虹とモンスーン

アジア連帯講座のBLOG

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配信●青年戦線195表紙1・表紙4青年戦線第195号(2019.9.23)ができました。

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400円
編集発行
日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
電話 03-3372-9401
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↓4月17日に予定していたアジア連帯講座は、コロナ対策により中止となりました。
 ご理解の上、ご了承ください。


アジア連帯講座:4.17公開講座

入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義


 講師:寺本勉さん(ATTAC関西グループ事務局員)

4月17日(金)、文京区民センター3D/午後6時半






 


【コロナ禍問題】労働者が感染爆発を生き残るには

sinagawa緊急事態宣言はいらない!

今すぐの生活保障が先だ!


 東京都での感染拡大を受けて政府は緊急事態宣言を発令した。我々は政府の緊急事態宣言発令に反対する。補償がないままの緊急事態宣言は、派遣やパート労働者を中心に多くの失業者が生み出され、ネットカフェで暮らす人々などが行き場をなくし、感染ではなく経済的苦境により命を落とすことになる。

しかも緊急事態宣言が発令されれば、企業は、現状では義務となっている労働者に対して休業補償を企業は免れることができる。このように一方的に労働者・地域住民のみにリスクを押し付けるやり方では感染封じ込めはできない。今求められているのは、労働者・住民の自主的「籠城」を政府・自治体が全面的に支援することである。

ロックダウンではなく自主的「籠城」の支援を

今回の緊急事態宣言の背景には、無策を糊塗したい政府や都が、感染拡大を前に日本医師会や一部専門家を中心に、緊急事態宣言に続きロックダウンという強力な措置を行い、感染を封じこめて医療崩壊を防ぐべきだという一定の世論の広がりを受けて判断したものだ。

例えばクルーズ船での杜撰な体制を実名で批判した岩田健太郎神戸大学教授・医師は自身のツイッターで「東京都は「ロックダウン」を決断すべきです。今日です。現状の患者の増え方は一意的でこれまでの患者選択、検査、コンタクトトレーシングでは抑え込めません。 つまり現状維持では状況は悪くなる一方で、別の方針に転換する、プランBに移行する必要があります。」とツイートしていた。

しかし特措法にはロックダウンは定義されていない。特措法で可能なのはあくまでも「外出の自粛」だけであり現行と変わりはない。つまり切り札的イメージと裏腹にロックダウンは実施不可能である。しかし感染拡大を封じ込めるためには岩田教授が言うように現在は外出制限が必要である。

であるから政府・自治体はロックダウンのような勇ましい言葉をもてあそぶのではなく、労働者・住民が自主的に「自宅」に「籠城」できるように支援を行う必要がある。そして自宅を持たない人、自宅に居場所がない人には新たに安全な「籠城」場所を提供する必要がある。

したがって政府・自治体がまず行うべきことは、住民にのみリスクを押し付ける現行の対策からの転換である。経済活動の縮小により困窮に陥った人々を救済することが待ったなしに求められている。一律平等な現金の支給が必要だ。

年度末をまたいだ現在、様々な支払いに苦慮する人々、とりわけ収入が減り家賃の支払ができなくなった人を早急に救済する必要がある。「5月目途に所得減少世帯に30万」が検討されているが遅すぎる。このままでは「籠城」どころか多くの人が路上に放り出されてしまい、感染の封じこめは不可能だ。

災害に無力な小さな政府

直接・早急に住民に援助を届けようとすると時に障害となるのが、国・地方を含めた公務員の少なさである。20年以上にわたって公務員定数を削り、民間委託を広げてきた小さな政府・自治体は、このような非常時には何もできない。どこに生活困窮者がいるのか等、現在の自治体では、住民のニーズをほとんどつかみ切れていない。そのため、このままでは多くの孤独死が発生する可能性がある。これがこの間、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかにした事実である。

迅速一律平等な所得補償を

政府が強権で感染を封じ込めることはできない。そして感染のリスクは平等ではなく階級差が歴然と存在する。私たちが生き残るためには自主「籠城」と、矛盾するようだが連帯が必要である。必要なのは自主「籠城」とそれを支える様々なネットワークである。住民による自主的な地域ネットワーク(それは個人加盟労組、地域労組の取り組みや貧困対策に取り組んできたNPOだったりするだろう)が求められている。

必要なのは政府の強権ではなく、自主「籠城」を支えるネットワークとそれを支える迅速一律平等な所得補償である。様々なネットワークがつながりながら、共に政府に向けて運動を展開しよう。このままでは、医療崩壊と失業・困窮による大量の病死、自殺・孤独死が発生してしまう。


感染症医療体制の今すぐの確保を!

感染拡大のさなかに都立病院を半民営化の愚

オリンピックの延期が決定されて以降、緊急事態宣言まで国や東京都の対応は手のひら返しとなった。明らかに都知事選を意識している小池都知事は「ロックダウン(都市封鎖)」という強い印象を持つ言葉を使用し、強力なリーダーシップを発揮する指導者として自分を都民に売り込んだ。しかし小池都知事の「強力なリーダーシップ」は決して都民のためには発揮されない。

その力はどこまでも大資本の利益のために奉仕される。今現在、都知事が真っ先に行わなければいけないことは医療の確保、中でも集中治療体制の確保である。しかし小池都知事は、感染が拡大する中で、都内の指定感染症病床の約70%(80/118)を占める都立・公社病院を22年度中に地方独立行政法人化する方針を3月31日付で公表した。感染との闘いが長期戦になることは明らかにもかかわらず安倍政権に倣った真逆の方針である。

感染との闘いのただ中で都立・公社病院の地方独法人化を強行すれば、労働条件の切り下げによる看護職員の大量退職などで医療提供に支障をきたす可能性が高い。都は都立・公社病院の地方独法化を今すぐ撤回し、都立・公社病院へ人工呼吸器などの医療資源と人材を集中させるべきである。とりわけ感染症病床の確保は、軽症・無症状者の入院を制限したとしても深刻さを増している。

都は現在においても都立・公社病院を自己収支比率といった経営指標で評価することをやめようとしていない。経営指標で病院運営を縛ることを直ちにやめ、採算性を度外視しても住民の命を守るために都立・公社病院を最大限活用すべきである。民間病院との間で役割分担を行い、都立・公社病院を中心に感染症対応可能病床を確保するべきである。


地域医療を疲弊させた医療費抑制

都は感染症指定病床に加えて都内の拠点病院に協力を要請して感染症対応可能病床を1000床まで確保したとしている。今後、4000床まで拡大するとしている。しかし財政措置のないお願いにとどまっているため、対応可能病床の増床は感染者の拡大に追いつておらず、自覚症状がありながら病床が空くまで自宅待機や一般病院での入院せざるを得ない患者が多数いる。

病床確保が進まない理由は財政措置ばかりではない。この間政府が進めてきた医療費抑制政策と病床削減を義務付けた地域医療構想により、地域医療を支えてきた病院が感染症医療に対応する体力をなくしている。医療費削減のために診療報酬が改悪される度、地域の中規模病院では急性期医療を断念し人員配置の少ない慢性期病床へと病床が変更されてきた。

急性期病床に比べ少ない人員配置の慢性期病床では人手のかかる感染症医療を行うことはできない。したがって国は医療従事者を確保し感染症対応病床を確保しようとする病院に対して財政措置を行い全面的に支援するべきである。しかし国は、真逆な対応を取っている。地域医療構想実現のために病床を削減する病院を支援する84億円を計上した20年度予算をそのまま成立させた。このように小池都政の都立・公社病院の地独法化は、安倍政権の医療費削減と一体のものである。


脆弱な日本の医療体制

日本は病床数こそ多いが、そこに働く医師・看護師数は少なく、多くの医療従事者を必要とする集中治療室の数も少ない。人口1000人当たりの診療医師数はドイツ4.3、イタリア4.0人に対し日本は2.4人でOECD加盟35か国中30番目である。看護師数はドイツ12.9、イタリア5.8人に対し日本は11.3人、OECD加盟国中11番目である。集中治療室の病床数は10万人当たりドイツ29~30床、イタリア12床、日本は5床程度である。しかも看護師の配置数は他のOECD加盟国の半分である。

この人員配置数では感染予防を徹底させた場合4分の一程度しか運用できないと指摘されている。つまり新型コロナウイルス感染症の前では人口10万人あたり実際に稼働できるICU2床弱であり、イタリアの6分の1である。

日本では体制不備のため検査数が極端に少ない。そのため国内感染者数が5000人を超える前にあっけなく医療崩壊に至る可能性がある。


感染爆発を生き延びるために

1.財政措置による感染症病床の増床と軽症・無症状者の入所施設の早急な開設。

2.迅速一律平等な所得補償。

3.自主「籠城」を支える「自宅」の確保。

4.封鎖ではなく住民・労組などのネットワークを活用したすべての住民の自主「籠城」への相互援助、とりわけ自主「籠城」中の職の確保を企業に義務付けること、派遣切り、雇止め、解雇、内定取り消し等を許さない闘い。

5.自主「籠城」を支える公共サービスの維持。

6.公共サービスを支える労働者への支援、とりわけ長時間労働の禁止。この感染爆発を労働者階級が生き延びるための戦略・戦術を確立するために経験を交流させよう。


(矢野薫)

報告:3.26オリンピック災害おことわり新宿デモ

配信:3.26新宿反五輪デモ 東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナVのパンデミックによって、3月24日にIOCが1年間の延期を決定した。それにともなって26日に予定されていた福島県のJビレッジからスタートする聖火リレーも中止になった。そうした状況のなかで、東京オリ・パラの延期でなくて中止を訴える行動が、3月26日に新宿アルタ前での集会と都庁までのデモとしてかちとられた。

 聖火リレーも東京オリ・パラも中止だ中止! のこの日の行動には、80人が参
加した。多彩な横断幕も三枚広げられて、道行く人々に大きくアピールすることになった。集会ではまず、実行委員会から新型コロナV影響の現状と開催するにあたっての経過報告が行われた。福島で予定されていた聖火リレーに対する抗議行動は、聖火リレーそのものが中止になったために抗議行動も中止になっている。いくつかのアピールの前に力強くコールがあげられた。

 五輪災害おことわり! JOCは恥を知れ! 延期じゃなくて中止だ中止! 
五輪じゃなくて生活保障! インフラ盗む五輪はいらない! 情報隠蔽許さない! 原発復興終わってないぞ!……怒りの声をあげていこう!

 アピールのなかで、「オリンピック災害」おことわり連絡会からは「JOCもIOCもマネーファーストで悪どいことをやってきた」として、インフラ建設にともなった住民の追い出し、過酷な突貫工事にともなった労働者の過労死、広大な熱帯林の破壊と先住民の被害などを明らかにし、オリンピックの中止と廃止を訴えた。

 福島県の南相馬から神奈川県に避難し現在、被団連の活動をしている村田さんは、「東京オリンピックは原発被害者にとっては恨みそのものだ。安倍首相は原発はアンダーコントロールされていて健康の心配はないとウソを言って引っ張ってきた。そして20年までに被害をゼロにすると無理強いさせて、県も政府の手下となって住宅支援の打ち切りと帰還の強制を行い、被害者を提訴までしている」と訴え、最後に「オリンピックは安倍自身のために延期されたのだ」と東京五輪延期の欺瞞性を明らかにした。

 新宿駅西口の繁華街をコールをあげながら元気よく進むデモは、道行く人々の注目を集めた。「中止! 東京オリンピック」「STOP! Tokyo Olympic」と書かれたプラカードに次々とカメラが向けられる。一方、高層ビルが林立するオフィス街は新型コロナVの影響なのか、ほとんど人通りがない。

「TOKYO 2020」の大看板を張り出している都庁ビルも、わずかばかりの窓明かりを残して力なくそびえ立っているようだ。

 警察の規制を跳ね返して、都庁に向けて怒りのコールをあげる。その後デモは
新宿中央公園での解散となった。一九三六年のベルリン五輪がヒトラーとナチスの五輪だったのと同様に、延期された東京五輪は腐敗しきった安倍政権延命のための五輪に他ならない。そんなオリンピックはまっぴらごめんだ。オリンピックマフィアとゼネコンのための五輪はどこにもいらない。東京オリンピックを中止に追い込もう。

(R)

報告:3.28郡山/「聖火リレーと五輪災害」トーク・リレー集会

配信:郡山駅前・大河原さきさん 3月28日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、福島の仲間たちとともに「聖火リレーと五輪災害」トーク・リレー集会を行った。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、3月24日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とともに各国、五輪選手などからの東京五輪・パラリンピックの延期要求に対して利権とカネの膨大な損失が必至なために抵抗していたが、ついに無駄な抵抗も崩れ七月から開催予定だった東京五輪・パラリンピックを一年程度延期し、遅くとも2021年夏までに開催すると発表した。

バッハ会長は、なんら科学
的根拠を示すこともなく延期した五輪大会を「前例のない危機を人類が克服した祝祭とする」などとオリンピックマフィアの意向を代弁する始末だ。安倍首相に
いたっては、「IOCによる延期の検討は、完全な形で大会を実施する方針に沿うものだ。東京大会の開催は、世界がコロナウイルスに打ち勝った証しになるとともに、日本の成功の証しになる」などと強調し、東京五輪の開催決定以降の関連経費が全体で3000億円以上の無駄ガネがかかることを前提にぶち上げた。

 かつて安倍は、福島原発事故後は「アンダーコンロールされている」と大嘘をついて日本に五輪招致を決めさせたが、その犯罪に続く、大嘘だ。すでに五輪総経費は3兆円を超えている。巨額な無駄カネを五輪に使うのではなくコロナウイルス対策のための医療システム、無償の検査・医療アクセスの充実、発症者・感染者などへの生活援助、コロナ感染拡大の被害による労働者休業補償、雇用・賃金手当などに支出すべきなのだ。

 東京五輪延期が決まったことに対して連絡会は、①五輪延期ではなく中止だ 
②延期によって膨大な人員とカネがこれまで以上に五輪に投じられることに反対 ③五輪延期による復興やコロナ対策へのしわ寄せを許さない ④2024パリ五輪、2028ロス五輪に反対する地元のグループとのスクラムを継続していくことなどを確認している。

 また、26日の福島復興キャンペーンの一環としてのJビレッジからの聖火リレーは中止となり、28日の午後5時過ぎに郡山駅西口駅前広場スタートから開成山公園自由広場にゴールも中止になった。そのため26日に予定していた「聖火リレーへのスタンディング・アピール」を28日に予定していた郡山駅前での行動に集中することになった。

 トーク・リレーのトップは宮崎俊郎さん(連絡会)から行われ、「コロナウィルス感染が拡大している東京の者が福島にコロナウィルスをばら撒く危険性もあるということで郡山に来ることについて議論してきた。しかし、皆さんに五輪は延期ではなく、中止だということをぜひ伝えたいという思いで来た。1940年に東京五輪を開こうとしていたが戦争で返上した。関東大震災からの復興としていた。1964年は、太平洋戦争からの復興として位置づけていた。2020東京五輪も福島原発と東北大震災からの復興として位置づけた。だが復興していない現実を隠すためにオリンピックを利用しているにすぎない。延期された五輪も『コロナウィルスに打ち勝った』などと、また嘘の位置づけでやろうとしている。こんなオリンピックはいらないことを強く訴えたい。そのために自家製のトーチを作って走ろうとしていた。五輪にカネを使うのではなく、福島の復興のために使えと言いたい」とアピール。

 大河原さきさん(ひだんれん/原発事故被害者団体連絡会事務局長)は、「『共同声明「福島はオリンピックどごでねぇ』(ひだんれん、脱原発福島ネットワーク)を出し、二月二九日に双葉郡楢葉町のJヴィレッジ周辺で、『福島はオリンピックどごでねぇ』アクションを行った。福島から県外に避難した人たち、県内に避難した人たちの損害賠償裁判を取り組む団体が入っている連絡会です。県は、避難者への住宅の無償提供を2017年に打ち切り、有償で国家公務員宿舎に住むことを認めていたが、それを認めず追い出しを行っている。3月25日に県は、四世帯に対して追い出すために裁判に提訴した。追い出しをやめろと抗議しています。ほとんどの人が非正規で就労し、コロナ状況による雇止め、収入減に追い込まれている。住んでいる人たちには、二倍の家賃を請求してきている。支払えない状況を無視し、五輪には無駄なカネを使っている。被害者、避難者への補償、救済が必要だ。オリンピックどこでねぇ。廃止を求めます」と訴えた。

 くわばらよもぎさん(連絡会)は、「東京五輪が延期となりましたが、私たちは五輪の中止と廃止の訴えはかわりません。都は週末の外出自粛を要請してるが、マスクも店頭になく、生活補償、休業補償など全くなされないままだ。『復興五輪』だと言うが、避難者支援の打ち切りなどをやっている。五輪のお金でもっと様々な支援ができたはずだ。毎月、東京駅前でスタンディングを行い、五輪の問題を訴えてきた」と発言。

 梅津俊也さん(郡山駅前アクション・ 原発いらない金曜日)による「民衆の唄」アピール。

 鵜飼哲さん(一橋大学教員)は、「東京五輪の延期のプロセスは非常に問題だ。延期を決めたとたんにコロナ感染人数が増えだした。多くの人がおかしいと思っている。支配者にとって都合が悪いときは、数字をいくらでも改ざん、隠されてきた。福島原発事故以降、このことを経験してきた。全く同じことがコロナウィルス問題でも起きている。オリンピックと結びついて世界的な感染症の拡大が繰り返されてきた。リオデジャネイロオリンピック(2016年)のときジカ熱の感染拡大が危惧されていたが、WHOが延期、中止の勧告しなかったことで批判されている。長野オリンピック(1998年)の時もインフルエンザの拡大があったにもかかわらず行った。七年前、福島原発事故被害を隠すために安倍首相は嘘をつき、今度はコロナウィルスに打ち勝ったことにして東京五輪をやろうとしている。こんなでたらめがあるか。現在のままコロナ感染が拡大していけば医療崩壊は必至だ。またしても人々に犠牲を強要しようとしている。本当に許せない」と糾弾した。

 黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)は、「五輪は延期になったが、中止だ、廃止だ。オリンピックは、福島の大惨事を隠すためにやるということが福島にいるとよくわかる。オリンピックに使うカネがあるなら、被災者のために使え。公営住宅に入れて、今度は出ろと言われている。被災者が訴えられているというとんでもないことが起きている。子どもたちの健康被害の問題もいいかげんな扱いだ。オリンピックをやっている場合じゃない」と強調した。

 谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)は、「オリンピックの延期はオリンピック憲章にない。まともにみせようということで2020東京をそのまま二一年に延長して使う。バッハIOC会長は、自ら破るデタラメぶりだ。IOCは、大会をやるごとに一兆円近くのカネが入ってくる。だから、それが入ってこなくなると困るので延期にした。全てカネが根源にある。安倍首相は、政治利用のためであることは明らかだ。マネーファースト、国家ファーストによって堕落してしまったオリンピックだ。あまりにも選手たちが可哀相だ。いいかげんにオリンピックを止めさせ、これからどのようにスポーツのあり方があるのかを追求していくきっかけにしていこう」と呼びかけた。

 最後に「原発いらないいのちが大事の歌」を合唱し、トーク・リレーを終えた。

「聖火リレーと五輪災害」集会

 引き続き、郡山市総合福祉センターで「聖火リレーと五輪災害」をテーマに集会を行った。

 鵜飼哲さんは、「『聖火』を人質に取った『復興』五輪」について取り上げ、①「聖火」はどのように日本に運ばれたか ②五輪/「聖火」/リレー ③「原発事故と新型コロナ―災害『克服』という名の災害について問題提起した。

 とりわけ、「2013年に7年後、被災地は『復興』していることにされたように、2020年に一年後、世界は新型コロナを『克服』していることにされた。安倍が意図せずしてバッハにこの理屈を受け入れさせられたのは五輪理念に元来『復興』の観念が含まれているためだ。つまり、五輪は単に利用されているのではなく権威主義国家の優生思想、棄民政策、能力主義と高い類縁性がある。64年の東京五輪準備でも死者が300人以上も出ている。今回の準備でもどれだけの犠牲者が出ているのか」などの問題点を浮き彫りにした。

 谷口源太郎さんは、「1月2日、国会で安倍首相が施政方針演説を行った。オリパラを乱発した。とくに『国民一丸となって』ということを強調していた。『復興』の象徴としてJビレッヂからスタートする聖火リレーだと言っていた。とくに『子どもたちの笑顔があふれている』と表現していた。Jビレッヂは、原発事故の工事拠点として使った場所だ。工事拠点をとっぱらい、『復興』の拠点にするために聖火リレーの出発点とした。東電は一切、除染していなかったことが環境団体によって明らかにされた。汚染物質がたくさんあるのに聖火リレーのスタート地点にし、子どもたちを動員しようとしていた」ことなどを厳しく批判した。

 へびいし郁子さん(郡山市議/「虹とみどりの会」)は、「メディアも東京五輪と聖火リレーの宣伝を繰り返し行っていた。福島の聖火ランナー(200数人)の写真を一人ひとり掲載するほどでオリンピック一色だ。郡山市長が外出自粛を要請していたが、先ほどの駅前アピールでのビラの受け取りはいつもよりよかった。連絡会のとりくみがあって、大変感激し、力強かった。オリンピックは、安倍首相の数々の悪政を隠すための政治利用だ。オリンピックは中止しかない。」と批判した。 また、郡山市議会に対して「新型コロナ感染症による社会・経済影響は深刻 医療・食・住居の保障を!」などの要求実現に向けて取り組んでいることを報告した。

 さらにトークは、黒田節子さん、中路良一さん(郡山教組)、桜井大子さん(連絡会)、稲垣絹代さん(沖縄)、中森圭子さん(神奈川)、くわばらよもぎさん、斉藤春光さん(いわき)から行われた。最後に主催者から今後の行動提起を受け、終了した。

(Y)

【フランス】国際女性デー 新たな闘いの宣言 暴力への対決で抵抗新たに高揚

1(高揚したパリ3.8国際女性デー闘争2020)







国際女性デー 新たな闘いの宣言

ペネロペ・ドゥガン

暴力への対決で抵抗新たに高揚

 近年における女性運動の新しい高まりは、暴力の問題によって大きく推し進められてきた。二〇一五年のアルゼンチンにおける「ニ・ウナ・メノス」(一人も欠けさせない)の第一宣言以来、挑戦課題は、その経済的、社会的、国家的、家庭内、またジェンダーの諸形態をとった女性に対する暴力に向けたものになった。二〇一六年、ポーランドの女性は中絶の問題で決起し、最初の女性ストライキが起きた。

 これらには、二〇一七年一月のトランプ就任式典に対する諸々のデモ――米国内だけではなく国際的にも――が続いた。二〇一七年の国際婦人デーでの国際的女性ストライキ呼びかけと同年九月の「#me・too」運動の爆発は、この運動の国際的拡大のもう一つの段階を刻みつけた。

 われわれは、気候運動の中に、アルジェリア、スーダン、ブラジル、またチリの民主的抗議行動、同じくロジャヴァ(シリア圏クルディスタン)女性の闘争の中に、決然とした、そして著しい女性の存在を見てきた。われわれはまた、フランスの黄色のベストの中の、あるいは年金「改革」反対の運動の中の女性を忘れてはならない。そして重要なことだが、ラテンアメリカ、スペイン、イタリア、スイス、ベルギーでは諸々の運動が女性ストライキを呼びかける声を上げてきた。

システムにノー 女性ストライキ

 フェミニストストライキの呼びかけは、全体としての、またさまざまな道筋で特に女性に害を及ぼしている、その新自由主義政策に反対する反抗の前線に女性がいる一つの時期と関係している。女性ストライキは、「#me・too」、賃金と所得の不平等や緊縮の効果の姿をとった経済的暴力、国家的抑圧、自身の肉体を支配する女性の権利に対する暴力の形をとった社会的暴力、そして過剰消費により引き起こされたものも含む地球に対する暴力、これらの暴力との間に結びつきを作りつつ、ジェンダー的暴力に異議を突きつけている。それゆえフェミニストストライキの呼びかけは、職場での作業停止という観念の先まで進み、それは、全体としてのシステムに対する拒絶を象徴する行動の一方法となっている。

あらゆる波と同じようにこの波は不均等だ。いくつかの地域では長続きする影響力をまだ獲得するにいたらず、他のところでは下降を経験中だ。しかしアルゼンチン、ブラジル、あるいはチリでの大規模な諸決起、あるいは二〇一八年のスペインで数百万人の女性が決起したストライキ、のような高い段階がこれまでに生まれ、他方遅れて始まった諸国は、ベルギーやスイスを例に、二〇一九年にようやく初めてのストライキを作り上げた。

フェミサイド(女性殺人)の高い発生率で悪名高い国であるメキシコは二〇二〇年、ブルジョア報道の中で注目の焦点になっている。しかし現場のフェミニストはもっと慎重だ。行動の呼びかけには、サパティストが組織し、女性と少女に対する暴力に反対する今年の、特に三月八日の共同行動を呼びかけた、「第二回闘う女性国際集会」が加わった。

その呼びかけは次のように述べている。つまり「日、週、月がいつであれ、世界のどこであれ女性は、いつか攻撃を受け、連れ去られ、殺害されるのでは、とびくびくしていることをわれわれは知っている。われわれはすでに、闘う女性には安心がないと確認した。したがってわれわれは、われわれの声を聞き、読み、あるいは注目しているみなさんに、一つの共同行動を提案したい。それは今年のどんな日でも可能だろう。家父長制はわれわれへの虐待を止めない、ということをわれわれが知っているからだ。しかしわれわれは、世界中の闘う女性のこの共同行動を二〇二〇年三月八日に行うことを提案する」と。

ベルギーの運動は、二〇一九年のブリュッセルにおけるうまくいった最初のイニシアチブを受けて、この国の様々な部分における異なったリズムをも考慮しながら、さまざまな現場でのもっと多くのイベントを今めざしている。

フランスのフェミニストは、特に女性がどれほどひどく失うことになるかを示すために、また決起とフェミニストストライキの行動日として三月八日を押し上げるために、年金改革をめぐる運動の中でずっとキャンペーンを行ってきた。とはいえ主要労組は、年金に関する長期に続いたストライキの後を受けたストライキの呼びかけに腰が引けてきた。交通ストが原因で全国会議が計画できなかった期間が長かったことを条件に、全国レベルの協調は難しかった。とはいえ、重要な決起がさまざまな都市で予想されている。

女性決起の伝播ウィルスしのぐ


コロナウィルスのCovid―19の広がりと政府による諸制約を前にイタリアとスイスでは、メッセージを行き渡らせるためにフラッシュモッブスや他の戦術を利用して、さまざまな運動は分散的な諸行動を組織してきた。たとえばスイスの組織、ソリダリテSは次のように説明している。

つまり「今年二月二八日、連邦会議はコロナウィルスの広がりを抑えるために異例の保健衛生方策を取り、一〇〇〇人以上のあらゆるデモを禁じた。結果として、ストライキの活動家たちはこの大動員日に向けて、計画を再構築することを公表した。ソリダリテSはこの日曜日、さまざまな分散的行動に加わるつもりだ」。

再び南からのイニシアチブ


今日あらゆる者の任務は、時を通じて維持され、政治的、社会的現場で強力な主体となることを国際的に確実にする、一つの組織化され包括的な運動を構築することだ。この方向でのイニシアチブがあらためてラテンアメリカから現れている。一月九日から同一一日の間に、チリの三・八共闘が「闘う者たち」の多国民会議の呼びかけを発した。この会合から現れた呼びかけは次のように強調している。

つまり「下記に署名した諸団体は、労働者階級、先住民、黒人や農民の女性、同じく学生、レスビアン、トランス、また異性服愛好者が三月八日と同九日に発進させられた反乱と行動に向けた多くの呼びかけに加わるために結集した。われわれは、支配、搾取、占領、また強奪に対決して世界中に広がり続けているフェミニストの反乱にエネルギーを注ぎ続けるための、共通の戦略構築を求める」。

多様で包括的な国際的運動追求


その呼びかけは、次のように極右の脅威を照らし出している。「それは、マイノリティが集住しているコミュニティ、女性、レスビアン、トランスジェンダーの人々を敵視する憎悪に油を注いでいる」。そしてその極右に対し女性は、違いと経験の多様性を認める包括的な闘いとして今闘っているのだ。

それはさらに進んで、「中東やクルディスタンの女性がロジャヴァの歴史的な抵抗に続いて今行っているように」、女性の人権と自由に対する系統的な侵犯と軍事化に対して反乱するという女性の権利、また政治的暴力としての性的暴力を糾弾しつつ、暴力に対決して女性の肉体と土地を支配するという女性の権利、を例に挙げ、「人生のあらゆる側面をひっくり返すことになると思われる決起の広大な歩みの高まりを求めて」呼びかけを行っている。

それらはまた、「子どものケアの世界的危機、強奪の直接的形態としての債務の高まりと投獄、臨時職化、命の否認」をも指摘している。それらは、「反乱するよう、もうたくさんと言い、ノーと言うわれわれの力をはっきり声にするよう」叫びを上げ、「われわれがこれまであったこととしての同じダンス――悲惨……の管理に関し真に責任ある者たちを示し、われわれの多くの物語と傷跡を共に織り上げるいわば有罪宣告であるダンス――に調子を合わされた前進の道を示すよう」叫びを上げている。

アルゼンチン、ボリビア、チリ、エクアドル、メキシコ、ウルガイの諸団体、同じくクルディスタン、ブルガリア、フランス、またイタリアの他の人々、および米国の国際的な「女性ストライキ」が署名したこの呼びかけは、一つの重要性を示している。それは、あらゆる多様性の中にある全女性を含む一つの運動の建設に、および資本主義と家父長制のシステムを打倒する闘いの中で、これまで歴史的に女性に対し否認されてきた場を含むところで、全面的に自分の場を占めることに、この新しい運動が与えている重要性だ。

▼筆者は、フランスNPAメンバーであると共に、第四インターナショナル執行ビューローの一員、かつ「インターナショナルビューポイント」の編集者。また特に女性プログラムに責任を負っているアムステルダムのIIREスタッフでもある。

(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年三月号)



【第四インターナショナル声明】新型コロナウイルスのパンデミック:やつらの利益を守るのではなく、われわれの生命を守ろう!

rsayFO1R(画像はコロナ医療支援にイタリアに駆け付けたキューバ医師団。3月22日)








新型コロナウイルスのパンデミック:やつらの利益を守るのではなく、われわれの生命を守ろう!


第四インターナショナル執行ビューロー
二〇二〇年三月一七日


 コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、深刻な公衆衛生の問題であり、それによる被害は膨大なものとなるだろう。西ヨーロッパにおいてはすでに、医療システムは崩壊の瀬戸際にある。それがグローバル・サウスにまで拡大するならば、すでに非常に脆弱であった公衆衛生システムが四〇年に及ぶ新自由主義政策によって恐ろしいほどに壊されてきたために、数多くの死者がでるだろう。

 それはこの一世紀でのもっとも深刻なパンデミックとなっている。一九一八年から翌年にかけてのいわゆるスペイン風邪による死者数は、推計は困難だが膨大なものだった。その多くは青年層だった。その影響は、とりわけ第一次世界大戦の直後に深刻となった。新型コロナウイルスによるパンデミックの急速な拡大はとりわけ、資本主義グローバリゼーションや一般化した商品化、そして利潤法則の優先によってもたらされた国際貿易の発展という状況のもとで、新自由主義的秩序や危機の高まりによって引き起こされた人民の抵抗能力の減少によって説明することができる。

 この新型コロナウイルスは二〇一九年一一月はじめに中国で発見された。警告を発しようとした医師と科学者は当初、弾圧され、沈黙させられた。中国共産党がただちに対応していたとすれば、流行の危険は未然に防がれていたかもしれない。

 危険を認めない政策は、中国政府に限ったものではない。アメリカ合衆国のトランプは、この「外国のウイルス」をあざ笑っていた。ボルソナロは、すでにブラジルがパンデミックに巻き込まれていたのに、「サッカー試合を禁止するなんて過剰反応だ」と述べて、法律や医療当局の指示に反して、裁判所や議会に反対する(支持者たちの)デモに参加した。イギリスのボリス・ジョンソンは、はじめのうち「集団免疫」(ウイルスが広がるのを許容し、人口の約七〇%が感染するまで流行するのにまかせる)を提唱していた。彼はあとでこの冷淡で危険なアプローチを変更せざるをえなくなった。ベルギー首相のソフィア・ウィルメスは、長い間いかなる警告にも耳を貸さなかった。

 フランス大統領は、二〇二〇年一月に最初の症例が見られても、すぐには戦略的備蓄(防護服や防護用品……)を補充しなかった。

 東ヨーロッパのあまり感染者が出ていない国の政府は、西ヨーロッパにおける医療危機の教訓から学んでいない。ヨーロッパ連合(EU)は、深刻な打撃を受けているイタリアに対するもっとも基本的な連帯すら組織することができないでいる。イタリアは、国内ではマスクの生産さえしていないのに……。こうした遅れの主な理由は、政府が経済活動や製品輸送を危うくすることを望んでおらず、人々を守るためのリソースを最小限にしようとしていることにある。労働者に対する資本の攻撃としての緊縮政策を続けたいという要求と景気後退への不安の方が、人々の健康を守ることよりも強いのである。

 医学・科学研究がきわめて急速に進歩しているにもかかわらず、新型コロナウイルスの進化について予見するには早すぎる。たとえば、北半球に暖かな天候が到来すれば、ウイルスは弱まるのだろうか? その病気は収束するのだろうか?

 ウイルスは突然変異するのだろうか? もし変異するとすれば、毒性が強まるのだろうか、それとも弱まるのだろうか? 中国で発生した伝染病は、東西に拡散していった。それには、ヨーロッパ、イラン、アメリカ合衆国が含まれる。それらは条件の整っている国である。しかしながら、ウイルスは同様に南の諸国にも存在しており、そこでは、たとえば季節の次の変わり目に、北へと逆流する前に、感染が大きく増加する可能性がある。ワクチン開発には時間がかかるだろう。新型コロナウイルスによる病気が短期間のうちに自然に消え失せることを期待するとすれば、それは無責任である。

 ウイルスは非常にすばやく広がっている。実際に感染している人数と感染が判明した人数との割合は、日常的なスクリーニング検査がなされていないためよくわからない。しかし、その危険性ははっきりと立証されている。病気による致死率は、国によってさまざまである。感染者のうち、八〇%は軽症であり、二〇%が重症化し、そのなかで五%が重篤になり、約二%が死亡すると言われている。高齢者や持病を抱えた人だけに重症化する危険があるわけではない。流行が広がった地域では、もっと若い人々も集中治療室に入れられている。

 主だったメディアや政府は、年齢による致死率の違いに焦点を当てている。しかし、階級の違いに関心を寄せようとはしないし、コロナウイルスに起因する致死率が、収入や資産によって人々にどう影響するかにも注意を払おうとはしない。あなたが七〇歳でしかも貧しいとき、集中治療室での治療にアクセスできて、そこで治療を受けられる保証は、あなたが金持ちであるときとは同じではないのだ。

 人々の中には、新型コロナウイルスの抗体は存在していない。重症化したときの治療には、最先端の設備と訓練された有能な医療スタッフが必要である。こうしたものがなければ(あるいは病院のシステムがパンクすれば)、多くの治療可能な患者が亡くなっているし、これからも亡くなるだろう。

 それゆえ、新型コロナウイルスのパンデミックは、われわれの組織も含めて、すべての進歩的な活動家のネットワークがきわめて真剣に考慮すべきことなのである。流行が広がっているところではどこでも、流行を封じ込め、人々を守るための厳格な方法がとられなければならないし、このことが資本主義経済を機能させることよりも優先されなければならない。すべての国において、起こりうる流行の広がりに備え、政府に真の予防策をやらせるために、最初に被害を受けた国々の教訓を学ばなければならない。

強力な予防計画

 感染が広がったほとんどの国では、準備ができていなかったために、政府は不足分を何とかやりくりしたり、ときには開き直ったりしている。すでに予防計画があるところでは、それを強化しなければならないし、ないところでは予防計画を制定しなければならない。

 こうした計画では、全体としての医療システムの再構築や流行した場合に必要とされるリソースのすべてを動員することが準備されなければならない。とりわけ、すでに深刻な人手不足に陥っている医療サービス従事者をただちに増員する準備をしなければならない。

 病院は、重症者の治療に当たることで、感染と闘う中心的存在のひとつであるにもかかわらず、これまでずっと予算削減や弱体化、民営化にさらされてきた。公的・社会的コントロールのもとで、民間の治療サービス、薬品や医療用具の生産は徴発されなければならない。スペイン政府は、民間病院の病床を徴発する措置をとっている。

 防護服、水性アルコール消毒ジェル、検査キットといった戦略的備蓄は、医療労働者やその他の絶対に必要な労働者、そしてもっともリスクを抱えた人々に優先的に回されなければならない。

 予防計画はまた、医学的・科学的研究をも含んでいる。しかしながら、ここでもう一度言わなければならないのは、緊縮政策によって研究予算が減額ないしはカットされてきたことである。とりわけコロナウイルスの研究予算はそうである。この分野で仕事しているすべての民間企業は公的・社会的コントロールのもとで国営化されなければならない。

 韓国は、流行の動きを理解しできるだけ早く対処するためには、大規模なスクリーニング検査をおこなうことが有効であることを示した。しかしながら、予算の制約があるということは、こうした検査キットの備蓄がたとえあったとしても更新されてこなかったということを意味する。これによって劇的な状況が作り出されている。防護手段が不足しているという状況では、それは装備が不足している医療従事者やその家族のために優先的にとっておかなければならない。

 生活条件を保障するために、家賃、住宅ローン、公共料金の支払いは猶予されなければならない。住宅からの立ち退きをすべて中止させること、ホームレスの人々に必要な家具のある避難所を設けること、不健康な建物に人々を放置しておかないように空き家を徴発することが実施されなければならない。道路上で生活している人々を孤立させたり、どこかに閉じ込めたりしてはならない。

 資本主義経済における問題の蓄積によって準備され、パンデミックによって爆発する経済的・社会的危機の到来が、さらなる富の集中と社会的権利の破壊の機会であってはならない。むしろ、進歩的勢力は、リソースの再分配と公共財に基礎を置く解決策を求めなければならない。

 最後に、流行の急速な拡大を考えるならば、社会的接触や旅行を制限する極めて厳格な措置や経済活動の急激な縮小が実施されなければならなかった。それゆえ、計画の中には、貧困の拡大を防ぎ、医療危機の際に誰一人として貧困のまま放置させないために、人々への大規模な援助が含まれなければならない。これは、賃金労働者とフリーランスの労働者のいずれにも適用されなければならない。こうした規制にかかる費用は、利潤や企業収入、大金持ちへの増税によってまかなうべきである。

社会的自己組織化の大きな重要性

 われわれは、当局が人々の医療や社会保障を守るため、必要なすべての措置をとることを要求しなければならない。しかし、こうしたものだけに頼ることほど危険なことはない。社会構成者の独立した動員が不可欠である。

 労働運動は、すべての不必要な生産と輸送を中断させるために、どうしても必要な労働職場には最大限の安全衛生条件を確実に遵守させるために、全面的ないしは部分的な失業の場合にも労働者の収入と労働協約が確実に十分に維持されるために、闘わなければならない。すでに自動車のような不必要な生産をおこなっている労働職場を閉鎖することを要求して、ストライキが発生した。たとえば、バスク州のビクトリアにあるメルセデス・バンツ工場がそうである。他のところでは、たとえばフランスの病院やスコットランドのごみ収集の場において、どうして必要な労働に従事する労働者が、より安全な条件を要求して行動を起こした。

 地域組織は、多くのレベルにおいて不可欠な役割を担っている。それらは人々が置かれている孤立を打ち破るのを助ける。とりわけ自宅隔離の期間中に家事や子育てというもっと重い束縛を引き受けざるをえない女性の孤立を打ち破るのを助ける。地域組織は、レイシズムや外国人嫌悪、LGBT+嫌悪と闘うことによって、不安定な、移民の、登録されていない、差別されているマイノリティが、受ける資格のある保護から確実に排除されないようにすることができる。地域組織は、自宅隔離によって暴力を振るう配偶者と一緒に過ごすことになり、自宅が死に至る刑務所になってしまう女性を助けることができる。地域組織は、「社会的距離をとる」という日常的な行為が確実に尊重されるようにすることができる。

 これまでなかったことだが、近隣地区やマンションにある草の根組織が、援助を申し出る人々と助けを求める人々(高齢者、障がい者、隔離中の人)とをつなげるという例がさまざまな国、たとえばイギリス・オランダ・フランスにおいて多く見られる。イタリアでは、実際の援助とならんで、バルコニーからみんなで歌うことを通じて、コミュニティが一緒になって孤立を打ち破り、連帯を示そうとしてきた。

社会運動は、どんな手段が効果的で不可欠なものであり、国際的な交流を励ますのかを知るために、独立した医学的・科学的知見を信頼できなければならない。医師と研究者は、社会運動にかかわらなければならない。

 最後に、社会運動の自己活動は欠くことのできない民主的保証である。大国の専制主義は、効率の名のもとで医療危機の際に強化される可能性がある。可能なもっとも広範で単一の動員によって、この支配的な傾向に反対しなければならない。

資本主義社会の世界的危機

 パンデミックは、社会にとっての重要な試金石を示している。北イタリアのロンバルディの状況は、支配的秩序に何が起こっているのかを端的に示している。ロンバルディはヨーロッパでもっとも豊かな地域の一つであり、もっとも充実した病院システムの一つを有している。にもかかわらず、この病院システムは新自由主義的政策によって弱体化させられてきた。病院は、重症患者が殺到することで身動きが取れなくなり、麻酔鎮痛集中治療学会が、患者を選別して、生存する望みのある患者だけを治療し、そのほかの患者は死ぬに任せるという指示を出すほどまでになっている。

 これは、事故のあとに、救急労働者が多数の犠牲者の中から最初に治療するものを決めなければならないときのような一過性の状況ではなく、もし政策が別のものであったならば避けられたかもしれない制度的失敗なのである。平時において、必要なものが不足することによって、全員を助けるのを放棄する戦争医学が必要となっているのだ。これが、世界でもっとも経済的に豊かで、医療が発達した地域の一つで起こっていることである。そして、明日のヨーロッパのどこででも起こりうるのだ。

資本主義支配秩序への明確な非難

 問題は、新型コロナウイルスのパンデミックが、明日にでも「正常化する」のかどうかではなく、どれだけの死者を出して、どれだけの社会的激変の犠牲を払ってなのかということである。というのは、われわれは大きな流行(SARS、AIDS、新型インフルエンザ、ジカ熱、エボラ出血熱……)が繰り返し発生する時代に生きているからである。慢性的な医療危機の状態は今日、世界的なエコロジー危機(地球温暖化はそのひとつの側面)、永続的戦争状態、新自由主義的グローバリゼーションの不安定さ、資本の「金融化」、債務危機、基本的社会構造の不安定と脆弱さの増加、ますます専制的になる体制の増加、差別、レイシズム、外国人嫌悪などと結びついている。

 医療危機と闘うことは、多国籍企業や製薬業界ロビー、工業的農業と具体的に闘うことを必要とする。工業的農業は、均衡のとれたエコシステムを可能とする小農民のアグロ・エコロジーやアグロフォレストリーに敵対しているからである。それは、都市改革において、不健康なメガシティに終止符を打つことを必要とする。一般的には、利潤論理に無料の治療を対置する。いかなる病人も社会的地位にかかわらず無料で治療されなければならない。われわれの生命はやつらの利益なんかよりも価値があるのだ。

 エコ社会主義は、資本主義社会のこの世界的危機に対するオルタナティブを表現する。医療危機への対応は、このオルタナティブを実現するための他の分野の闘いと一体となった動員であるべきである。そのようにエコ社会主義者、フェミニスト、労働者の闘いを一つにすることは、その目標として、われわれや地球を殺しつつある資本主義システムの廃棄と新たな社会の建設を掲げなければならない。


(「インターナショナル・ビューポイント」三月一八日)

【転載】石井紀子さんの急逝を悼む

石井紀子山口幸夫さんの「石井紀子さんの急逝を悼む」を三里塚大地共有運動の会のBLOGから紹介します。
 https://kyouyu-undou-no-kai.blogspot.com/2020/03/blog-post.html

 写真は、2020年1月12日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)主催の「2020反対同盟旗開き」(横堀農業研修センター)で発言する石井紀子さん。


石井紀子さんの急逝を悼む


信じたくないことだが、三里塚の石井紀子さんが3月11日の夕刻、帰宅途中に交通事故で亡くなった。1952年12月18日生まれ。67歳と2カ月の人生を、差別と闘い、三里塚を闘い、全力で駆け抜けていった。

全共闘運動が盛んだった高校生時代に社会主義研究会に入り、70年安保、制服廃止、卒業式粉砕などをたたかって71年に法政大学に入学。そこは学生運動のメッカだった。田中美津のウーマン・リブ運動に共鳴し、学内に女解放学生戦線をつくって活動した。

三里塚には71年の第2次強制代執行阻止闘争に労学連を通して、リブの人たちと一緒に参加。現地に行ってみて、三里塚は男の闘争でしかないとリブの人たちは労学連と分れ三里塚を放棄したが、紀子さんはその理屈に納得せず、独りで三里塚に通った。

学内で議論に明け暮れている男たちとは違う魅力が青年行動隊にはあり、青行のひとりの石井恒司さんと75年に結婚。反対同盟の農家の嫁という立場になって、「百姓を一人前になるには10年かかる」、「この仕事は二、三年たたないと出来ないから」などと、さんざんに苦労する。

わたしが紀子さんと出会ったのは76年にワンパック野菜の産直運動が始まってからである。小泉英政さんが、ベトナム行き戦車を阻止しようとする相模原の「ただの市民が戦車を止める」会と「くらしをつくる会」の運動に共感して、始めたのがこの運動である。誤解を恐れずに言うと、小泉さんは三里塚闘争の行く末を考え、展望がなかった青行に希望を抱かせ、ワンパックという運動を始めたのである。石井恒司・紀子さんはワンパック野菜運動に最初に共鳴した夫婦である。

この運動に現地で加わったのは、小泉美代、島寛征・ひさ子、石井新二・順子、小川直克・篤子、山口義人、染谷かつ、田中富美、下野啓子、守田力、外山哲さんらである。

97年、小泉さん夫婦はワンパックを離れ循環農場を始めたが、ワンパックという名前は残った。その後、ワンパック農家も入れ替わりがあり、恒司さんと離婚したのち、紀子さんはワンパックに野菜を出荷し続けながら、三里塚の情報を発信し、独自の紀子パックを始めていた。

ワンパック野菜に初めから熱心に取り組んでこられた近藤悠子さん(元婦人民主クラブ代表)が去年11月に亡くなった。近藤さんを尊敬していた紀子さんは、お通夜の晩と翌日のお葬式に三里塚からかけつけてくれた。たいへん思いやりのあるひとだった。

ワンパック野菜に入ってくるチラシ「本日の野菜」には生産者の声が交代で載る。紀子さんが書いた最後の記事は1月29日付で、「冬の畑」と題して、三里塚の四季の畑の様子とその中の暮らしを生き生きとつづり、「大好きな冬の畑に今日も出かけていける幸せな日々です」と結んでいる。その幸せの日々は終わってしまった。謹んでご冥福を祈る。
                           
(山口幸夫、2020年
3月)

報告:被災者・被災地切り捨ての『復興五輪』反対!3・11を反天皇制・反原発 の日に!

3.11② 3月11日、星陵会館で「被災者・被災地切り捨ての『復興五輪』反対!3・11を反天皇制・反原発の日に!」(主催:3・11行動実行委)が行われ、61人が参加した。

 安倍政権は、この日、国立劇場で「東日本大震災九周年追悼式」を秋篠宮夫婦、政府関係などの出席で実施する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ必要があると判断して中止にし、追悼式に代わる献花式を首相官邸で行った。

安倍首相は、談話で「防災・減災、国土強靱化を進め、災害に強い故郷を創り上げてまいります」と強調し、原発事故を引き起こした国家責任・原発企業責任に触れることもなく、過去のものとして葬り去ろうという狙いだ。すでに政府主催の「追悼式」は、来年で10周年となり終えることを明らかにしている。

 秋篠宮の式典出席は4回目であり、皇嗣として初めての出席の予定だった。秋篠宮の出席は、「天皇代替わり」キャンペーンの延長のうえで式典を天皇制賛美の一環として作り上げ、被災者に「寄り添う」ポーズをとりながら原発事故責任を覆い隠し、天皇制による民衆統合の役割を振舞うことでしかない。

 式典は中止になったが、実行委はこのような政治的意図を許さず、「政府・東電・電力独占の責任を隠ぺいし、原発を推進する『皇族出席の追悼式典』・一斉黙祷反対!」を掲げ、集会とデモを行った。

 集会は基調報告から始まり、以下のポイントを提起した。

 ①「復興」と原発政策推進に「国民」を向かわせる政治的意図のもとに行われる儀式。原発事故責任への抗議や怒りを封じ込めるための「追悼」動員であり、それに従わないものの排除、切り捨てだ。

 ②東電は住民・労働者の健康被害の責任をいっさい拒否。福島第一原発の労働者は、溶融燃料取り出しなど高線量下での危険な作業が予定され、労働者被ばくが深刻化している。

 ③聖火リレーのスタートを「復興のシンボル」として原発事故の対応拠点としていた「Jビレッジ」とし、オリンピックで野球とソフトボールの一部試合を福島市でおこない「復興」をアピールしようとしている。

 ④「象徴としての務め」という天皇の「非政治的」政治の拡大と権力性の強大化は、象徴天皇制を超えた元首性を天皇に付与し、戦争国家の要素となった。

 ⑤オリンピック・パラリンピックで天皇が、「国家元首」として世界に向かっ
て開会宣言を行う。それは原発事故責任追及ではなく、「国難」と「復興」に立ち向かう「国民」の一体性をつくりだす国民の融和(「復興五輪」)と、天皇制と一体となったナショナリズム=国威発揚だ。

 鵜飼哲さん(一橋大学教員)は、「福島原発事故隠しの東京オリンピック・パラリンピックと天皇制」というテーマで講演した。

 鵜飼さんは、①2013年9月、五輪招致決定②「復興五輪」と天皇制③惨事便乗型資本主義と祝賀資本主義について批判。

 さらにグリーンウォッシング(欺瞞的な環境配慮)を取り上げ、「五輪組織委
員会は、『環境五輪』の例として新国立競技場には木がたくさん使われている。だが、熱帯雨林を破壊、多摩川河口の橋建設で干潟が減少、しじみの減少へと追い込んだ。外国人記者から『グリーンウォッシング』だと批判された。コロナウィルス等、周期的に発生する感染症は、世界的な森林破壊による野生動物の生育域の縮小が構造的な原因だと言う研究者もいる。『復興五輪』と称して、その一方で福島原発汚染水の海洋投棄強行が迫っている」と批判した。

 また、「国内の少数民族・外国人とオリンピック」について「アイヌの『民族共生象徴空間』は、先住権を認めず、遺骨を返還せず、『文化』のみ多文化主義のアリバイでしかない。沖縄では『聖火』は消失した首里城跡から出発だ。国民統合の強化による反基地運動の切り崩しをねらっている」ことなどを指摘し、東京五輪の反動性を明らかにした。

 池田実さん(元原発労働者)は、「重層的下請け構造と原発労働の実態」について報告。

 「浪江町の除染作業では、工期が迫ってくると下請け会社から『草だけ刈ればいい』とせかされ、いいかげんだった。イチエフ(第一原発)構内の作業に移った。APD(アラーム付線量計)が鳴っても、すぐに慣れてしまう。『白血病など、年間五ミリSv以上が認定基準』とはじめに講習をうけるが、これまでに認定された人はわずか。自分は2014年2月から15年5月まで働いた。累積線量は7・25ミリSvだった。白血病の5ミリSvを上回っている。今も不安を抱えている」。

 「福島第一原発だけでも10万人近くの労働者が入っている。除染労働、中間貯蔵施設、警備も含めて様々な関連労働者がいて被ばく者が増え続けている。ガン、白血病になった人、過労死で亡くなった人もいる。しかし、その補償はまったくない。労災申請もあるが、時間とカネがかり、申請しない労働者が多い、ほとんど泣き寝入りだ。政府・東京電力は、無視し続けている。福島原発労災認定された人の損害賠償裁判(あらかぶ裁判)を支援している。東電は、『放射能の因果関係が認められない。喫煙、食生活との因果関係も考えられる』と居直り続けている。被害者切り捨てを許さない。原発関連労働者ユニオンを作りました。労働者の命と健康、福利厚生、労働条件向上を求めていきたい。今後も被ばく労働者への支援をお願いしたい」と訴えた。

 連帯アピールが「3・11から10年目 原発被ばく隠しを許さない 首都圏行動」、「オリンピック災害」おことわり・連絡会、4・28━29行動実行委員会、ピリカ全国実・関東グループから行われた。

 集会後、デモに移り、千代田区一帯にわたって「追悼式典・一斉黙祷反対!復興五輪反対!3・11を反天皇制・反原発の日に!」などのシュプレヒコールを響かせた。

(Y)

中止となりました【アジ連4.17公開講座】入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義

3↓企画はコロナ対策のため、中止とさせていただきます。
ご理解のほどよろしくお願いします。



アジア連帯講座:4.17公開講座


入門:気候危機に立ち向かうエコロジー社会主義


 講師:寺本勉さん(ATTAC関西グループ事務局員)

4月17日(金)、文京区民センター3D/午後6時半

アジア連帯講座 東京都渋谷区初台1-50-4-103
新時代社気付

TEL:03-3372-
9401 FAX:03-3372-9402

アジア連帯講座ブログ:「虹とモンスーン」 http://monsoon.doorblog.jp/ 


 世界中で「異常気象の日常化」ともいうべき現象を激発させています。

 日本では、昨年は冬の厳しい寒波に始まり、夏には記録的な猛暑・豪雨、そして巨大台風の上陸と立て続けに異常気象に見舞われました。この背景には、地球温暖化に伴う気温の上昇、日本周辺での海水温上昇による水蒸気量の増加があることは明らかです。

 世界的に見ても、北半球が記録的な高温となり、北極圏でも30℃を超えるかつてない高温を記録しました。各国で高温・乾燥による山火事も多発しています。

 こうした地球温暖化による諸現象に対してヨーロッパなどでは、高校生らを中心にした「未来のための金曜日」運動が展開されています。この運動に参加しているスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんは、「気候危機は危機として扱わなければならない!今のまま気候変動が進めば、まともな未来なんてないかもしれない」と訴え、毎週金曜日に学校を休み、スウェーデン国会前で、政治家がもっと気候変動を食い止める政策を実行するように求めています。

 COP25(国連気候変動枠組条約締約国会議/スペイン・マドリード/2019.12)では「国別の温室効果ガス削減目標を引き上げる機運の醸成」と「市場メカニズムによる排出量取引のルール作り(パリ協定第六条の具体化)」を獲得目標にしていました。

 すでにCOP24を前に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)特別報告書は、パリ協定で目標とされた1.5℃の気温上昇にとどめるには、世界のCO2排出量を2020年までに45%削減(2010年比)し、2050年ごろまでに実質ゼロにする必要があると強調していました。

 だがCOP25は、国別削減目標の大幅な引き上げを明確に義務化することはできませんでした。「各国の事情に応じて」とか「可能な限り」とかの表現を用いて、削減目標の引き上げを事実上回避できる内容です。

 日本の小泉環境相は、COP25で脱石炭や削減目標引き上げを表明できず、環境NGOから「化石賞」を受賞するほどです。そもそも日本政府は、「第五次エネルギー基本計画」(2018年7月)で2030年における電源構成の中での原発の比率を20年22%、化石燃料の比率を56%にするという目標を掲げ、脱化石燃料にも、脱原発にも真剣にとりくむつもりがないことを明らかにしています。

 その現れとして安倍政権は、東京五輪と「復興」をリンクさせ、福島第一原発事故などなかったかのようにキャンペーンを繰り返しています。さらに東京電力による原発事故被災者への補償と生活保障、除染・廃炉労働者の賃金・権利・労働条件・労災補償などの後退を無責任に容認している始末です。原発マフィアと一体となって原発再稼働へと加速化させています。地球温暖化阻止とともに脱原発運動を拡大させていかなければなりません。

 寺本さんは、「異常気象の日常化」が地球温暖化による気候変動の一部であり、まさに地球のエコシステム(生態系)自体に亀裂が生じている結果と強調しています。気候変動を食い止め、クライメート・ジャスティス(気候正義)を実現する運動作りを訴えています。また、運動のスローガンである「システム・チェンジ」を現実の目標としていくためにエコ社会主義(社会主義とエコロジーを結合させた新たな社会の展望)という考え方を提起し、運動の中において脱石炭・脱原発・気候危機との闘いと反緊縮運動とを結びつけていくことが重要だと提起しています。

 講座は、地球温暖化STOP、クライメート・ジャスティス運動に向けた入門編として設定しました。ぜひご参加ください。

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【韓国からのオピニオン】新型コロナウイルス:崩れた公共医療、脆弱になった世界

韓国医師すべての中国人を阻もう? 拡散する見当違い

ウ・ソッキュン人道主義実践医師協議会共同代表へのインタビュー


毎日新型コロナウイルス関連のニュースが更新され、国全体の耳目がこの感染症に注がれている。その中で広がっている不安心理をもとに「中国人入国を源泉封鎖しよう」という主張も広がった。漠然とした恐怖ではなく、科学的根拠に基づいて、事態の本当の原因を確かめてみる時だ。現職医師でもあるウ・ソッキュン人道主義実践医師協議会共同代表に会って、この事態の原因からムン・ジェイン政府と中国政府の問題点まで話を聞いた。



Q 新型コロナウイルス事態が続いているが、「中国人入国を食い止めろ」とい
う感情が広がるなど、中国人に対する反対や嫌悪も大きくなっている。現職医師でもある立場から、科学的根拠に基づいて見ると、今拡散している「中国人拒否」の動きについてどう考えていますか。


毎日状態が変化しているが、現在の中国の資料を見ると、ウイルスが他の地域に伝播しているのは、主に武漢の人々の移動によるものである。湖北省を除けば、地域社会の感染は限定的であり、入国禁止を、中国の他の地域にまで拡大するのは、科学的根拠がないと思う。また、現在、日本やタイ、シンガポールに行ってきた後、感染された人がいるが、それでは、このすべての国にも入国禁止措置をとるだろうか?

そして、今回の事態について、中国人の食習慣への批判も多く出ているが、このウイルスがコウモリから直接移るわけではない。コウモリを食べて生じたものではない。SARSやMERSのような中間の媒介の役割をした何かがある。例えば、ヘビの話もあるが食べるために飼われているヘビや生きている山の熊の胆汁を飲むように、一部の韓国人もしていることだ。食習慣に原因を求めるのは科学的ではない。

このような主張はむしろ真の原因を覆い隠すことになる。真の原因は、中国の貧富の格差と公衆衛生の問題である。現在、中国は米国との覇権競争でものすごいお金を空母など軍備に注いているが、それに反して、公共医療や公衆防疫、健康保険システムは、非常に脆弱である。例えば、韓国の医療民営化論者が中国には営利病院が多いとうらやむほどだ。今回の事態は、市場化‧営利化された医療システムがどのように大きな災害をもたらすことになったのかを示すものである。批判の焦点は、普通の中国人民にではなく、中国政府に向けなければならない。

Q ムン・ジェイン政府が武漢に住んでいた韓国人を輸送してシンチョンとアサンにしばらく隔離措置することで、地域政界の反発などもあった。同胞たちの受け入れを「感染拡散」と規定して非難する一部の政治家の行動はむしろ不安と恐怖、さらに嫌悪と排除を助長することになるのでは。

今回の事態について、北朝鮮が国境を閉じたが、北朝鮮がそのような措置をとるしかないのは、病院や陰圧設備のような医療インフラが非常に不足しているからだ。北朝鮮は、SARSの時も、国境を封鎖した。

事実、武漢から入国する場合であっても、感染の症状がなければ隔離対象ではな
く、監視対象であるだけだ。ところが、あまりにも不安感が激しくて政治的理由などを考慮して隔離される。

もちろん地域住民の反対を利己主義だと批判だけすることは難しい。現代感染症への対処で非常に重要なのが「危険疎通と地域社会の参加」だ。危険疎通の最初がまさに地域社会の恐怖や不安を尊重することだ。地域住民に対して「あなたがたは無知だ」という態度ではだめだ。不安を尊重しながら説得する過程が必要で、政府が地域住民を決定過程に参加させ、しっかりと説得しようとする過程を踏まなければならない。一方、地域社会の経済的損失も発生することがあるが、住民が一緒に参加して例えば政府に補償を求めることができる経路などを用意しなければならない。「無条件でだめだ」態度は、科学的根拠はないが、だからといって「無条件で行え」とすることも困難である。住民の不安を解消することができるように十分に説得しなければならない。

Q 公共医療の観点から見て、感染症への対処で、過去のウイルス事態以後良くなった点はありますか。

現在、韓国で国家指定の陰圧病床が198病床ある。ところが、この程度では感染症に適切に対処することは困難だ。伝染病が発生した場合、患者のほか、密接接触者や感染者ではないが、感染が疑われる患者が多く生じるが、これらを陰圧病床に移して検査しなければならない。

この陰圧病床を増やしたのがMERS事態以後のパク・クネ政府の時だった。ところが、その後は増やさなかった。パク・クネ政府の時、医療法施行規則を改正し、2018年までに300病床相当の陰圧病床を備えるとして、100病床相当の陰圧病床を一つずつ設置することにした。ところが、陰圧病床を新たに建てるのではなく、移動型にすることもできるようにしたが、実質的に使えない陰圧病床も多い。市道の指定陰圧病床の現況が数百と出ているが、そのうちのどれだけ正しく使うことができるのかを明確に知ることはできない。

そもそも民主党の公約では中央感染症専門病院と圏域別の感染症専門病院、地域拠点公共病院を立てるということであった。しかし、この約束芽忘れられた。この政権に入ってから公共病院は一つも建てられていない。この政権が前政権よりもそれでも良いのは感染者の移動経路などの情報をすべて明らかにするということだ。しかし、公共医療インフラを一つも増やしていない。振り返ってみると、政権毎に伝染病が一つずつ切迫しているが、ノ・ムヒョン政権時のSARS、イ・ミョンバク政権時の新型インフルエンザ、パク・クネ政権時のMERSは、今のコロナウイルスまできた。このような状況なのにどうして公共医療インフラを増やさないのか分からない。

公共医療インフラを増やすお金がないというのは嘘だ。たとえばウイルス事態でGDPが約0・25%減少した。これだけでも数兆ウォンに達する。そのお金を公共医療インフラに使えば、1年に1兆ウォン当てても公共病院をいくつかずつ建てることができる。公共病院拡充や新設の問題が出てくれば、常に病床が残らないかは、問題が提起される。それでは、逆に聞きたい。病床が残ると言うならば私立民間病院病床はなぜずっとやりたいように黙って置いておくか? 公共病院を建てるときにのみ「病床が残るのに、なぜ作るのか」という話をする。

何よりも、この政権は、保健医療分野をさらに市場に任せる政策を展開している。
あらゆる規制緩和と遠隔医療そして、大学病院の営利技術持株会社設立を通じた事実上の大学病院営利化まで推進する。さらに、データ3法を通過させて、健康関連の個人情報を、民間の保険企業に渡して健康管理サービスを民営化するガイドラインを作るなど、民営化一色である。公共医療に投資する考えはまったくないし、自分の公約も無視している。パク・クネ政府の時の医療民営化政策を創造経済という名前で革新経済だと名付けて、バイオヘルス3台を投資分野としながら、より洗練させて進めている。


ムン・ジェイン政府も人種主義的政策から自由ではないようで中国人留学生登校停止措置や大学開講1カ月延期勧告措置がそれだ。これは、他の中国人入国者に比べて同等でもなく、医学的、科学的根拠もない措置だ。寄宿舎の別途使用や寄宿舎の使用禁止のような大学当局の措置は言うまでもない。人種差別的偏見に対する政府の屈服であり、それ自体が、中国人に対する偏見を煽る。人種的嫌悪自体も問題だが、これはまた、市場化された医療システムや私たちの社会の公共医療の不十分さのような本当の問題を覆って、まるで中国人が新型コロナ感染症(コロナ-19)の社会的原因であるかのように見せる効果を生む。

Q 政府と専門家は、共通してマスクの着用や手の洗浄など、主に個人衛生に気を使ってもらいたいと強調している。ところが先日、公共運輸労組が声明を通して提起したように、いざ人が集まる交通機関や公共施設で働く労働者の健康と安全のための措置は、適切に講じられていないようだ。
ある労働者が主に危険に多くさらされているかどうか、この労働者の安全のために必要な措置と国家に対する要求は何でなければならないのでしょうか。


病院では非正規職が非常に多い。一部の国立大学病院では、正規職化がされたが、まだ残っている非正規職にも正社員と同じように保護具を支給しなければならない。もう一つ、正規職と非正規職の差別をなくし有給病気休暇を保障しなければならない。

公共施設や社会サービスに従事している労働者も同じだ。正規職でも非正規職でも関係なく、自分を防護するために手洗いが正しくできるようにスペースを用意しなければなければならない。マスクの場合、医学的効用性については議論があるが、労働者がマスクを必要に応じて使えるように供給しなければならない。

何よりも、病院をはじめとするでんな所でも、感染症の対処で非正規職労働者への差別があってはならない。先に有給病気休暇を保障しなければならないと言ったが、特に公共でも民間でも人を相手にするサービス分野の従事者にはとても重要な問題だ。多くの人に会って接触せざるを得ない、労働者が感染源になれば手に負えなくなる。この労働者に咳のような症状が出た場合は、病院に行くことができるように有給病気休暇がとれなければならない。また、学校休校や休園など家族の面倒が必要な場合、有給休暇が必要である。有給病気休暇保障が重要なのだ。


病院の場合には、人材不足も深刻だ。特に陰圧病室の場合、熟練人材が必要だが、あまりにも不足している状態だ。感染病室に勤務する人々は、ほとんどが過労死することになる。この点でも、公共医療人材が非常に不足している点を必ず指摘しなければならない。かりに地域に公共医療施設を建てる場合でも、今は行くべき人材がいない。すべてがソウルに集まるからだ。


公共医療人材を拡充するには、少なくとも国立公共保健医科大学はもちろんのこと国立医大や医療系列大学に公共人材育成のために定員を30%は増員しなければならない。そして、これらに無償教育を提供しながら、地域の公共医療機関に10年以上勤務するように義務付ける方法も考えられる。このように人材も拡充が求められている。現在例えば予防医学とか感染内科のようなものは開業も難しくお金もかかるので志願者が多くない状況だ。私立(民間)病院では、お金がないので募集もせず訓練もさせない。

ところが、韓国の公共医療病床は10%余りしかない。OECD平均の73・5%
(2018年公共医療資料集)の7分の1にもならない。このように、公共医療施設と人材を増やすことを考えていないから、残るのは労働時間を増やし延長勤労をさせることだけである。今、労働部は防疫と治療関連業務の特別延長勤労申請が入ってくるとすぐにそれを措置しようとするが、既にこの労働者たちは延長勤労をするしかない。前述したよう政権毎に伝染病が突発しているが、事前に備えながら、公共医療‧防疫‧検疫の人員を増やさなければならない。今人材が足りず、軍の人員を投入しているが、それでは軍の医療は誰が責任をとるのか? これは上手なやり方ではない。

Q 過去にも多くの人命を奪った伝染病があったが、2000年代以降だけでも、SARS・鳥インフルエンザ・MERS・エボラ、そして今の新型コロナウイルスまで、短い期間に強力な伝染病が相次いで発生しているようだ。最近の伝染病の発生とその対処における利益中心のこの資本主義システムがどのような影響を及ぼしているか話してください。

韓国から武漢まで通常3〜4時間程度で行くことができる。それほど資本主義はグローバル化を通して、地球を、単一の生活圏のように作った。問題は、それにふさわしい防疫体系や公衆保健システムが備わっていないことだ。今回の事態も中国の不十分な公衆保健システムの結果が韓国にいる私たちにも影響を及ぼしているのではないか。国家間の格差もあり、中国の次元で見ても、その内部の格差も深刻だ。農民工は最初から健康保険から排除されたり、中国政府は、公衆衛生に投資していない中で、営利病院が雨後の竹の子のように生じている。中国の資本主義の問題が結局、韓国にまで直接影響を与えているのだ。

特に中国が公衆衛生には背を向けて、空母、あるいは宇宙戦争のような軍備に莫大な資源を注ぎ込む米国との覇権競争が重要な要因として作用している。それらによる軍事的緊張が世界的にとても多くの資源を浪費することになる。その過程で、公共医療や社会保障は、簡単に無視され、結局この世界資本主義の問題が継続的な新型感染症に脆弱な世界を作り出している。

また、環境破壊で人間が野生動物と接触する機会が多くなって、資本主義的工場式畜産業で豚や鶏などの遺伝的多様性が排除された動物でのウイルス変異が容易に起こり、急速に広がる異常な条件が揃っている。ここに移動手段の発展とでたらめな公衆防疫システムの問題が重なったことがパンデミック発生の真の原因である。

一方、製薬会社も資本主義体制の問題を露出する。例えば今、新型コロナウイルスに対応するため、既存の開発された抗ウイルス剤を投与しているが、この薬がかなり高い。製薬会社は、この特許を握って莫大な利益を享受する。すぐに人を治療するために薬を使わなければならが、特許があるために政府が勝手に作ることもできない。今回も韓国政府は、コロナウイルスに経験的に使用する抗ウイルス薬(エイズ治療薬として知られている)カルレトゥラを生産する多国籍製薬会社アボットなどに会ったことが分かっている。


Q 最後に、今回の新型コロナウイルスの事態と関連して強調したい点があれば一言お願いします。


中国人を憎むのではなく、中国での民衆の苦痛を見なければならない。今回の事態で、中国資本主義の素顔が明らかになった。米国とともに「G2」と呼ばれるが、実際にはその内部では、医療システムも公衆防疫も目茶苦茶だったし、民主主義も機能していなくて、中国政府は、事態初期に隠すのに汲々となってこれだけ拡大させてしまった。中国が自ら主張するように、社会主義であれば、最も民主的でなければならないが、むしろ非常に閉鎖的ではないか。中国の民衆の苦痛をどのように等しく解決するのか心配する時ではないかと思う。

キリスト教の黙示録を見ると、世界の終末の時期に災いを呼び起こす4人の奇士が登場する。まさに疫病、戦争、飢饉、死である。今日を見ると、気候の危機がドック打ち、今すぐ見られるように、病気の危機もある。気候危機は、食糧危機につながるものであり、戦争の危機はいたるところに存在する。そのためローザルクセンブルクが投げかけた問い、すなわち「前近代主義か社会主義か」という問いが浮かび上がる。私たちは、資本主義を超えて変革を苦悶しなければ、人類文明が危機に処するのがますます現実化されるのではないか。今のような伝染病の症状について、自然科学的にだけで眺めるのではなく、資本主義で、なぜこのようなことが度々発生するのか問われなければならない。この資本主義システムが果たして持続可能なのかという問いを投げ続けている。

*インタビューまとめ:イ・ジュヨン(機関紙委員長)

(社会変革労働者党「変革と政治」100号より)
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