虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

INFORMATION

配信●青年戦線196表紙1・表紙4

青年戦線第196号(2020.9.14)ができました。



■購読申し込み先
400円
編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402


■グローバル・コロナ禍関連記事


◆10月16日(金)

【アジア連帯講座10.16公開講座】
米大統領選 左翼の諸動向を探る—アメリカ ブラック・ライブズ・マター








報告 9.11 アジ連 公開講座 「入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義」

配信:寺本講座9月11日、アジア連帯講座は、「入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義」をテーマに公開講座を行った。

寺本さんは、8月に発刊された「エコロジー社会主義  気候破局へのラディカルな挑戦」著者:ミシェル・レヴィー/柘植書房新社)の翻訳を行った。ミシェル・レヴィーのアプローチをバネにクライメート・ジャスティス(気候正義)運動、「システム・チェンジ」を目標としたエコ社会主義(社会主義とエコロジーを結合させた新たな社会の展望)の取り組みを提起している。

講座は、①気候変動から気候危機・気候破局へ ②温暖化否定論者は何を言っているのか? ③気候危機と地球温暖化 ④パンデミックが映し出す気候危機の本質 ⑤システムを変えよう!気候を変えるのではなく!を柱に提起した。集約として、エコロジー社会主義を実践的に具体化し、共有化していく作業を共に担っていくことを確認した。

寺本講演


 COP21(2015パリ)、COP23(2017ボン)の対抗アクションに参加してみて、「システムを変えろ・気候を変えるな」というスローガンが、とりわけヨーロッパの気候変動に対する闘いの中で定着していることを目の当たりにした。このスローガンは、2009年のコペンハーゲンでのCOP以来、大きな基軸として掲げられてきたものである。それではシステムを変えるというとき、変えた先にあるものは何か、未来の社会のイメージがないと先に進めないのではないかと考えた。その中でミシェル・レヴィーの「エコ・ソーシャリズム」という本を翻訳してみようと思い、このたび『エコロジー社会主義 気候破局へのラディカルな挑戦』として、柘植書房新社より出版されることになった。

 目次を見てほしい。序章の「二一世紀の大洪水」は、昨年、ミシェル・レヴィーがフランス語版の改訂版に書き下ろしたもので、昨年の国連の気候行動サミットでのグレタ・トゥーンベリの演説なども網羅している。それ以外は、2000年~2010年代にかけて彼が書いたものだ。第5章の「マルクス・エンゲルス・エコロジー」は、斉藤幸平さんの論文も言及がある。レヴィーは、彼の立場とは違うという形で書いている。7、8章は、レヴィーはもともとブラジルの出身なのでラテン・アメリカの先住民の運動に大きな関心と力点を置いている。

 現在、世界は、① 気候危機 ② コロナ・パンデミック危機 ③ 政治・経済・社会的危機が同時に進行している。

 例えば、アメリカが発火点となったブラック・ライブズ・マターは、その背景に深く制度の中に組み込まれた人種差別の問題がある。黒人のマルクス主義者の中では、人種資本主義という概念が広く使われている。人種差別とは、資本主義の中に制度的に深く組み込まれているという議論がされている。

 三つの危機の根源は、現在の「システム」にある。では、そのオルタナティブは何か?について問題提起していきたい。

1.気候変動から気候危機・気候破局へ

 世界中で「異常気象」が「日常化」している。例えば、モスクワの2020年1月の平均気温は約0度(観測史上最高)で平年より9.3度高く、これまでの最高記録を1.5度上回った。1月の積雪量は7センチ(平年32センチ)だった。

 南極半島のアルゼンチン基地では史上最高温度18.3℃を記録し、過去50年で約3℃上昇した。南極半島西岸にある氷河は過去50年で87%失われた。産業革命以降、すでに約1度の気温上昇があるが、南極圏・北極圏の気温上昇が激しい。

 シベリアのサハ共和国ベルホヤンスクで、6月30日に38℃を記録している。永久凍土が溶けていくと、その中に閉じ込められた大量のメタン、二酸化炭素が一挙に放出される。ますます地球温暖化に拍車がかかる。

 さらに永久凍土の中に、例えば、マンモスの死骸とか、動物の死骸とかが閉じ込められている。それが溶けることによって、その中で生き残っているウイルスが出てくる。シベリアで2016年、永久凍土の中にあった動物の死骸から出てきた炭疽菌で死亡者が出た。未知の、一万年前のウイルスがさらに出てくるかもしれない。

 こうした異常気象では、もはや「異常」であることが当たり前になり、新たな「普通」など見つけるべくもなくなっていて、過去のデータに基づく気候予測は成立しなくなっている。日本でも地球温暖化の影響は現実のものとなっている。「100年に1度」の異常気象が日常化している。今年夏の「猛暑」では、8月の平均気温は平年比で、東日本で2.1℃、西日本で1.7℃高く、過去最高だ。岡山県高梁市は、24日連続で35℃以上を記録している。浜松市は、41.1℃の最高気温だった。だから人々の間では、気候温暖化という知見は共有化されているのではないか。

 集中的・局地的豪雨、巨大台風は、日本近海の海水温上昇による水蒸気量増加が原因で、台風が日本近くで発生し、日本を直撃するようになっている。2018年9月4日の台風で関西国際空港は水没した。

 オーストラリア森林大火災は、ニューサウスウェールズ州で240日以上森林火災が続き、540万haが焼失(例年の18倍)した。結果として、2月6日から豪雨によって鎮火した。極端から極端にふれるのが異常気象の特徴だと言える。

 森林火災が起こる「主犯」は地球温暖化にある。2019年のオーストラリアの平均気温は観測史上最高で、平年より1.52℃上回った。年平均降雨量は平年より4割減っていた。つまり、地球温暖化により乾燥地域が拡大している。

 現在のカリフォルニアの火事は、81万㏊にまで広がっている。東京都の3.7倍だ。その原因には、ドライライトニング現象がある。雨が降っていないのに、雷が鳴る。晴れているところに、いきなり雷が落ちてくるわけだ。カリフォルニアだけで1200箇所にドライライトニングによる雷が落ち、火災が一気に広がった。ロサンゼルスでは、9月6日、49.4℃を記録している。

 オーストラリアの場合は、昨年から年末の間に「インド洋ダイボールモード現象」の影響があると言われている。インド洋の西側海面の温度上昇によってアフリカ東部は豪雨となり、東側海面の温度低下でインドネシア、オーストラリアで少雨、乾燥となった。ただ、地球温暖化で温度上昇や低下の度合いが大きくなっている。このダイボールモード現象によって、オーストラリアでは森林火災、アフリカではサバクトビバッタが大量発生した。アフリカ東部の豪雨によって繁殖に適した環境になった。

いまや気候変動ではなく、気候危機・気候破局の段階に入っている。日本政府の「環境白書」2020年度版でも気候危機とはじめて表現された。このような気候危機・気候破局は、ある段階を超えると、気候システムが不可逆的に暴走し、地球温暖化に歯止めがかからなくなると多くの科学者が指摘している。その限界点には私たちが考えているよりもずっと早く到達するかもしれない。ミシェル・レヴィーも『エコロジー社会主義』でその点を強調している。

2.温暖化否定論者は何を言っているのか?

 ボルソナロ・ブラジル大統領は、パリ協定からの離脱を示唆し、先住民を追い出して、アマゾン開発を促進している。三人の息子は「パリ協定は国際的な陰謀」「温暖化はウソ」「気候変動は左派のアジェンダ」と主張している。

 トランプ米大統領は、「地球温暖化という概念は、もともとアメリカ製造業の
競争力をそぐために中国によって中国のために作り出されたものだ」(2012年)と言っていた。

 ただ注意しなければならないのは、ボルソナロやトランプの温暖化否定論とコロナ・パンデミックでの立場が共通しているとこだ。温暖化否定は、こういう人達だけではなく、世界的に日本でも、かつて一部のエコロジスト、反原発を掲げた人達の中でそういう論議が行われていた。「地球温暖化は原発推進のためのデマ、推進するための陰謀だ」という人がいた。

 ミシェル・レヴィーは、エコロジー社会主義』の序章で「アメリカ航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙研究所前所長のジェイムズ・ハンセン」に触れている。この人は気候変動の専門家で警鐘を鳴らしている人だが、熱心な原発推進論者でもある。気候変動、地球温暖化を防ぐためには、原発を推進しなければいけないと主張している。こういう人がいることが、温暖化デマ説につながっているのかもしれない。

3.気候危機と地球温暖化

 なぜ温暖化が起こるのか。地球のエネルギー収支は一致している。入ってくるエネルギーと出ていくエネルギーはイコールになっている。イコールでなかったら地球は、際限なく暑くなってしまう。温室効果ガスは、赤外線を吸収し再び放出する性質を持つ。地球の外に向かう赤外線の多くが、温室効果ガスに吸収され(熱として大気に蓄積)、放出されて地球の表面に戻り、地表付近の大気を暖めることによって地球温暖化となる。エネルギーが地球の表面にとどまることによって温暖化が促進される。

 世界気象機関は、現在の状況を「氷河時代」だとしている。南極、グリーンランド、ヒマラヤなどに氷河がある。氷河時代は氷期と間氷期が繰り返される。258万年前に始まった氷河時代のCO2の濃度は、180~280PPMで推移している。

 しかし、現在のCO2の濃度は、過去数十万年にわたる自然変動の域を超えている。だから温室効果ガスによって温暖化が進んでいることが科学的に立証されている。2015年から2016年のCO2濃度の増加は、3.3PPMでこれまでの最高だ。明らかに人為的な温室効果ガスの排出が原因だ。

 温室効果ガスはどこから排出されているのか。温室効果ガスの76%が二酸化炭素(CO2)で、65%が化石燃料に由来している(CO2換算で)。

 国連によればCO2排出量の国別順位(2016年)では、一位が中国、二位
がアメリカ、三位インド、四位ロシア、五位日本となっている。しかし、一人当たりの排出量はアメリカが突出して多い。アフリカ諸国は、総排出量でも、一人当たり排出量でも、非常に低い数字となっている。

 ドイツのCOP23対抗アクションのフォーラムに参加して、工業的農業から排出される温室効果ガスが多いことを知り、大変驚いた。食肉・乳製品製造のトップ20社が排出する温室効果ガスの量は、ドイツが排出する量を上回っている。2016年のデータでは、温室効果ガスの全排出量の14%が食肉・乳製品製造によって占められている。その中には、加工・製造・輸送などで発生するものも含まれている。今後も今のような食生活を続けるならば、いくら他でCO2を削減しても、大きな排出が残ってしまう。

4.パンデミックが映し出す気候危機の本質

 新型コロナウイルス流行でCO2排出が激減したと言われている。国際エネルギー機関の予測では、今年の世界のCO2排出量は前年比8%(約26億トン)減少(リーマン・ショック後の09年の約6倍の削減)とされている。航空輸送の中断、工場生産ストップ、発電量の減少などにより、化石燃料の使用が減少した。逆に言うと、飛行機を飛ばさなくても、クルーズ船を動かさなくても生きていけるということだ。不必要な生産がどれだけ多かったかを現わすものだ。

ボルソナロとトランプの共通した対応

 パンデミックに対してボルソナロはいまだに「われわれは生き続けなければならない。雇用を守らねばならない。普段通りに戻らなければならない」「(感染が)危険なのは60代以上。なぜ学校を閉めなければならないのか」「軽い風邪」(3月24日)、「他のウイルスの方がはるかにたくさんの死者をもたらしたのに、今回のような騒動は起きなかった」「何人かの知事や市長が行っていることは犯罪だ。ブラジルを壊している」(3月25日)などと述べている。

 トランプは当初は「フェイクニュース」「民主党によるデマ」だと言っていた。さらに「コロナウイルスは消滅しつつある。ある日、ミラクルのように消えていく」(2月28日)、「私はワクチンについても、検査と同様に感じている。新型コロナは、ワクチンがなくても消滅する。そして、一定の期間が過ぎたら、もう見ることは無いと願っている」(5月8日)などと言っていた。

 彼らは地球温暖化を否定し、パンデミックに対しても共通した態度をとった。深刻なエコロジー危機であるにもかかわらず、全く関心がなく、危機感がない。生態系を壊しても経済、金儲けを優先する態度だ。つまり、現在のコロナ危機・気候危機・新自由主義的グローバリゼーション危機の社会的危機は、相互に絡み合う有機的関係を持って進んでいることを示している。

コロナウイルスとは

 コロナウイルスは、本来の宿主であるオオコウモリや齧歯(げっし)類から「人畜共通感染症」として漏出した。エボラ出血熱、エイズ、SARS、MERS、そして新型コロナウイルスなど、1960年以降に出現した新たな病気の3/4は動物由来感染症だ。いかに動物環境に対して人間が介入し、環境を破壊したことの現れだ。

 なぜ漏出したのか。森林伐採、工業的農業の拡大、集約農業・監禁的動物飼育、鉱山開発・インフラ開発による自然破壊、野生種の利用(ペット・食用など)などのまさに生態系破壊によって、野生生物から人間への病気の漏出をもたらした。

 一方で、新自由主義的グローバリゼーションの中で爆発的な旅行の拡大、多国
間貿易、農村部破壊による都市への人口集中が、感染の世界的拡大(パンデミック)の絶好の条件となった。

 パンデミックによる被害や影響は、地域・人種・階級・ジェンダー・社会的状況などによって著しく偏在している。それは気候危機の影響と同様である。例えば、ブラジルで最初にコロナウィルスを持ち込んだのは、ヨーロッパなどに旅行に行っていた金持ちの人達だった。さらに彼らの家で働いていた人が感染し、スラムへと広がっていった。金持ちは、医療システムが崩壊していても、高いカネを払って私立病院で治療ができるので回復していった。または、田舎の別荘に移って感染しなかった。だが、社会的に脆弱な立場にある人々に感染が集中している。

 アメリカでは、黒人や中南米からの移住者、エッセンシャルワーク(病院・介護施設、物流・倉庫、公共交通、食肉加工など)の労働者が大きな被害を受けた。ヨーロッパでも老人介護施設での死亡者が多数だった。パンデミックの被害者は、ある特定の人達に集中的に影響を与えた。

 気候危機の場合はどうか。温室効果ガス排出にそれほど責任を持たない途上国の社会的に脆弱な人々に集中的に及んでいる。例えば、島嶼国・低地帯の水没・海水の浸透、砂漠化による干ばつ・食料不足・水不足、移民・難民の激増、先住民の居住地域の破壊などが拡大している。

 つまり、パンデミックや気候破局などのエコロジー危機の被害者と新自由主義的グローバリゼーションの被害者は重なっていることだ。

5.システムを変えよう!気候を変えるのではなく!

 パリ協定で決まった各国の温室効果ガス削減目標が全部達成されても、2.7℃~3.7℃の気温上昇を招く。日本は、この削減目標すら達成できそうにない国の一つだ。G20の中では他にオーストラリア、ブラジル、カナダ、韓国、南アフリカ、アメリカ合衆国もそうだ。

 日本政府は、脱石炭・脱原発に極めて消極的だ。最近になってようやく、旧式石炭火力発電所の休廃止を促す方針を表明したが、脱石炭ではなく、高効率の石炭火力発電所への転換をはかることがねらいだ。

昨年のCOP25は会議としては失敗だったが、若者たちを中心に気候アクションが盛り上がった。気候アクションで若者たちが訴えたメッセージは、「① 1.5℃目標に沿った温室効果ガス排出削減目標の更新・強化を打ち出すこと ② 2030年より早期段階での脱石炭の宣言 ③ 自然エネルギー100%目標の策定 ④ 気候変動の影響に脆弱な国・地域に住む人々(一次産業従事者・女性・先住民等)の人権を守ること」である。

 2019年には、Friday for Future などが呼びかけた気候ストやアクションが世界的に広がった(昨年3/15 140万人、9/20 400万人、9/27 200万人、11/29 200万人)。日本でも、若者を中心に気候マーチが取り組まれた。

 グレタ・トゥーンベリさんらは、今年7月16日にEU首脳・各国首脳への公開書簡を出した。

 「われわれがより少ない排出への信頼できる道筋の上にいる、さらに気候災厄を回避するために求められる行動は現在のシステム内で求めることができる-さらに言うならば、われわれが危機を危機として扱うことなしに、危機を解決することができる-と長期にわたって言い張れば言い張るほど、貴重な時間がますます失われてしまうだろう」。

 つまり、今のシステム内では気候破局を回避することは難しいということだ。具体的な要求としては以下のことを掲げている。

*ただちに、全面的に、化石燃料の探査・採掘に対する投資の中止、化石燃料への補助金の終了、化石燃料からの投資を完全撤退。

*消費指数や国際航空・海運を含む(温室効果ガス)排出全体を数値目標に含め
ること。

*拘束力のある毎年のカーボン・バジェットを確立すること。

*民主主義を保護・防衛すること。

*労働者ともっとも脆弱な人々を守る環境政策を立案し、あらゆる種類の不平等-経済・人種・ジェンダー-を減らすこと。

*気候緊急事態・エコロジー緊急事態を緊急事態として扱うこと。

 これはエコロジー社会主義と現在の運動をつなぐ過渡的要求とも言える。

 このように気候危機と社会的経済的政治的危機の問題を結びつけてとらえ、システムとつながっていることが意識しはじめられている。

6.エコロジー社会主義 気候破局へのラディカルな挑戦

 地球温暖化を議論する際に、気温上昇をカウントする起点は産業革命だ。つまり、資本主義生産システムが成立した時期から起算している。このことは、エコロジー危機の要因の一つである地球温暖化は、資本主義生産システムとともに進行してきたことの表現になっている。

 ところが気候変動に理解をしていると言われる資本家は、人間の存在とその活動(人口の爆発、際限ない消費の欲望、エコロジーに配慮しない企業の存在など)が地球温暖化の原因だと言う。エコロジストの一部でも同じような考えをしている人たちがいる。レヴィーの本の中でも出てくる。

 人間の存在が問題だと考えると、解決策は「人間の倫理的問題」、あるいはグリーン資本主義ということになってしまう。「車に乗らないようにしよう」「エアコンを使わないようにしよう」ということなるのか。また、グリーン資本主義は、できるだけCO2を出さない資本主義、技術革新によってCO2を貯蔵・管理する資本主義を目指すということだ。

 私たちは、こういう立場に立たない。資本主義生産システムそのものが、エコロジー危機の根源だ。さらに新自由主義グローバリゼーションがそれを加速させているという立場だ。

 そのうえでとるべきオルタナティブは何か? 資本主義生産システムそのもののオルタナティブとしてのエコロジー社会主義だ。だが社会主義は時代遅れだという意見がある。レヴィーは、それは違うと言っている。社会主義を復権するためには、エコロジー的な視点を取り入れることが重要だと言っている。

 ミシェル・レヴィーは、『なぜエコ社会主義なのか? 赤と緑の未来のために』(2018)で次のように言っている。なお、この論文は、「エコロジー社会主義」の要約的なものとなっている。

 「現代の資本主義文明は危機に瀕している。資本の無制限な蓄積、あらゆるものの商品化、労働と自然の無慈悲な搾取、そしてそれに伴う野蛮な競争は、持続可能な未来の基盤を損ない、それによって人類の生存そのものを危険にさらしている。われわれが直面している深くシステム的な脅威は、深くシステム的な変化、すなわち「大転換」を要求している。」

 「エコロジーの基本的な考え方とマルクス主義の経済学批判を統合することでエコ社会主義は、持続不可能な現状に対する根本的なオルタナティブを提供する。それは、市場の成長と量的拡大(マルクスが示すように、それは破壊的進歩である)に基づく資本主義的な「進歩」の定義を拒否して、社会的ニーズ、個人の福利、エコロジー的均衡のような非貨幣的基準に基づいて確立された政策を提唱する。エコ社会主義は、資本主義システムに挑戦しない主流の「市場型エコロジー」と、自然の限界を無視した「生産力主義的社会主義」の両方を批判する。」

 つまり、個人の福利、とりわけ労働時間の短縮が必要だと強調している。自由時間を増やすことだ。

 その中で「エコ社会主義の根幹」として「民主的でエコロジー的な計画作成」が重要であると提起している。つまり、生産手段を資本家から奪い取って、共有化するだけでは不十分だ。それはソ連型社会主義が陥った誤りである。ソ連型社会主義に欠けていたのは、「民主的でエコロジー的な計画作成」だと言っている。

 具体的には、「どのような生産分野を優遇するのか、どのように教育、医療、文化に資源を投資するのか、技術革新をどのような方向に向けていくのか、を民主主義的に決定していくこと。重要なのは、地方、広域、国家、大陸、国際的なあらゆるレベルでの民主的管理だ」。

 また、「資本主義の「破壊的進歩」からエコ社会主義への大転換は、・・・社会、文化、考え方の永続的な革命的変革の過程でもある。この転換を実現することは、新しい生産様式と平等主義的で民主的な社会につながるだけでなく、お金の支配を超えて、広告によって人為的に生み出された消費習慣を超えて、無駄で環境に有害な商品の無制限の生産を超えて、オルタナティブな生活様式、新しいエコ社会主義的文明にもつながる。」と主張している。

 生産方式の所有から変革だけではなく、その過程全体を通して人間の考え方、
生き方を変えていかなければならないということである。エコロジー社会主義は、そういうものを含むものでなければならないということだ。

 例えば、ラテンアメリカの先住民が「よく生きる」という概念を使っている。エクアドル、ボリビアでは憲法の中でも明記されている。自然と共生し、よく生きるという考え方がある。レヴィーは、このことを評価している。「所有(having)」(何をどれくらい持つか)よりも「実存(being)」(どういう生き方をするか)を優先するということだ。

 最後にレヴィーは言う。「エコ社会主義はユートピア(「どこにもない何か」の意味)であるが、現実の社会を根本的に変革するにはユートピアを夢想すること抜きにはありえないのではないか」。

 ヴァルター・ベンヤミンの「マルクスは、革命は世界史の機関車だと言った。しかしおそらく、事態はそれとは大きく異なっている。革命は、列車旅行をしている人類が非常ブレーキをかける行動なのかもしれない」を引用して、「革命とは、列車が奈落の底に落ちる前に人類が手を伸ばす非常ブレーキである」と提起している。

 一方で、エコロジー危機に対する具体的闘い、つまり石炭火力をなくすこと、原発をなくすこと、あるいは地域で地産地消の取り組みを進めていくことなど、具体的な課題がたくさんある。そういう課題に積極的に参加し、一つ一つ実現していくことも大事だ。

 私たちは、ユートピアとしてエコロジー社会主義と現在のエコロジー的危機の課題を、どのようにつなぐのか。どういう要求を掲げて、つないでいくのか。要求のもとにどれだけ多数の支持を集めていくのか。これらが私たちの具体的に問われている課題だ。ただし時間がそれほど残されているわけではない。

終わり

青年戦線第196号(2020.9.14)ができました。

配信●青年戦線196表紙1・表紙4青年戦線第196号(2020.9.14)ができました。

■購読申し込み先

400円

編集発行

日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
FAX 03-3372-9402

■目次

●日本共産青年同盟(JCY)首都圏会議アピール

●特集—FIビューロー声明
新型コロナウィルスのパンデミックに抗して

★やつらの利益を守るのではなく われわれの生命を守ろう!(20.3.17)

★いますぐエコ社会主義への移行を! 人間の共通の尊厳を守るとき(20.4.16)

★歴史的大転換宿す世界(20.6.8)

●石井紀子さんと共に 6.28三里塚・東峰現地行動

●8.15反「靖国」デモに150人

●香港の人々に自由と権利を

香港デモにおける非暴力派と直接行動派
              衛港之戰2019

●アジア連帯講座:公開講座

イギリスは今 講師:浅見和彦さん

●読書案内/マスコミ・セクハラ白書

読書案内/知らないうちにみられている これ一冊でわかる監視社会


【アジア連帯講座10.16公開講座】米大統領選 左翼の諸動向を探る—アメリカ ブラック・ライブズ・マター

アジア連帯講座:10.16公開講座
米大統領選 左翼の諸動向を探る—アメリカ ブラック・ライブズ・マター

講師:喜多幡佳秀さん(アタック関西グループ)

日時:10月16日(金)/午後6時30分

会場:東京・全水道会館4階小会議室(http://www.mizujoho.com/) (JR水道橋駅下車)

資料代:500円
主催:アジア連帯講座 東京都渋谷区初台1-50-4-103 
新時代社気付 TEL:03-
3372-9401 FAX:03-3372-9402
ブログ「虹とモンスーン」 http://monsoon.doorblog.jp/

file-20200615-65952-pm65vu 世界的なコロナ・パンデミックと連動して、米国においてもコロナウイルス感染が拡大し、深刻な事態に陥っています(8月11日の死者数は16万6027人)。

 トランプ政権は、当初、コロナ感染による犠牲は限定的であると過小評価し、ただでさえ医療制度が脆弱であるにもかかわらず、感染拡大を実質的に放置してしまいました。感染の危険が高い必須労働(エッセンシャルワーク)は、マスク・保護服の不足、不十分な換気設備状態下で多くの労働者(大半は黒人と中南米などからの移住者)が犠牲になっています。つまり、トランプのコロナ対策は場当たり的なため、ロックダウンによる経済活動の停止から後退へと流れ、大失業(4月、2000万人超)と貧困拡大、社会不安を拡大させたのでした。

 四月中旬、「アメリカ愛国者集会」(ミシガン州の州都ランシング)、「自由のためのミシガン連合」などがロックダウン解除を求める集会、武装デモを行い、米国各州で波及していきました。トランプは、大統領選を優勢にしていくために各州の民主党知事をターゲットにしてロックダウン解除を求める集会・武装デモへの支持、規制緩和を表明していくのでした。

 5月25日、ミネアポリスで警察官によるジョージ・フロイドさんの殺害事件が発生します。この事件を契機に、「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命を守る運動)が反トランプ・反警察・反レイシズムを柱に全国的に広がっていきました。その現れとしてミネアポリス市議会の反警察・予算打ち切り審議、シアトルの「キャピトル・ヒル自治区」宣言の攻防(6・8/1カ月間、警察署を閉鎖させ、市民の自治によって運営)、白人優位主義者や奴隷主の肖像や記念碑撤去、建物や通りの名前を変更する運動へと発展しました。

 トランプは、全国的な「ブラック・ライブズ・マター」、反トランプ・反警察・反レイシズムに対して反国家的な行動として連邦治安要員の派遣も含めた暴力弾圧を押し進めています。

 このようなかで11月大統領選挙に向けて共和・民主両党のキャンペーンが繰り広げられています。トランプは米国第一主義、反中国・反移民を掲げ共和党、極右・保守勢力を巻き込んでいます。民主党は、党内右派・中道派共闘によってバイデン元副大統領が大統領候補としてコロナ禍のなかでオンラインキャンペーンを展開しています。政策は、対中国など強硬路線、製造業支援と雇用増、IT企業などや富裕層への増税、気候変動パリ協定復帰などです。

 11月大統領選挙に関する各種世論調査では民主党のバイデン候補の優位が報じられています。トランプは、劣勢ばん回に向けてコロナウイルス対策による郵便投票に対して「大統領選で郵便投票が広範に導入されれば、歴史上、最も不正確で詐欺的な選挙になるだろう」「選挙で不正が行われれば辞めない」と言い出しています。

 このような米国情勢をいかに分析し、次の局面を見いだすのか。

 この間、喜多幡さんは、アタック関西の取り組みなどを通して、米国の労働者階級と左派の方向性を問題提起しています。その柱は、MeToo、ブラック・ライブズ・マターなどの新たな運動、民主党内サンダース議員支持勢力と左派州議員などと連携しトランプの再選阻止の陣地をひろげていくことであり、この闘いは同時に資本主義の危機に対する対案を掲げる政治勢力の登場を戦略的に準備していくとこであると強調しています。

 講座では最新の米左派情報の紹介なども含めて共に分析、評価を含めていきたいと思います。ぜひご参加ください。

報告:8.22 考えよう!防災訓練の問題性・危険性

配信:防災 8月22日、東京都総合防災訓練に反対する実行委員会は、滝野川西区民センターで11月22日の「北区・東京都防災総合訓練」強行に反対していく取り組みの一環として「考えよう!防災訓練の問題性・危険性」をテーマに集会を行った。

 実行委員会は、11月22日の北区中央公園野球場などで行われる救出救助訓練と称する治安訓練に反対し、その柱を以下のように確認している。

 ①防災訓練は、「武力攻撃災害」の観点から「国民保護訓練」として位置づける。発動根拠として「緊急事態」を権力者が都合良く判断し、「大規模災害」だけではなく「戦争・内乱」「大規模テロ」「騒擾」(大規模デモ、ストライキなど)にわたって対処していくことにある。つまり、緊急事態条項追加改憲の先取りであり、緊急事態対処訓練である。

 ②防災訓練には自衛隊が参加し、その任務として宣撫工作、リクルート活動の場として展開する。そもそも「災害派遣」も「治安維持活動」の一種として位置づけており、テロリスト掃討などの戦闘、デモ隊を弾圧する「治安維持」が本質任務としてある。

 大規模災害時に緊急事態を理由として軍事組織に秩序維持の活動を担わせることは、関東大震災時の戒厳令下における警察・軍隊・自警団が一体となった朝鮮人虐殺によってその危険性が示されている。再生を許してはならない。

 ③「新型コロナ災害」を契機に警察による威嚇などの「自粛」強制に呼応し
「自粛警察」が横行し、ヘイトグループの活動も活発化している。加害の歴史を否認し、米軍・自衛隊との連携を前提とした緊急事態条項追加改憲を先取りした国民保護に通じる防災訓練に住民や児童・生徒を動員することは人権の否定につながる。

 そのうえで防災訓練は、「新型コロナ災害」を踏まえ、来年開催予定の「東京オリンピック・パラリンピック2020」戒厳体制を見据え、緊急事態対処訓練として行おうとしている。実行委は、このような動向・性格全体と対峙し、支配者たちの野望を打ち砕いていくための反撃として取り組んでいく。ともにスクラムを広げていこう。

 実行委から開催あいさつが行われ、「差別・排外主義の動きが加速され、右翼らの関東大震災時の朝鮮人大虐殺は、デマだというキャンペーンを強めてきた。小池都知事も関東大震災時に虐殺された朝鮮人の追悼式への挨拶状を出すのをやめ、規制を強めている。都知事選での小池の圧勝、日本第一党の躍進、維新の暗躍など、徐々に右翼の浸透が広がっている。この流れの中で防災訓練の危険性、私たちの取り組みを探っていきたい」と発言した。

 愼蒼宇(シンチャンウ)さんは、「関東大震災時の朝鮮人虐殺 官民一体のヘイトの歴史的源流をたどる」というテーマで講演した。 「石原都知事(2000年)の『三国人』発言、『新型コロナ』も含めて緊急事態の中の差別主義の表出、暴力の連鎖が広がっている。自衛隊の出動は差別主義の表出、暴力の連鎖とは関係ないと見られているが、歴史的にみれば関東大震災時、日本軍隊は戒厳令下で率先して差別・排外主義の先頭に立った。事後処理の中で責任を自警団に押し付けた。官民一体による朝鮮人虐殺には歴史的背景がある。震災時、官民が一時的に興奮して虐殺を行ったのではなく、そこに至るまでの道のりがある」。

 「戦争というと『15年戦争』の枠組みでしか連続的にとらえてこなかった。日
本近代史の戦争の不在を問いただしていかなければならない。朝鮮総督府・軍・警察は、常に朝鮮人を騒擾予備軍として予防的支配を実施していた。民族運動の弾圧をした。植民地支配とは、戦時と平時が常に隣り合わせだった。日本の植民地支配の責任についての議論は低調だ。植民地犯罪と向き合っていくこと、戦後七五年たった現在も問われている。植民地犯罪の根幹にたくさんの軍事暴力があり、その中に関東大震災時の朝鮮人虐殺がある」。

 「朝鮮半島は、現在も南北に分断されたまま朝鮮戦争も終結していない。南北
分断を背景に日本は、アメリカの冷戦政策に乗る形で植民地責任の問題を根本的に解決しないまま、被害者と歴史認識の克服をおきざりにしてきた。現在の対朝鮮人ヘイトが100年前の官民の朝鮮人に対するものとほぼ同様の蔑視と偏見、憎悪が時代を越えて表出している。植民地主義は、いまだに官民にへばりついている。日本の罪と加害責任を明確にし、近現代の日朝関係に向き合っていくしかない。
だが、はてしなく遠く感じている」。

 問題提起が三人から行われた。

 片岡万里子さん(医療労働研究会)は、「新型コロナ災害下の命の選別とトリアージ」をテーマに「天皇制国家における医療の本質は、戦後も続く優性保護法体制のもとで、国家にとって有用か否かで選別し、排除することであり続けてきた。『コロナ』以前から医療は破綻状態であり、現場での日常的な選別・切り捨てで顕在化しないできた。すべての人に差別なく必要な検査・医療を無料化すべきだ。『臨時』ではなく、大幅増床、医療労働者の大幅増員が必要だ」と述べた。

 伏見忠さん(都教委包囲ネット)は、「生徒動員・一斉休校・そして今」を取り上げ、「学校は防災教育と称して動員に応じてしまう。実態は、防災ショーに取り込まれているのが実態だ。生徒管理を強化して宿泊防災訓練というプログラムまである。コロナ下でこの訓練もなくなった。北区の防災訓練に対して都立高校の動員は、今年にかぎってない。ただ来年以降、どうなるかわからない。この間、高校生を地域に動員していく傾向は強まっている。つまり、災害時に高校生を使うことにある。自衛隊も宿泊訓練の時、介入してきてリクルート活動をやっている。ただ防災訓練に異議ありと言う教員が少なくなっている。警戒は続けていかなければならない」と報告した。

 池田五律さん(有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会)は、「自衛隊の緊急事態と防災訓練」をテーマから①緊急事態対処と軍隊 ②戦後から1980年までの緊急事態をめぐる動き&災害派遣の法的根拠 ③ビッグレスキューへの道 ④東京都総合防災訓練と自衛隊統合防災訓練(2007) ⑤2019年の動向 ⑥新型コロナ災害下の動き―について報告した。

 最後に主催者から関東大震災朝鮮人虐殺追悼式をめぐる動き、東京都防災訓練の動向が報告され、参加を呼びかられた。

(Y)

報告:国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動

配信:反靖国デモ (1) 8月15日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動は、在日本韓国YMCAでの集会とヤスクニ神社に向けた抗議デモ行い、150人が参加した。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いているなか日本武道館では、例年の規模を縮小した全国戦没者追悼式を行った。天皇徳仁は、「おことば」において「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して」追悼するなどと述べた。

前天皇明仁
が構築したアジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任から逃亡し続け、欺瞞的な「平和主義」天皇像を演じていくことを表明した。また、皇居にこもり続け、沈黙してきたが新型コロナウイルス感染症の感染拡大について触れ、「新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え」ていこうと呼びかけた。

れは天皇制民衆統合装置を発動させ、民衆を国家へとからめとろうとする任務の再確認のためにたち振る舞った。後に行う侵略戦争の居直り、戦争国家化と改憲に向けた「安倍首相式辞」効果を高めていくことまでもやってのけた。天皇・徳仁は、天皇代替わりプロセスにおいて「安倍との連携プレー」の実積のうえで全国戦没者追悼式という舞台で繰り広げたのである。新たな天皇像の押し出しの危険性に注意しなければならいない。

 安倍首相は、「式辞」において第二世界大戦での日本帝国主義の侵略戦争の犯罪、戦争・戦後責任を完璧に捨て去り、「わが国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決に、これまで以上に役割を果たす決意です」と述べ、グローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪、東京五輪を実現していくと居直った。同時に「新型コロナウイルス感染症を乗り越え」るために国内治安統制を強化していくために緊急事態条項も含めた改憲を強行していくことを獲得目標にしていることは明らかだ。

 小泉環境相、高市総務相、萩生田文科相、衛藤沖縄北方担当相が靖国参拝を強
行したが、閣僚の参拝は四年ぶりだ。安倍は玉串料奉納で中国と韓国との外交ハレーションの緩和でごまかした。つまり、安倍は、この閣僚らの靖国参拝とセットで居直り「式辞」を準備していたと言わざるをえない。この全体像の意図を示したのが、この日、靖国神社で日本会議と「英霊にこたえる会」が開催した決起集会だ。集会では、「『えせ平和主義』を掲げた憲法の下、憲法を改正し軍隊保持が必要」(百地章)、「改憲によって緊急事態条項の創設、自衛隊を定義することが必要だ」(寺島泰三)を確認している。

 このように天皇徳仁の「おことば」、安倍の「式辞」、閣僚の靖国参拝、天皇主義右翼の決起集会などが連動し合いながらコロナ禍における右派勢力の意図を明らかにしたのである。

 実行委は、このような天皇徳仁、安倍政権、天皇主義右翼らの野望を暴き出し、集会と抗議行動を行った。

 集会は、主催者あいさつに続いて「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を」市民連帯行動、「女たちの戦争と平和資料館」(Wam)、オリンピック災害おことわり連絡会、安倍靖国参拝違憲訴訟の会、大軍拡と基地強化にNO!アクション2020から運動の取り組み報告と反天皇・反ヤスクニに向けたアピールが行われた。

 最後に集会宣言が読み上げられ、「敗戦七五年の今年、この8・15という日の意味を、改めて確認したい。天皇制国家は延命し、式典や『靖国』参拝を許し続けている日本社会は猛反省しなくてはならない。日本政府がやるべきことは、侵略戦争・植民地支配の被害者へのまっとうな謝罪と賠償である。そして反省を込めて天皇制を廃止することだ」と参加者全体で採択した。

 集会後、デモに移り、九段下十字路から靖国神社に向けて「全国戦没者追悼式反対!戦争賛美の靖国神社はいらない!戦争国家はつくらせない!憲法改悪ゆるさない」などのシュプレヒコールを繰り返した。デモは、公安政治警察・機動隊の重弾圧体制、天皇主義街宣右翼と「在日特権を許さない市民の会」などの挑発を許さず、断固貫徹された。

(Y)

報告 香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求める8.12国会正門前行動

IMG_3193緊急行動国会前に250人

#香港を守れ

#香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求めます

香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求めるStand With Hong Kong 東京実行委員会



 八月一〇日、香港警察は民主活動家の周庭さんや民主派の香港紙「蘋果(ひんか)日報」を創業した黎智英さんら一〇人を香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。香港警察は八月一一日未明、逮捕した周さんらに「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた」として国安法二九条を適用したと発表した。二九条の最高刑は無期懲役。

 一〇日に逮捕された周庭さんが一一日夜、保釈された。保釈後に周さんは地元メディアなどに対して「逮捕は明らかに政治的な弾圧だ。今まで四回逮捕されたが、今回が一番怖かった。香港の社会運動に参加して香港の民主と自由のために闘う一員として後悔はしていない」と話した。外国勢力と結託し、国家の安全に危害を加えた容疑がかけられているが、周さんは「七月から現在までにSNSを通して外国勢力と結託したと言われたが、具体的な内容は言われなかった」と話した。また、同じ容疑で一〇日に逮捕された香港紙「蘋果日報」などの創業者・黎智英氏も保釈された。

 国安法違反の裁判は、香港の行政長官が特別に指定した裁判官によって審理されるという、とんでもない不公正な審理システムになっている。

 このような香港民主派活動家への厳しい弾圧が行われているのに対して、昨年六月一三日、渋谷駅前で香港応援デモを開催した元山仁士郎さんら(香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求めるStand With Hong Kong 東京実行委員会)が緊急に呼びかけて、八月一二日午後六時から国会正門前行動が行われ二五〇人が参加した。

 緊急行動を呼びかけた元山仁士郎さん(辺野古県民投票のための条例運動代表を務めた)が行動の主旨を述べ、日本政府の対応を求める声明文を発表した(別掲載)。

 「六月三〇日、香港で『香港国家安全維持法』(国安法)が施行された。同法施行後、香港において自由や民主主義を求める市民は、香港当局によりますます抑圧されている。国安法は、逮捕・勾留に加え、最高刑は終身刑という重い刑罰が課されるものだ。同法違反の容疑で、これまでに数十人が逮捕・勾留されているとみられる」。

 「国安法による香港市民の不当逮捕、香港の自治権ならびに言論・報道の自由の侵害は、中国政府の言う『内政干渉』にとどまらず、重大な国際問題だ。私たちは、香港での市民的・政治的自由を求める個人と運動に対する香港当局の不当な取り締まり、人権抑圧を可能にする『香港国家安全維持法』の撤回を求める」。

 次に五野井郁夫さん(高千穂大学教授)が次のように訴えた。

 「民主化支援のレクチャーを行っている。国安法は悪質だ。同じような法律はマカオにもあるが、マカオに限るとあるが、香港の場合はその限定がない。香港のみならずわれわれも含む自由や民主主義を求める全員が対象になっている。しかもどのような内容かの明記がないまま、最高刑は無期懲役だ。連帯を差し伸べていかなければならない」。

 「アラブの春、台湾のひまわり運動、韓国ローソク運動には中心・リーダーがいなかった。ソーシャルメディアを通じて、自分で考えて行動していた。民主主義のない国ではそうするしかなかった。周庭さんはリーダーではなくスポークスパースンだ。厳しい弾圧がかけられている。生き残ってほしい。ハッシュタグを使って広げる。そうすれば世界を変えていくことができる。行動しよう」。

 伯川星矢さん(ライター、香港人・日本人を親にもつ)が「香港人は恐怖をも
ち、普通の生活ができない。普通のデモ参加者が逮捕されている。断じて許せない。カナダやオーストラリアは香港人を受け入れている。日本政府に要請したい」と話した。

 参加した人たちから香港民主化運動に対する弾圧反対、連帯する発言が次々と行われた。

 労働者支援ネットワーク活動をしてきた稲垣豊さんは「一九九七年、香港はイギリスの植民地支配から返還され一国二制度が行われることになった。この制度は、自由はあるが民主はないものだった。毎年行われてきた返還された記念日七月一日のデモがコロナを理由に許可されなかった。返還後二三年間自由がつぶされてきた。香港の友人たちはこの東京の行動を喜んでいる。香港の自由・民主主義を守り、アジアに広げていこう」と、この間香港連帯行動を行ってきた仲間たちが横断幕を広げるなかで発言した。

 参加者の発言。「イギリスはイギリスのパスポートを持っている香港人にイギリスに住める法案を出した。日本は何ら具体的な行動はとっていない。人権意識が欠けている。香港にデモの時行った。希望を持ってデモをしていた。あきらめたら闘いは終わってしまう。関心を持ち、持続すること。ずっと応援していく」。

 別の発言者。「ツイッターを見てきた。日本政府が何もしないことに疑問を持ってきた。生きやすい世の中を作るための動きが続いていけばいい。このような意見を言う場が必要だ」。

 参加した香港人からの発言。「香港とつながる国際戦線が重要だ。長い時間が必要だ。東欧の民主化はあきらめないことだった。香港というとジャッキ―・チェンというように、香港といえば周庭さんを思い浮かべるようにしたい」。

 小雨の降る中、「香港を守れ、自由を守れ、人権を守れ、命を守れ、民主主義
を守れ、ノーパサラン(奴らを通すな)」とシュプレヒコールをあげ、香港への連帯を熱く表明した。(M)



声明文

#StandWithHongKong #香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求めます


 二〇二〇年六月三〇日、「香港国家安全維持法」が施行されました。同法の狙いは、香港での"反政府的"な動きを取り締まることにあると言われています。

 「香港国家安全維持法」は一九九七年の香港返還以降、中国政府が国際的に約
束してきた「一国二制度」の崩壊であるとも指摘されています。これは、香港の社会や経済の発展の基盤ともなってきた「高度な自治」や表現の自由、集会の自由といった基本的人権の一部をも脅かすおそれがあり、香港市民は「香港が香港でなくなってしまう」という強い危機感を持っています。

 実際、「香港国家安全維持法」の施行直後に行われた香港での抗議活動では、三五〇人が逮捕され、香港警察はそのうち一〇人に同法を適用したとしています。また、このことを受け、香港民主派政治団体「デモシスト」は同法の適用を恐れ、解散を宣言しました。このように「香港国家安全維持法」によって、すでに香港での民主的な政治活動は抑圧されており、今後、さらに厳しい状況となることが予想されます。

 他方、中国政府は各国からの批判に対して、「内政干渉」を理由に反発しています。しかし、香港におけるこれまでの一部の警察による暴力的な取り締まり、そして、それに対して一定の法的根拠を与えるような今回の法施行を見れば、「香港国家安全維持法」は、もはや内政を超えた人権にかかわる問題です。中国政府が引き続き香港市民の人権を侵害するようであれば、国際社会全体で、決して武力にはよらない形で対応すべき問題だと私たちは考えます。

 香港国家安全維持法は、人権、自由、自治、民主主義といった私たちが共有すべき基本的価値に反しています。よって、私たちは同法に強く反対するとともに、香港の人々の人権と自由が確実に守られ、香港における自治と民主主義がより発展することを求めます。

 以上の経緯を踏まえ、私たちは以下六つを日本政府に要求します。

 ⑴  香港市民を含む包括的な人権侵害に対する調査の実施

*本声明は香港について述べていますが、私たちは香港以外にも、日本が実施すべきと考えられる世界の人権侵害に関する調査が行われるべきであり、その結果に応じて、日本として取り得る施策を提示すべきであると考えています。

 ⑵ 就労ビザ、ワーキングホリデービザなどの取得基準の緩和

 ⑶ 在留中の香港市民のビザの延長

 ⑷ 入国後一四日間の隔離とPCR検査を条件に、深刻な人権侵害が認められるなど緊急避難が必要な香港市民に対する特別在留許可の付与

 ⑸ 社会活動に参加し実刑判決を受けた場合、これを政治罪とみなし、入管法に基づき日本への上陸を許可する

 ⑹ 新たに日本でビジネスを行い、香港市民を積極的に雇用する企業に対する
優遇措置の適用

 また、民間企業ならびに団体、日本に住む方々にも、以下の協力を求めます。
 

⑴ 積極的な香港市民の雇用

*民主化運動への参加歴などによって就職差別を行わないようにする。

⑵ 香港への関心の継続、可能な限りの行動

香港への関心を継続し、日本からできることを共に考え、それを可能な限り行動に移す。

報告:8.8平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動

配信:ヤスクニ (1) 8月8日、平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会は、在日本韓国YMCAで「2020 コロナ、オリンピックとヤスクニ」をテーマに集会を行った。

 実行委は、当時の小泉首相の靖国参拝強行(2006年8月15日)を許さず、東アジア四地域(日本、沖縄、台湾、韓国)の市民による靖国神社反対共同行動の積み上げのもとに 「①靖国神社の歴史認識が、再び戦争のできる国へと右旋回する日本の現状と直結している。 ②韓国・台湾・沖縄・日本の遺族に断りもなく合祀していることは許さない。 ③首相の靖国参拝は憲法が定めた政教分離原則に違反する。 これらの点を「ヤスクニの闇」として切り結ぶ共同行動」と確認し、毎年八月に集会と靖国神社への抗議デモを取り組んできた。今年で15回目となる。

 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のなかで安倍政権は、「非常事態」・「緊急事態」を宣言し、東京オリンピック七月開催を断念したが来年7月の開催に固執し、国威発揚と改憲を目論んでいる。実行委は、このような「挙国一致」体制や「惨事便乗型改憲」に異議を申し立て、その背景にあるヤスクニ思想を暴き出していった。今年は、コロナ感染拡大を予防するため、パネリスト、台湾と韓国の仲間たちなどはオンライン参加、会場参加者は事前予約、キャンドルデモは中止にした。

 今村嗣夫さん(実行委共同代表)から主催者あいさつが行われ、「(新型コロナ)によって治療に当たった医師や看護師の子どもが保育園への通園自粛を求められ、私的取締りを強行する『自粛警察』など、巷にひろがるコロナ差別を放置するなら、さらなるマイノリティの人権侵害を招き、『緊急事態条項』の必要性が強調され、一億一心をめざす『9条改正』の動きに連なることを見抜かなければならない」と訴えた。

 パネルディスカッションは、5人のパネリストから「コロナ、オリンピックとヤスクニ」をテーマに問題提起が行われた。

 高橋哲哉さん(東京大学大学院教授)は、「コロナ感染拡大に対して当初、安倍政権は危機感を持っていなかった。オリンピックが延期となったとたん小池都知事は、都知事選キャンペーンの前段としてメディアに連日登場し、コロナ危機を叫びはじめた。2人とも人命よりも政治的思惑を優先した。『戦後』七五年、安倍政権の『植民地支配』問題を抹消していく傾向を強めている。まさにヤスクニ思想とつながるところだ。これらを批判していく人々をいかに増やしていくかが問われている」と強調した。

 米須清真さん(新しい提案実行委員会メンバー/沖縄の基地問題を考える小金井の会代表)は、小金井市議会で意見書「辺野古新基地建設の中止と普天間基地代替施設について国民的議論を深め、民主主義および憲法に基づき公正に解決することを求める」(2018年12月6日)を採択したことを報告し、「辺野古新基地は決定プロセスにおける差別であり、憲法14条(法の下の平等)違反などしている。普天間基地の代替施設については、民主主義の原則および憲法に基づき公正な決着が求められている」と述べた。

 武藤類子さん(福島原発告訴団団長)は、「原子力緊急事態宣言下の『復興オリンピック』の現実」というテーマで次のように問題提起した。

 「原発事故からもうすぐ10年を迎える。2月29日と3月1日に、原発事故被害者団
体連絡会と脱原発福島ネットワークの共催で『福島はオリンピックどごでねぇ』というアクションを行った。3月24日にようやくオリンピックは延期となったが、このオリンピック騒ぎがコロナの深刻さを覆い隠してしまった。コロナ感染拡大は感染者への差別など原発事故の時ととてもよく似ている」。

 「原発事故の誠実な賠償もせず、事故の後始末もできないまま、何がオリンピックなのだという怒りが湧きます。来年のオリンピックはどうなるのでしょうか。やはり高い線量の中を中学生などが聖火ランナーとして走るのでしょうか。福島県民としてささやかでも出来うることをこれからも頑張ろうと思います」。

 金東椿さん(韓国・聖公会大学教授)は、「日帝植民地統治と朝鮮戦争」をテーマに①1945年8・15以後における米軍政の現状と政策②南韓の支配体制と植民地遺産③朝鮮戦争期の虐殺について提起し、「米国の冷戦戦略、それ自体がすでに冷戦体制の構築過程での血腥い虐殺に備えていた」と批判した。

 呉栄元さん(台湾・労働党代表)は、「台湾における『白色テロル』と日本植民地支配」というテーマから「五〇年代の白色テロル」の実態、犠牲者、歴史的背景などを報告した。

 さらに、「米国のポンペオ国務長官が中国を敵視する『新冷戦』演説を行い、世界の人々を不安に陥れている。米国内の新型コロナの流行と深刻化する国内経済の恐慌、人種間の階級間の矛盾を深めている国内危機を、戦争を求めて地域紛争の危機を煽ることで脱しようとするものだ。東アジアと世界の平和を守り、『新冷戦』の危機に反対しなければならない」と訴えた。

 韓国、台湾の遺族は、ヤスクニ合祀反対をアピールし、「ノー!アベ ノー!ヤスクニ」のシュプレヒコールを響かせた。

 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表の梁澄子さんは、「韓国の保守・右翼勢力は、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)と前理事長で与党「共に民主党」国会議員のユン・ミヒャンの『不正会計疑惑』について激しいバッシングを行っている。元慰安婦のイ・ヨンスさんに『お金を渡していない』というキャンペーンを行っているが、イ・ヨンスさんは後に『お金は貰っている』と述べている。メディアは数々の虚構をまき散らした。イ・ヨンスさんの訴えは、闘いが報われない思い、いらだちだ。日本政府こそ、被害者をこのような状況にまで追い詰めた責任がある。共に闘っていこう」とアピール。

 李政美さんのコンサートに続いて最後は、参加者全体で会場でペンライトを振りながら「朝露」を歌った。

(Y)

案内 8.15 反「靖国」デモ

8.15 反「靖国」デモ

日時 8月15日(土)15:00 集合/16:00 デモ出発

集 合 在日本韓国 YMCA9階 国際ホール (JR 水道橋駅徒歩9分、地下鉄神保町駅徒歩7分)

*参加される方は、マスクの着用をお願いします。またソーシャルディスタンスの確保にもご協力をお願いします。

主催 国家による「慰霊・追悼」を許すな!8.15 反「靖国」行動

【呼びかけ団体】
アジア連帯講座/キリスト教事業所連帯合同労働組合/研究所テオリア/市民の意見 30 の会・東京/スペース 21/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/反安保実行委員会/反天皇制運動連絡会/ピープルズ・プラン研究所/日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動評議会

連絡先 090ー3438ー026

〈呼びかけ〉

■今年は敗戦 75 年。天皇制国家による侵略戦争・植民地支配に対する反省・被害者への誠実な謝罪 と補償はいまだになされていない。それどころか、「慰安婦」「徴用工」問題に対する安倍政権の居直り・ 逆ギレは、巷に排外主義・レイシズムを溢れさせている。

■戦死者を「英霊」と顕彰する靖国神社も「今日の繁栄の礎」ともちあげる政府主催の戦没者追悼式も、 歴史の事実に向き合わず、事実を隠蔽・糊塗することによって、次なる戦争に向けて「国民」を動員する役割を果たしているに過ぎない。

■「災害被害者に心を寄せる」という天皇パフォーマンスも、事実(政策の欠陥や問題点)から眼をそ らさせ、天皇制国家という幻想に「国民」を統合するための演出にすぎない。

■コロナ危機下でも発揮されるであろう天皇のこの統合機能を視野におき、8.15
の国家による慰霊・ 追悼の欺瞞を撃つ。

8.15 反「靖国」行動に是非ご参加を!

【アジア連帯講座:9.11公開講座】入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義

fullsizeoutput_1e54-1-e1568398187175アジア連帯講座:9.11公開講座

入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義


講師:寺本勉さん(ATTAC関西グループ事務局員)

日時:9月11日(金)/午後6時30分

会場:東京・全水道会館4階小会議室
http://www.mizujoho.com/

資料代:500円

主催:アジア連帯講座
東京都渋谷区初台1-50-4-103
新時代社気付 TEL:03-
3372-9401 FAX:03-3372-9402
                     

 世界中で「異常気象の日常化」の激発、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。この現象は、どのように考えればいいのでしょうか。私たちは、グローバル資本主義システムが温室効果ガスを排出し続け、「開発と成長」と称して環境破壊、生態系破壊を繰り返し、生物多様性を減少させてきた結果として、今日の気候危機とコロナ危機があるのだと言えます。そのうえで根本的な社会—エコロジー的転換が必要だと考えます。

 日本の気候危機は、すでに冬の厳しい寒波に始まり、夏には記録的な猛暑・豪雨、そして巨大台風の上陸と立て続けに異常気象に見舞われました。さらに今年の7月も九州地域における豪雨によって被害が拡大しています。やはりこの背景には、地球温暖化に伴う気温の上昇、日本周辺での海水温上昇による水蒸気量の増加があることは明らかです。

 世界的に見ても、北半球が記録的な高温となり、北極圏でも30℃を超えるかつてない高温を記録しました。各国で高温・乾燥による山火事も多発しています。

 COP25(国連気候変動枠組条約締約国会議/スペイン・マドリード/2019.
12)では「国別の温室効果ガス削減目標を引き上げる機運の醸成」と「市場メカニズムによる排出量取引のルール作り(パリ協定第六条の具体化)」を獲得目標にしていました。

 すでにCOP24を前に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)特別報告書は、パリ協定で目標とされた1.5℃の気温上昇にとどめるには、世界のCO2排出量を2030年までに45%削減(2010年比)し、2050年ごろまでに実質ゼロにする必要があると強調していました。

 だがCOP25は、国別削減目標の大幅な引き上げを明確に義務化することはできませんでした。「各国の事情に応じて」とか「可能な限り」とかの表現を用いて、削減目標の引き上げを事実上回避できる内容です。

 日本の小泉環境相は、COP25で脱石炭や削減目標引き上げを表明できず、環
境NGOから「化石賞」を受賞するほどです。そもそも日本政府は、「第五次エネルギー基本計画」(2018年7月)で2030年における電源構成の中での原発の比率を20年22%、化石燃料の比率を56%にするという目標を掲げ、脱化石燃料にも、脱原発にも真剣にとりくむつもりがないことを明らかにしています。

 その現れとして安倍政権は、東京五輪と「復興」をリンクさせ、福島第一原発事故などなかったかのようにキャンペーンを繰り返しました。ところが新型コロナウイルスの感染拡大によって延期に追い込まれ、今度は「ウイルスとの闘いに打ち勝って五輪を成功させたい」などととんでもないことを言い出しました。環境破壊、カネの無駄遣い、コロナ感染拡大へと導く東京五輪は中止にし、気候とコロナ危機によるすべての被害者に援助を強化していくことが必要です。

 寺本さんは、「気候危機」に立ち向かうためにクライメート・ジャスティス
(気候正義)運動、「システム・チェンジ」を目標としたエコ社会主義(社会主義とエコロジーを結合させた新たな社会の展望)の取り組みを提起しています。

 講座は、地球温暖化STOP、クライメート・ジャスティス運動、コロナ危機に立ち向かう入門編として設定しました。ぜひご参加ください。


125■8月新刊

「エコロジー社会主義  気候破局へのラディカルな挑戦」

著者:ミシェル・レヴィー
訳者:寺本 勉

柘植書房新社/2800円+税


著者ミシェル・レヴィーについて

著者のミシェル・レヴィーは、一九三八年にブラジルで生まれ、一九六九年からパリに居住している政治哲学者で、パリ国立科学研究所の社会学研究所長などを務めた。彼が研究の対象とした分野は極めて広範囲にわたっていて、マルクスの思想に関する多くの著作があるほか、中欧におけるユダヤ人文化、ラテンアメリカにおける政治と宗教、シュールレアリズム、ヴァルター・ベンヤミンの思想などについても、著作を著している。さらに、ATTACや世界社会フォーラムに参加するなど社会運動に積極的にかかわるとともに、気候変動・地球温暖化を生み出す資本主義システムに対するオルタナティブとしてのエコ社会主義について積極的な発信を続けている。(柘植書房新社のホームページから転載)

 

目次

序章 二一世紀の大洪水

第一章 エコ社会主義とは何か?

第二章 エコ社会主義と民主的な計画作成

第三章 エコロジーと広告

第四章 エコ社会主義的倫理のために

第五章 マルクス・エンゲルスとエコロジー

第六章 革命とは非常ブレーキである ヴァルター・ベンヤミンの政治・エコロジー思想

第七章 シコ・メンデスとアマゾンを守る闘い

第八章 先住民によるエコ社会主義的闘い

資料1 国際エコ社会主義者宣言(二〇〇一年)

資料2 ベレン宣言(二〇〇九年)

資料3 リマ・エコ社会主義者宣言(二〇一四年)

訳者あとがき


記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ