「第5 目的」では、共謀罪の創設を求めているわけではない。しかも条約の意味と精神を生かし、その国の法的伝統を生かしていけばいいと明記しているほどだ。

 だから法務省、外務省官僚たちは、この文言を十分に知っているから人権条約関連法整備のサボタージュを平気で続けていることができるのだ。この怠慢を隠ぺいしながら、対テロ治安弾圧体制強化を押し出し、与党多数派を背景にして一挙に法案の制定を強行しようとしている。

 民衆に真っ向から敵対する「テロ等組織犯罪準備罪」法案を阻止していこう。

(Y)

【中国】帝国の逆襲――南海の紛争からみえる民族主義

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帝国の逆襲
――南海の紛争からみえる民族主義

 

區龍宇

 

2016年7月26日


(訳者: 香港のウェブメディア「立場新聞」に掲載された區龍宇さんの論考を紹介します。原文はこちらです。

日本では「南シナ海」と言われている地域は、原文のまま「南海」と訳出しています)


 

三年前に、フィリピン大学国際法研究学部、国際調査教育機関(IIRE)マニラ、ヨーロッパ・アジア・ピープルフォーラム事務局が共催した「中国の台頭とアジアへの影響についてのシンポジウム」に参加した時のことだ。フィリピン人の研究者の言葉が一番印象に残っている。彼は冗談交じりにこう言った。「南海での紛争を解決する一番の方法は、すべての島礁を爆破してしまうことです。どうせほとんどが小さな岩礁なのですから。爆破してしまえば争いもなくなります。」

 

 

● 島礁よりも九段線が重要

 

国際仲裁裁判所の判定が完全に公正で妥当であるかは、とりあえずは置いておく。しかしこの判定は一つの事実を明らかにした。つまり争いのある圧倒的大部分が小さな岩礁に過ぎないと言うことであり、それは「国際海洋条約」が規定する領海と排他的経済水域となりえないということである。実際、南海での衝突で決定的なのは、島嶼の帰属問題ではなく、中国政府による九段線の主張のほうである。中国政府は広大な公海と島嶼をすべて中国の内海にしようとしているが、それはあまりに強権的だといえるだろう。国際法に従えば、国家の領海の範囲は、その領土によって決まる(海に対する陸地の支配原則)。

 

大陸棚の自然延長上にある周辺島嶼は、すでにある国が占有しており、他の国との紛争がなければ、その国の領土とみなされる。しかし南海の無数の島礁は、中国大陸棚からの自然延長にはなく、中国政府もこの論を強調することはできない。もう一つ別の援用できるであろう原則は、当事国が無主地において先に占有し、長期にわたって実質的に管理しているという原則である。しかし南海の無数の島礁において、ごくわずかの島礁だけがこの原則に合致する。それゆえ国際海洋法裁判所は、中国が歴史的に九段線に囲まれた内海および島礁に対して「排他的統制権」があるという主張を証明することはできないと述べた。これが裁判所が九段線という主張を採用することができない理由の一つである。

 

南海諸島と記載された古地図を持ち出して、はるか以前からその海域は中国のものであるという中国メディアの主張は、民衆を混乱させる主張でしかない。地図上の標識は根拠ではなく、根拠にもなりえない。中国政府は、中国人が漢の時代にすでに南海諸島を発見していたと主張している。しかし考古学者のヴィルヘルム・ソルヘイムによると、海洋民であるヌーサンタオがそれ以前に発見・利用していたとする。(原注1)

 

中国政府は2009年に国連事務総長に書簡を提出し、九段線に囲まれた内海の「南海諸島およびその付近の近海域に対する疑いようのない主権があり、その海域及び海底の主権と管轄権を有する」ことを表明した。しかし、その後、中国政府の報道官は、アメリカの艦船が九段線海域の航行の自由に同意している。これはおかしなことではないか。中国政府のこのようなあいまいな態度は、実際には意図したものである[領海においては無害通航権、排他的経済水域においては航行の自由が認められる:訳注]。中国政府は九段線の説明を避け続けている。それは国境線なのか、水域線なのか、それとも歴史的権利にもとづく線なのか。インドネシア外交官ジャラール氏はある文章でこう述べている。「九段線は定義もなければ座標もなく、その合法性と正確な位置も不明確である。」(原注2)

 

中国政府の本当の狙いは、南海を鯨飲よろしく奪ってしまおうということでは必ずしもなく、どちらかといえば試しにどれだけできるかやってみた、という感じでもある。よく言えば「あいまい戦略」であり、まずその言動に合理的な根拠があるかないかは別として、広大な公海域を中国のものだと宣言し、周囲の反応を観察してから弱いところを集中して叩くというものだ。だがそのような態度は地方ボス的覇権主義のイメージを証明するだけである。

 

 

● 奪った土地も継承する?

 

中国政府の九段線は、国民党政府の十一段線を踏襲したものである。中国政府が二本の線を削除したのは、1953年にベトナム政府との友好関係を示すために、ベトナムに近い海域のものを削除したからである。このような行為から、中国政府による南海に関する主権の主張は、実際には意図的なものと言える。この意図的な主張は国民党もそうであった。ビル・ヘイトンの著書『南海――21世紀のアジアの火薬庫と中国の覇権に向けた第一歩』[邦訳書『南シナ海―アジアの覇権をめぐる闘争史』]では、当時の国民党の主張がいかに適当であったかを明らかにしている。

 

中華民国の最初の憲法では「中華民国の領土主権は旧帝国の版図と同じである」と規定されていたことから、民国政府は清王朝を打倒したのち、清王朝の領域を確定する必要があった。そして1914年に「乾嘉時期までの中国版図」を発表した。しかしこの地図は東沙と西沙諸島が書き込まれていただけで、南側については北緯15度以北までで、北緯3度から11度に位置する南沙諸島は除外されていた。20年後、南沙諸島は版図に組み込まれたが、その理由は1933年にフランスが南沙諸島を領有しようとしたため、国民党政府は新し地図を公表し、南沙諸島を最初に版図に組み入れたのである。「とりあえず奪ってしまえ!」というわけである。

 

国民党によるこのような意図的な南沙諸島の版図組み入れに説得力があるだろうか。中国共産党の政府はこれを根拠に南海の主権を主張しているが、それはいっそう説得力に欠けるものである。しかし中国共産党の政府がさらに突きつけられる疑義はその政治的原則である。つまり、中華民国は清王朝の版図を継承し、中国共産党の政府はその中華民国の版図を継承しているというものだ。これは民族主義の原則であり、民主主義の原則ではなく、ましてや社会主義の原則ではない。

 

国民党は明らかに民族主義政党であり、帝国の遺産を忘れることはできなかった。それゆえ国民党は当然にも大清帝国の版図のすべてを継承しようとしたし、少数民族に対して中華民族の版図に留まりたいかどうかを問うことさえ思いもつかなかったし、過去において清王朝が奪った地域も当然継承しようとした。現在もなお国民党は外蒙古の独立を認めるべきではなかったと考えており、モンゴル人民の自決権を尊重すべきかどうかなど想像だにしたことはなかった。だが当時の民族革命家のほとんどが同じような考えであった。

 

章太炎[炳麟、1869年~1936年]がまだ「韃虜を駆除し、中華を復興させる」という民族革命に従事していたとき、彼は中国の領土はベトナムから朝鮮までを含むと考えていた。ベトナム人と朝鮮人は「漢人と通じ」ていたからというのが理由である。そしてチベット人やモンゴル人などは、漢人とは永久に対等にはなりえないとも考えていた。なぜなら「吾これを見るに、アメリカが黒人を見るのごとし必然である」(原注3)。自らまだ奴隷(被抑圧民族)として差別されていたにもかかわらず、将来もし機会があれば同じように自分たちよりも「低級」な民族を差別しようという思想をすでに持っていたのである。これこそ民族主義者の厚かましい面構えである。

 

しかし中国共産党の場合は、民族主義者よりもバツが悪いといえる。中国共産党の建党理念にしろ、中華人民共和国の建国理念にしろ、そもそも民族主義に立脚したものではなく、それは…そう、「社会主義」や「社会主義政権」であったにもかかわらずである。まったく民族主義者と同じく、旧王朝の帝国主義国家の領域をまるまる継承するとでもいうのだろうか? どの地域が奪い取ったものかということも明らかにしようとせず、民族自決権も尊重しようともしない?この問題について、われわれは第一次世界大戦前、オーストリア=ハンガリー帝国と帝政ロシアの社会主義者のあいだの論争から示唆を得ることができるだろう。

 

 

● 民族自決権の尊重と帝国精神への反対

 

アメリカのウィルソン大統領は1918年(大戦終結時)に14項目の宣言を発表した。そこには少数民族の自決権の尊重が含まれていた。しかしそれまでの長年にわたって欧米各国の社会民主党(当時最大の左翼勢力)、とりわけ多民族のオーストリア=ハンガリー帝国と帝政ロシアの社会民主党は、民族自決権に関する論争をおこなっていた。オーストリア=ハンガリー帝国の社会主義政党は、民族自決権を支持せず、民族自治に限って支持していた。しかし帝政ロシアの社会民主党は、多数派(ボリシェビキ)か少数派(メンシェビキ)かにかかわらず、少数民族の自決権、ひいては分離権さえも支持していた。かれらは、民族自決権を本当に実現すれば、それは帝政ロシアの屋台骨を解体につながることを理解していた。

 

二つの帝国は他民族の土地を略奪し、その地域の民族を抑圧していたからである。ロシアの社会民主党員は、自決権は民主主義の基本原則であり、帝政ロシアの屋台骨の解体こそが、各民族の労働者人民の利益にかなうと考えていた。そして1917年10月革命の後、新政権は帝政ロシアの版図を継承せず、「ロシア人民の権利宣言」を発表した。そのなかで述べられている民族問題に関する立場は以下のとおりである。

 

・ロシア諸民族の平等と主権。

・分離及び独立国家の結成を含む、ロシア諸民族の自決権。

・あらゆる民族的および宗教的特権の制限の廃止。

・ロシア領土内の少数民族と種族の自由な発展。

 

ロシア革命政府は真面目にこの立場を実行し、かつて帝政ロシアに併呑された国々、たとえばポーランド、フィンランド、バルト三国などが前後して独立を果たした。ウクライナはいったん独立をしたのち、ソ連邦に加盟した。当初のロシア革命政府によるこのような国際主義は、当時の世界各地の反植民地革命をおおいに促進することとなり、中国共産党を含む植民地革命運動はロシア共産党を指導者とみなすようになった。

 

もちろん、スターリンが台頭した1920年代半ば以降には、ソビエトロシア政府はすでに当初の革命政府とは様相を異にしていた。それまでの民族政策のほとんどすべてが転換しており、憲法に定められた多くの権利も名目上のものになっていた。興味深いのは、スターリンは反動的政策を推進したが、党の民族自決の立場を正式に否定することはできず、連邦からの離脱権を銘記した憲法の条項も削除できなかったということである。この条項は、のちに効力を発揮することになる。1991年から92年にかけて、ソ連邦で政治的危機が爆発したとき、ソ連邦に加盟していた多くの共和国がこの憲法の条項を根拠にソ連邦から離脱したのである。

 

だが中国共産党はそれとは様相が違った。中国共産党は初期(建党から抗日戦争の時期にかけて)においては、ソ連の民族政策に従い、チベットやウィグルなど少数民族の自決権を承認していた。しかしのちに完全にそれを放棄した。新中国の建国後、民族自決権を完全に否定したばかりでなく、憲法で承認された自治権でさえも、現実的には剝脱された状態となったのである。これが民族政策におけるソ連共産党と中国共産党の違いである。中国共産党の民族政策は、初期ソ連邦と異なるだけでなく、スターリン下のソ連共産党とも大いに異なっていたのである。

 

その後の数十年の腐敗と堕落によって、今日における中国共産党政府は完全に官僚ブルジョアジーの政権に変質してしまった。そしてその対外政策は、ますます拡張主義的な帝国精神をもつようになった。中国共産党政府はいっさいの恥じらいもなく清王朝と中華民国の版図を継承し、いっさいの恥じらいもなく社会主義政権を自称し、民族自決権を完全に否定しているのである。これら一切は、中国共産党の徹底した堕落の結果に他ならない。今日における南海の版図編入の野望には、ちゃんとした理由があるのである。

 

 

● 大国は小国に仁を以て接すべし

 

フィリピンの左派学者で元国会議員のウォルデン・ベローは、中国政府の南海に対する動きは、防衛的心理、つまりアメリカによる包囲への対抗であるという論考を発表し、読者に注意を喚起している。1993年の銀河号事件[積み荷に化学兵器の原料があるとして米軍艦が中国の貨物船銀河号を強制臨検した事件]、1999年のユーゴスラビアの中国大使館に対する爆撃事件、2001年の米軍偵察機と中国軍機の接触事件などは、アメリカによる包囲がいまだに続いていることを中国に喚起しており、中国政府による南海の編入は包囲網への抵抗というわけである。

 

だがわれわれは、一つを知るだけで二つ目を知らない(一面のみを知って全体を知らない)というわけにはいかない。中国の官僚資本主義への変質は、さらなる野蛮な独占資本主義への変質である。そして独占資本主義はそもそも拡張主義を内包している。今日、中国が南海において石油資源を争い、自らの海上貿易のルートを確保することで、世界の搾取工場という地位を確保しようとしていることに疑いはない。これらはすべて中国が南海に対する領有権の主張の原因である。中国は疑いなくアジアにおけるたちの悪い新たな覇権となっている。

 

アメリカやイギリスは中国がハーグ国際仲裁裁判所の判決を順守するよう呼び掛けているが、それはいささか冗談のように思える。イギリス政府は去年、仲裁裁判所から、イギリスがチャゴス諸島に海洋保護区を設置したことは海洋法に違反するという裁定を受けたばかりであるが、イギリスはそれを無視し続けている[英領チャゴス諸島には島民を追い出して建設された米軍基地のあるディエゴガルシア島がある。モーリシャス政府は英国政府に返還を要求。英政府は同諸島海域を海洋保護区にすることで島民の帰還を妨害していた]。

 

一方、アメリカはといえば、これまで一度も「国際海洋条約」に基づく勧告を受けたことはない。なぜなら、そもそもアメリカはこの条約に署名すらしていないからだ。超大国ゆえに、「海洋航海の自由」を制限する条約への署名などする必要がないからだ。国際仲裁裁判所どころか、国際司法裁判所でさえも、アメリカにとっては存在しないに等しい。1979年、ニカラグアのサンディニスタ革命が親米政権を打倒したが、アメリカは右翼ゲリラを支援して新政権に抵抗する一方で、ニカラグアの港湾に機雷を付設した。サンディニスタ革命政府は、これを違法として国際司法裁判所に訴えて勝訴したが、アメリカは判決を無視し続けた(原注4)[90年の選挙で政権に着いたニカラグアの親米政権は翌年訴えを取り下げた]。

 

アジアにおける新たな覇権は、覇権の筆頭であるアメリカの不安をかきたてた。第二次世界大戦後のアジア人民の不幸の多くは、中国の覇権ではなく、アメリカの覇権によってもたらされたものと言える。フィリピンの左派知識人たちが、南海をめぐる中国政府の主張に反対するとともに、フィリピン政府に対してもアメリカに頼るべきではないと主張する理由がここにある。

 

ウォルデン・ベローもその一人である。彼は文章のなかで、退任したアキノ大統領がアメリカと締結した防衛協力強化協定が「フィリピンを超大国の抗争の一方の当事者の駒に変えてしまった」と批判している(原注5)。しかし彼は、フィリピンが誤った政府リーダーのもとで一時的にアメリカの駒となったからといって、中国政府が南海紛争に手を染めるべきではないとも強調している。ベローは、中国政府がアメリカの包囲に対抗する戦略の選択を誤り、アメリカと同じ単独行動主義を選択して、南海において島嶼拡張と軍事化を一方的に実行していると述べている。わたしもこの分析は正しいと考えている。

 

しかも、中国政府は前フィリピン大統領がアメリカに依拠していると批判するときに、意図的に次の点を曖昧にしている。つまり大国と小国との区別についてである。小国が他の大国に依拠する場合、それは実際には大国間にはさまれた小国の悲哀を表現している。巨大な中国に対して東南アジアが脅威を感じないことがあろうか。もし中国が本当に「平和的台頭」を考えているのであれば、もし中国にまだ民主的精神があるのなら、「大国は小国に仁を以て接すべし、小国は大国に知恵を以て接すべし」という格言の最初の一句を実行すべきだろう。もし中国政府がアメリカと対抗しようとするなら、仁を以て小国に接して、それらの国々の民心を得るべきだろう。これは武力を誇示するよりもよっぽど賢い方法である。だが中国政府は逆のことを行っており、客観的に東南アジア諸国をアメリカの側に追いやってしまっていることは、愚か極まりないことである。

 

南海紛争がいますぐに戦争に発展することはないだろう。しかし少なくとも戦争の可能性はますます大きくなっていることを予告するものである。香港もそれと無関係というわけにはいかなくなる。アジア諸国の人民は、自国の政府が誤った政策を採ることを阻止するために声をあげなければならない。香港人は中国政府が南海を軍事化することを阻止するとともに、中国政府が世論をひとつに統制し、民族感情を扇動することをやめさせて、南海紛争における様々な意見や主張を自由に表明できるよう、言論の自由を許容、奨励することを要求しなければならない。こうしてこそ、戦争屋が煽る民族憎悪を押しとどめることができるだろう。

 

 

原注1:『南海--21世紀的亜洲火薬庫與中国称覇的第一歩』、Bill Hayton、第一章。

原注2:郁志栄『詮釋中国断続国界線刻不容緩』

原注3:『黄帝神話與晩清的国族建構』沈松僑/台湾社会研究、26頁、199712月。

原注4:Of Course China, Like All Great Powers, Will Ignore an International Legal Verdict

原注5:A Flawed Strategy and How to Rectify it: Aquino, Duterte, and the West Philippine Sea

 



映画『三里塚のイカロス』の製作支援を

CeaA-UaUAAA44T0若者はなぜ農民のために
命がけで闘ったのか



第二章『三里塚のイカロス』は
人生をかけて闘ったあなたの物語です。

映画製作費の支援を、
9月20日まで、クラウドファンディングで募集中

https://motion-gallery.net/projects/sanrizuka02




■2017年劇場公開予定

 国家権力と闘った三里塚の農民たちの生きざまを描いたドキュメンタリー映画『三里塚に生きる』に続く、第二章『三里塚のイカロス』の制作が進行中だ。今度は農民の闘いを助けた若者たちが主人公である。

 2015年から始った撮影はほぼ終了し、音楽録音も行い、現在編集中で、2017年に劇場公開予定だ。制作資金が不足しており、製作者の代島治彦監督が、完成までの諸経費300万円の支援を求めている。

 8月11日、制作支援のためのイベントが都内で行われた。前作『三里塚に生きる』の無料上映に続いて、『三里塚のイカロス』ダイジェスト版が10分ほど上映された。上映後は、安保法制に反対する国会前の闘争を取材したジャーナリストと映画監督、代島監督の3人によるトークショーが行われた。

■ダイジェスト版を見てきた

 ダイジェスト版では、登場人物の名前や場所の説明はない。私の知る範囲で、少しだけ加えて紹介する。
 錆びつき蔓が絡まる鉄骨。そこに轟音とともにジェット機の腹が視界に飛び込んでくる。ジェット機は頭上を通過し、滑走路に消えて行く。航路直下の岩山記念館(要塞)の屋上から見える風景だ。開港を拒んでいた大鉄塔は倒されたが、その跡に建てられた要塞は、今も空港の前に立つ。

 前作で、大木よねの隣で、襲いかかろうとする機動隊に対して、稲を持ちながら激しく抗議する若者がいた。今はすっかり頭も薄くなった加瀬勉さんだ。加瀬さんは、全学連が1967年三里塚の支援にやってきた経過を、当時と同じように、力強い話し方で説明する。

 場面は変わり、ガラス戸が無くなり、荒れ果てた建物の前で、二人の男性が、一人は車いすに座り、支援に来た当時を振り返り、食料も不足しカエルを捕まえ食べた思い出を語りだす。「インター現闘団」と書かれた大きな古いトタン板の大看板。そう、ここは朝倉公民館、朝倉団結小屋があった場所だ。文字の一部は消えかけてい
るものの、「大地を人民の手に」「一坪再共有運動貫徹」の文字が読める。

 二人の話題は、反対同盟分裂後のテロ襲撃にうつる。「襲撃の前には、電話線が切断されるから、電話線が切れたらブザーが鳴る装置を電電公社の労働者が作り、メンバーの家にとりつけた」とテロを警戒しながら暮らした様子を語る。「ある日、ドンドンと玄関をたたく人がいた。開けてみたら『吉田さん大丈夫ですか』と警察だ
った」と笑いながら話す。そして、襲撃に反撃しようと思わなかったのかとの問いかけに、「よく耐えたよな」「耐えなきゃ大変なことになっていた」と真面目に答えた。

 一方、初老のしっかりした服装の男性は、党派の現地責任者であったが「自分に相談なしに(テロ襲撃は)決行された」と話す。

 このほかに、援農先で知り合った現地の青年と結婚した女性。なれそめを聞かれて、恥ずかしそうに、笑顔で思い出を話す。

 三里塚50年のつどいで、「網走番外地」を歌って会場を驚かせた「ミスターX」こと中川憲一さんは、横堀の農道でパトロール中の機動隊員に声をかけられる。「オレは、40年前あの管制塔を占拠した犯人だ。今、撮影中だから・・」「オレの話を聞くか」と切り返すと、機動隊員は「勤務中ですから」と面倒くさそうに引き下っがてしまう。

 わずか10分のダイジェストだが、これだけでも十分興味が沸いた。「過激派」とレッテルを張られ、政府や警察は常に農民と引き離そうとした若者たち。その本当の姿と、闘争のあまり語られない部分にも焦点をあてている。

 なお、車いすの男性は、強制代執行を迎え撃つためのトンネル(塹壕)掘りで落盤事故にあい、半身不随となったのであり、テロ襲撃の被害者ではない。

今の若者がどうみているのか

 トークショーでは、2015年国会前闘争に集まった人々を取材した二人が、昨年の闘争と三里塚闘争について語った。

 一人は、路上で声を上げ国会前を群衆で埋め尽くした学生団体『SEALDs』を、結成から半年間カメラで追った映画『わたしの自由について~SEALDs2015~』の西原孝至監督。

 三里塚闘争を直接は知らない32歳の西原さんは、映画を勉強しているときに小川伸介監督の三里塚シーリズを見て、「ドキュメンタリーはすごい」と思うと同時に三里塚闘争に「あこがれがあった」そうだ。前作については「一生を掛けて闘っている人にはげまされた」と感想を述べた。

 もう一人は、国会前を支えたもう一つの層、中高年を「シニア左翼」と名付けた『シニア左翼とは何か』の著者で教育ジャーナリスの小林哲夫さん。小林さんは、かつて政治の季節を闘った人々に期待を込めて、「70~80年代大変なことを、どうか墓場まで持って行かないでほしい」と、一番しんどい時期の話を残し、今の運動につなげるようにと訴えた。

 代島監督は最後に、「自慢できない話にしていきたい」と締めくくった。

■過激派の温床のイメージ

 前作が公開されたとき、開港阻止闘争を闘った我々の同志から批判の声が上がった。一つは、「3・26が描かれていない」であり、もう一つは、上映時に販売されたパンフレットに「1984年1月 新左翼党派による武装闘争、党派間の内ゲバがはじまる」との記述を見つけ、「あれは一方的な襲撃であり、内ゲバではない、テロだ」という批判だ。

 今作『イカロス』では、この二つの批判に答える内容が描かれている。代島監督は、「政治の季節」の先輩たちに強いあこがれをもっていた。だが、内ゲバがはじまり殺人まで起きると、その熱は冷め、ハシゴをはずされた感覚だけが残り、ハシゴを登ったら、きっとそこは地獄だったかもしれないと感じていたそうだ。前作公開後のある日、管制塔占拠し出所直後に自死した原勲さんを追悼する元被告たちの花見に参加した。横堀鉄塔の下で酒を酌み交わしているとき、三里塚で闘った先輩たちの天国と地獄を映画にしたいという、強い衝動が走ったと述べている。

 闘争を続けた者には苦しかった時期、遠くにいた者には近寄り難い「過激派の温床」というイメージ。実際にそこに生きた人々の声を引き出すのが今作『イカロス』だ。農民を助けた若者は、自由に飛び回る羽をもちながらも、太陽に近づき過ぎて墜落したイカロスだったのだろうか。代島監督は、英雄物語を作るのではなく、それを否定し、よいことも悪いことも含めて伝えたいようだ。

■製作費支援を

 三里塚闘争過程で、命を落とした者、逮捕投獄された人、また心身に傷を負った人は少なくない。多くの人が語りたくないと思っている。にも関わらず、カメラの前に立ち、あえて語った9人に敬意を表したい。また、多くの元若者に断られながらも、三里塚闘争50年の全体像を明らかにしようと努力している代島監督に期待した
い。

 映画への支援は、9月20日まで、銀行振込、口座振込のほか、インターネット上でも行える。クラウドファンディングでは支援額に応じた特典も用意されている。
https://motion-gallery.net/projects/sanrizuka02

経産省前脱原発テントの撤去糾弾

IMG_2217 八月二一日、日曜日の午前三時すぎ、経産省前の脱原発テントが撤去された。すでに七月二八日、最高裁小法廷(大谷直人裁判長)は経産省前テントの撤去と「損害賠償」(三七〇〇万円支払い)を命じる東京高裁の判決を不当とする被告二人の上告を棄却する決定を下していた(「かけはし」八月一五日号三面記事参照)が、日曜日の深夜午前三時過ぎという時間をねらって、この暴挙が行われたのだ。テントは破壊、撤去され、中にあった私物もすべて持ち去られたという。

 急を聞き、始発電車を待って人びとが駆けつけ、午前九時から抗議の記者会見、抗議の集会・座り込みなどが行われた。しかし午後一時過ぎには、抗議行動を行っていた仲間が丸の内署に逮捕された。この二重の弾圧を許さない。

 九月一一日(日)には、経産省周囲一帯で午後三時から「脱原発怒りのフェスティバル~テント設立五周年」が開催される(主催:経産省前テントひろば)。結集しよう。

(K)

報告/8.15反「靖国」行動

15反天 8月15日、「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15 反「靖国」行動は、憲法改悪と連動した新たな天皇の代替わりに向けた「Xデー」状況下(8・8、明仁天皇の憲法違反である「生前退位」表明)、日本の侵略戦争・植民地支配における天皇制の責任と戦後の象徴天皇制の犯罪を批判し、戦争賛美神社の靖国神社解体を掲げて反「靖国」行動を行い、280人が参加した。

 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として3月29日に戦争法施行を強行し、11月に陸上自衛隊を南スーダンに国連平和維持活動(PKO)として派兵する。すでに自衛隊の「部隊行動基準」(行動できる地理的範囲、武器の使用方法)の策定作業に着手し、交代部隊に「駆け付け警護」と、他国軍と共同で拠点を守る「宿営地の共同防護」の任務を付与する。まさにいつでもどこでも「人を殺し、殺される」軍隊の構築に向けて派遣準備命令を出し、訓練を開始する。

 連動して明仁天皇は、民衆統合に向けた天皇制の任務の強化に向けて憲法違反である「生前退位」を表明し、皇室典範改正に向けて踏み込んだ。天皇主義右翼らは、8・8明仁表明に対して賛成・反対・沈黙などの反応を示しながら動揺しているのが実態だが、靖国神社賛美を軸にした戦争国家化のバックアップで統一している。高市早苗総務相、丸川珠代五輪相、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の国会議員70人が靖国神社に参拝した。日本会議と英霊にこたえる会は、靖国神社で「第30回 戦歿者追悼中央国民集会」を開催し、「総理靖国参拝定着」、改憲と戦争国家化のための運動を叫んだ。

 だが安倍晋三首相は、アジア諸国からの批判をかわすために自民党総裁として靖国神社に私費で玉串料を納め、稲田朋美防衛相もあわてて13~16日にアフリカ東部・ジブチで海賊対処活動をしている自衛隊への激励スケジュールを入れざるをえなかった。安倍政権の脆弱性の一端の現れだが、このようなウソとペテン手法を許さず、矛盾と混乱を拡大させていく闘いが必要だ。憲法改悪と戦争国家化、新たな天皇制強化の野望を暴き出し、反対していこう。

 反「靖国」行動の前段集会を水道橋の在日本韓国YMCAで行った。

 発言は、No Welcome ! Tokyo Olympic Games 実行委員会、米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する荒川・墨田・山谷&足立実行委、天皇出席の山形「海づくり大会」反対実行委、福島原発事故緊急会議、警視庁機動隊は沖縄・高江に行くな!緊急抗議行動、Stop!辺野古埋め立て 大成建設抗議アクション、辺野古リレー、有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委員会、東アジアの平和実現9・17集会実行委員会から行われ、取り組み報告と呼びかけが行われた。

 最後に参加者一同で8・15集会宣言を確認(別掲)。デモに移り、九段下交差点前で靖国神社に向けて「天皇制解体!戦争賛美の靖国神社反対!憲法改悪を許さないぞ!」のシュプレヒコールを繰り返した。

 なお天皇主義右翼らは、反「靖国」行動デモに対してイヤガラセ、妨害を繰り返してきたが、デモ隊は毅然と対応し挑発を跳ね返した。

(Y)


■2016,8,15集会宣言

 参院選の結果、改憲勢力が衆参両院で改憲発議が可能な全議席の3分の2を超え、また日本会議の副会長でもある小池百合子が東京都知事に 当選し、そして第3次安倍改造内閣に、4,28と8,15に靖国神社を、閣僚であった時期も含めて欠かさず参拝してきた稲田朋 美が防衛相となる──。このような時代状況のなかで、われわれは今年も、8,15反「靖国」行動を迎えた。

 安倍政権下、具体的に「戦争をする」国家体制は日々現実のものとなっている。中国や朝鮮の脅威を煽り、沖縄を日米の前線基地にするために、先島への自衛隊配備や、大量の機動隊を辺野古や高江に投入して、暴力的に新基地建設を推し進めようとしている。「日米同盟」のためのパフォーマンスは、「伊勢志摩サミット」にともなうオバマの広島訪問においてもみられた。そこでは、原爆殺戮の当事者であるアメリカ政府の代表者であるオバマも、植民地支配と侵略戦争の結果として、原爆被害を招いた日本政府の代表者である安倍も、その戦争犯罪について 謝罪することなく、原爆の死者を日米同盟の強化、「和解と未来志向」の場へと利用したのだ。

 8,15もまた、戦争の死者を利用し尽くす場である。本日、天皇出席のもと九段で行なわれている「全国戦没者追悼式」は、戦争の死者を戦後日本の「平和と繁栄」のための「尊い犠牲」として称えることで、人びとを死に追いやった日本国家の責任を解除する欺瞞的な儀式である。8,15はけっして戦争終結の日ではなく、「終戦の詔勅」の「玉音」が放送された日に過ぎない。にもかかわらず、この日が「終戦の日」とされていることは、「戦後日本の平和」が天皇の「ご聖断」によってもたらされたとする神話を再生産していく。

 そしていま、いわゆる明仁天皇の「生前退位」の意向表明によって、新たな形態での天皇の「代替わり」が開始された。

 8月8日の天皇の「玉音放送」が示したことは、憲法解釈学においても論点となっている、「天皇の仕事」とは何であるのかということを天皇自身が決め、そしてそれを天皇が円滑に遂行するためのシステムをつくるように促したという事実である。その行為も、それを当然のように受け入れる申請も、民主主義とはほど遠い態度である。憲法の天皇条項は、こうした現実政治への関与を防ぐために、かつての天皇制国家への反省として定められた。天皇の行為は明らかに違憲の行為だ。

 天皇の憲法違反は許されない。そもそも、天皇の「公務」自体はいらない。天皇制そのものが廃止されなければならない。本日のデモは、今後数年間にわたる、天皇主導の新たな天皇制づくりに反対する最初の街
頭デモとなる。最後までともに闘おう!
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