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配信:青年戦線190号表紙青年戦線 第190号(2016.12.26)ができました。


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報告 : 1.14「南西諸島に自衛隊基地はいらない」アクション

IMG_20170114_1449041月14日、「琉球弧自衛隊配備反対アクション」が永田町・首相官邸前で行われた。2016年から通算5回目の行動となる。


南西諸島における自衛隊配備は、辺野古・高江における米軍基地建設の策動のさらに陰に隠れるようにして、政府によって推し進められている。


16年12月には、石垣島の中山市長が自衛隊配備・基地建設の詳細も政府からあきらかにされていないにもかかわらず、「容認」を表明するという暴挙に出た。しかも、「予定地」にされている四地区の住民と話し合いの場を持つという約束を反故にしての「容認」表明だ。


この中山市長の態度には、四地区の住民はおろか、石垣島全体から怒りの声が上がっている。12月27日には市役所前で抗議行動が打たれ、1月29日には「ミサイル基地反対大集会」が開催される。


情報開示がないままに市長が自衛隊新基地建設を受け入れているのは、宮古島も同様だ。当初有力だった「大福牧場案」は水源地の真上になるという問題が指摘されて、計画は政府から明確には示されていないにもかかわらず、昨年6月に下地敏彦市長が「新基地容認」を表明する、という暴挙に出た。10月には「候補地」の千代田カントリークラブのある野原地区で防衛省が説明会を開催したが、住民たちは会場に「自衛隊基地反対」と書かれた大垂れ幕と大横断幕で飾り、説明会はさながら防衛省を糾弾する集会となった。


このような動きの中で、宮古島での市長選挙と市議補選をほぼ一週間後に控えた14日のこの日に「配備反対アクション」は開催された。参加者は20人。


時折雪がちらつく寒風の中、最初にシュプレヒコールをあげ、主催の栗原学さんから趣旨説明。


「いま小学館のコミック雑誌で連載されている『空母いぶき』のような『中国による南西諸島侵攻』を描く荒唐無稽な作品が、『リアリティがある』などと持ち上げられて、中国脅威論が娯楽と一体になって浸透している。作中ではすでに与那国島が戦場になっているが、このような政府の国策を後押しし、地域の住民の恐怖を煽る作品は許されない。日中の経済協力が進んでいるなかで、中国脅威論などまさにマンガだ。私たちは、どんなに荒唐無稽であっても、軍備増強を正当化しようとする脅威論に反論していく必要がある」


「12月にオスプレイが沖縄で墜落したが、一週間もしないうちに飛行が再開された。陸自がオスプレイを購入すると伝えられているが、いまの新配備計画が全部まかり通れば、北は馬毛島から宮古・石垣まで米軍と自衛隊のオスプレイが南西諸島を覆い尽くすことになる。先日、自衛隊習志野基地で米軍が訓練を行ったが、米軍-自衛隊一体化の中に辺野古の基地建設と自衛隊新基地計画が位置づけられている。それは日本が『アジアの軍事的盟主』の足がかりとして、南西諸島を支配しようとするということだ。絶対に許すわけにはいかない」


宮古島出身の20代の若い人からアピールもあった。


「市長選は4人の候補のうち、自衛隊基地絶対反対は奥平一夫候補一人だ。社民党と社大党が、党利党略で基地反対を明言しない候補を推す形になってやきもきしていたが、翁長知事が批判を振り切って奥平さんを推す形になってよかった。『オール沖縄が割れる』なんて批判もあるようだが、軍事基地に反対しないなら『オール沖縄』に何の意味があるのか。しかし、ヤマトの基地押しつけが、どこでも住民を引き裂いている。ヤマトで闘って、ヤマトで計画を止めていきたい」と訴えた。


アピールでは、宮古島に戦時中に17か所もの「慰安所」があり、このことを記憶にとどめる「祈念碑」が現在の空自レーダー基地と「候補地」の千代田カントリークラブのほぼ中間にあることが紹介され、「自衛隊配備の問題は、72年前の侵略の責任の清算と直結しているということを祈念碑は訴えているかのようだ。『領土』や『防衛』なんて考え方が、平和という概念と対立している。必要なのは、隣国との緊張を高める軍備などではなく、軍備放棄という憲法九条の精神の完全実現なのではないか。アジアの平和を展望しながら、自衛隊配備を阻止していこう」ということも語られた。


最後に「南西諸島に自衛隊基地を作るな」、「軍事による自然破壊をやめろ」、「ミサイル基地はいらない」、「軍隊は住民を守らない」、「軍備より平和外交を」などとシュプレヒコールをあげて、この日の行動を終えた。


(F)

報告:三里塚芝山連合空港反対同盟2017旗開き&1.15東峰現地行動

配信:旗開き 1月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、横堀農業研修センターで2017年旗開きを行い、50人が参加した。


 開催あいさつを山崎宏さん(横堀地区/労闘―労活評現闘)から行われ、「昨年は三里塚闘争50年で7月15日、東京で集会を行った。だが政府・空港会社は、大きな攻撃をかけてきている。第3滑走路計画持ち出して、なにがなんでも力づくて、これまでやってきた方針を、欺瞞的にあたかも住民の要望に応えて作るという構図を作り出し、様々な策動を行っている。立ち退き対象になる地区で国交省・千葉県・地方自治体・空港会社が一体となって説明会という形でアリバイ作りを行っている。その中身は、芝山町北部地区にもう一本滑走路を作るというものだ。さらに平行滑走路の北側に延伸する。夜間飛行制限時間を緩和するという」、「今まで騒音時間帯は、午後11時から翌朝六時までの7時間は、飛行機が飛ばない時間だったが、それを大幅に短縮して、今後は4時間にまで緩和したいと言い出している。これがいかに経済効果を生み出すかと宣伝しているが、騒音による住民の立ち退き、騒音被害によって夜眠れなくなる事態に関しては、まったく考慮の範囲に入っていない。こうして住民を追い出して、自らの利潤追求のために欲望を遂げていく。まさに安倍政権の政治的質を同じようなものだ」と批判した。


 柳川秀夫さん(三里塚芝山連合反対同盟/代表世話人)は、「第3滑走路計画問題とともに横堀現闘本部裁判があり、裁判所は不当判決を出し、撤去せよと通知してきた。あくまでも反対なものは反対だという態度を貫き通していきたい。昨年、関西三里塚闘争に連帯する会の刈谷稔さんが亡くなった。あらためて冥福を祈りたい。刈谷さんの遺産カンパをいただいた。ありがとうございます。最後まで三里塚に思いを寄せ、闘う闘魂は引き継いでいくことを再認識した」と発言した。

 さらに「三里塚闘争は問題があるかぎり闘っていきたい。農業をやっいるから天候の変化を認識している。経済オンリーのグローバリゼーション、弱肉強食の社会の大きな現れだ。開発や発展の考え方に対して、反対の対案を出していかなければならない。三里塚は、問答無用の強硬策があいかわらず続いている。民主主義の多数決の論理は、一方的にまかり通っている。強い者はなにをやってもいいんだというものだ。こんなのを民主主義とは言わない。三里塚闘争は民主主義の問題を提起し、これからもちゃんと提起していくことが大事だ。今年も頑張っていきたい」と決意表明した。

 加瀬勉さん(多古町/三里塚大地共有委員会代表)は、冒頭、「本当ならば刈谷君が座っているはずだ。1回も休まず参加し、決意表明をしてくれた。刈谷君を哀悼して『闘いは吾が命なり 一途なる男の生の 誠なりけり』の追悼歌を捧げたい」と歌った。

 「現在、不眠不休の状態で忙しい。権力は、空港の機能拡大として第3滑走路計画を提案しているからだ。多古町にまで入って説明している。1000ヘクタールの面積を必要とし、3500メートルの滑走路を約10年がかりで建設し、50万回の増便を行っていくという計画だ。そのために2000戸の農民の立ち退きが必要となると言っている。昨年11月、多古町町長、国・県・空港会社が説明に来た。真正面と対決した。『怒り心頭に発す 機能拡大絶対反対 夜間飛行緩和絶対反対、第三滑走路建設反対、50万回発着反対、騒音被害反対、立ち退き断固拒否』の反論を行った。『空港と人間の命、どちらが大事か言ってみろ。何人殺してきたんだ』と追及した。防音工事交付金をバラまいているが、木造だから騒音は下がらない。新しい計画でも防音対策をすると言ってカネを積む。しかし騒音被害は下がらない。空港会社と今後、あらゆる分野で鋭く対決せざるをえない」と述べた。

 「厳しく追及したが、騒音対策法などの枠内の回答でしかなく、何一つ責任ある回答はなかった。住民は日常生活、営農活動全体を防音せよと要求するが、敵は財政がないと言うだけだ。住民の怒りは共通したものだ。国はシンポジウム、円卓会議で謝罪し、黒野空港会社元社長は東峰神社神木伐採事件で謝罪し、千葉県は大木よねさん事件で謝罪したくせに、なんで空港機能拡大プランを出してくるんだ。財産権に介入し、人権侵害に対して徹底的に糾弾した。敵はうつむいているだけだ。だけどやつらは絶対にあきらめない。警戒していこう。住民の怒りに対して、新しい大衆運動として組織していきたい。孤軍奮闘だ。敵は三〇年に五〇万回の計画を出してきた。こちらは百年戦争として闘う決意をしたい」と訴えた。


 石井紀子さん(成田市川上)は、「空港会社は第三滑走路計画についていろんなところで住民説明会を行っている。川上でも行い四〇人ぐらいが参加した。四者が来て説明したが、『ご理解いただきたい』と繰り返しただけだ。『住民の生活をどうしてくれるんだ』と予想以上に住民は怒ってました。私は『住民の反対を押し切ってまで作るんでしょうか』と聞いたら、『そんなことはありません。ご理解をいただいてからです』と言ったが、『反対しているかぎりできないんですね』と追及したら黙ってしまった」と紹介した。

 そのうえで「この段階で五〇万回離発着を出し、世界に並ぼうというみっともない姿そのものだ。空港反対派じゃないひとまで反対している。まさに墓穴を掘っている。トランプが米大統領になったように、差別と分断、いわれなき憎しみがひろがらないように気をひきしめていろんなことをやっていかなければと思ってます。政治の荒廃、右傾化を止めていきたい」と発言した。


 平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「昨年、横堀現闘本部撤去の不当判決とともに天神峰地区の天神峰地区の市東孝雄さんの畑についても明け渡せの不当判決を出している。さらに第三滑走路計画の東峰・天神峰住民説明会があった。島村家の息子さんたちも反対の声を上げていた。闘いの結果、空港会社は東峰地区に対して滑走路延長はできないと説明せさるをえなかった。東峰地区の拠点を守ってきた成果だ。第三滑走路計画反対の闘いを東峰地区でも行っていきたい」とアピールした。

 後半は 清井礼司弁護士から横堀現闘裁判の報告につづいて支援のあいさつに移った。

15東峰行動 高見圭司さん(スペース21)、渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会 関西三里塚相談会)、根本博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会)、山田謙さん(東大阪三里塚闘争に連帯する会)、小山広明さん(三里塚国際大学)、全金田中機械の仲間、釜ヶ崎日雇労働組合、鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ)、日米安保条約終了通告を求める会から闘いの報告と年頭の決意表明が行われた。

 1.15東峰現地行動

 旗開き後、三里塚空港に反対する連絡会は、東峰地区に移り、元東峰共同出荷場から開拓道路に向かってデモを行った。成田空港に向けて「飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港『第三滑走路』計画を撤回せよ! 裁判所の強制執行―現闘本部破壊を許すな!反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古・高江の新基地建設反対!」のシュプレヒコールをたたきつけた。

(Y)

【中国】三つの壁に直面する中国共産党政権~中国官僚資本主義の盛衰を論じる

tianchao


三つの壁に直面する中国共産党政権
中国官僚資本主義の盛衰を論じる


區龍宇

筆者は香港を拠点に活動する反資本主義左翼/トロツキスト組織「先駆社」のメンバー。邦訳に『香港雨傘運動』『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』(いずれも柘植書房新社)などがある。


原文

習近平政権[2012年末]の発足後、経済の不安定化はさらに深刻さを増している。中国官僚資本主義の特徴は、社会的蓄積を強力に略奪して投資に回すことで急激な経済成長を素早く実現することにある。しかしこの種の資本主義は、高度の独占とウルトラ級の搾取によって、とてつもない貧富の格差をつくりだす。その結果として有効需要に事欠き、過度な蓄積と過度な生産がますます深刻化することになる。巨大なバブルが株式市場と不動産市場を覆っている。官僚資本主義の二度目の決算の期日は迫りつつある。

官僚資本主義の最初の危機は1990年代末から2000年にかけてのあいだに爆発した。当時の経済不安定も深刻であった。中国共産党の対策は、破綻に瀕する銀行を救済する一方、大量に外資を導入して、中国を主要な商品輸出国に転換し、中国が世界の搾取工場となる礎を築いた。中国共産党は転換に成功し、危機を克服し、しかも中国を主要な資本輸出国の一つに転換させたのである。これ以降、中国は完全にグローバル経済に融合した。ゆえに中国は輸入大国にもなった。とりわけ石油と鉱物資源についてはそうである。世界に対する中国の影響力はますます大きくなっているが、逆に世界への依存もまたますます大きくなっている。


◆中国の拡張法則

今日の中国は、
・世界第二の経済体
・世界最大の商品貿易国
・世界最大の製造業国家
・世界第二位の外国直接投資の輸入国
・世界第五位の外国直接投資の輸出国
・世界最大の外貨準備保有国
・世界最大のアメリカ公債の海外保有者
・世界最大のエネルギー総消費国(国内石油消費の過半数を輸入に依存)
・世界最大の富裕層の居住国

中国官僚資本主義の台頭は、必然的にグローバルな拡張の内在的法則を有しており、この法則は経済面だけでなく、政治と軍事面においても以前にも増して貫徹されている。これをもって中国は帝国主義国家になった、一般的な資本主義大国ではなくなったという主張もある。さらには、中国は以前から発展途上国や第三世界と自称してきたが、かなり前からそうではなくなっていたという主張もある。

もっとも粗雑な認識に基づき、つまり覇権的特徴を有するすべての国家や、小国を搾取することのできるすべての国家が帝国主義であると考えるのであれば、中国は疑いもなくそのような国家になりはじめていると言えるだろう。しかしより厳密な西側マルクス主義に基づけば、現在の中国を帝国主義と名付けることは、従来からの多くの帝国主義諸国との区別があいまいになってしまい、現在の中国の矛盾の性質を誤って判断することになり、我々がその弱点をはっきりと認識することの障害になる。我々が判断を誤らないためにも、中国の拡張法則と現在の実際の到達段階をしっかりと識別する必要がある。


◆グローバル・バリュー・チェーンにおける苦しい立場

まず軍事面からみてみよう。中国の軍事力はいぜんとして限定的である。世界第二の国防費大国であるが、海軍と空軍はまだ発展途上であり、グローバルな展開には至っていない。実際に、台湾を武力で統一するだけの力はないというのが現状である。というのも海峡を越えて大軍を輸送する能力がないからである。中国の領土以外にも軍事基地はなく[2016年からはジブチに自衛隊や米軍と同じく拠点基地を設置している]、何らかの軍事同盟にも参加していない。つまり、かりに海軍と空軍の近代化が今後も進んだとしても、外国でその軍隊が陸上および港湾において支援を受けることはできないのである。中国が軍事上、グローバルに展開できるのは弾道ミサイル、宇宙衛星、そしてインターネットによる攻撃のみである。これでは中国がグローバルな覇権を実現することはもちろん、アジアにおける覇権でさえも不可能だろう。中国の軍事力は比較的弱小な国家に脅威を与えるには十分であるが、それは主要な帝国主義の実力には程遠く、アメリカとは比べるすべもない。

もちろん、戦後の帝国主義は必ずしも政治および軍事による直接統治に依拠する必要はなくなった。それは軍事力を背景としてはいるが、それ以上に経済力に依拠し、後進国を搾取してきた。かれらはハイテクノロジーに依拠し、後進国から超過利潤を搾取する(いわゆるテクノロジカル・レント[先進技術の独占による超過利潤])。それはまたグローバルな金融独占に依拠して不均等交換を後進国に強制する。だがグローバル経済における中国の支配力は、やはり限定的である。我々は次のことを忘れてはならない。中国は後発国(late comer)であり、先進国を追い越そうとする際には、やはり多くの障害に直面するのである。技術の面では中国は急速に追いついたが、しかし依然として先進技術の面では不十分であり、多くの超過利潤を獲得することは難しい。中国で最高レベルのICチップメーカーでさえ先進国の二、三代前のモデルにとどまっており、大部分のICチップは輸入に頼らざるを得ない。バリュー・チェーンの面では、中国のグローバル・ブランドは極めて少ない。これは中国の多国籍企業がグローバル・バリュー・チェーンにおいてステップアップすることの困
難を意味している。

官僚の排外文化は中国の多国籍企業における外国人上級管理者の受け入れを困難にしており、多国籍企業が特に必要としている人的資源を自らはく奪している。そして人的資源の欠如は、中国の多国籍企業が世界市場で長期的に競争することを困難にしている。中国はすでに世界資源の重要なバイヤーになっているが、後発の競争者であることから、中国企業が先発帝国主義の多国籍企業との競争において、往々にして極めて高額の代金を支払わされている(例えば。ハイ・プレミアムで外国の石油を買いあさる)。先進国向けの投資では、往々にして斜陽産業あるいは倒産に瀕した企業が対象になっている。これらをまとめると、中国の対外投資の多くは薄利であり、損失を被っているケースも少なくない。

まとめると、中国の対外投資総額と貿易量の規模は巨大であるが、中国はいまだ世界市場で安定した基盤を持って充分な剰余価値を搾取できているわけではない。それゆえ帝国主義と称することは難しいのである。実際、中国は依然として世界の搾取工場であり、それは依存性の蓄積(つまり先進国の技術と市場に依存した資本蓄積モデル)が、依然として中国資本主義の重要な特徴であることを物語っている。それはまた中国共産党が依然として、主に途上国からの搾取ではなく、自国の労働者農民と自然資源からの搾取に依存していることを明らかにしている。これらすべての証拠が、中国が既に帝国主義国家になったという論断を否定しているのである。


◆半植民地の歴史的負債

われわれはまた、中国とその他の旧来からの帝国主義との重要な区別に注意すべきである。つまり半植民地の歴史的遺産が、いまだ中国の上の重く覆いかぶさっているということである。中国共産党にとって、国家統一の任務はいぜんとして完成しておらず、台湾はいまだにアメリカの保護下に置かれている。このいわゆる「不沈空母」[台湾]は、中国の覇権にとって終始ひとつの脅威となっており、取り除かずにはおられないが、しかし当面はそれを取り除く力がない。香港にいたっては、すでに中国に回帰したが、人心は回帰しておらず、逆にますます乖離の遠心力が増大している。香港は極めて小さいが、その西欧化された中産階級の上層部分は米英の支配階級とさまざまに直接あるいは間接的、文化的なつながりを持っている。中国全土に対する香港の経済的重要性はすでに以前ほどではないが、香港は中国資本が国境を越えて移動する橋梁であり、香港国際資本の守旧勢力も、中国共産党にとっては脅威ともいえるのである。

およそすべての以前からの帝国主義国家は、植民地経営の歴史があり、文化的にも影響を及ぼしつづけている。これらの旧植民地の知識階層と中層・上層階級は、旧宗主国の言語を理解する者も少なくなく、それは政治や経済的つながりの強化にとって大きな助力にもなっている。だが中国はそうではない。植民地経営の歴史を持たない後発の競争者として、中国は文化的にも後塵を拝している。各国で中国語ブームが起きてはいるが、それは商業利益がモチベーションになっているもので、一部の専門業種の人々に限られており、必ずしも中国文化に対する敬慕からのものとは言えない。このことは中国共産党が海外で宣伝を行う際の障害になっている。孔子学院[中国政府が海外の教育機関と連携して世界各地に設置している中国言語・文化の宣伝機関]の世界各地での悪評も、中国の文化的実力が欠如していることのひとつの反映である。


◆南シナ海での衝突の意味

総じてこれら半植民地の歴史的遺産は、依然として中国共産党支配階級の覇権的野心への制約となっている。それゆえ1999年にアメリカが中国の駐ユーゴスラビア大使館を爆撃し、2001年にアメリカの軍事偵察機と中国の戦闘機が南シナ海で衝突したこと等などは、アメリカが中国をけん制し続けていることを明らかにしたが、当時の中国政府は「韜光養晦」政策[才能を隠して、内に力を蓄えるという天安門事件以降に?小平が掲げた中国の外交・安保の方針]を維持し、基本的に忍耐の姿勢を貫き、徐々に足場をかためる長期展望にとどまり、直接的な対抗措置を取ることはできなかった。対外政策においても戦略的には防衛的なものが主であった。習近平の登場後、南シナ海と釣魚台(尖閣)で紛争が持ち上がり、戦術的には攻勢的な政策をとったが、防衛的な戦略姿勢を変更するまでには至っていない。習近平は南シナ海紛争において攻勢に移りつつあるが、その最も直接的な要因は防衛的なものであり、アメリカの軍事偵察を南シナ海という正面玄関から追い出して、中国沿海に接近させないことにある。

つぎに、中国の外国貿易への依存度が高まるにつれ、中国共産党の安全保障に対する危機感は深まり、南シナ海の軍事拠点をテコにして東南アジアとの航海路線を防衛する必要が高まったことが挙げられる。中国は対外貿易の90%と石油輸入の77%をマラッカ海峡と南シナ海を通過する航路に依存している。中国は、アメリカとの関係が悪化し、海上における生命線を断ち切られることを確実に恐れている。それゆえ、近年における中国の挑発行動も、やはり大戦略の変更ではなく、防衛的必要性の戦術的な調整から出発したものである。

中国共産党は国家統一の任務を完成するまでに戦略的防衛から攻勢に転換し、アジア全域でアメリカ勢力に積極的に挑戦することを追求するかどうかは疑わしいし、アメリカと世界的覇権を奪い合うことを画策しているかどうかは言うに及ばずである。「台湾回収」がいまだならず、半植民地の歴史遺産を完全に払しょくすることができないなかで、アメリカおよびそのアジアの盟友である日本に対して直接的な軍事的対抗措置をとることはできないだろう。実際、中国がその周辺地域においてより強硬な立場を採用している目的は、ほかでもなく将来における「台湾回収」のための準備なのである。同時に、香港に対しては政治的コントロールをより安定したものにしようとしている。だが中国共産党による台湾と香港に対する攻勢も、一歩進んでは砦を築き次へ進むという歩みにとどまっている。

我々は、米中関係の別の側面にも注意すべきである。それは両大国が貿易、投資、債務において高度に相互依存しているということである。それゆえ「Chinmerica」という呼称を発明し、双方の経済的に緊密な協力関係を描写する識者もいるほどだ。このような状況からも、中国共産党が米中対戦において切ることのできるカードは多くない。

もちろん、中国はグローバル経済のなかで拡張し続けており、グローバル・バリュー・チェーンにおける低位に甘んじることは望んでおらず、早晩アメリカとさらに大きな衝突が発生するだろう。中国がいまだ帝国主義ではないということは、それがアジアにおいても覇権大国のひとつではないということを意味するものではないし、弱小国を抑圧しないということを意味するものでもない。実際にそれらの事態は発生しつつある。我々は、中国共産党による広大な南シナ海の領有権主張を絶対に支持しない。現在の中国が強大になればなるほど、それを盾にして弱者を蹂躙することは許されない。一方的な軍事行動ではなく、これまで以上に東南アジア諸国との平和対等の協議を行うべきである。

釣魚島については、アメリカが1972年に日本に施政権を返還するまで、日本が有効的に管轄したことはなかった。それ以降、日本がこれらの諸島を占領したのも日米安保条約がその背景にある。このような占領は、帝国主義による中国包囲の意味合いを持ち、進歩派がそれを支持する理由はない。近年において日中両国の釣魚島紛争がヒートアップしているが、その発端は日本による一方的な国有化にある。一方、過去において世界の進歩的勢力は釣魚島に対する中国の領有権主張を支持してきたが、それは不当なことではなかった。当時の中国は反帝国家として日米同盟に対抗していたからである。しかし現在の状況は一変してしまった。中国共産党政権はすでに反動的な官僚資本主義の覇権に転換してしまった。ゆえに我々は中国共産党の釣魚島に対する行動を支持する必要もなくなった。逆に、われわれはこの諸島を国際的に中立の海洋保護区として、石油資源を永遠に海底に埋蔵するという環境保護を主張すべきである。


◆中国の覇権に立ちふさがる三つの壁

現在の中国は疑いなく上昇中のアジア覇権国家のひとつである。しかし日本を圧倒してアジア最大の覇権国家になるためには、いぜんとして非常に大きな障害に直面しているし、世界を主導する超大国になることなどは言うに及ばずである。

一つ目の障害は、遠くない将来に訪れようとしている経済危機の克服である。この危機は、かりに強力な国家介入によってその爆発性を軽減できたとしても、ただ事では済まないだろう。なぜならそれは一般的な商業周期的なものではなく、官僚資本主義の構造的危機だからである。それは極めて巨大な不均衡と矛盾を累積している。

この種の資本主義はまた巨大な政治的遠心力を生み出している。それはまさに台湾のひまわり運動と香港の雨傘運動が示したところでもある。2014年5月、これまでずっとおとなしかったマカオでも、北京[中国政府]が選んだ行政長官の腐敗に抗議する2万人のデモがあった。

同じ官僚資本主義はさらに密集した党内派閥闘争を生み出している。もう一つの障害は、中国共産党はいまだ安定した権力継承制度を確立しておらず、これは10年に一度、総書記の任期が満期になるたびに権力闘争が勃発するということである。

これらはすべて、中国共産党がさらに覇権を強化するまでに国内で直面する巨大な挑戦となるだろう。もちろん、専制支配者は国内の巨大な矛盾を、外部での衝突を惹起することで、人民の関心を空想上の外敵に向けようとする。しかし最高指導者もはっきり理解しているが、暴力装置、とくにその軍隊はとっくに恐るべき腐敗にまみれている。もし習近平がこのときに、国際関係の激化によって国内の関心を外に振り向けることを選択すれば、それは間違いなく非常に危険な策略を選択することになる。

あるいはそのような不安があるからか、習近平は反腐敗運動を展開するついでに、ライバルに打撃を与えている。だが反腐敗運動は成功しないだろう。なぜならこの運動は同じく腐敗した官僚によって主導されているからである。たとえ幾千もの腐敗官僚を牢屋に放り込んだとしても、長期的に見ればそれは全く効果がないだけでなく、党内からの反発を招き、権力闘争を激化させるだけだからである。

まとめると、中国共産党が覇権を実現するには少なくとも三つの壁を取り除く必要がある。1、中国の半植民地の歴史的遺産。2、グローバル資本主義における後発者という地位。3、激化する国内矛盾。

この三つの壁の存在が、中国が国際関係において主に守勢を取らざるを得ず、個別のケースにおいてのみ限定的な攻勢姿勢をとる理由なのである。もし習近平が自らの力を顧みることなく、アメリカと覇権を争うような火遊びをすれば、その炎によって自らが焼き殺されることになるだろう。

2016年10月4日

【転載】稲田防衛相の靖国参拝抗議声明(安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京)

827「安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京」による稲田防衛相の靖国参拝への抗議声明を転載します。






………

内閣総理大臣 安倍晋三 様

復興大臣   今村雅弘 様

防衛大臣   稲田朋美 様



安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京

          〒202-0022 東京都西東京市柳沢2-11-13



2016年12月閣僚の靖国神社参拝抗議声明



2016年12月28日、今村雅弘復興大臣が靖国神社拝殿前で参拝し、同29日には「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝した」と称して稲田朋美防衛大臣が、靖国神社昇殿参拝を行った。私たち「安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京」は、この参拝は日本国憲法第20条1項「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」に、明らかに抵触する閣僚の憲法違反行為であるとして、ここに厳重に抗議するものである。

特に稲田防衛大臣は、ハワイ訪問から安倍首相とともに12月28日夜に帰国したばかりであり、本来であれば、アジア諸国とりわけ中国、韓国との不戦の誓いを模索すべき時に、敢えて靖国神社参拝強行に及んだ。このことは、東アジアに対して喧嘩を売る行為に等しい。事実、中国、韓国からは、直ちに参拝行為に対する厳しい批判の声があがっている。

稲田防衛大臣は、過去に「国民の一人ひとり、みなさん方一人ひとりが、自分の国は自分で守る。そして自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」と発言をしている。

このような信念に基づいての防衛大臣靖国神社参拝は、東アジア諸国にとって、戦争準備行動と捉えられるのは自明のことである。

 稲田防衛大臣は、午前8時頃の靖国神社参拝に先立ち、午前6時30分ごろには靖国神社参拝を関係者に事前予告し、マスコミ取材および関係者の動員という周到な準備を行った上での参拝であり、あたかも靖国神社が「国から特権を受け」ているような印象を与えるような世論操作を行っている。個人的参拝でなく政権党閣僚としての政治的参拝であることは明らかである。

 安倍晋三内閣総理大臣は、ハワイ真珠湾訪問に際し、「慰霊」という神道用語を多用し、マスコミもまた無批判に「慰霊」という神道用語を使っている。明らかに、憲法第20条3項(「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」)違反であり、私たちは厳重に抗議する。

安倍靖国参拝違憲訴訟の大阪高裁判決は、2017年2月28日に予定されている。私たちが取り組んでいる安倍靖国参拝違憲訴訟・東京の闘いも2017年2月6日に結審が予定され、近く東京地裁で判決が行われる予定である。

私たちは、被告安倍晋三内閣総理大臣の「個人の信教の自由」に基づく靖国神社参拝正当化論の欺瞞性を打ち砕き、靖国神社参拝違憲判決を勝ち取るために、全力を尽くして闘い続けることをここに明らかにすると共に、首相・閣僚による憲法違反の靖国神社参拝を今後、行わないことを強く要求するものである。



報告 : 12.21「リオ五輪」反対運動現地報告集会

IMG_2371 一二月二一日、東京・原宿の隠田(おんでん)区民会館で、八月に開かれたリオデジャネイロ・オリンピックの現地で、反対運動を繰り広げる現地の仲間と交流してきた仲間の報告集会が行われた。主催は「二〇二〇オリンピック災害」おことわり準備会。国立競技場周辺の野宿者排除や、競技場に近接する霞ヶ丘住宅の取り壊しに反対する運動を継続してきた「反五輪の会」のいちむらみさこさんが報告した。いちむらさんは国際的なオリンピック反対運動のネットワークである「プラネタリー・ノー・オリンピック・ネット」のメンバーでもある。

 いちむらさんはリオ五輪に異議を唱える現地の人びとの抗議行動や、デモの映像をスクリーンに映し出しながら、現地の人びとの闘いの息吹きを紹介した。



 反リオ五輪の活動を現地で呼びかけたのは、ファベーラという貧しい人びとが住むスラム街の住民たちの住宅の権利を守る運動、人身売買に反対する運動、フェミニストの運動など多様な人びとによって構成される運動である。ファベーラの住民はリオデジャネイロの人口の二四~五%にも達する。五輪のための再開発で、住民たちの立ち退き、排除が行われる一方、急速に経済危機が進む中でのオリンピックだった。

 ドバイ経由の便で三四時間もかかって着いたリオデジャネイロは、まだ五輪のための工事中で、看板がファベーラの存在を隠していた。市内の三三の学校では、給料が支払われない教員たちが抗議の占拠を続けている。経済危機の中で公共事業を後回しにして「五輪第一」を貫くやり方に人びとの抗議が高まっている。「オリンピックよりも教育を」というスローガンが掲げられている。町の中心には五輪の看板はなく、反五輪のポスターの方が多かった。五輪のモニュメントのすぐ隣に反五輪のモニュメントが建っていたりしている。



 オリンピックの開催中、さまざまなテーマに即した討論会が毎日行われた。環境問題、居住の権利、ホームレス支援、先住民、労働、公共サービスと「オリンピック災害」、スポーツの商品化とナショナリズムなどについてである。この討論会に対して、警察がゴム弾、催涙弾などを撃ち込んで解散を強制し、会場となった公園には人がいられなくなるような弾圧を行った。

 一方、チケット売り場などはガラガラで人びとがオリンピックに詰めかけるという状況ではなかったという。

 サッカー・ワールドカップの主会場となり今回のリオ五輪でも開会式・閉会式とサッカー競技が行われたマラカニヤン・スタジアムに近いマラカニヤン駅の裏でもファベーラが残っている。オリンピック前に多くのファベーラは解体されたが、しぶとく残って、自分たちの権利のために地域活動を行っている人びとがいるのだ。そこではシングルマザーの女性がコミュニティーの中心となって町づくりの中心になっている。

住居の破壊が強行されたが二〇軒が残り、行政側はついに根負けして新築の白い家を二〇軒建て、そこに住むよう促した。しかし住民たちは「自分たちは家が欲しくて抵抗したのではない」と怒り、「排除の展覧会」を開催した。

いちむらさんはこうしたリオデジャネイロでの反五輪運動の多彩な、生き生きとした活動を紹介し、二〇二〇年東京五輪反対の運動の可能性について示唆した。



なお一月二二日には午前一一時半から反五輪の会が「五輪ファーストおことわり!オリンピックやめろ!デモ」を呼びかけ(JR原宿駅表参道口すぐ神宮橋集合、一一時半:アピール、一二;〇〇デモ出発)、午後一時半からは「オリンピック災害 おことわり!」集会が千駄ヶ谷区民会館(JR原宿駅下車)で行われる(主催:「2020オリンピック災害」おことわり連絡会)が開かれる。

 「二〇二〇年東京五輪」に反対する運動を広げよう。

(K)

報告:12.23反天連シンポジウム

23シンポ 12月23日、反天皇制運動連絡会は、千駄ヶ谷区民会館で「12・23反天連シンポジウム 天皇の『象徴的行為』ってなんだ!? 『代替り』状況のなかで考える」を行い、80人が参加した。

 明仁天皇は、8月8日に天皇制延命・強化に向けて憲法違反である「生前退位表明」の政治的行動を強行し、皇室典範と関連法規の改定を求めた。また、「天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たす」と述べ、憲法上の規定のない「象徴としての行為」をあらためて押し付けていくことも表明した。

続いて、23日の「天皇誕生日」にターゲットを定め、「確信犯」として「8月には、天皇としてのみずからの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました。多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」などと再度の違憲発言を行った。つまり、「内閣とも相談」してきたことを押し出すことによって憲法3条の「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」の枠内にあると言いたいのだ。

 だが安倍首相は、「生前退位表明」直後に「さまざまな報道があることは承知している。 事柄の性格上、コメントすることは差し控えたい」と述べ、あわてて対応に走った。明仁天皇が「内閣とも相談」してきたと言うならば、その後の安倍政権のドタバタはなんなのか。事実経過がまったく明らかにされず、メディアもなんら追及しないという構造にある。さらに天皇明仁が2018年をメドに新天皇に「譲位」したいと表明しているため、安倍政権は「有識者会議」(天皇の公務負担軽減等に関する有識者会議)を設置し、明仁天皇一代限りの「生前退位」を認める「特例法」によって集約しようとしている。

 主催者は明仁天皇の「生前退位」表明をバネとする天皇「代替わり」状況、天皇制強化にむけた「再定義」を許さない取り組みに向けてシンポジウムを行った。

 以下の三人から問題提起が行われた。

 浅野健一さん(同志社大大学院教授)のテーマは「天皇『代替わり』状況とキシャクラブメディア」。

 「7月13日、NHKの『スクープ』で始まった天皇の『代替わり』の大報道は、戦後一貫して権力とメディアが天皇賛美・天皇制維持報道の延長線上にあることを示した。キシャクラブメディア(治安維持法下で設置され日本しかない記者クラブ制度)は、天皇明仁の『お気持ち』表明自体の違憲性を問うことはない。明仁らの『慈愛』を強調し、平和天皇のイメージを振りまき続けている」。

 「8月8日のビデオメッセージは、最初から明仁とNHKの合作だったのではないか。明仁自陣と天皇側近が組んで、宮内庁記者会のNHK記者を利用して、『お気持ち』を公共の電波に乗せて、政府と国会に法改定を促した。NHKの報道が午後七時のトップという、他メディアが十分に後追いできる時間帯だったことも忘れてはならない」と批判した。

 米沢薫さんは、「象徴天皇制と政教分離」というテーマ。

 「そもそも象徴とは、つくれない、廃棄できない、コントロールできない、置換できない機能があり、不可視のものを『可視化』し、排除と帰属の作用を果たしていく。例えば、現在のヨーロッパのイスラムをめぐる『宗教』論争の中で『イスラムのベール』、キリストの『磔刑像』問題がある。象徴の暴力性としてベールを身に着けることや磔刑像に対する異論を排除する作用へと現れている。天皇制という象徴によって、天皇制に対する国民の無関心が天皇制を廃絶しようとする力に対して強く反発したり、無関心のまま天皇制を維持することを強力に求めることに現れている。これは新たなファシズムであり、『日本国家帰属意識』だ」と指摘した。

 「田川建三は、『負の宗教性というイデオロギー状況と象徴天皇制』(叢論日本天皇制/柘植書房)で『負の宗教性』的な天皇支持を明らかにし、桑原重夫が『天皇制と宗教批判』で共同性の喪失、個に解体していく孤立感を、それを埋めるものとして天皇制の宗教性を利用した『国家』共同性の強化、国民統合していく装置であると分析している。天皇制のこのような役割を見据えて天皇制反対の取り組みを意識的に行っていく必要がある」と呼びかけた。

 天野恵一さん(反天皇制運動連絡会)のテーマは、「安倍改憲と<生前退位>問題」。

 「安倍政権が明仁天皇一代限りの「生前退位」を認める「特例法」でまとめようとしていることに対して明仁がどのように誕生日記者会見をするか『怯えている』という報道を週刊新潮が行った。安倍政権の「生前退位」反対と天皇ガンバレという構造がマスメディアにある。明仁は、『生前退位』について『内閣と相談しながら』と言っているが、NHKに報道させることまでは相談していなかった。明仁は違憲行為であることを自覚しながらやっている。安倍は報復人事として宮内庁長官人事異動、手引きした職員を首切った。マスメディア上ではこういう対立構造がある」と述べた。

 しかし、「明仁は、自民党の改憲草案天皇条項(第1条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく)を先取りして立ち振る舞っている。明仁と安倍の本質的対立があるわけではない。反天皇制運動は、国事行為に入っていない天皇の公務、象徴的行為と闘ってきた。そもそも国民主権だから天皇がどうなろうと関係ないはずだ。だがマスメディアが天皇賛美し続ける現状があり、これを突破するための奮闘が求められている」と訴えた。

 質疑応答後、参加者全体で2017年の反天皇制運動に向けてスクラムを強化していくことを誓いあった。

(Y)
 

青年戦線 第190号(2016.12.26)ができました。

配信:青年戦線190号表紙青年戦線 第190号(2016.12.26)ができました。


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■青年戦線第190号 2016.12.26 誌面案内

JCYアピール 1P

11.5アジア連帯講座:トロツキーの永久革命論 講師:酒井与七さん 4P

11.19アジア連帯講座:徹底批判!自民党改憲草案 講師:清水雅彦さん 34P

読書案内:『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか』 清水雅彦 著 45P

加瀬勉さんが怒りの抗議:抗議文 47P

映画案内:『三里塚のイカロス』 56P

映画案内:『チリの闘い』 59P


★日本共産青年同盟(JCY)アピール グローバルな地殻変動に抗して闘う陣形を構築していこう

米国の反差別・排外主義の闘いに連帯を

 アメリカ大統領へのトランプ就任を前にして、自国民保護を全面に押し出す政策への転換か、新自由主義の加速か、予断を許さない情勢が、アメリカを軸にして進行しているといえる。強くいえることは、こういった指導者が生まれるたびに、そして例えばイギリスのEU離脱を決めた国民投票の時のようなキャンペーンが広がるたびに、移民層、難民状態を余儀なくされた人々をはじめ、差別されきたマイノリティーを後景に追いやっているという事実が速度を増して積み重ねられてゆくということだ。すでにトランプ政権の発足を許さないという意思表示はアメリカ国内で始まっている。何より個人の生存を脅かすデマに対して明らかな行動をもって警鐘を鳴らさない限りは、大小のトランプがひたすら生まれ続け、全世界のヘイトスピーカーは様々な形で連携しつづけるのだ。

安倍政権の自衛隊南スーダン派兵糾弾!

 日本においてはどうなのか。橋下に続き小池のようなヘイトスピーカーは地方自治体における改革パフォーマンスの技巧によって、選挙を勝ち抜いているが、自治体の労働組合等を弾圧し、やがてあからさまに民衆の生活条件を切り崩す存在であることは間違いない。

 そして、国政課題に視点を移せば、成立強行1年の「安保関連法」(戦争法)によって駆けつけ警護「任務」を付与された自衛隊の部隊が、事実上内戦状態に陥った南スーダンへ向けて、「平和維持」を口実に出動してしまった。新しい戦死者が生まれ、「英霊」をまつりあげることによって本格的な軍隊の殺りく機能を構築しようとするもくろみが走りだしたのだ。

 一方で株価、為替相場、内閣支持率といった数値の上がり下がりに一喜一憂する安倍政権のさまは、新自由主義推進の忠実なしもべと呼ぶにふさわしく、とても公共の指導者を名乗るに値しないという理解は広まり続けている。私たちは、特定の利権層が戦争状態の可動域を広め、軍隊・警察といった暴力装置の強化をもてこにして、新自由主義に従属する労働者をどこまでも屈服させる悪循環を阻止していくだろう。

 ともすればヘイトスピーチにくみしがちな労働者層にも粘り強く宣伝し、今なおヘイトスピーチの矢面で呻吟する在日朝鮮半島人、沖縄の人々、アイヌの人々、外国人労働者、あるいは女性を含む性的マイノリティーとの連帯を実現することだけが、無数に増殖しようとするプチトランプを駆逐する唯一の方法である。

ギャンブル国家化に向けた野望

 事態は切迫しているが、国会の状態は喜劇的でさえある。12月の国会で超短時間審議で成立が図られているカジノ推進法は、委員会で質問内容に事欠いて議員が般若心経の話をし始めるという体たらくに現れるとおり、自民・公明連立政権の慢心、民進党、維新の会の政権補完勢力化を絶望的に際立たせている。

 500万人に及ぶともいわれるギャンブル依存症者の問題は、サラ金債務、悪質な強盗犯罪の問題と相まって個人の問題ととらえられがちであるが、作家・精神科医の尋木蓬生著の「ギャンブル依存国家・日本」にある通り、実際は推進する国家の問題でしかない。日本におけるギャンブル用電子的ゲーム(パチンコ・スロット)機の設置台数は450万台でアメリカの88万台を引き離し世界一だ。1台当たりの人口28人も、セントマーチン、マカオといったカジノ設置国に伍して世界3位である。

 ただパチンコ業界利権の所管官庁である警察幹部は「パチンコはギャンブルではなく遊技」とうそぶくわけだが、国際的には日本がギャンブル大国であることは隠しようもない。安倍晋三たちの、それこそギャンブルともいえる安直な政権運営が、格差広がる労働者の反撃にもかかわらず継続している。その理由を考えるうえでもカジノ誘致によるギャンブル国家化への取り組みは重要な課題である。

沖縄差別を許さない!辺野古新基地・高江ヘリパッド建設やめろ

 安倍政権の安易さは、対米追随の一辺倒を生み出し、その表れとして沖縄本島北部における暴力的差別的な米軍基地機能のための工事強行の形で極まった。

 辺野古沖での工事強行を一時的に取りやめた日本政府は、7月参院選で島尻環境相に伊波洋一元宜野湾市長が島尻愛子環境相を破って当選した翌日、今度は高江でのヘリパッド建設工事を強行してきた。本土各県から500人に及ぶ機動隊が連日阻止の仲間をごぼう抜きし、自衛隊はヘリで資材を搬送するなどなりふり構わなかった。9月の福岡高裁ではこのために異動してきたような若い裁判長によって、沖縄県の辺野古埋め立て取り消しの違法性が判決として出された。だがその理由の空虚さが改めて沖縄に対する認識の薄さ、劣悪さを見せつけたに過ぎない。琉球処分以来繰り返された露骨な差別構造が沖縄に未曽有の被害をもたらした地上戦の記憶を修正する勢いで持ち込まれているのだ。大阪府警機動隊員による「土人」発言が発覚してなお、大阪府知事、沖縄担当大臣が警察官の言動を擁護するのは、その最たるものだろう。

 多くの仲間が辺野古で資材搬入阻止行動を貫き、高江で基地敷地内の工事現場に肉薄して身体接触がわずかにあったことなどを口実に、非常に深刻な不当刑事弾圧が進行している。普天間オスプレイ搬入阻止なども含め一貫して現場で山城さんはついに起訴され、病の身でいまだに拘留されている。こうしたことは米軍新基地に反対する運動体の意識を分断した面もあるだろうが、今も沖縄には現地と全国の仲間が結集して、危険で反人民的なヘリパッド建設に抵抗の意思を表し続けている。「オール沖縄」の象徴的存在でもあった翁長知事は高江のヘリパッド工事を容認せざるを得ない状態に陥っていることも確かだろう。ただ国家がこのように振るう暴力に大義はない。最後は人民の抵抗の意思が勝つことは明らかだ。

韓国民衆の反パク打倒闘争の前進

 韓国ではパク・クネ大統領の弾劾手続きが可決され、民衆は毎週大統領府の前に繰り出して、腐敗と保身にきゅうきゅうとする大統領に対し、退陣要求を突き付けている。しかしこれは韓国の政治制度の不安定性、財閥経営者など富裕層への怒り、特定個人の突出した腐敗ということもあるだろう。しかしそれだけで巨大な民衆のうねりが誕生するわけではない。パク・クネが組合しめつけの一環として鉄道民営化を図り、教員組合への弾圧を強化しながら国定教科書制定を目指してきたような、反動政策への怒りということが根底にあるのは明らかである。日本でも、大統領不在の政治空白と「北朝鮮」からの攻撃などを心配して見せる前に、韓国の民衆と連帯する具体性が求められている。中国などを含めた東アジアで必要とされるのは民衆の連帯であって、宮古・八重山に多額の自衛隊配備予算を計上して無用の軍事的緊張を高めることではない。中国軍の上陸を想定した配備などは、尖閣諸島などの領土ナショナリズムをあおることでしか、富裕層、官僚にくみする勢力の士気を維持できないことを表している。

ロシア10月革命100周年 国際主義が問われている

 戦争情勢を考えるうえで、憲法9条改悪をにらんだ国会情勢が常に焦点となってきたが、別の観点で憲法の内実をよりなしくずしにするのではないかという動きもあった。

 それは天皇アキヒトが8月に表明した「生前退位」(譲位)の「お気持ち」メッセージである。このメッセージをめぐって、右派の中でも皇室典範の改正の是非、アキヒトが推進してきた国内外訪問行事等「公務」の是非をめぐって分裂している状況でもある。ただ、私たちが強調するのは、天皇家の「お仕事」が天皇家存続以外に目的を持つとすれば、行き着くところは国家と結びついた資本企業の擁護だけである、ということだ。

 アキヒトと皇后ミチコの振る舞いは一見リベラルな装いにもみちているが、天皇家の慰問、儀礼全般に広がる「お仕事」がどう憲法に違反(反民衆的)しているかは点検の必要がある。そして性差別的な世襲制度のはてに、戦争行為の旗頭として再び天皇家が前面に出る可能性を考えたとき、一層天皇制廃止の主張を強めるしかないといえる。こういった主張を規制しようとして警察権力は、右翼ならず者の暴力と結託して挑発行動を繰り返している。

 「大きな政府」による社会保障から福祉カット民営化が一層進み、新自由主義政策がむき出しの攻勢を強めている。労働者に占める非正規の割合が40パーセントを超えるところに達している。アジアだけでなくヨーロッパ、南米などで新自由主義にノーを突きつける運動は、継続されている。問題は、全世界で深まりつつある労働者・市民による地殻変動を、日本において実感として共有できていないところにある。

 日本では特に、社会主義の展望が大衆運動の場では明らかに欠落している。安倍政権と官僚たちの反動性を指摘する行動の重要さもさることながら、ロシア10月革命100周年を数える2017年、人民が各々あぶくのような存在から結びついて巨大な海として少数の資本家層、富裕層を包囲していけるのかが問われている。

          (海田 昇)

報告:安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は戦地に行くな!12・19国会議員会館前行動

19国会 12月19日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、衆議院第2議員会館前、参議院議員会館前、国会図書館前で、毎月「19日」行動(2015戦争法強行採決抗議)として「安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は戦地に行くな!12・19国会議員会館前行動」を行い、3000人が参加した。

 安倍政権は、11月20日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に向けて青森市の陸自第九師団第11次隊の先発隊(130人)を日航機をチャーターして派兵した。続いて30日に約120人、12月14日に100人が出兵した。同時に12日から戦争法に基づいて「駆けつけ警護」と、他国軍との宿営地の共同防衛の運用段階に入り、現地ではいつでもどこでも「殺す殺される」帝国主義軍隊として参戦することになる。この派兵キャンペーンとして、戦争法で可能となった「駆けつけ警護」の訓練を岩手県陸上自衛隊岩手山演習場(10月24日)に続いて群馬県榛東村の陸上自衛隊相馬原演習場(12月15日)で行っている。

 しかし南スーダン現地は、キール大統領の政府軍とマシャール前第一副大統領の反政府軍が内戦状態にあり、民衆の生活は深刻な事態に入っている。七月、首都ジュバでの激しい戦闘(150人死亡)以降も両派ともに軍事力を強化し、他地域では散発的な戦闘が繰り返されている。

 南スーダンの人権問題を調査する国連の委員会(12月1日)は、声明で「飢えや集団強姦、村の焼き打ちといった形で、国内各地で既に民族浄化が進んでいる。国際社会には(大虐殺に発展することを)防ぐ義務がある」と訴えざるをえない状態だ。国連安保理は、南スーダン諸勢力への武器ビジネスを容認してきたが、危機的事態になってようやく武器禁輸などの制裁を検討している始末だ。

 日本政府にいたっては、武器禁輸措置をすればスーダン政府派を刺激し、自衛隊に危険が高まることを理由にして慎重姿勢を演じている。13年の内戦以前から武器禁輸措置が必要だったのだ。だがPKO部隊を投入しても軍事的緊張の流れを押しとどめることができていない。つまり、スーダン和平協議へのアプローチを怠り、内戦へと誘導してきた諸国の責任は重大だ。

 「PKO5原則」は完全に破綻しているにもかかわらず、稲田防衛相は、「現状は落ち着いていて危険性は少ない」などと詭弁を弄し、安倍首相は7月の両派の戦闘を「衝突」などとデッチ上げまで行った。7月の深刻な内戦実態が明らかになってくると「自衛隊の安全を確保し、意義のある活動が困難であると判断する場合は、撤収を躊躇することはない」(11月15日)と発言せざるをえなかった。だが帝国主義軍隊として自衛隊員の犠牲をも射程に入れた実績を積み上げるために撤収を棚上げにしている。ただちに南スーダン自衛隊を撤収させ、南スーダンの和平協議、生活・難民支援を行えと主張していかなければならない。

 集会は、米軍輸送機・MV22オスプレイが沖縄名護市海上墜落事故(12月13日)と今日のオスプレイ飛行再開強行に対する糾弾から始まった。

 国会議員から山尾志桜里衆院議員(民進党)、穀田恵二衆院議員(共産党)、福島瑞穂参院議員(社民党)がアピールし、戦争法廃止、沖縄連帯、憲法改悪反対、安倍政権打倒に向けた野党共闘の堅持と解散総選挙に対する準備を強調した。

 高田健さん(解釈で憲法9条壊すな!実行委員会)は、「13日にオスプレイが墜落し、同じ日に別のオスプレイが胴体着陸事故を起こした。2機連続で事故を起こしていながら安倍政権はオスプレイ飛行再開を認めてしまった。米国のことはなんでも聞くのが日米安保だ。高江・辺野古の闘いと連帯し、オスプレイは全面的に撤退せよ。山城 博治さんをはじめ不当勾留されている。即時釈放を求めていこう。野党4党と市民が団結し、安倍政権を打倒していこう」と批判した。

 北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会/ヘリ基地反対協抗議船船長)は、「高江ヘリパッド工事阻止に向けて連日座り込みをしている。政府は、12月16日にヘリパッド工事を完成し、22日記念式典をやると言っている。辺野古の工事も再開すると言っている。そんな中、とうとうオスプレイが名護の海に墜落した。抗議船で墜落現場に接近することができた。オスプレイの破片がバラバラに散らばっていた。とんでもない大事故だ。防衛省との交渉でも『不時着水』など言っている。コントロールできないから名護の岩礁地帯に墜落した。防衛省は、今後のオスプレイ導入も含めて今回の事故を小さくみせたいということだ」と糾弾した。

 さらに「明日は辺野古の最高裁判決が出る。翁長知事が毅然と対応しているかぎり、どのような結果になろうが工事は進まない。公有水面の埋め立てに関しては、知事権限は絶大なものだ。承認を撤回する。来年、3月31日は岩礁破砕―埋め立て部分の地形変更―更新の時期だ。翁長さんは、更新はしないと言っている。設計概要の変更申請の承認も知事の権限がある。これらの知事権限を行使すれば政府がどういう動きをしようが、埋め立て本体工事に入れない。辺野古新基地ができれば、ますます危険が増すことは明白だ。高江の工事もまだまだ続く。22日の返還式に向けて抗議集会を行い、夜には名護で県民集会を行う。来年の辺野古工事阻止に向けて断固として闘っていく」と発言した。

 白川徹さん(日本国際ボランティアセンター)は、「南スーダン・ジュバ近郊の難民キャンプで人道支援を仲間たちが行っています。NGОのほとんどは、『駆けつけ警護』をやめとくれと言っている。非武装で軍隊と距離を置くことで安全を守っている。アフガン、イラクの経験からも言える。南スーダンは、大統領派と反大統領の軍隊が闘っているように言われているが、実際は諸勢力が入り乱れてわからない状態だ。所属不明の民兵が民衆を襲撃している。南スーダンに平和を取り戻すために諸勢力の対話が求められている。そのために日本政府は努
力すべきだ」と発言した。

 最後に山岸良太さん(日弁連・憲法問題対策本部)の発言、主催者から今後の行動提起が行われた。

(Y)


報告:12.6話し合うことが罪になる共謀罪の国会提出を許さない!市民の集い

配信:共謀罪12月6日、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会は、文京区民センターで「秘密保護法 強行採決から3年『12.6を忘れない六日行動』 話合うことが罪になる共謀罪の国会提出を許さない!市民の集い」が行われ、70人が参加した。

 実行委は、新聞労連、平和フォーラム、5・3憲法集会実行委員会、秘密法に反対する学者・研究者連絡会、秘密法反対ネット、日本国民救援会で構成され、秘密保護法廃止をめざして定期的に国会行動を取り組んでいる。 秘密保護法が強行制定されてから3年。安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として秘密保護法と戦争法を一体のものとして打ち固め、南スーダンPKOの自衛隊派遣部隊を派兵した。現地は内戦状態にあり、戦争の拡大連鎖の危険性の中で民衆を殺し、自衛隊員が殺される戦場に送り込んだ。すでに国内外の戦時態勢のレベルを上げており、国内治安弾圧体制の強化を加速しつつある。

 5月に刑事訴訟法改悪(一部可視化、司法取引、盗聴対象拡大)を強行した。その延長において8月時点で菅義偉官房長官は、3度も廃案になった共謀罪の名称だけを変えた「テロ等組織犯罪準備罪」法案(=新共謀罪―犯罪を行ったら処罰するのが近代法の原則だが、それを否定し、法律に違反する行為を話し合い、合意しただけで処罰可能にする)を臨時国会に向けて提出するキャンペーンを「国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備」から「対テロ対策のために必要な法律」へと比重をかけて開始した。

 なんら治安弾圧と人権侵害の性格が変わっていない法案に対して野党、日弁連、市民などの抗議に直面し、表向きTPP法案などの成立を優先すると称して先送りにした。つまり、12月の盗聴法の施行強行のうえで、次の通常国会に新共謀罪法案を提出するということだ。実行委は、戦争法廃止とともに新共謀罪制定に反対していく新たな運動の取り組みに向けて集会を行った。


 集会は、実行委の中森圭子さんから開催あいさつが行われ、「この6日で秘密保護法強行採決から3年だ。この日を忘れずに6日に国会抗議行動を取り組んできた。安倍政権は、秘密保護法とセットである新共謀罪を通常国会提出に向けて準備を進めている。現代版治安維持法の危険性を社会的に訴えていこう。当面、国会提出を許さない取り組みをポイントにしながら戦争法反対運動とも連携しながら強化していこう」と訴えた。

 平岡秀夫さん(元民主党法務大臣、弁護士)は、「共謀罪と監視社会について考える―国連越境組織犯罪条約は共謀罪をつくらなくても批准できる」というテーマで以下のように講演した。

 「2000年の国連総会で採択された『国際的な組織犯罪の防止に関する条約』(TOC条約)に日本政府が12月に署名し、03年5月、国会で批准を承認したことにより、国内法整備のためとして組織犯罪処罰法の中に共謀罪新設を打ち出した。しかし共謀罪法案は、3度も廃案に追い込まれた。政府は、国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備のために共謀罪が必要だと言ってきた。しかし、TOC条約の立法ガイドには、『自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる』と求めているにすぎない。現行法ですでに予備罪、準備罪、ほう助犯、共謀共同正犯などの形で共謀を犯罪とする措置がとられている。共謀罪を導入せずともTOC条約を批准することは可能だ」。

 「法務相だった2011年9月に法務官僚に対して『TOC条約の目的・趣旨に基づいて防止すべき罪に対して、すでに当該罪について陰謀罪・共謀罪・予備罪・準備罪があるものを除き、予備罪・準備罪を創設することには、どのような問題があるか』と検討指示し、共謀罪を設けずに批准する道を探った。だが、『時間がかる』と言って慎重対応だった。法務相辞任後、自民党と警察官僚、財務官僚は、共謀罪制定に向けて一気に動き出した。TOC条約の立法ガイドを後景にしながら『テロ対策のために共謀罪は必要』という主張に対して反論していく必要がある。三度の廃案に追い込んだ国会審議を整理した。新国会議員は、共謀罪の存在と危険性をまったく知らない。国会議員の勉強会も含めて取り組んでいきたい。監視社会の野望を止めていこう」と強調した。

 講演後、平岡さんと海渡雄一さん(秘密保護法対策弁護団)が「共謀罪、秘密保護法、盗聴法で進む日本の監視社会」をテーマに対談を行い、秘密保護法反対運動の一定の総括を行い、今後の新共謀罪反対運動の課題を浮き彫りにした。

 後半は、米倉洋子さん(日本民主法律家協会)、高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)、木村広さん(出版労連・書記長)、宮崎俊郎さん(共通番号いらないネット)、鈴木猛さん(日本国民救援会)から新共謀罪反対運動の決意が表明された。

 最後に前田能成さん(実行委、出版労連)が閉会あいさつを行った。

(Y)
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